5.27 14:00

明治安田J1 第15節 vs. 湘南ベルマーレ
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
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湘南ベルマーレ 湘南
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前半
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1
後半
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試合の見どころ

 前半戦の踏ん張りどころだ。上位の神戸、名古屋に敗れてリーグ戦2連敗で迎えた24日(水)のルヴァンカップGS第5節・横浜FC戦、勝てばプライムステージ進出が決まる広島にとって重要な試合だった。だが、直近の試合から先発一人しか変更しなかった広島に対し、横浜FCは11人全員をターンオーバーしてきたなかで結果は0-1の敗戦。グループステージ突破を決められなかっただけでなく、公式戦3連敗を喫したショックはやはり大きく、ダメージの残るゲームとなった。さらに今節はその横浜FC戦から中2日。連戦の疲労や精神的な面での回復を含めた紫軍団のリバウンドメンタリティーが問われることになる。
 互いに復調を目指した戦いだ。相手の湘南も現在はリーグ戦4連敗中。さらにルヴァンカップも含めれば、公式戦9試合で勝利の無い苦しい状態であるが、「湘南は下の順位にいるチームではない」(ミヒャエル・スキッべ監督)。素早い切り替え、ハードな球際、そしてボールを奪った際のどんどん人が湧き出て行くスピーディーな攻撃が湘南のストロングポイントであり、そのスタイルは今季も不変だ。前節・C大阪戦も0-2で敗れているが、チャンスがなかったわけではなく、得点が取れてもおかしくない鋭い攻撃は何度かあった。「湘南は前に出て行く勢いがある。特に町野(修斗)には気を付けないといけない」とスキッべ監督も相手の力強い攻めを警戒しており、カタールW杯・日本代表メンバーのストライカーである町野は今季も要警戒。連戦で疲労があるなかでも相手に負けない攻守の切り替えやハードワークは今節の大きなポイントである。
 その上で広島としては湘南の弱点である“背後”を突いていきたいところだ。前節のC大阪も湘南の最終ラインが高く設定してあることを踏まえ、長いロングボールを多くまじえながら攻略を目指していた。その結果、主導権を握ることに繋がり、2得点を奪取。背後を取ることとコンビネーションを使うメリハリがうまく機能していた。広島としても、スキッべ監督が選手へ常に求める「裏に抜けること」を徹底し、湘南を押し込んだなかでゲームを進められるか。それが勝利への一つのポイントとなる。
「昨年のように我々は連敗が止まればいいと思っているし、良い試合になればと思っている」(スキッべ監督)。昨年も公式戦3連敗のなかで迎えた湘南戦で勝利を掴み、そこからチームは勢いに乗った。その再現を目指す一戦。この湘南戦から再び浮上していきたいところだ。

監督 試合前日コメント

──中2日の戦いだが、選手の状態は?
「良い感じだと思っている。前回の横浜FC戦でケガをした選手はいないので全員が出れる状態にある」

──湘南は得点は取っているが、失点が多い部分がある。印象は?
「そのとおりだと思う。最近は我々も相手も勝利が掴めておらず、あまり良い状態にないが、我々としては次の試合でどうにか連敗を止めたい。ただ、湘南は前に出て行く勢いがある。特に町野(修斗)には気を付けないといけない」

──昨年も公式戦3連敗のなかで敵地で湘南と戦い、満田誠選手のゴールで勝った。そこから勢いが付いたが、思い出すか?
「昨年の対戦の時には直前に相手は新型コロナウイルスの陽性者が多く出たなかでの試合だった。ただ、昨年のように我々は連敗が止まればいいと思っているし、良い試合になればと思っている。湘南は下の順位にいるチームではない。良い試合をして、我々は上に行けるような戦いをしたい」

──中2日のゲームではメンバー構成もアイディアがあるのでは?
「明日のメンバーはまったく決まっていない。この後にコーチ陣と話して決めていきたい」

──昨日に日本代表に選出された大迫敬介選手と川村拓夢選手について。
「本当に嬉しいこと。昨季からチームとして、そして個人として全員が成長してきたことの証明になったと思う。若い選手が二人選ばれたのは凄く良いことだし、ここからまた国際舞台の経験を積んで、もっと良い選手になってほしい」

ゲームレポート

 広島が我慢強く湘南を攻略した。
 試合の流れが決定的になったのは13分だった。湘南の舘幸希がナッシム・ベン・カリファへのタックルで一発退場。広島は早い時間帯で数的優位に立つ有利な状況となると、試合は“攻める広島”と“守る湘南”の構図で推移。広島が湘南を敵陣へ釘付けにする一方的な戦いが前半から繰り広げられた。
 15分、FKから佐々木翔がヘディングで惜しいシュートを放てば、左サイドでキレのある動きを見せていた柏好文が再三にわたって右足でのアーリークロスを送り込んでナッシムが2度の決定機を迎える。さらに川村拓夢やDF荒木隼人もチャンスを迎えるなど、チーム全体で積極的にゴールを狙いに行った。
 それでもなかなかゴールをこじ開けることができず前半を終えたが、後半も試合の様相は変わらなかった。
「パフォーマンスは何の不満もない。全力を出し切るぞ!」
ハーフタイムのミヒャエル・スキッべ監督の指示どおりに攻撃姿勢を強めて湘南ゴールへ迫り続けると、何度も決定機を創出。開始早々のエゼキエウの右足シュートを皮切りに、サイドを効果的に使って湘南を左右に揺さぶり攻撃を仕掛けると、柏だけでなく今季初先発となった右サイド・茶島雄介のクロスからもゴールを狙って行く。さらに途中からはドウグラス・ヴィエイラや東俊希、柴﨑晃誠、中野就斗とフレッシュな選手を投入してチームを活性化させるなか、守備に人数を割いて守りを固める湘南の攻略に苦戦したが、我慢強い攻撃がようやく実ったのは79分だった。ペナルティーエリア内へ進出した松本泰志のシュートが相手DFのハンドを誘ってPKを獲得。これを途中出場のドウグラス・ヴィエイラが冷静に突き刺してついに先制に成功した。
 こうなると、試合はもう広島のモノだった。追加点こそ取れなかったが、湘南にも得点を許さずそのまま1-0で勝利。広島がリーグ戦の連敗を「2」で止めた。
 10人の相手をこじ開けるのに時間はかかったが、「相手より1点多く取れれば、それだけで我々は満足している」とスキッべ監督は最後まで攻撃姿勢を見せて勝利を掴んだ選手を称えた。

監督 試合後コメント

「すごく安心したし、満足している。なかなか得点は入らなかったが、勝利に値する良い試合だったと思っている。相手が早い時間帯で10人になってアドバンテージを得たところはあるが、相手が10人になる前から我々は主導権を握っていた。相手は10人になったところから守りに入ったという印象を受けている。今日は新しいメンバーがたくさん入ったが、今まで入っていなかった選手たちに関して言うと素晴らしいできだった。そこからさらにフレッシュな交代選手によってパワーアップしたと思う。こういった勝利で終わり、良い形で浦和戦に臨める。浦和戦でもしっかりポイントを取っていきたい」

──今季初出場の茶島雄介選手の起用理由とプレーぶりについて。
「茶島もそうだが、逆サイドの柏(好文)も素晴らしかった。二人ともプレシーズンの準備から遅れてしまったが、今回しっかり克服してやってくれたと思う。まだ重要なサンフレッチェの一部だと証明してくれた」

──住吉ジェラニレショーン選手の起用理由と今後の活躍の期待について。
「今日の彼のパフォーマンスは本当に良かった。全部、ヘディングの競り合いで勝っていたし、1対1にも勝っていた。ビルドアップも簡単にプレーしていたし、全部合格点をあげられる。今後もジェラのプレーは本番で見てみたいと思っている」

──前半から押し込んでチャンスを作っていたなかで、PKの1点のみに終わった。数多くチャンスを作ったなかで決め切る部分について。
「相手より1点多く取れれば、それだけで我々は満足している」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

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