4.15 14:00

明治安田J1 第8節 vs. 横浜FC
AWAYニッパツ三ツ沢球技場

試合終了

横浜FC 横浜FC
0
3
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
0
0
後半
3

試合の見どころ

 サンフレッチェが勢いに乗ってきた。前節・鳥栖戦では1-0の勝利を挙げてリーグ戦4連勝を達成。4試合すべて1点差の勝利と僅差の戦いが続いているが、最近になってケガから復活してきたドウグラス・ヴィエイラが2戦連続ゴールを挙げるなど「前線の選手がケガから帰ってきたことで点を取れるようになってきた」(ミヒャエル・スキッべ監督)とチーム状態はまさに上向き傾向。前線だけでなく、現在は各ポジションで繰り広げられている熾烈なレギュラー争いをチーム力へと変えて、ここからも一つずつ勝利を目指すことになる。
 昨季にも一度達成したリーグ5連勝を目指す今節、まさに油断は大敵だ。相手はここまで0勝2分5敗と勝利のない最下位・横浜FCだが、力がないわけでは決してない。前線には得点ランクトップタイの5ゴールを挙げているFW小川航基を筆頭に、攻撃にアクセントを加えるブラジル人MFのカプリーニや近藤友喜と坂本亘基といった勢いのあるワイドアタッカーがいる。さらに経験豊富なMF三田啓貴や元広島所属の和田拓也&吉野恭平など、能力の高い選手は各ポジションに揃っており、その選手たちが四方田修平監督の下で組織的な戦いを繰り広げている。前節・横浜FM戦では後半に5得点を奪われて0-5の大敗を喫したが、前半は堅い守備からのカウンターで試合を優勢に進めていたのは横浜FCであり、「点差ほどの差はなかった」(スキッべ監督)。もともとポゼッション志向のチームではあるが、鋭い速攻も脅威である相手を広島はいかに攻略していくか。
 勝負のポイントは、“我慢強さ”だ。現在の4連勝の内、前半にゴールを奪ったのは第4節・G大阪戦の先制点のみであり、それ以外の5得点はすべて後半30分以降。なかなか相手ゴールをこじ開けられない中でも焦れずに無失点か1失点以内に抑えてゲームを進め、後半に途中交代で入った選手の勢いを加えながら決勝点を奪って勝ち切ったのが4連勝中の戦い方だ。今節も組織だった守備を構築してくる横浜FCに対し、前半から得点を奪えなくても焦ってバランスを崩さないこと。「相手のスタイルに関係なく、自分たちがどういうサッカーをするかが大事」と話す指揮官の下、我慢強く攻撃を繰り出し、勝負を決めたいところだ。

監督 試合前日コメント

──横浜FCの印象は?
「あの順位(最下位)にいるチームではないと思っているし、最終的には降格するチームではないと思っている」

──どこが手強いか?
「攻撃力のある選手が揃っている。選手個人のポテンシャルは高い。できるだけ自分たちがゲームを支配できるように、彼らのサッカーをやらせないようにする必要がある」

──広島の攻撃陣も好調だが?
「できるだけ長い時間、攻めたいと思っている。前線にもケガ人が戻ってきたし、良い攻撃をしたいと思っている」

──5連勝を達成すれば、首位も見えてきそうだが?
「大事なのは1試合、1試合戦うこと。横浜FC戦に集中したい」

ゲームレポート

 今季のサンフレッチェを象徴する会心のゲームとなった。
 “前半は我慢して、後半に突き放す”。横浜FC戦前までのリーグ戦4連勝の内、前半に得点を奪ったのはわずか1点で、残りの5点はすべて後半30分以降と終盤に強さを発揮する紫軍団の勝利の方程式は、この日も健在だった。「前半は横浜FCが前に出てきて、圧を受けた印象がある」とミヒャエル・スキッべ監督が振り返ったように、15分頃までは相手のスピーディーな攻撃を受ける難しい試合展開。開始早々にゴールネットを揺らされたシーンはVARの結果、相手選手のハンドでノーゴール判定となったが、14分には相手のクロス攻撃からヘディングシュートをGK大迫敬介がビッグセーブするなど、ヒヤリとするシーンもあった。
 ただし、ここから広島はようやく巻き返す。ビルドアップにリズムが生まれて相手を押し込む展開へと試合の様相はチェンジすると、満田誠を筆頭に敵陣地へ何度も進出。前半だけで背番号11が4本のシュートを放てば、ナッシム・ベン・カリファや森島司だけでなく、ダブルボランチの野津田岳人や川村拓夢も果敢にミドルシュートを放ってゴールを狙いに行った。
 0-0で迎えた後半、その前半の“ジャブ”が早々に結び付いた。試合開始直後は緩い試合の入りをしてしまったこともあり、「後半は集中して入ること」とハーフタイムにスキッべ監督から声をかけられた選手たちは、その言葉どおりに序盤からエンジン全開。すると、迎えた49分だった。敵陣地へ攻め込んだ森島がエリアの外から強烈なシュートを放つと、相手GKが弾いたボールを右サイドの越道草太が拾って柔らかなクロスを送り込む。このボールに頭で合わせたのは左ウイングバックの東俊希。「素晴らしい攻撃だった」と指揮官も納得の形で先制に成功した。
 こうなれば、試合はもう広島のモノだった。リードした後も相手を押し込み続ける展開で推移。なかなか追加点を奪うことはできなかったが、ここでより勢いを生む采配を指揮官は見せる。直近の2試合で2戦連続ゴールを挙げているドウグラス・ヴィエイラとエゼキエウのブラジル人コンビを70分に投入。同点の展開でも勝利を引き寄せてきた攻撃的な二人を入れて“勝利の方程式”を確立させると、その3分後だった。エゼキエウのドリブルから左サイド・東へとボールが渡ってクロスを送り込むと、エリア内へ走り込んだドウグラスの前にいた相手DFに当たってオウンゴールで2-0。そして76分には、右サイドを抜け出したエゼキエウのクロスを今度はドウグラスが足で合わせて勝負あり。結果的にシュート26本を放って3-0の勝利を挙げた広島がリーグ戦5連勝を達成した。

監督 試合後コメント

「アウェイで横浜FCに勝てて嬉しく思う。前半は横浜FCが前に出てきて、圧を受けた印象がある。ただ、時間が経つにつれて、特に後半に入ってからは自分たちがボールを握って試合を支配できた。後半はチームとして集中して良いサッカーができた。そのため、多くのチャンスを作り出すことができたと思っている。今回は3-0の結果になったが、それに値するパフォーマンスを見せられた。ただ、前半に横浜FCが点を取っていたら、違う形になっていたと思う。GK大迫敬介が前半にシュートを止めたプレーにチームは感謝すべきだと思っている。
 ここから来週も水曜日にルヴァンカップ・神戸戦があり、週末にリーグ・FC東京戦と続くので、そこに向けて集中してやっていきたい」

──先制点はウイングバックの越道草太選手のクロスから東俊希選手が決めたが、今日の両ウイングバックの働きについて。
「1点目は素晴らしい攻撃だったと思う。前回、ここで試合をした横浜FM戦のときも満田(誠)がクロスを上げて、俊希が合わせて点を取った。自分たちのサッカーではクロスのときには中の合わせる選手の人数を多く増やしているが、それができているため先制点の形になったと思う。ただ、何よりも今のチームがすごく良い状態なのは、後ろがしっかり守れること。敬介もそうだし、後ろの3枚が安定している。そのため、前の選手は躍動できているし、そこ(後ろの守備)が肝になっている」

──今日も大迫敬介選手のビッグセーブがあったが、最近のプレーについて。
「敬介は昨年から継続的に成長し続けている。彼のパフォーマンスには満足している。彼がサンフレッチェのGKだということを嬉しく思っている」

──昨季はアウェイで勝ち切れない試合もあったが、今季はアウェイで負けがない。昨季との違いについて。
「説明する良い言葉はない(笑)。ただ、チャンスをしっかりモノにできるようになってきた。昨季もアウェイで素晴らしい試合を展開していた中で、最後のところで決め切れない部分があった。それはホームでも同じことが言えるが、ホームでももっとチャンスを作って点を取っていきたい」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は悪天候の中、横浜まで約1,500名もの方にお越しいただきました。皆様の熱い声援がリーグ戦5連勝に繋がりました。相手に負けない力強い後押し、ありがとうございました!

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