4.22 14:00

明治安田J1 第9節 vs. FC東京
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
2
FC東京 FC東京
1
前半
2
0
後半
0
  • 前半5分
    中村帆高
  • 前半28分
    安部柊斗

試合の見どころ

 まさに広島の調子は最高だ。敵地で戦った前節・横浜FC戦では3-0で勝利し、リーグ戦5連勝を達成。さらに中3日でのゲームとなった19日(水)のルヴァンカップ・グループステージ第4節・神戸戦でも2-1の逆転勝ちで強さを示したチームは、4月に入って公式戦5戦5勝と圧巻の力を見せている。特に広島らしいのが「若い選手が活躍できる構造ができている」(ミヒャエル・スキッべ監督)。ルヴァンカップ・神戸戦で決勝点を挙げたルーキー・中野就斗だけでなく、最近になって右サイドの定位置を奪ったユース出身の高卒1年目・越道草太の躍動など、今は若手が活躍する好循環。塩谷司や佐々木翔を筆頭としたベテラン、中堅、若手が噛み合っているサンフレッチェの勢いは本物だ。
 さらなる連勝で上位キープを狙う今節、ここが一つの踏ん張りどころかもしれない。今節はルヴァンカップから中2日のゲームであり、相手はリーグトップクラスの攻撃力を備えるFC東京。1トップに位置する強力CFディエゴ・オリヴェイラを軸に、圧巻の推進力を見せるアダイウトン、俊敏なアタッカー・仲川輝人、前節にスーパーゴールを見せた渡邊凌磨など、前線のタレントはやはり強烈だ。リーグ戦はここまで2勝3分3敗の11位と満足できる結果を残せていないが、一つのキッカケさえ掴めば上位を狙える戦力が揃っており、「難しい相手であるのは間違いない」(スキッべ監督)。昨季のリーグ戦の対戦成績は広島の2戦2敗。2試合とも相手の大きな武器であるカウンターからアダイウトンにやられており、今節も警戒は必要だ。自分たちのペースで試合を進めていても、一発で試合をひっくり返せるFC東京攻撃陣を抑えることは重要なミッションとなる。
 その上で、広島のスタイルを出し尽くすことが勝利のカギだ。スキッべ監督は言う。「良い準備をして、良いサッカーができた時には、どんな相手でも勝てると思っている」。守備では前から積極的に圧力を掛け続け、攻撃に移ればテンポよくボールを動かし、縦に速く攻め切ること。疲労がある中でもアグレッシブな姿勢を貫くことがFC東京撃破に繋がってくる。1994年以来のJ1リーグ6連勝へ。紫軍団は臆することなく挑む。

監督 試合前日コメント

──中2日の試合だが、選手の状況は?
「コンディションはまったく問題ないと思っている。ルヴァンカップ・神戸戦に勝てたことが重要で、良いサッカーができて、結果も伴ったところから、精神的な疲れもないと思っている」

──FC東京は昨季2度の対戦で悔しい思いをした相手。内容が良くても勝てていない印象だが?
「FC東京は前線にフィジカル的にも強い選手が揃っている。難しい相手であるのは間違いない。ただ、自分たちが良い準備をして、良いサッカーができた時には、どんな相手でも勝てると思っている。明日もやり通して、リーグ戦の上位に残りたい」

──5連勝中は失点も少なくなっているが、守備面について。
「良いGKがいる。それから3バックも安定している。Jリーグの中でもトップレベルの4人がいるということ。そのため、失点が少ないと思っている。FC東京にはディエゴ・オリヴェイラやアダイウトンといった体が強い選手がおり、もう一人は速い選手が出てくると思っている。強い攻撃力を持っているので、彼らをしっかり抑えることが重要なポイントだと思う」

ゲームレポート

 広島が最後まで猛攻を見せた一戦は、あと一歩が足りなかった。
 前半から広島の内容は悪くなかった。開始早々の5分に松木玖生のFKから中村帆高に頭で合わされて先制点を奪われた後も臆することなくサンフレッチェらしい攻撃サッカーを展開。13分には左サイド・東俊希のクロスを逆サイドの越道草太が頭で折り返し、中央で受けた森島司が決定機を迎えれば、その他にもゴール前の野津田岳人の直接FKや森島のミドルシュートなど、果敢に相手ゴールへ迫って行った。そんな広島ペースで進みながら、28分にカウンターから安部柊斗に2点目を決められたのは痛かったが、ホームの大声援を浴びた紫軍団は得点を求めて攻め続けた。すると、広島の攻撃姿勢がようやく実を結ぶ。38分、自陣深い位置からの東のロングフィードにボランチ・川村拓夢が抜け出すと、エリア内へ進出したところで森島へラストパス。これをフリーで受けた背番号10はダイレクトで右足を振り抜いて今季初ゴールを奪取。1点差へ詰め寄ることに成功した。
 1-2のまま迎えたハーフタイム、「逆でもいいぐらいの試合内容。後半もチャンスは作れる。1点、2点取ればいけるぞ!」。そうミヒャエル・スキッべ監督から活を入れられた広島の選手たちは、後半も攻めの意識を持ち続けた。ナッシム・ベン・カリファに代わって後半から投入された1トップのドウグラス・ヴィエイラを起点に得意のサイド攻撃をメインにFC東京へ圧力をかけて押し込んでいく。さらに62分には、エゼキエウと中野就斗を同時投入してさらにパワーを強めるなど、ほぼ広島のハーフコートゲームの様相で試合は推移した。だが、「特に後半は相手にあれだけ引いて守られた、固められた状況を崩し切ることができなかった。非常に難しい状況になってしまった」(スキッべ監督)。ゴール前に人数をかけて守るFC東京守備陣の攻略は難しく、相手を自陣に釘付けにしながらも最後の局面ではゴールは奪えず。そのまま1-2で敗れた広島の連勝は『5』でストップした。
 全体的にゲームを支配する内容だっただけに、「今日のFC東京に負けたのは悔しい。それでも今日のチームが見せたパフォーマンスは満足しているし、次のC大阪戦に繋げられるような内容だったと思っている」とスキッべ監督は前を向いてスタジアムを後にした。

監督 試合後コメント

「FC東京とアルベル監督に『おめでとう』と言いたい。素晴らしいFKとカウンターからのゴールで2点リードされた。ただ、そこからは負けたことを説明するのが難しいぐらい良いサッカーをした。今日の自分たちのパフォーマンスは非常に満足しているし、それが90+4分まで続けてできたと思っている。特に後半は相手にあれだけ引いて守られた、固められた状況を崩し切ることができなかった。非常に難しい状況になってしまった。今日のFC東京に負けたのは悔しい。それでも今日のチームが見せたパフォーマンスは満足しているし、次のC大阪戦に繋げられるような内容だったと思っている」

──最後のピエロス・ソティリウ選手を交代で入れた時に東俊希選手を下げ、満田誠選手をサイドに置いた。交代と布陣の意図は?
「押し込んでいる状況でなかなか得点を取れなかったので、もう一度変えようと思った。ピエロスを入れることになったが、(満田)マコがまだ前に進むパワーが残っていたので、彼を左に持って行き、前にピエロスを入れる決断をした」

──FC東京には4連敗となかなか勝てていないが、相性の悪さの原因は?
「非常に答えるのが難しい。もしかしたら、前線にフィジカルの優れた選手がいる、経験豊富な選手がいるということではないか」

フォト

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