7.1 18:00

明治安田J1 第19節 vs. アルビレックス新潟
AWAYデンカビッグスワンスタジアム

試合終了

アルビレックス新潟 新潟
2
0
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半25分
    三戸舜介
  • 前半28分
    新井直人
2
前半
0
0
後半
0

試合の見どころ

 上位生き残りに向けて、広島が踏ん張りどころを迎えている。後半戦最初のゲームとなった前節の首位・横浜FM戦は、相手の一発に沈んで0-1の敗戦。シュート数では横浜FMの倍となる20本を放ちながらも、最近の課題である“決定力不足”をまたも克服することができず、前々節・川崎F戦に続いて2連敗となった。これで6位・広島と首位・横浜FMの勝点差は「10」。残りの試合数を考えればまだまだ諦める数字ではないが、これ以上の差が付くと当然ながら厳しくなる。5月~6月にかけてのリーグ戦8試合で3勝5敗と勢いが落ちてきた中、ここからいかに浮上していくか。7月最初のゲームはかなり重要だ。
 もっとも、今回の敵もまたなかなか厄介なチームだ。新潟と言えば、第2節で激突して今季初黒星を喫した相手である。J2時代から築き上げている全体が連係・連動したコンビネーションサッカーに翻弄されて前半に2点を奪われると、後半の猛反撃も実らず1-2で敗れた。その後の新潟は、なかなか勝点を伸ばせず今は4勝6分8敗の15位に位置しているが、「前半戦の戦いを見ても分かるとおり素晴らしいチーム」とミヒャエル・スキッベ監督。新潟攻撃陣の主役だった伊藤涼太郎が6月上旬に海外クラブへの移籍のためにチームを離れたが、若くてイキの良いアタッカーは健在だ。現在、中心と君臨しているのが20歳の三戸舜介。身長は164cmと小柄だが、初速の速さ、ボールテクニックに優れており、ペナルティーエリア内でボールを持たせれば何かを起こしそうな雰囲気を漂わせている。彼を中心に、同い年の小見洋太や24歳のブラジル人アタッカーであるダニーロ・ゴメスらもアグレッシブに攻撃を仕掛け、最前線では33歳のベテランストライカー・鈴木孝司が泥臭く体を張ってチームを引っ張っている。直近のリーグ5試合は2分3敗と結果は出ていないが、GKから細かくビルドアップするスタイルにブレはなく、攻守にまとまりのある戦いをしてくる。前回対戦に続き、今節も攻略は決して簡単ではない。
 今回は特に自分たちのスタイルを発揮することが勝利のカギになるだろう。「できるだけ押し込んで、相手にサッカーをやらせないことが大事になる」とスキッベ監督。新潟をゴール前へ入れてしまえば、複数人が連動して崩しにかかってくるコンビネーションプレーはやはり脅威となる。その回数を減らすために、広島としては持ち味のハイプレスでまずは新潟の後方からのビルドアップを遮断すること。相手を自陣へ押し込めば押し込むだけ、敵のストロングを消すことに繋がってくる。その上でいかにチャンスをモノにできるか。なかなかゴールが決まらないのであれば、好機を作り続けるのみ。良い守備からリズムを作り、ゴールへ迫り続けたいところだ。

監督 試合前日コメント

──明日は雨の予報だが、プレーする上で大事になることは?
「雨が降ってくれたほうが我々は良いと思っている。グラウンドが濡れているのは非常に重要なポイント。晴れてグラウンドが乾いてしまうと、ボールが走らなくなる。それが起こらないのはベストなコンディション」

──明日の相手である新潟はポゼッションを志向しているチームだが、注意すべくポイントは?
「真ん中はしっかりコンパクトにしないといけないし、細かいコンビネーションで抜かれるのは避けないといけない。ワイドには速い選手がおり、左サイドには右利き、右サイドには左利きと逆足の選手が立っている。中央に入ってくるので、そこは抑えないといけないポイント。速いドリブルからのカットインはさせないようにしたい」

──広島の攻撃の狙いは?
「ただただ得点を取れば良い。どこに当たっても良い。膝だろうが、頭だろうが、どこでも良いからとにかく得点を取ること。クロスからもそうだし、十分にチャンスは作れている。最後に点を取ることをしっかりやらないといけない」

ゲームレポート

 紫軍団の苦しい現状が浮き彫りになる結果となった。
 前半から広島は大いに苦しんだ。前節・横浜FM戦に続き、従来の3バックではなく[4-1-4-1]システムで臨んだが、持ち味である前からのプレスがハマらず新潟のスピーディーな攻撃を受け続けると、ピンチが続出。序盤は最後の局面で何とかしのいでいたが、次第に受け止めきれなくなると完全に崩されてしまったのは25分だった。自陣ペナルティーエリア内で新潟の細かなコンビネーションを許すと、最後は三戸舜介に決められて0-1。これでより勢いに乗った新潟の圧力を再び受けた広島は、28分にもゴール前を完璧に打開されて新井直人にゴールを許し、早くも2点を追う展開となってしまった。
 その後は次第に持ち直し、相手陣地でプレーする時間が増えてきた広島だったが、アディショナルタイムに訪れた川村拓夢の前半最大の決定機も相手GKの堅守にあってゴールを奪うことができず。ホームで戦った前回対戦同様、0-2で前半を折り返した。
 すると、状況を打開するべく後半開始からミヒャエル・スキッベ監督は動いた。茶島雄介と山﨑大地を下げ、エゼキエウと野津田岳人を同時投入。システムも4バックから慣れ親しんだ[3-4-2-1]へ変更し、「下を向かないこと。ここからひっくり返すんだぞ!」と指揮官は喝を入れて後半のピッチに送り出した。
 だが、決定力に課題を抱える今季の広島にとって、やはり2点のリードは重たかった。後半の終盤にカウンターから多くのピンチを招いたが、75分ぐらいまではほとんどチャンスを作らせることなく敵陣地でサッカーを展開。左サイドの志知孝明の突破やエゼキエウのドリブルなどから何とか活路を見出そうとしたが、最後の最後で相手守備陣を攻略することができず。川村のミドルやCKから荒木隼人がヘディングでゴールを狙った他、途中出場の柴﨑晃誠らチャンスを迎えて何とか1点を目指したものの、力及ばず0-2で敗れる結果となった。
 これで広島はリーグ3連敗。3試合連続で無得点を苦しい状況が続いている中、
「ケガ人の状況などもあり、夏以降に全員が戻ってきたときに良いチームになると思うが、次の鹿島戦も非常に難しい試合が待っている。そこに全力で向かっていきたい」(スキッベ監督)と次節以降の巻き返しを誓った。

監督 試合後コメント

「まずは新潟に『おめでとう』と言いたい。今日の試合は新潟が勝利に値する試合だった。彼らの攻撃は非常にフレキシブルでダイナミックなプレーが多かった。我々はそれにうまく対応できなかったことが挙げられる。また、しばらく続いていることだが、良いチャンスまで行っていてもゴールが入らない。そういったシーンが多々あった。ケガ人の状況などもあり、夏以降に全員が戻ってきたときに良いチームになると思うが、次の鹿島戦も非常に難しい試合が待っている。そこに全力で向かっていきたい」

──ケガで後半に途中交代した森島司選手の現在の状態は?
「現時点で診断を言うことは難しいが、我々のメディカルが確認した中では、今日は応急処置をして様子を見て、明日に広島に戻ってから精密検査を受けることになる。もし状況が変われば、新潟で病院に行くことも考えられるが、大事に至らないことを祈っている」

──後半に4バックから3バックシステムに変更したが、手応えは?
「攻撃について言えば、前半に一つ二つ点を取るチャンスがあったと思っている。0-2でハーフタイムを迎えたので、もちろんそこから攻めに行かないといけない、よりオフェンシブに行かないといけないという判断だった。75分ぐらいまでは、非常に良い攻撃ができていたし、相手に圧をかけながらプレーすることができたと思っている。ただ、最後はカウンターから3点目、4点目を奪われてもおかしくないような試合だったと思っている」

──3バックでも4バックでもカウンターでピンチを招いていた。今日の2失点も相手が低い状態のところから一気に攻められた。そこの改善はどこが考えられるか?
「まず一つ挙げられるのが簡単なボールロストをしないことが大事。また、もっとアクティブにダイナミックにアクションを起こす、リアクションを起こす。そこが重要になる。ただ、そこに関しては新潟が良いアクションを起こしていたチームだと思っているし、今日の試合だけでなく、その前も、そういう(アクションを起こす)チームだったと思っている」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い新潟での試合となりましたが、約1,000名もの方にお越しいただきました。
勝利をお届けできず、申し訳ありません。最後まで熱い後押し、ありがとうございました。

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