5.15 19:00

明治安田J1 第14節 vs. 鹿島アントラーズ
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
3
鹿島アントラーズ 鹿島
0
前半
2
1
後半
1
  • 前半5分
    植田直通
  • 前半15分
    鈴木優磨
  • 後半39分
    チャヴリッチ

試合の見どころ

 停滞感を吹き飛ばしたい一戦だ。直近のリーグ5試合で4分1敗となかなか勝利がない中で迎える今節・鹿島戦。10日(金)に予定されていた第13節が横浜FMのACL決勝進出によって6月19日(水)へ変更になったことで、広島は1週間弱の準備期間を得ることができた。連戦が続いていた中、練習場で心身ともにリセットすることができた8位・サンフレッチェは再び上位進出への流れを掴むことができるか。鹿島戦は一つのポイントだ。
 相手も高いモチベーションで今回の戦いに臨んでくるはずだ。リーグ3連勝と勢いに乗って迎えた前節・東京V戦では、一時は3点のリードを奪いながらも後半24分から立て続けに失点して3-3のドロー。ホームゲームで3点差という圧倒的に優位な状況にありながら追い付かれたショックは、誰が見ても当然ながら大きい。そうなると、今節に向けては気持ちの部分で引き締め直してくるのは間違いなく、守備意識も高めてくるだろう。元々、攻守の切り替えが速く、球際で激しく戦ってくるのが鹿島というチームの伝統だ。今季から就任したランコ・ポポヴィッチ監督は攻撃力を高めているが、まずは広島のベースでもあるハードワークで鹿島を上回ることが重要になりそうだ。
 その上でミヒャエル・スキッベ監督の言う「セットプレー」と「鈴木優磨」には警戒だ。鹿島はキッカーの質も高く、さらに前節得点を決めた植田直通などヘディングに強い選手も多い。膠着した試合展開でも「ここぞ」の場面で決めてくるのがもう一つの鹿島の伝統でもあり、セットプレーには常に注意が必要だ。そして、前線では巧さと強さを併せ持った鈴木優磨が自由に動いて起点となる。そこからワイドのスピードを活かした鋭い攻撃を仕掛けてくるのが特長となっており、まずは鈴木に自由を与えてはならない。
 6試合ぶりの勝利に向けて、広島に求められるのは堅守復活だ。ここ5試合は、らしくないミスも続いてすべて失点中である。前線からの鋭いプレス、そして後方での堅い守備が噛み合ってこそ広島のストロングポイントである堅守が成り立っており、まずは無失点でゲームを進めていきたいところ。“広島らしさ”を取り戻し、勝点3をもぎ取りたい一戦だ。

監督 試合前日コメント

──今季の鹿島の特長をどう捉えていますか?
「シーズンの終わりには間違いなく5位以内に入ってくるクラブだと思っています。前節・東京V戦の後半は(3点差を追い付かれて)あまり良くなかったかもしれませんが、それ以外では本当に良いパフォーマンスを見せています」

──鹿島のストロングポイントは?
「セットプレー、鈴木優磨、そして周りに速い選手がいますね」

──鹿島戦で勝ち切るために必要なことは?
「ここ2~3試合、レギュラーで欠けていた選手がいたのはあると思います。今はケガ人は戻ってきているので、そこは期待できると思います」

──ベンチの層も厚くなってきそうです。
「そのとおりだと思います。バリエーションも増えますし、新しい選手が途中から入ることでパワーアップできる状況ができると思います。ただ、終了間際に点を取られた前々節・新潟戦や前節・名古屋戦では交代によってギアが入らなかったわけですが、彼らが悪いわけではありません」

──大迫敬介選手はミスが続いていますが、練習でのパフォーマンスはいかがですか?
「最近は失点に絡んでしまいましたが、今週話をしました。『これまで見せていたパフォーマンス、これが大迫敬介だ、というのをもう一度見たい」と。スッキリしている部分はあると思うので、また良い大迫敬介が見られるのではないかと思います。ここまでの2年半、良いサッカーができていた中で大きな部分を担っていた選手です。そういう選手が二つ、三つ、ミスをしたところで(問題ない)というところです」

ゲームレポート

 サンフレッチェの課題を露呈する一戦となった。
 またも広島の入りは最悪だった。前半18分までに2点を失って2-3で敗れた前節・名古屋戦同様、このゲームでも立ち上がりから立て続けに相手にゴールを奪われる、まさかの展開に。開始5分、セットプレーから植田直通にヘディングゴールを許すと、その10分後には越道草太がペナルティーエリア内で相手を倒してしまいPKを献上。これを鈴木優磨に決められて、再び前半の早い時間帯から2点を追いかける苦しいゲームとなってしまった。
 ここから広島は何とか盛り返した。次第に相手を自陣へ押し込めるようになると、28分、加藤陸次樹がエリア内で決定的なシュートを放てば、セットプレーを何度も獲得して鹿島ゴールを襲う。得点は奪えなかったが、アグレッシブに戦う広島らしさを徐々に取り戻して前半を終えた。
 後半になると、ミヒャエル・スキッベ監督はさっそく動いた。「オレたちはパワーとクオリティーを持っているんだぞ! 後半も行くぞ!」。ハーフタイムに選手へそう活を入れた指揮官は、2枚替えで攻撃へのパワーを強める。満田誠と東俊希を下げ、マルコス・ジュニオールと松本泰志を投入。チームに刺激を与えて、得点を目指した。
 だが、集中した守備を維持する鹿島を攻略するのは、簡単ではなかった。持ち味のサイド攻撃に加え、中央でのコンビネーションも使いながら得点を奪いに行った広島だが、最後の局面では粘り強く体を張って守ってきた鹿島をなかなか崩せない。65分、敵陣で相手のパスミスを拾ったマルコス・ジュニオールが強烈なミドルシュートを突き刺して1点を返し、より勢いを得た広島だったが、その後の猛攻は実らず。反対に終盤の84分にはカウンターからチャヴリッチに3点目を決められて1-3で敗れる結果となった。
 これで広島はリーグ2連敗。「今日も残念ながら前回のホームゲームと同じように、序盤の15~20分ぐらいは自分たちのサッカーを見せることができなかった」とスキッベ監督は前節と同じく立ち上がりの悪さを悔いた。

監督 試合後コメント

「今日も残念ながら前回のホームゲームと同じように、序盤の15~20分ぐらいは自分たちのサッカーを見せることができませんでした。不必要なボールロストからCKを取られて、失点しました。また、失点後にも相手がペナルティーエリア内に入ってきた中で、(越道草太が)滑らなくてもよかったかなというシーンでしたが、PKを与えてしまいました。ただ、その後は盛り返すことができたと思っています。良い攻撃もありましたし、多くのセットプレーのチャンスもありました。後半も攻撃に出れたと思っていましたし、同点にできるチャンスは十分にあったと思います。ただ、その中でも鹿島は鈴木優磨が下りてボールを受けたり、裏に抜けたり、そういったところからカウンターのチャンスを相手に与えて、1-3という形になりました。最後のほうも点を取るチャンスはありましたが、全体の流れを見れば鹿島が我々を上回っていたと思います」

──前節を含めて序盤に安易な失点をしていますが、そこから鹿島に対しては盛り返すのも難しかったと思います。そこを打開するための選手起用について。
「後半はマルコス・ジュニオールと松本泰志を入れました。マルコスの前線でボールを収める安定感、技術の高さと、もっと安定した中盤を考えて(川村)拓夢を一つ下げて、泰志を前に入れました。(荒木)隼人の交代については、当初考えていませんでしたが、あの感じで行ったら次のファウルがレッドカードになるのではないかと予想されたために交代しました。そこからパワーアップして攻撃に出たい時に大橋(祐紀)も(加藤)陸次樹も少し体力的に苦しいところがありました」

──不必要な2失点については、前節・名古屋戦と同じように人的なミスが多かったと思います。そこの修正をどうしていかないといけないでしょうか?
「ミスをした選手は本人が一番分かっています。そこに対して厳しく言うことは得策ではありません。それよりもポジティブにサポートするほうが大事だと思います。ただ、終盤になって体力的に苦しくなったところでのミスであれば分かりやすいですが、これが序盤に起きているということは、もう少し集中する必要があります。拮抗した実力のJリーグの中で早い段階で2点差を付けられてしまえば、それを盛り返すのは非常に難しいことです。それでもPKを与えてしまった越道に関しては、彼の今日のパフォーマンス、前に向かうプレーは良かったと思っています」

──先制点を与えてしまった後は少し自信を失っているような感じで押し込まれた中でのPKでした。そこの自信を取り戻すためには?
「サッカーなので、こういうことは起こりうるのは間違いありません。ただ、自分たちのサッカーを最初からやること。失点を修正するよりも、もう一度自分たちのサッカーをやることが大事になります。本当にやりたいサッカーは、相手のミスを誘発するサッカー。自分たちのミスを責めるサッカーはやりたくありません」

フォト

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