10.21 16:00

明治安田J1 第30節 vs. セレッソ大阪
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
0
0
セレッソ大阪 C大阪
0
前半
0
0
後半
0

試合の見どころ

 勝負の“ラスト5”だ。上位対決となった前節・名古屋戦は3-1で勝利し、広島の順位は7位から5位へアップ。首位・神戸との勝点差は「11」と大きいが、2位・横浜FMとの差は「7」となり、3位・浦和との勝点差はわずか「3」と肉薄してきた。ここからさらにどこまで上位へ迫れるか。リーグ残り5試合も目の離せない戦いが続いていく。
 その第一歩となる今節も上位を競う相手との戦いとなった。ホームに迎える相手は、勝点差2の7位・C大阪。昨季はルヴァンカップ決勝を含めて、すべてのゲームで接戦を演じてきたライバルチームである。今季も4月の前回対戦では、ドウグラス・ヴィエイラの後半アディショナルタイムのゴールで何とか勝ち切るなど、ギリギリのゲームだった。小菊昭雄監督率いるC大阪をリスペクトするミヒャエル・スキッベ監督も「すごく良いチーム。今回も難しい戦いになるのは間違いない」と警戒を強めている。
 現在は直近の3試合すべて無得点で3連敗中と調子を落としているC大阪だが、力がJ1でもトップクラスであることに変わりはない。前線では、レオ・セアラ、ジョルディ・クルークス、カピシャーバという強烈な外国籍選手3人が存在感を示しており、中盤では元日本代表の10番・香川真司が中心としてチームをけん引している。さらにDFも現役日本代表の毎熊晟矢や個の能力の高いCB西尾隆矢ら日本人選手たちが組織的な守備を形成。小菊監督の下、相変わらず個の強さと組織がしっかり融合された実力のあるチームだ。
 勝利のカギは、やはり“粘り強さ”となる。昨季からC大阪に対して公式戦5連勝中の広島だが、その内の4試合は試合終盤に決勝点が生まれた。最後の最後まで何が起こるか分からないのが近年のC大阪戦であり、力はかなり拮抗している。今節も互いに一つでも上の順位を目指すために重要なゲームとあって、「シーズンの終盤ということで相手もモチベーション高く来ると思うが、我々も同じようにモチベーション高く戦いたい」(スキッベ監督)。技術、戦術、メンタル、すべての力を注いで勝点3奪取を目指すことになる。
 そしてエディオンスタジアム広島でのゲームも、今節を入れて残り2試合。様々な思い出があるこの地で、勝利を積み重ねて終わりたい思いは当然ながら強い。多くのファン・サポーターと共に戦い、C大阪を撃破したいところだ。

監督 試合前日コメント

──明日は3週間ぶりのゲーム。選手もモチベーション高く試合に臨んでくれそうだが?
「試合に飢えているのはある。また、シーズンの終盤ということで相手もモチベーション高く来ると思うが、我々も同じようにモチベーション高く戦いたい。今週はすごく良いトレーニングができたので、準備は整っている」

──古巣対決となる加藤陸次樹選手に期待するところは?
「陸次樹はC大阪から移籍してきたが、もともとは我々のユース出身選手だから(笑)。ただ、C大阪で本当に成長して、Jリーグでも屈指のオフェンスの選手になった。これからもまだまだ伸びていくと思っている。明日は現状の一番良いパフォーマンスを見せてほしい」

──加藤選手のストロングポイントは?
「総合的にすごく良い選手だと思っている。左右両足や頭で点を取れるし、技術もあり、走れる。献身的に攻撃で走れると同時にディフェンスもしっかりやる。複数のポジションをこなせることも含めて、総合的に素晴らしい選手」

ゲームレポート

 最後の最後まで行方の分からない激闘となった。
 どちらかと言えば、前半の広島は苦戦した。「相手は豊富なバリエーションのビルドアップから攻撃をしてきて、我々はそれに苦しめられた部分はある」。ミヒャエル・スキッベ監督がそう振り返ったように、後方から巧みにボールを動かしてきたC大阪の攻撃に対して的を絞れず、押し込まれる展開に。いくつか広島の前線からのプレスがハマってカウンターでチャンスが生まれそうな時もあったが、集中力高く守ってきた相手を最後の局面で崩すことができず、なかなかシュートまで持ち込めない。ようやくファーストシュートに持ち込めたのは30分の満田誠まで時間がかかり、全体的にはC大阪がボールを支配する展開となった。ただし、広島の守備陣もしっかりと堅陣を築き、ピンチは19分のカピシャーバのヘディングぐらい。広島は44分に塩谷司のインターセプトから満田が決定機を迎えた以外は、我慢強く前半のゲームを進めた。
「前から当たってボールを奪えた時にはチャンスになっている。オレらはまだまだ上がっていくぞ!」
 ミヒャエル・スキッベ監督がそう選手へ活を入れたハーフタイム、ボランチ・野津田岳人に代えて東俊希を投入し、中盤をテコ入れして後半に臨んだ。
 序盤は前半同様、我慢の展開となった。49分、奥埜博亮にペナルティーエリア内で決定的なシュートを放たれた他、52分にはレオ・セアラに背後を取られて大ピンチを招くが、これをGK大迫敬介が左足でビッグセーブ。C大阪の攻勢を何とか耐えて徐々に盛り返すと、広島にも少しずつチャンスが生まれ始める。61分の満田の左足ミドルを皮切りに、64分には満田のパスを受けた加藤陸次樹がエリア内でGK強襲のシュートを放つ。C大阪の攻撃に苦戦しつつも広島も負けじと得点を取りに行く一進一退の攻防。試合終盤に向けて両チームに決定機が訪れるなど、どちらに転んでもおかしくない内容で時計の針は進む中、互いのGKの好セーブもあって最後までゴールは生まれず。「今日の試合は0-0だったが、面白い、インテンシティの高いJリーグのゲームだったと思う」(スキッベ監督)。緊迫感のある拮抗した一戦は、スコアレスドローで決着した。

監督 試合後コメント

「今日の試合は0-0だったが、面白い、インテンシティの高いJリーグのゲームだったと思う。相手は豊富なバリエーションのビルドアップから攻撃をしてきて、我々はそれに苦しめられた部分はある。前半の30分ぐらいから我々も対応できるようになり、後半は自分たちのほうが主導権を握れた時間が多かったと思う。お互いに良いチャンスを作りながらシュートを打つところまで行けたが、そこでもお互いのGKが良いセーブをしていた。今回勝てなかったのは非常に残念だが、これまでC大阪戦は最後の最後、ラッキーな形で勝点3を取れていたのが1年ぐらい続いていた。それを考えたら、今日は0-0でも良かったのかもしれない。ただ、チームが見せたパフォーマンス自体は満足しているが、0-0だったのは少し残念。今日はスタンドを埋めてくれた多くのファン・サポーターの方々に感謝したいと思う。(今季ホーム)最後のG大阪戦ではもっと来てほしいと思っている」

──相手がスタートから[4-3-3]システムでアンカーを置いてきた中でビルドアップに苦しめられたが、その形と中のクオリティーが影響したのか?
「GKを含めて、彼らのポジションチェンジをしてくるバリエーション豊富なビルドアップに非常に苦しめられた。ただ、前半に加藤陸次樹が相手GKにギリギリまで詰めた惜しいシーンがあったし、後半に関しては(相手GKの)ロングボールを回収できるようになったことで我々が優位になったと思う」

──C大阪は連敗を止めたい中、広島をリスペクトしてクリーンシートを狙っていたと思うが、堅い守備を破る一つの策として、中島洋太朗選手を起用しても良かったと思う。彼を起用しなかったのは守備の部分を考えてか?
「洋太朗の時代はもうすぐ来る(笑)」

──今日の監督の指示で「こっちのサイドに寄れ」というのが多かった。相手に広げられていたため、そのような指示が多かったのか?
「特に前半の最初は我々のワイドの選手がディフェンスラインに吸収されることが多すぎた。そのため、相手が長くボールを握ることができたと思う。我々が5バックのような形になっている時は、あまり良くない状況だと思っている。3人で十分守れるのに、5人戻ってきてしまう状況が生まれていた」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo

試合情報をシェア!

x