3.2 15:00

明治安田J1 第2節 vs. FC東京
AWAY味の素スタジアム

試合終了

FC東京 FC東京
1
1
サンフレッチェ広島 広島
  • 後半26分
    荒木遼太郎
0
前半
0
1
後半
1

試合の見どころ

 目指すはスタートダッシュだ。1週間前に行われた『エディオンピースウイング広島』での記念すべき開幕・浦和戦では、“スキッベ・サッカー”の神髄であるアグレッシブかつ攻撃的なスタイルを存分に発揮して2-0で勝利。相手は今季、大型補強を敢行した優勝候補の一角だったが、「浦和という素晴らしい相手に対してこういう素晴らしいゲームができて嬉しく思う」(ミヒャエル・スキッベ監督)。結果だけでなく内容でも圧倒した良好な流れを継続し、序盤戦から勝点を積み重ねていきたいところとなる。
 開幕2連勝を目指す今節、再び難敵との戦いだ。「昨季から比べてレベルアップしたチーム。難しい戦いになる」とスキッベ監督が話すように、今季のFC東京も浦和と同じくJ1の中で積極補強に動いたチームの一つ。特に力のある日本人選手の獲得に成功しており、札幌からスピードのあるアタッカー・小柏剛を補強したのを皮切りに、新潟から総合力の高いボランチ・高宇洋、鹿島からは若きファンタジスタ・荒木遼太郎を期限付きで加えた。さらにドイツで3年半プレーしたドリブラー・遠藤渓太も補強するなど、前線の駒の質はJ1でもトップクラス。既存の戦力であるディエゴ・オリヴェイラ、仲川輝人、俵積田晃太、ジャジャ・シルバを含めて、誰が出てきても強烈だ。
 勝利のポイントは、ハイプレスの継続とFC東京の一発に屈しないことだろう。浦和戦では70分以降に押し込まれる時間が増えたとはいえ、それまでは相手のビルドアップを強度の高い守備で封じ込み、敵陣地に押し込み続けることで2得点に繋げた。それをFC東京相手にも続けられれば再び主導権は広島のものだ。
 そして、どんなに良い内容を見せていても守備で隙を見せないこと。FC東京と戦った前節のC大阪も内容では上回りながら、一瞬の隙を突かれてカウンターなどから2点を失い引き分けに終わった。松木玖生ら中盤の選手たちも含めて全体的に個の能力が高いのがFC東京であり、どこからでも得点が取れる“一発”にはやはり要警戒。もし内容で勝っていたとしても最後まで気を抜くことはできない。
 開幕2連勝となれば、コロナ禍が始まった2020年を除けば(※開幕戦から第2節まで約5カ月空いた)2位となった2018年以来のこと。もちろん長丁場のリーグ戦は序盤がすべてではないが、最初から勢いを付けることは重要だ。特に浦和、FC東京と立て続けに倒すことができれば、チームが得る自信も大きい。序盤戦から広島の力を示したいところだ。

監督 試合前日コメント

──今季初のアウェイゲームとなりますが、今の心境はいかがでしょうか?
「本当に良い形でプレシーズンを過ごせましたし、前節も良い形で勝てました。これを続けていきたいと思っています」

──キャンプでFC東京とトレーニングマッチで戦いましたが、その印象は?
「相手のオフェンスは脅威だと思います。丁寧にサッカーをやりますし、サイドに速い選手がいる。そして真ん中にしっかりとボールが収まる選手がいる。そこは気を付けないといけません。そこを抑えた上で自分たちのサッカーをできればと思っています」

──FC東京との練習試合ではプレスがハマらないときもありました。そういうときにどう打開していきますか?
「言ってみれば、あのときはまだ準備段階だったのは間違いありません。うまくいかないと分かった時点で自分たちにも収穫があったと思っています。今週はすごく良い準備ができているので、明日は明日ですごくうまくいくことを望んでいます。また、スタジアムもFC東京はいつも良い雰囲気で、ほぼ満員に近い形でサッカーができるのを楽しみにしています」

ゲームレポート

 内容で上回った広島だったが、勝利まであと一歩が足りなかった。
 前半から主導権を握っていたのは広島だった。時折、FC東京のストロングであるスピーディーなカウンターを受けてピンチを招くときはあったが、最後の局面では守備陣が粘り強く対応してしっかりと封鎖。逆に広島は持ち味であるハイプレス&素早い切り替えを武器に相手を自陣へ押し込む時間を多くし、テンポの良いパス交換からサイド攻撃を主体に相手ゴールへ迫った。18分には左サイド・東俊希のフィードに抜け出した加藤陸次樹が決定機を迎えれば、その4分後にも東のアーリークロスから加藤が再びボレーでチャンスを作り出す。さらに1トップのピエロス・ソティリウや前節2得点の大橋祐紀も果敢にペナルティーエリア内へ進出してゴールを狙うなど、いつ得点が入ってもおかしくない雰囲気は漂っていた。
 結局、前半は0-0で折り返したが、ハーフタイムのミヒャエル・スキッベ監督も「すごく良い戦いをしている」と選手を称えつつ、最後の詰めを強調した。
「最後のところが少し足りない。自分の技術に自信をもとう。正確なクロス、正確なシュートで狙っていくこと」
 後半も広島のペースは変わらなかった。前半同様にほぼ相手陣地でサッカーを展開し、ボールを奪われても高い位置からの即時奪回で攻撃姿勢を緩めない。左右の両サイドを攻略して何度も何度もクロスを送り込んでゴールを狙っていった他、ボランチ・満田誠も強烈なミドルシュートで相手GKを脅かすなど、得点を狙い続けた。
 すると、その姿勢が実ったのは69分だった。満田が蹴ったCKがハンドを呼び込みPKを獲得。これを大橋が冷静に決めて、ついに広島が先制に成功した。
 だが、試合はこれで終わらなかった。すぐにFC東京の反撃にあってしまった広島は71分、左サイドを崩されると、最後は荒木遼太郎に詰められて失点。一瞬の隙を突かれてしまった。
 その後はFC東京が推進力のあるジャジャ・シルバを投入してくるなど、攻撃への圧力を強めてきたため攻め込まれる回数は多くなったが、広島も負けじと反撃を繰り返す一進一退の攻防で推移。ただし、どちらも最後の決め手を欠いてゴールを奪えず、終盤までもつれた激しい一戦はスコアレスドローに終わった。
「数多くのチャンスを作りながらもクロスなど最後の部分で正確性が欠けていた。ただし、全体のパフォーマンスには満足している」(スキッベ監督)。好内容を見せながら勝ち切れなかった広島は、収穫と課題のどちらも残るゲームとなった。

監督 試合後コメント

「面白い試合だったと思います。我々は序盤からワイドをしっかり使って早くゲームを握ろうとしました。数多くのチャンスを作りながらもクロスなど最後の部分で正確性が欠けていたと思います。終盤になったら、我々がチャンスを迎える、次にFC東京がチャンスを迎えるといった、結果がどっちに転んでもおかしくないような試合内容だったと思います。そういった部分からも非常に面白い試合だったのではないでしょうか。
 今日の3つのVAR判定も非常に良かったと思います。ハンドでPKになったシーン、オフサイドがありPKではなかったシーン、自分たちのファウルがペナルティーエリア内ではなったシーン。すべてVARによって正しく修正されました。(VAR担当の)審判のパフォーマンスも良かったと思っています」

──激しい試合で交代枠を一つも使いませんでした。その理由は?
「今回のスタートで出た選手のパフォーマンスに非常に満足していました。70分過ぎからパワーが落ちていたのは否めませんが、それでも交代する意味はなかったと感じています」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い東京まで約3,500名もの方にお越しいただきました。
勝利をお届けできず悔しい思いでいっぱいですが、皆様の声援は選手の大きな力になりました。最後まで力強い後押し、ありがとうございました!

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