4.9 14:00

明治安田J1 第7節 vs. サガン鳥栖
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
0
サガン鳥栖 鳥栖
0
前半
0
1
後半
0

試合の見どころ

 紫軍団が勢いに乗ってきた。リーグ戦3連勝の良い流れの中で臨んだ5日(水)のルヴァンカップGS第3節・神戸戦では5-0の圧勝。リーグ戦の主力がほぼそのまま出場した広島に対し、神戸は11人全員を入れ替えるターンオーバーで臨んできたとはいえ、90分を通して攻守で相手を圧倒する戦いは見事だった。アウェイ2連戦を終え、ホームに帰ってくる今節も中3日での試合が続くが、この勢いを続けたいところだ。
 もっとも、今節も難しい戦いになるだろう。相手の鳥栖は今季ここまで2勝1分3敗の14位と下位に位置しているとはいえ、「やりづらい相手であるのは間違いない」とミヒャエル・スキッべ監督も認める力のあるチームだ。昨季のリーグ戦の対戦成績は2戦2引き分け。ホームで戦った開幕戦では、相手のストロングポイントである流動性のあるパスワークに苦戦するなど「我々の中でワーストに入る試合」(スキッべ監督)となり、最終節では前半に2点を先行しながらも後半に追い付かれて2-2のドロー。2試合とも勝点3を取れなかっただけでなく、苦戦している現実がある。
 戦い方も相変わらず厄介だ。強烈な外国籍選手に頼ることなく機動力のある日本人を主体に戦う鳥栖は、攻守でまとまりのある高い組織力をベースに戦ってくる。前節・FC東京戦でも、ディエゴ・オリヴェイラ、アダイウトン、仲川輝人の強力3トップを組織的かつ粘り強い守備で封じ、攻撃では堀米勇輝や小野裕二、元広島所属の長沼洋一らを中心に流動的なコンビネーションプレーを披露。最後まで一進一退の攻防が続いた一戦は、後半アディショナルタイムの決勝点で鳥栖が1-0で勝ち切っている。「守から攻への切り替えも速いし、セットプレーも危険」とスキッべ監督もそのスタイルを警戒しており、今節も激闘となるのは必至だ。
 広島のポイントは、組織力で上回ること。今節も前線からのハイプレスで鳥栖の特長である後方からのビルドアップを封じることが問われるが、そのためには全体が連動したコンパクトさが必要となる。一方、広島のビルドアップに対しても鳥栖は前からアグレッシブに向かってくることが予想されるが、そこを剥がしていく全体の連係・連動は必須条件だ。鳥栖に負けない高い組織力がカギとなる一戦。「難しい試合になると思うが、勝点3を取りたい」と語る指揮官の下、広島はホームでリーグ戦4連勝を目指す。

監督 試合前日コメント

──神戸戦から中3日だが、選手の状態は?
「コンディションは問題ないと思っている。休みも取れたし、選手は練習をするよりも試合がしたいと思っていると思う。そういう観点からもすごく良い準備ができている」

──鳥栖とは昨季、2戦2分だったが?
「昨季で言うと、開幕戦は我々の中でワーストに入る試合だった。ただ、2-2の同点で終わったアウェイのゲームは、最低限の目標として勝点1を取れば(3位が決まる)という試合だった。プレー自体も悪くなかったと感じている。いずれにしろ、鳥栖はやりづらい相手であるのは間違いないし、守から攻への切り替えも速い。セットプレーも危険だと思っている。難しい試合になると思うが、勝点3を取りたい」

──中3日の試合だが、メンバー構成はどのように考えているか?
「最後の最後までコーチ陣と話して決めたい。全員が良い状況にある。時々、サプライズ的なことをやっているが、今回はそんなに大きなサプライズはないと思う」

ゲームレポート

 サンフレッチェが根気強く鳥栖を攻略した。
 前半から主導権を掌握していたのは広島だった。昨季は2戦2引き分けの鳥栖に対し「やりづらい相手」と試合前にミヒャエル・スキッべ監督は鳥栖を警戒していたが、序盤からサンフレッチェの持ち味である前線からのハイプレスで敵の自由を奪ってゲームは推移。途中まではなかなかシュートまで持ち込めないながらも、相手陣地でゲームを展開していたのは広島であり、鳥栖にチャンスを作らせることなく時計の針は進んだ。
 すると次第に攻撃のテンポが出てきた広島はチャンスを何度も作り出していく。24分、右サイド・越道草太のクロスを受けたナッシム・ベン・カリファが強烈なシュートを見舞えば、27分にもカウンターから背番号13が好機を迎える。さらに攻撃の手を緩めない広島は、野津田岳人のゴール前の直接FKや満田誠の飛び出しなどから果敢に相手ゴールへ襲い掛かった。だが、どれも最後の精度を欠いて得点は奪えず。0-0で前半を折り返した。
「残り45分~50分、得点のチャンスは残っている。どんどん前にパワーを出していこう」
 ハーフタイム、スキッべ監督からそう活を入れられて臨んだ後半は一進一退の攻防となった。選手交代を使いながら盛り返してきた鳥栖のボールを握る時間帯は前半より長くなったが、広島もドウグラス・ヴィエイラやエゼキエウといった攻撃的な選手を早い時間帯から投入して1点を目指す。さらに途中からはケガから復帰したばかりのピエロス・ソティリウも入れてドウグラスとの2トップにして圧力を強めると、この采配が実ったのは75分だった。相手ペナルティーエリア付近で東俊希が相手からボールを奪うと、巧みなドリブルからドウグラスへスルーパス。これを背番号9は豪快に右足を振り抜いてネットを揺らし、ついに先制に成功した。
 その後の広島は追加点を狙いつつも隙のない守備を見せてゲームを進め、危なげない試合運びで1-0で終了。「今日のパフォーマンスに関しては全体的に満足している。ディフェンスは相手のチャンスを潰していたし、ほぼ自分たちの目指す形でサッカーができたと思っている。先発は全員が良いパフォーマンスだったと思っているし、満足しているが、さらに途中から入ってきた選手たちが新しい風を吹き込んだことはより満足している」(スキッべ監督)。点差以上の力の差を見せ付けた広島が、リーグ戦4連勝を達成した。

監督 試合後コメント

「今日のパフォーマンスに関しては全体的に満足している。ディフェンスは相手のチャンスを潰していたし、ほぼ自分たちの目指す形でサッカーができたと思っている。先発は全員が良いパフォーマンスだったと思っているし、満足しているが、さらに途中から入ってきた選手たちが新しい風を吹き込んだことはより満足している。
 相手のサガン鳥栖、川井(賢太)監督は非常に良いチームを作り上げている。戦力は豊富ではないが、その中で良いチームを作り上げているのは素晴らしい。試合前のマッチコミッショナーミーティングのときに、マッチコミッショナーの方が『このカードはここ2年間はずっと引き分けだった』と聞かされた。今日の試合で勝つことができて、嬉しく思っている」

──ピエロス・ソティリウ選手を投入したところで2トップにしたと思うが、その意図は?
「我々は主導権を握っていたが、もう少し相手を苦しめる方法として交代選手を入れていった。その中で、ドウグラスについてもピエロスについても、うまくいったと思っている。それ以外のエゼキエウもアクセントになったし、右サイドの中野(就斗)が入ったことで右サイドからも攻撃ができるようになったと思っている。今日の試合では4人交代したが、すべてがうまくいったと思う」

──リーグ戦初先発となった越道草太選手は元気なプレーだったが、彼の将来について。
「昨季の右サイドの選手二人を移籍で失ったところから、新しい二人が入ってきた。越道も中野も非常にパワフルでダイナミックなプレーができる。これからのサンフレッチェを背負っていく右サイドの選手だと思っているし、そうなってほしい」

──押し込んだ展開の要因として、中盤での競り合いを制していたが?
「まず挙げられるのがディフェンスが安定しているということ。そのため、中盤の選手が勇気を持って当たりに行ける、伸び伸びとプレーできる。GK大迫(敬介)に関しても、すごく自信に溢れていて、それが伝わる良い選手になってきている。そして何よりもやはり最終ラインの3枚がしっかり守れるということ。それがあるからこそ、前の選手たちは勇気を持って前に進むことができると考えている」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

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