4.1 15:00

明治安田J1 第6節 vs. 鹿島アントラーズ
AWAY県立カシマサッカースタジアム

試合終了

鹿島アントラーズ 鹿島
1
2
サンフレッチェ広島 広島
  • 後半24分
    知念
0
前半
0
1
後半
2

試合の見どころ

 連勝街道へ突き進めるか、ポイントとなる一戦だ。26日(日)のルヴァンカップGS第2節・名古屋戦では1-2の敗戦を喫してしまったが、リーグ戦は現在2連勝中。ここまでの5試合で2勝2分1敗の9位と徐々に順位を上げてきた中で戦う相手は、Jリーグトップのタイトル獲得数を誇る鹿島だ。敵地での強豪相手に広島はさらに勢いを付けられるか。楽しみな一戦となる。
 今節の相手は、より強い気持ちを持って臨んでくるだろう。開幕からの3試合で2勝1敗と上々のスタートを切った鹿島だが、直近の2試合は1分1敗と勝てていないだけでなく、ほぼベストメンバーで臨んだ26日のルヴァンカップ・新潟戦は0-1の敗戦。直近の公式戦4試合で2分2敗と下降気味とあっては、そろそろ悪い流れを断ち切りたい思いがあるのは間違いない。特に今節はホームゲーム。優位な条件を活かして鹿島が圧力を強めてくるのは必至だ。
 選手の顔ぶれもやはり力のある選手が揃っている。特に警戒すべきは攻撃陣だ。「オフェンスは強い。知念(慶)が加入して強さが増した印象がある」とミヒャエル・スキッべ監督が語るとおり、アタッカー陣は充実の陣容。前線では強さと上手さを兼ね備えた鈴木優磨と知念を中心に攻撃を繰り出し、右ワイドには昨季まで広島に所属していたスピードスター・藤井智也が君臨。さらに中盤にも土居聖真や荒木遼太郎、樋口雄太など技巧派MFが揃っており、誰が出てきても危険な存在だ。また、最終ラインにも昌子源と植田直通の元日本代表CBを完全移籍で“復帰”させており、厚みが増した。最近は結果が出ていないとは言え、全体的なポジションにしっかり実力者を揃えている。
 広島の勝利のポイントは、相手のパワーに屈しないことだ。広島同様、前線からアグレッシブな守備を志向する鹿島は、ボールを持てば細かなパスの繋ぎに加えて最終ラインから果敢にロングフィードも送り込んでくる。どの局面でもまずは鹿島伝統の球際の強さに負けないことは重要であり、粘り強くゲームを進める必要がある。その上で広島の強みであるコンビネーション&スピーディーな攻めで相手守備陣の攻略に取り掛かれば必ずチャンスは訪れる。試合終盤の2得点で勝利した昨季のゲーム同様、最後までチーム一つになって戦い抜きたいところだ。

監督 試合前日コメント

──鹿島の印象は?
「昨年もそうだったが、すごく危険なチームだと思っている。特にオフェンスに良い選手が揃っているイメージがある。鈴木優磨に関しては、体もあるし、危険な選手だと思っている。それ以外にも速い選手はたくさんいるので、そこは気を付けないといけない」

──その一人である藤井智也選手については?
「彼はすぐにチームに馴染んだ印象がある。広島でプレーしていた時よりオフェンスの役割が多いのではないかと思っている」

──鹿島相手にアウェイでどういう戦いをするか?
「ディフェンスはコンパクトに切り替えを速くすることがカギになる。自分たちのサッカーをやり続ける、相手にサッカーをやらせない、シュートまで持って行かせないことが大事になる」

──前節・柏レイソル戦では誰もが驚く選手起用があったが、明日もサプライズはあるか?
「どうでしょう(笑)。ただ、一番良い11人がフィールドに立つと思ってもらってかまわない。それプラス、柏戦では交代もうまくいった。交代選手によって、またさらにチームのパワーがアップした。鹿島戦もそこは引き続き、やっていきたい」

──カップ戦では負けてしまったが、リーグ戦は2連勝中。さらに連勝を重ねて連戦へ向かいたいところでは?
「そうしたいと思っているが、鹿島も似たような状況。スタートは良かったが、最近は少し落ち気味になっている。明日は勝ったほうが上に行けるので、面白い試合になると思う。上に残るのが自分たちになればと思っている」

ゲームレポート

 広島が粘り強く、我慢強く鹿島を攻略するゲームとなった。
 序盤からサンフレッチェは大苦戦した。「鹿島の今日のパフォーマンスは非常に素晴らしかったと思っているし、90分を通して非常に厳しい試合になった」とミヒャエル・スキッべ監督が振り返ったように、球際では激しく詰め寄り、ロングボールを多用してパワーを持って臨んできた鹿島の戦いに苦労し続けた広島は、ボールを持ってもなかなかゴール前へ進むことができない。前半のシュート数が2本で終わったように、鹿島の圧力を乗り越えることができない中、0-0で前半を終えた。
「相手は強く来ている。もっと早く、簡単にボールを動かそう!」
 ハーフタイム、なかなかうまく攻撃が機能しないことで、指揮官からそう指示を受けて臨んだ後半だったが、流れは変わらなかった。前半以上にパワーが強まった鹿島の攻撃を受け続ける時間が続き、47分の東俊希のシュート以外、まったくチャンスを作れず。さらに69分には、FKから知念慶に頭で合わされて失点する苦しい展開となってしまった。
 だが、この日は1点で凌いだことが大きかった。「鹿島のスタイルがタフだったが、それに対して我慢しながら耐えていたのが挙げられる」(スキッべ監督)と語ったように、広島の我慢が実ったのは86分からだった。失点前に投入していたドウグラス・ヴィエイラに続き、エゼキエウや中野就斗、鮎川峻らを立て続けに投入して巻き返しに図った指揮官の采配が的中して盛り返すと、86分に佐々木翔が獲得したPKをドウグラスが決めて同点。さらに「昨季もそうだが今季も最後の最後まで勝ちに行く姿勢がこのチームには植え付けられている」(スキッべ監督)と、敵地だろうと引き分けに満足せず勝ちに行く姿勢を見せた広島の執念が結び付いたのは88分だった。敵陣地で中野からパスを受けたエゼキエウが最終ラインの背後へ抜け出したドウグラスへ絶妙なスルーパス。これを背番号9は右足で冷静に決めて逆転に成功した。「PKを得て、そこから追い付いた後に、1-1で終わろうとしたわけではない。さらに勝利に向けてプレーしたところが重要だった。チームのキャラクターとして最後の最後まで前に行こうという姿勢を見せられたと思っている」と指揮官も胸を張る逆転劇で広島がリーグ戦3連勝を達成した。

監督 試合後コメント

「非常に闘った、アスリート的な部分でJリーグの中でも高いレベルのゲームだったと思う。ダイナミックな展開が多かったが、ゴール前のチャンスはそれほど多くはなかった。今日の試合に関して言えば、ラッキーな勝利だったと思う。セットプレーから失点し、攻撃的に選手を入れながら攻撃的に戦った結果、勝利することができた。我々のチームは残り20分、それから1-1に追い付いた後、そこからさらに前に行く姿勢を見せることができた。鹿島の今日のパフォーマンスは非常に素晴らしかったと思っているし、90分を通して非常に厳しい試合になった。ただ、それ以上に自分たちのチームの選手を褒めたいと思っている」

──試合展開は鹿島の縦への速い攻めに苦しんでいた。攻撃的に出るために交代選手を送り込んだと思うが、その交代の意図は?
「ドウグラス(・ヴィエイラ)の交代は、入れた直後にFKから失点した。その後の選手交代は、できるだけ前でプレーしようという意図だった。ディフェンシブの選手を代えて、オフェンシブな選手を入れた。最後の20分、同点にしたところや逆転したところまで選手交代はすべてうまくいったと思っている。チームとして監督として、途中交代で入れた選手が活躍してくれるのは非常に嬉しい。特にドウグラスは2点取ったのは素晴らしかった」

──昨季も鹿島との試合では残り10分ぐらいで2点を取って勝利した。今回は逆転で終盤にひっくり返した。試合内容を見ればこの結果は想像しづらかったが、どうして勝てたのか?
「まず鹿島がパワーを持って前に来ていた。鹿島のスタイルがタフだったが、それに対して我慢しながら耐えていたのが挙げられる。試合中、本当に難しかったのが、一番前の選手にボールを当てることやディフェンスラインの裏にボールを出すことに非常に苦労した。ただ、昨季もそうだが今季も最後の最後まで勝ちに行く姿勢がこのチームには植え付けられている。PKを得て、そこから追い付いた後に、1-1で終わろうとしたわけではない。さらに勝利に向けてプレーしたところが重要だった。チームのキャラクターとして最後の最後まで前に行こうという姿勢を見せられたと思っている」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い鹿島でのゲームにも関わらず、約1,200名もの方にお越しいただきました。皆様の熱い声援が終盤の逆転劇へと繋がりました。最後まで力強い後押し、ありがとうございました!

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