9.23 19:00

明治安田J1 第28節 vs. 京都サンガF.C.
AWAYサンガスタジアム by KYOCERA

試合終了

京都サンガF.C. 京都
1
0
サンフレッチェ広島 広島
  • 後半7分
    豊川雄太
0
前半
0
1
後半
0

試合の見どころ

 紫軍団が勢いに乗ってきた。前節は首位・神戸相手にほとんどチャンスを作らせず2-0の完勝。これで直近の5試合で4勝1分と大きく勝点を伸ばした7位・広島は、首位との勝点差を『8』に縮め、2位・横浜FMとは7差。さらに3位・鹿島とはわずか2差と、上位へ肉薄してきた。「優勝は諦めていない」(加藤陸次樹)。リーグ戦は残り7試合、広島は大逆転劇を信じて突き進むのみだ。
 さらなる上昇を狙う今節、当然ながら油断はできない戦いだ。敵地でぶつかる京都は、ここまで9勝3分15敗の14位に甘んじているが、攻守で実力を備えた難敵である。アグレッシブなチーム作りに定評のある曹貴裁監督の下、やはりスピーディーな攻守の切り替えやハードワーク、前線からの激しいプレスを武器としており、チームの一体感も十分。さらに現在は前線に“大型プレーヤー”を何枚も揃えるなど、パワーもある。山﨑凌吾(187cm)、原大智(191cm)、パトリック(189cm)、木下康介(190cm)。190cm近いFWが4人もいるチームは珍しく、それぞれがチームのために体を張れる献身性もある。「フィジカルに優れたチーム。ホームでアグレッシブに戦ってくるのは分かっている」とミヒャエル・スキッベ監督。大型ストライカーたちを生かしたパワープレーを警戒するのはもちろんのこと、京都のストロングである球際の攻防や運動量といったフィジカルでも広島は何とか上回っていくことが求められる。
 3試合連続無失点中の“堅守”で京都を封じた後は、勢いに乗る攻撃陣が相手DFを攻略できるか。神戸戦では、日々トレーニングを積み重ねている右サイドのクロスを逆サイドの選手が決める理想的なゴールが生まれただけでなく、アーリークロスからも得点を重ねた。夏場の勝てない時期はなかなかゴールが奪えない決定力不足を露呈したが、直近5試合の4勝はすべて複数得点。相手に的を絞らせないバリエーションのある攻撃が増えてきた。「何が大事かと言えば、自分たちのポテンシャルをフィールドで表現できるかどうか」(スキッベ監督)。高さあり、テクニックあり、決定力ありと、さまざまなタイプの前線の選手が揃っている今の広島の“ポテンシャル”はなかなかのモノ。あとは、その選手たちがピッチで力を出し尽くすのみだ。今季2度目のリーグ3連勝へ。広島は自信を持って挑んでいく。

監督 試合前日コメント

──京都の印象は?
「やりづらい相手なのは間違いない。すごくアグレッシブにプレスに来るし、自分たちがボールを保持した時にはすぐに前線へロングボールを送ってセカンドボールを拾って攻めてくる。集中を切らさないことが重要になるし、我々のサッカーをやることが相手にとって嫌なことだと思っている」

──昨年もアウェイのスタジアムで粘り強く戦ってくる京都に苦しんだ。相手のメンタル面について。
「曹貴裁監督の考えていることがしっかりとチームに浸透している印象がある。京都はホームでは2-0や3-0など確実にモノにしているゲームがあるので、そういった部分も気を付けながら戦いたい」

──広島は上位に迫ってきたが、残りも目の前の1試合1試合を全力で戦うだけ。
「そのとおりだと思う。目の前の試合に全力を尽くす。今回も難しい試合になると思うが、前節・神戸戦のように自分たちのサッカーができた時には勝点3を取るチャンスは大きくなると思っている」

ゲームレポート

 今季2度目のリーグ3連勝を目指した広島だったが、あと一歩が足りなかった。
 前半から主導権を握っていたのは広島だった。互いにハードワークと激しいプレスを持ち味とするチーム同士とあって、各局面ではハードにぶつかり合うバトルが繰り広げられていたなか、広島は粘り強く競り勝って京都ゴールへ迫る。23分に京都のストライカー・山﨑凌吾に決定的なシュートを打たれた以外は、広島がシュートを連発。開始早々の満田誠のシュートを皮切りに、ボランチ・野津田岳人も積極的にミドルからゴールを狙えば、右サイドを立て続けに攻略して中野就斗も強烈なキックで得点を目指した。前半のシュート数は広島が9本で京都が5本。相手の倍近い数を打ちながらゴールを奪うことはできなかったが、京都の激しいプレスにも屈しない力強い前半の戦いを見せた。
「自分たちのゲームはできている。このまま献身的に戦おう。オレたちは勝てる!」
 ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督は選手をそう鼓舞して後半のピッチに送り出した。得点を奪うために後半の頭から野津田を下げて、マルコス・ジュニオールを投入。満田をボランチへ下げて、マルコスをシャドーに入れる“攻撃的布陣”へ切り替えて挑んだ。
 だが、後半は苦しい展開へ持ち込まれてしまった。悪くない後半の入りを見せた広島だったが、一瞬の隙を突かれてしまったのは52分だった。左サイドを攻略されると、最後は中央から豊川雄太に強烈なミドルシュートを突き刺されて失点。早い時間帯から追いかけることになった。
 その後は相手を敵陣に釘付けにして紫軍団は京都ゴールへ迫った。64分には、ピエロス・ソティリウと中野就斗を下げて、ドウグラス・ヴィエイラとエゼキエウのブラジル人コンビを投入するなど、より敵へ圧力を強めて攻撃を仕掛けていく。66分にマルコスが鋭い切り返しから左足シュートを放てば、続く67分には左サイドからのクロスをドウグラスが中央で合わせる決定機を迎える。後半アディショナルタイムまで猛攻を見せた広島に得点の匂いは漂っていたが、この日は最後の精度が足りず。「最後の最後、シュートの正確性が今日は残念ながら欠けていたと思っている」(ミヒャエル・スキッベ監督)。結局、19本のシュートを放ちながら京都ゴールをこじ開けられず0-1の敗戦となった。

監督 試合後コメント

「まずは曹貴裁監督率いる京都に『おめでとう』と言いたい。前線のフィジカルを生かしたロングボールの攻撃に本当に苦労した部分はある。ただ、我々のパフォーマンスも非常に満足している。多くのチャンスを作り出してシュートまで結び付けていた。最後の最後、シュートの正確性が今日は残念ながら欠けていたと思っている。それがあれば、もう少し違った結果になっていたと思う」

──後半から出場したマルコス・ジュニオール選手を今日はサブにした理由は?
「今日は後ろを安定させる意味で(野津田)ガクでスタートした。前半の時点で我々が主導権を握って、たくさんのチャンスを作り出すことができていた。彼(マルコス)のテクニックやクリエイティブさを生かしてもっと前に出ようという判断で後半からスタートした。彼のパフォーマンスはすごく良かったと思っている」

──途中からドウグラス・ヴィエイラ選手とエゼキエウ選手を入れた後は、満田誠選手を右サイドに回して、加藤陸次樹選手を少し下がり目にした。攻撃的な布陣だったが、その理由と成果は?
「選手の交代もうまくいったと思っているし、各々良いシーンがあった。(満田)マコが右に出てから良いシーンがあったし、陸次樹もエゼも良いシーンがあった。ただ、最後の最後、シュートの部分が足りなかったと思う」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は京都での試合となりましたが、約2,000名もの方にお越しいただきました。
勝利をお届けできず、申し訳ございません。次のホームでは、この悔しさをぶつけて勝利を目指します。
最後まで熱い声援、ありがとうございました。

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