6.18 18:00

ルヴァンカップ グループステージ第6節 vs. 名古屋グランパス
AWAY豊田スタジアム

試合終了

名古屋グランパス 名古屋
2
1
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半37分
    和泉竜司
  • 後半23分
    石田凌太郎
1
前半
0
1
後半
1

試合の見どころ

 とにかく勝利あるのみだ。ルヴァンカップ・グループステージ最終節となる敵地での名古屋戦。勝てば自力で準々決勝進出が決まるが、引き分け以下では他グループの結果次第とあっては、何とか勝利を掴みたいゲームとなる。「前回の横浜FC戦もそういう状況だった(結果は0-1の敗戦)。とにかく名古屋戦に全力を尽くすこと」(ミヒャエル・スキッベ監督)。引き分けで他力を願うよりも、勝利で自力での突破を決めるのみ。広島は名古屋戦にすべての力を注ぐ覚悟だ。
 もちろん、相手はかなりの難敵だ。リーグで2位につけるなど今季好調の名古屋とは公式戦2試合を戦っているが、すでに2連敗。しかもどちらも逆転負けだ。ホームで戦ったルヴァンカップGS第2節では、川村拓夢のゴールで先制しながら後半に2得点を奪われて1-2で敗れ、敵地で戦ったリーグ第14節も川村が先制点を決めたが、キャスパー・ユンカーに一瞬の隙を突かれて2得点を与え再び1-2の敗戦となった。リーグでもトップクラスの堅守を誇る名古屋に先制点を奪うまでは良いが、「攻撃陣は豊富なバリエーションがある」とスキッベ監督も警戒する、ユンカーやマテウス・カストロ、永井謙佑の3枚を軸とした強烈なカウンターを止められなければ、やはり試合は難しくなってしまう。そして、相手にリードを許してしまえば名古屋の思うつぼである。自陣に堅いブロックを築く名古屋守備陣の攻略は難題であり、こじ開けられずに敗れたのが今季の2試合だ。いかにリードを許さず試合を進めるか。今節の大きなポイントとなる。
 その上で勝利のカギは、“我慢強さ”だろう。過去2試合同様、もし先制できれば、そこからは失点しない我慢をすること。一方で得点が奪えなくても焦れずにゲームを進める我慢強さを維持し、試合終了の笛が鳴るまでのどこかで得点を奪い切る力が必要だ。最近の敗れたゲームでは、前半を良いリズムで戦い0-0で折り返しながら、後半はこらえ切れない試合が目立つ。“堅守速攻”が武器の名古屋相手に我慢比べで劣れば難しくなってしまうだけに、今節はより全員の高い集中力は必須。相手と力の差があるわけではない。緊張感のある拮抗した激しい戦いが予想されるなか、紫軍団が意地を見せて2年連続のグループステージ突破を決めたいところだ。

監督 試合前日コメント

──守備の堅い名古屋をどう崩していくか?
「ワイドから攻めて相手の裏を突くことをやっていきたい。相手のコンパクトさをなくすために左右に引っ張っていきたい」

──セットプレーも一つのカギになるか?
「今に始まったことではないが、セットプレーは大事な要素。ルヴァンカップでは、セットプレーから得点は取れている。そこは意識してやっていきたい」

──連覇に向けて、明日は重要な戦いになるが?
「もちろん、そのつもりでやっている。まず明日は準々決勝に進むことが目標になる。我々はそれほど悪い位置につけていないと思っているし、何チームかは(次のラウンドへ進むことが)決定しているが、我々にもチャンスはあると思っている」

──明日は暑くなりそうだが?
「天気はどのチームも同じだから(笑)」

ゲームレポート

 またも“決定力不足”を痛感する結果となった。
 GK川浪吾郎にいきなり見せ場が訪れたのは3分だった。名古屋のエースであるキャスパー・ユンカーにDFの背後へ抜け出されるも、狙いすましたシュートを背番号22がしっかりと反応してビッグセーブ。早々のピンチを切り抜けた広島は、その後、落ち着いてゲームを進めた。
 試合はやはりボールを持つ広島とカウンターを狙う名古屋の構図となった。紫軍団は前線からのプレスで相手にプレッシャーをかけてボールを回収し、敵陣地でサッカーを展開。時には相手のカウンターを受ける場面もあったが、最終ラインの佐々木翔や荒木隼人、住吉ジェラニレショーンがゴール前では粘り強く対応して封鎖する。そして攻撃では、サイドを中心に得点を目指す中、20分には右ワイド・越道草太のクロスからドウグラス・ヴィエイラがヘディングでシュートを放つなど、チャンスを創出。互いに持ち味を出す一進一退の攻防で推移する中、痛い先制点を与えてしまったのは37分だった。右サイドからアーリークロスを送り込まれると、最後は和泉竜司に決められて失点。自力でのグループステージ突破に向けて勝利が欲しい広島にとって重い1点が入ってしまった。
「守備はもっと前から行くこと。攻撃はもっと背後を狙うこと」
 0-1で終えた前半を踏まえ、ミヒャエル・スキッベ監督から前への意識をハーフタイムに植え付けられた広島イレブン。迎えた後半も序盤に訪れたピンチを川浪のビッグセーブでしのぐなど、名古屋の猛攻を何とか耐えると、試合のリズムを変えるべく、指揮官は動いた。58分、エゼキエウ、松本泰志、越道の3人を下げ、ナッシム・ベン・カリファ、柏好文、中野就斗を投入。攻撃にパワーを加えてまずは同点を目指した。
 だが、この日の広島はなかなか勢いに乗れなかった。相手ゴールへ迫るもののチャンスを作り出せずに試合は進むと、手痛い追加点が決まってしまったのは68分だった。相手にショートカウンターを許すと、永井謙佑の突破からラストパスを石田凌太郎に決められて0-2。広島にとってダメージの大きい失点となった。
 その後、80分に森島司の右サイドからのクロスを中央で柴﨑晃誠が合わせて1点を返したが、最後の最後の反撃も力及ばず。1-2で敗れた広島は、2位でのグループステージ敗退が決定。2連覇の夢は潰えることになった。
「我々のチームは最後の最後まで同点にするために全力を尽くしたと思っているが、攻撃の最後の詰めの部分、相手のボックス内でやはり少し何かが足りないと思っている」(スキッベ監督)。最近の課題である“決定力”を悔やむゲームとなった。

監督 試合後コメント

「ルヴァンカップがここで終わることに関して非常に残念に思っている。我々のチームは最後の最後まで同点にするために全力を尽くしたと思っているが、攻撃の最後の詰めの部分、相手のボックス内でやはり少し何かが足りないと思っている。今日の敗戦で我々はタイトルを保持することができなかったが、残りの大会に向けてしっかりやっていきたい」

──今日の敗因としてボックス内を挙げていたが、他にどの部分が足りなかったのか?
「ボックス内だけだと思っている。その他の部分は十分にできていたし、それさえあれば結果も付いてきたと思う」

──ボックス内はサッカーにおいて一番難しいところだと思うが、現状の陣容でどういった工夫をしないといけないのか。時間がかかっても成長を待たないといけないのか?
「苦労してそこ(ボックス内)まで持って行っている。そこまで行けている現状はあるが、我々に最後のクオリティーが足りないのは否めない。現状でケガをしている選手や日本代表でいないなど、今日の試合で言えばそこも(敗因に)挙げられると思う」

──柴﨑晃誠選手のゴールは森島司選手のクロスから奪ったシンプルな攻撃だった。シンプルな攻撃でもクオリティーがあればゴールができる証明でもあった。
「そのとおりだと思う。ヘディングで点を取るために2mの身長が必要なわけではない。相手の7番の選手もそういうところを見せたと思う」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は日曜日のナイトゲームにも関わらず、名古屋まで約500名もの方にお越しいただきました。
勝利をお届けできず、申し訳ありません。最後まで熱い声援、ありがとうございました。

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