5.13 14:00

明治安田J1 第13節 vs. ヴィッセル神戸
AWAYノエビアスタジアム神戸

試合終了

ヴィッセル神戸 神戸
2
0
サンフレッチェ広島 広島
  • 後半2分
    オウンゴール
  • 後半45+5分
    武藤嘉紀
0
前半
0
2
後半
0

試合の見どころ

 まさに序盤戦の大一番だ。前節は福岡を逆転で下して2連勝を達成し、順位を3位へと上げて迎える今節の相手は首位・神戸。その勝点差はわずか「3」だが、消化試合が1試合少ない広島としてはここで倒せば勝点で並ぶだけでなく、追い抜くことも可能である。ここから上がるのか、引き離されるか。楽しみな“上位決戦”だ。
 その力は本物だ。Jが誇る“銀河軍団”である神戸だが、近年のタイトル獲得は2019年度の天皇杯のみで、昨年はJ1残留争いに足を踏み入れそうになるなど、豊富な戦力を活かし切れているとは言い難かった。だが、今年はJ随一のタレントたちの力がついに融合。ここまで9得点を挙げて得点ランクトップに立つ好調のストライカー・大迫勇也を筆頭に、武藤嘉紀、汰木康也の強力サイドアタッカーや中盤のボールハンター・山口蛍、ハードワーカーの齊藤未月、高い攻撃能力を備える右SBの酒井高徳、鋭いキックが持ち味の左SB・初瀬亮など、実力者がチームとしてまとまり、組織的な戦いを披露している。得点数26はリーグトップであり、失点数8はリーグ最少。攻撃では堅守の相手だろうと個でも連係でもこじ開ける力を持ち、守備では規律のあるハードな守りで堅陣を築いている。現在のJ1で最も勢いがあり、高いチーム力を備えているのは間違いない。
 では、その神戸を広島はどう打ち倒すか。今季のルヴァンカップでは広島が2戦2勝しているとはいえ、相手が2試合とも11人全員をターンオーバーしていたため、今回のリーグ戦がまさに“ガチンコ”対決。「ヒリヒリする戦いで、緊張感も出てくると思う」とはキャプテンの佐々木翔。まずは神戸と同じくリーグ最少失点の広島守備陣が相手の強力攻撃陣をいかに封じるかがポイントであり、“リーグ最強3トップ”と“リーグ最強3バック”の攻防は目が離せない。そして、攻撃では攻守に安定しているナッシム・ベン・カリファ、前節にようやく今季初ゴールを奪ったピエロス・ソティリウ、出場停止が明けるドウグラス・ヴィエイラのFW陣をミヒャエル・スキッべ監督がどのように起用して得点を奪いに行くか。満田誠の負傷離脱はもちろん痛手だが、福岡戦で今季リーグ初得点を挙げた川村拓夢や東俊希、森島司、エゼキエウなどMF陣も好調だ。まさに総力を尽くして戦う神戸戦。ここで勝てば、広島の力が本物だ。

監督 試合前日コメント

──もう頭の中では明日の選手起用は決まっているか?
「全体的には固まってきている。この後にコーチ陣と話して決定したい。ただ、全体的に良い準備はできた」

──神戸の速い攻撃を封じることを考えているのか?それともいつもどおり押し切って得点を取ることを意識するのか?
「自分たちのサッカーをやることが相手を抑えることに繋がる。神戸は素晴らしい3枚のオフェンスの選手がいて、中盤にも一人得点を取れる選手がいる。リーグでも多くの得点を取っているチーム。そこは気を付けないといけないし、そのためには我々のディフェンスは集中しないといけない」

──勝利すれば神戸と勝点で並ぶが、現状、上位にいることについて。
「試合前にそれは関係ない。90分戦った後に順位を見て、どこにいるかということが大事。昨季も横浜FMや川崎Fとのアウェイで、『これに勝てば(上に行ける)』という試合があった。それを考えてしまうと、内容はどうであれ、大差で負けてしまった。そういうふうに考えずに、いつもどおり良いサッカーをして、良い結果を得たいと考えている。いつも選手には、『自分たちの限界まで到達しよう』、『もしくはその限界を少し超えていこう』と話している。それができたときには、どの相手でも互角以上に戦えると思っている」

──相手の前線3枚を広島の3枚がしっかり抑えることがカギになるか?
「その3人だけでなく、全員がベストを尽くさないといけないと思っている。神戸は前線3人だけでなく、佐々木大樹も点を取っている。そこも気を付けないといけない。神戸は速い攻撃やセットプレーなど、いろんな方法がある。我々は全員が守らないといけない」

ゲームレポート

 決定力の差に屈する一戦となった。
 3位・広島が首位・神戸のホームへ乗り込んだ“上位決戦”。試合は序盤から一進一退の激しい攻防となった。神戸は前線に君臨する大迫勇也を軸にロングボールを中心に攻め込んでくるなか、広島の最終ラインはハードに対応。さらにセカンドボールでの戦いでも激しい肉弾戦が各所で繰り広げられ、互いに気持ちも体も譲らない接戦だった。開始1分に川村拓夢が迎えた決定機を逃したのは痛かったが、神戸にも決定機はほとんど作らせず。前半のシュート数が神戸の4本に対して広島が3本と互いに少ない本数に終わったが、ゴール前では両チームの集中した守備が際立つ緊迫した内容で前半を終えた。
「オレたちのほうが良いサッカーができているぞ!」
 ミヒャエル・スキッべ監督から、そう発破をかけられて迎えた後半だったが、いきなり出鼻をくじかれてしまった。47分、神戸にカウンターを許すと、右サイドのクロスを荒木隼人が何とか足を延ばして対応したが、クリアがそのままゴールネットに吸い込まれて失点。早い時間帯でリードを許す苦しい展開になってしまった。
 すると、スキッべ監督は次々と交代カードを切り、反撃に出た。ハーフタイムにエゼキエウを入れていたのに続き、60分にはドウグラス・ヴィエイラと中野就斗を同時投入。さらに72分にも鮎川峻を入れて攻撃陣を活性化すると、神戸を押し込み続ける展開へ。直後の73分には森島司のアーリークロスから鮎川が決定的なヘディングシュートを放てば、ドウグラスやエゼキエウ、川村らも敵陣へ迫って行く。ただし、この日は「開始1分から良いチャンスを作っていながら最後の最後で止められてしまう、ゴールを割ることができないところがあった」(スキッべ監督)。攻め込みながらも堅い神戸守備陣をこじ開けられず時計の針は進むと、迎えた後半アディショナルタイムだった。カウンターから最後は武藤嘉紀にトドメの2点目を突き刺されて勝負あり。効率よく得点を決めた神戸に0-2で敗れる結果となった。
「次の名古屋戦までにフィニッシュのところにこだわり、修正してやっていきたい」。チャンスを作りながらも敗れたスキッべ監督は、次節への挽回を誓った。

監督 試合後コメント

「まずはヴィッセル神戸に『おめでとう』と言いたい。ただ、自分たちのチームは首位争いをする神戸にも互角に戦えたことは称賛に値する。後半の始まりと最後の失点シーンを除けば、自分たちは魅力的なサッカーができたと思っている。ただ、最後のシュート精度は高めていかないといけない。開始1分から良いチャンスを作っていながら最後の最後で止められてしまう、ゴールを割ることができないところがあった。次の名古屋戦までにフィニッシュのところにこだわり、修正してやっていきたい」

──ハーフタイムから交代カードを次々と切っていったが、その意図は?
「ゴールを奪うために前がクリエイティブになっていきたいというところから選手を代えていった。後半の始まりには、自分たちの良い攻撃からボールを奪われて、カウンターを食らい、最後はクリアボールがゴールに転がっていった。アンラッキーな失点をしてしまったため、交代カードを切っていった。神戸は体も強くテクニックもあり、スピードに乗ってくるチームなのは分かっていた」

──今日は多くのファン・サポーターが来てくれ、満田誠選手に対して試合前からチャントを歌ったり、横断幕を掲げていた。広島のファン・サポーターについて。
「サンフレッチェ広島というクラブは、チームとファン・サポーターとがお互いに近い関係にあることの証明になったと思う。今回の(満田)マコについては、ファン・サポーターが気にかけてくれるのは嬉しいこと。マコはできるだけ早く戻ってきてほしいと思っている」

──開幕戦以来の無得点に終わったが、最後のシュート精度が課題か?
「我々はほとんどのシーンで正しい選択をし、正しい形で攻めたと思っている。ただ、相手はかなり深い位置で守っている印象を受けた。セットプレーから攻めることもできたし、その他にも良い形で崩すことができたと思っているが、最後のところでライン上でクリアされることもあった。そこは決めていかないといけない」

──満田誠選手が離脱した穴を今後どう埋めていきたいか?
「他の選手が穴を埋めることになるが、彼に関しては非常に効果的で、効率的な自分たちのチームに欠かせない存在だったのは否めない。そこを埋め切れていないのもあるかもしれない」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は神戸まで約2,300名もの方にお越しいただきました。勝利をお届けできず、申し訳ございません。
次こそは喜びを分かち合えるよう精進してまいります。最後まで熱い声援、ありがとうございました。

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