3.16 14:00

明治安田J1 第4節 vs. ヴィッセル神戸
AWAYノエビアスタジアム神戸

試合終了

ヴィッセル神戸 神戸
0
0
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
0
0
後半
0

試合の見どころ

 早くも“ビッグマッチ”がやってきた。開幕からの3試合で2勝1分と好スタートをきって首位に立った広島が第4節で激突するのは、昨季のJ1王者・神戸。言わずもがなJリーグの“銀河系軍団”であり、当然ながらチーム力も日本随一を誇る。今季もここまで2勝1敗とまずまずの出だしとなった王者相手に今の広島の力がどこまで通用するか。「相手は王者。重要な試合になる」(ミヒャエル・スキッベ監督)。序盤戦の一つの指標となる一戦だ。
 リーグ初制覇となった昨季同様、今季の陣容も強力だ。昨季のMVPである大迫勇也を筆頭に、武藤嘉紀、酒井高徳、山口蛍といった海外経験のある元日本代表選手たちは健在。さらに2連覇を狙う今季に向けた補強の手も緩めず、川崎Fから伸び盛りのアタッカー・宮代大聖を獲得したのを皮切りに、元日本代表ボランチ・井手口陽介や神戸アカデミー育ちのCB岩波拓也、ユーティリティープレーヤー・広瀬陸斗など、各ポジションに実力のある日本人を加えた。前々節に主力の一人であったドリブラー・汰木康也が長期離脱となるケガを負ってしまったが、その穴を補えるのが層の厚い神戸だ。逆転勝ちを収めた前節・FC東京戦では、新戦力と既存戦力が見事に融合。広瀬のクロスから宮代が頭で合わす見事な同点ゴールを奪ったかと思えば、直接FKで勝ち越しゴールを決めたのはエース・大迫である。一人ひとりの高い個の力、そして組織的かつアグレッシブに戦ってくる神戸の攻略は、今季もなかなか険しい。
 広島としては、真っ向勝負で挑むのみだ。4-0で勝利した前節・鳥栖戦のように、相手に対策をされようとも、それを上回る強度の高いサッカーで勝ち切れているのが今のサンフレッチェである。神戸とは互いに攻撃を求め合いながら、至るポジションで1対1のバトルが繰り広げられるハードな戦いが予想されるが、素早い切り替え、球際、セカンドボールの攻防でいかに上回れるか。敵地だろうと、主導権を握ることが勝利への大きな道となる。ここで王者を撃破し、サンフレッチェが序盤戦の主役へと躍り出たいところだ。

監督 試合前日コメント

──非常に楽しみな王者・神戸との対戦ですが、監督の中に普段と違う部分はありますか?
「ファン・サポーターの皆さんと同じ気持ちで非常に楽しみにしています。どちらのチームも良い状況で対戦できる。個人もチームも良い形で仕上がっているチーム同士の戦いは楽しみです」

──サンフレッチェと同じく神戸も強度の高いサッカーをしてきます。
「そのとおりだと思います。ですので、良い試合になると思っています」

──1対1の個の局面が重要になりそうです。
「どこが一番重要なポイントになるとかは、特にないと思っています。1対1の戦いになる可能性もありますし、どちらが組織的に守れたかが重要になるかもしれません。または速い攻撃ができたほうが勝つかもしれない。そういうのも含めて面白い試合になるのではないでしょうか」

──前線3人が攻守で機能していますが、その評価について。
「我々の戦術的な部分で彼らが走り回っているのは目立つ要素だと思いますが、彼らがやっているのと同時に他の選手もやっている。全員の働きがあってこそ、チームとして機能すると思っています」

ゲームレポート

 王者・神戸の地に乗り込んだ一戦は、壮絶な戦いとなった。
 試合はまさに“肉弾戦”で進んだ。強度の高いサッカーを志向するチーム同士、まずは球際や攻守の切り替えで負けられないという強い気持ちが試合開始から表れ、各ポジションで激しいバトルが繰り広げられる展開で推移。前半のシュート数は広島が5本で神戸が2本と、数も少なく決定機もほとんどなかったが、互いに主導権を奪おうと意地と意地がぶつかり合う目の離せない面白い戦いとなった。前半は結局、そのまま0-0で終了。どちらも譲らない一進一退の攻防は後半勝負となった。
「攻撃的に献身的にプレーはできている。もう少し丁寧にサッカーをしよう!」
 ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督は、前半に見せていた1対1のバトルや攻守の切り替えには手応えをつかみつつも、攻撃面の精度向上を指示。得点を奪うためのクオリティーを求めて選手を後半のピッチへ送り出した。
 後半は徐々に試合が動き出した。序盤は前半と同じく1対1の“局地戦”が多かったが、この試合最初に作られた決定機で日本代表守護神・大迫敬介がきっちりと仕事を果たした。59分、神戸の素早い攻撃を受けると、大迫勇也のラストパスを貰った武藤嘉紀のゴール左隅を狙ったシュートを大迫敬介が左手でファインセーブ。持ち味の鋭い反応でチームを救って見せた。
 その後は再び試合が膠着するなか、互いに選手交代でゲームを動かしにかかる。神戸が前線に推進力のあるジェアン・パトリッキを入れてくれば、75分に広島は満田誠と中野就斗を下げて、エゼキエウと越道草太を投入。さらに続く79分にはピエロス・ソティリウが続行不可能となり、志知孝明を入れてフレッシュな力を活用しながら得点を目指した。
 終盤にかけてはオープンな展開となり、互いにゴール前の攻防も多くなったが、この日はどちらも最後の局面を崩せずスコアレスドロー。注目の上位対決は痛み分けに終わった。
 王者相手のタフな一戦を終えて、「今日は強い相手、そして昨年の王者に対して1ポイント取れたことを非常に嬉しく思っています。自分たちは本当に強いディフェンスを見せられたのではないかと思います」とスキッベ監督は守備陣を称えつつ、「チャンスを作る部分で良いコンビネーションや自分たちの目指しているサッカーを見せられない部分はありました。今日の試合に関して言えば、神戸のほうが少し勝利に近かったと思います」と課題も口にして会場を後にした。

監督 試合後コメント

「今日は強い相手、そして昨年の王者に対して1ポイント取れたことを非常に嬉しく思っています。自分たちは本当に強いディフェンスを見せられたのではないかと思います。ただ、チャンスを作る部分で良いコンビネーションや自分たちの目指しているサッカーを見せられない部分はありました。今日の試合に関して言えば、神戸のほうが少し勝利に近かったと思います。そのなかで1ポイントを持って帰れることは非常に満足しています」

──ピエロス・ソティリウ選手のケガの具合はどうでしょうか?
「内転筋の張りを訴えました。今のところは、そんなにひどくないと思っています」

──前半は広島の右サイドを厳しく突かれました。後半は対処できていたと思うのですが、ハーフタイムの指示などがあれば教えてください。
「後半は右サイドをうまく守れるようになったと思います。(前半は)右ワイドの中野(就斗)が前に出過ぎてしまう状況が多くあり、それによって切り替えても(後ろとの)距離が遠くなってしまったのが挙げられます。
 また、相手のロングボールを警戒しないといけないのは、後半も引き続きやっていきました。大迫勇也がサイドに流れて、そこでボールを収める。そこから、危険な状況を作られるのを防がないといけませんでした。ただ、我々の3バックは脅威となる相手のオフェンスをしっかりと抑えたと思っています」

──自分たちの目指すサッカーを見せられなかった原因は何だと思いますか?
「まず前半はコンビネーションが足りない部分がありました。パスを繋いでから裏を狙うことをせずに、ただただ長いボールで裏を狙い続けた。そこが前半はうまくいかなかったポイントだと思っています。ただ、後半は相手の大きな二つのチャンスまでは、自分たちも良いパスを繋げていましたし、裏を取ることが少しずつできていたと思います。その後に関して言えば、オープンな展開になってどちらにもチャンスがありました。全体的には後半は良くなったと思っています」

──今日は佐々木翔選手と武藤嘉紀選手のマッチアップはハイレベルだったと思います。前半に佐々木選手が警告を受けてしまいましたが、怖さはありましたか?
「彼に関して言えば、不安をまったく感じていませんでした。経験値もありますし、どのように1対1をするべきなのか、どうやったらボールを奪えるのか、どこが危険なのか。そういったことはすべて信頼してフィールドに送り出すことができる。それは警告を受けても同じです」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は神戸まで約2,500名もの方にお越しいただきました。勝利をお届けできず悔しい思いでいっぱいですが、皆様の後押しが選手の大きな力になりました。最後まで力強い声援、ありがとうございました!

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