試合の見どころ
上位に食らい付けるか、それともこのまま中位にとどまるのか。分岐点となる一戦だ。前節・京都戦では7試合ぶりの勝利を挙げてようやく長いトンネルから脱出した9位・サンフレッチェ。敵地で中2日のゲームとなった22日(水)のルヴァンカップ3回戦でも東京Vを3-2で倒すなど、勝ち切る強さが復活してきた。今節も東京V戦から中3日と連戦が続くが、総合力で乗り越えることができるか。勝点差1で追う今節の7位・C大阪との戦いは、お互いに上位進出のために負けられないゲームとなる。
相手も同じようにここにきて復活の気配がある。開幕からの8試合を5勝3分とスタートダッシュに成功したC大阪だが、第9節から6試合連続で勝利がなく停滞すると、前節は福岡を3-0で倒して7試合ぶりの勝利。そして22日のルヴァンカップも敵地での琉球戦で1-0で勝ち切るなど、最近の流れは広島とだいぶ似ている。
だからこそ、より今節は激戦必至である。もともと力のある戦力が揃い、組織的なサッカーを展開するのがC大阪というチームだ。守備は前線から最終ラインの選手まで全員がハードワークをすることはもちろん、規律のある堅い組織を形成。攻撃に移れば、後方からの丁寧なパスワークからのビルドアップで攻めていく。また、チームとしての流動的な攻撃に加え、前線のタレントも強烈だ。早くもリーグ戦で12得点を挙げているセンターFWのレオ・セアラ、両ウイングのジョルディ・クルークス、ルーカス・フェルナンデスの外国籍3トップは、3人だけで攻撃を完結できる破壊力を持つ。さらに中盤にも奥埜博亮や田中駿汰といった気の利いたプレーができるタレントが揃い、5月に入ってケガから復帰した清武弘嗣もベンチに控えている。そして、直近のリーグ2試合を欠場していた香川真司も琉球戦ではベンチ入り。今節の広島戦では、その豊富な前線のタレントたちをどう起用してくるか不透明だが、誰が出てきても厄介な相手なのは間違いない。
広島としては、粘り強くC大阪を攻略したいところだ。ミヒャエル・スキッベ体制となってからC大阪には公式戦4勝1分と圧倒的な強さを見せているが、簡単なゲームは一つもなく、後半アディショナルタイムで勝負が決するギリギリの戦いばかり。裏返せば、強力な相手の攻撃に対しても先手を許すことなく最後までもつれる展開へと持って行けば、勝ち越す力を持っているのが広島の選手たちだ。もちろん、直近の2試合同様、早い時間帯で複数得点のリードを奪うことができれば理想だが、勝負はそんな簡単なものではない。隙を与えず、隙を突く。90分をとおして我慢強く戦い、リーグ2連勝を目指したい。
相手も同じようにここにきて復活の気配がある。開幕からの8試合を5勝3分とスタートダッシュに成功したC大阪だが、第9節から6試合連続で勝利がなく停滞すると、前節は福岡を3-0で倒して7試合ぶりの勝利。そして22日のルヴァンカップも敵地での琉球戦で1-0で勝ち切るなど、最近の流れは広島とだいぶ似ている。
だからこそ、より今節は激戦必至である。もともと力のある戦力が揃い、組織的なサッカーを展開するのがC大阪というチームだ。守備は前線から最終ラインの選手まで全員がハードワークをすることはもちろん、規律のある堅い組織を形成。攻撃に移れば、後方からの丁寧なパスワークからのビルドアップで攻めていく。また、チームとしての流動的な攻撃に加え、前線のタレントも強烈だ。早くもリーグ戦で12得点を挙げているセンターFWのレオ・セアラ、両ウイングのジョルディ・クルークス、ルーカス・フェルナンデスの外国籍3トップは、3人だけで攻撃を完結できる破壊力を持つ。さらに中盤にも奥埜博亮や田中駿汰といった気の利いたプレーができるタレントが揃い、5月に入ってケガから復帰した清武弘嗣もベンチに控えている。そして、直近のリーグ2試合を欠場していた香川真司も琉球戦ではベンチ入り。今節の広島戦では、その豊富な前線のタレントたちをどう起用してくるか不透明だが、誰が出てきても厄介な相手なのは間違いない。
広島としては、粘り強くC大阪を攻略したいところだ。ミヒャエル・スキッベ体制となってからC大阪には公式戦4勝1分と圧倒的な強さを見せているが、簡単なゲームは一つもなく、後半アディショナルタイムで勝負が決するギリギリの戦いばかり。裏返せば、強力な相手の攻撃に対しても先手を許すことなく最後までもつれる展開へと持って行けば、勝ち越す力を持っているのが広島の選手たちだ。もちろん、直近の2試合同様、早い時間帯で複数得点のリードを奪うことができれば理想だが、勝負はそんな簡単なものではない。隙を与えず、隙を突く。90分をとおして我慢強く戦い、リーグ2連勝を目指したい。
監督 試合前日コメント
──いつもC大阪とは接戦となっています。今季の相手についてどう見ていますか?
「オフェンスはもっと強くなったイメージがあります。レオ・セアラは言うことないぐらいのストライカーです。ワイドにいるルーカス・フェルナンデスは札幌から加入しましたが、ドリブルがうまい選手ですし、ジョルディ・クルークスも賢くて良いクロスを上げてきます。攻撃力は昨年より増していると思っています」
──前線の外国籍選手4人がイキイキと攻撃してくるのは脅威です。
「クリエイティブですごく良い攻撃をしてきますが、これまでもC大阪は良いサッカーをしていましたからね。やはり小菊監督はそのあたり賢い印象です」
──京都戦では相手のロングボールが多かったですが、C大阪は後方から繋いできます。しっかり後ろで守備をしたほうがいいのか、それとも前からどんどんプレスに行ったほうがいいのか。
「どこでボールを奪うとか、どこから攻撃を開始するというよりも、ゲームのテンポを速くする。速いままキープすることが我々のカギになると思っています」
「オフェンスはもっと強くなったイメージがあります。レオ・セアラは言うことないぐらいのストライカーです。ワイドにいるルーカス・フェルナンデスは札幌から加入しましたが、ドリブルがうまい選手ですし、ジョルディ・クルークスも賢くて良いクロスを上げてきます。攻撃力は昨年より増していると思っています」
──前線の外国籍選手4人がイキイキと攻撃してくるのは脅威です。
「クリエイティブですごく良い攻撃をしてきますが、これまでもC大阪は良いサッカーをしていましたからね。やはり小菊監督はそのあたり賢い印象です」
──京都戦では相手のロングボールが多かったですが、C大阪は後方から繋いできます。しっかり後ろで守備をしたほうがいいのか、それとも前からどんどんプレスに行ったほうがいいのか。
「どこでボールを奪うとか、どこから攻撃を開始するというよりも、ゲームのテンポを速くする。速いままキープすることが我々のカギになると思っています」
ゲームレポート
広島が大阪の地へ乗り込んだ一戦は、最後まで目の離せない接戦となった。
前半から試合の主導権を握っていたのは広島だった。持ち味である前線からの鋭いプレスが機能してC大阪のパスワークを封じれば、強力外国籍3トップに対しても広島守備陣が隙のない守りを見せて自由を許さず。攻撃に移れば、サイドでの仕掛けに加えて最終ラインから効果的なロングフィードを積極的に送り込んでC大阪守備陣の背後を突くなど、広島のリズムは良かった。前半のCKの数もサンフレッチェが獲得したのは5本。なかなか得点に結び付けることはできなかったが、多くの時間帯で敵陣地でサッカーを展開する充実した内容に、ハーフタイムのミヒャエル・スキッベ監督も「ここまで本当に良い戦いができている。このまま続けよう!」と選手たちを称えて後半のピッチへ送り出した。
0-0で迎えた後半も広島のペースは変わらなかった。序盤から攻撃姿勢を貫いてC大阪ゴールへ迫り続けると、53分、ついに均衡を破って見せた。右サイドでCKを獲得すると、新井直人の鋭いキックに頭で合わせたのは荒木隼人。前半から何度も獲得していたセットプレーがようやく実を結び、先制に成功した。
その後も守りに入ることなく追加点を狙いに行った広島は、立て続けにチャンスを作る。56分、大橋祐紀のスルーパスに抜け出した松本泰志が決定的なシュートを放てば、59分にもCKから佐々木翔がヘディングでゴールを狙う。だが、この好機を逃すと、次第に息を吹き返したC大阪の反撃にあってしまった。相手のスピーディーな攻撃を受けて立て続けにCKを与えてしまうと、66分のことだった。右サイドからのCKを西尾隆矢に頭で決められて失点。試合を振り出しに戻されてしまった。
そこからもC大阪にボールを握られる時間帯が続き、ゴール前のCKやFKなどから迫られるシーンも多くなったが、広島守備陣も最後の集中は切らさず守り抜く。時にカウンターなどからゴールを狙った広島だったが、試合終盤は攻撃のパワーが落ちて得点は奪うことができず。7位・C大阪と9位・広島の上位を狙った一戦は、1-1の痛み分けに終わった。
前半から試合の主導権を握っていたのは広島だった。持ち味である前線からの鋭いプレスが機能してC大阪のパスワークを封じれば、強力外国籍3トップに対しても広島守備陣が隙のない守りを見せて自由を許さず。攻撃に移れば、サイドでの仕掛けに加えて最終ラインから効果的なロングフィードを積極的に送り込んでC大阪守備陣の背後を突くなど、広島のリズムは良かった。前半のCKの数もサンフレッチェが獲得したのは5本。なかなか得点に結び付けることはできなかったが、多くの時間帯で敵陣地でサッカーを展開する充実した内容に、ハーフタイムのミヒャエル・スキッベ監督も「ここまで本当に良い戦いができている。このまま続けよう!」と選手たちを称えて後半のピッチへ送り出した。
0-0で迎えた後半も広島のペースは変わらなかった。序盤から攻撃姿勢を貫いてC大阪ゴールへ迫り続けると、53分、ついに均衡を破って見せた。右サイドでCKを獲得すると、新井直人の鋭いキックに頭で合わせたのは荒木隼人。前半から何度も獲得していたセットプレーがようやく実を結び、先制に成功した。
その後も守りに入ることなく追加点を狙いに行った広島は、立て続けにチャンスを作る。56分、大橋祐紀のスルーパスに抜け出した松本泰志が決定的なシュートを放てば、59分にもCKから佐々木翔がヘディングでゴールを狙う。だが、この好機を逃すと、次第に息を吹き返したC大阪の反撃にあってしまった。相手のスピーディーな攻撃を受けて立て続けにCKを与えてしまうと、66分のことだった。右サイドからのCKを西尾隆矢に頭で決められて失点。試合を振り出しに戻されてしまった。
そこからもC大阪にボールを握られる時間帯が続き、ゴール前のCKやFKなどから迫られるシーンも多くなったが、広島守備陣も最後の集中は切らさず守り抜く。時にカウンターなどからゴールを狙った広島だったが、試合終盤は攻撃のパワーが落ちて得点は奪うことができず。7位・C大阪と9位・広島の上位を狙った一戦は、1-1の痛み分けに終わった。
監督 試合後コメント
「今日は面白い試合だったと思います。65~70分間、我々のほうが優れた良いチームだったと思っています。2点目を取るチャンスは十分にあったと思いますが、追い付かれてしまいました。その後はオープンな展開になりましたが、我々がラッキーだったら2-1で勝てていたかもしれませんし、アンラッキーだったら1-2で負けていたかもしれません。そういうオープンな試合になったので、1-1という結果は両方にとって良かったのではないでしょうか」
——同点になり、相手が勢い付いてきたことで、選手交代の判断は難しかったと思います。交代が遅かったように感じましたが、どういう判断だったのでしょうか?
「選手のパフォーマンスは非常に満足している部分はありました。(失点場面で)敬介が流していれば、そのまま1-0でいけていました。そういった面で他の選手を代えることは考えていませんでした」
——5月に入ってからまだ1勝です。勝ち切れない要因をどう考えていますか?
「まずはチャンスを得点に繋げられていないこと。それから今日のように何もないところからミスで失点しているため、思ったようにポイントが取れていないと思っています。ただ、Jリーグは上から下まで本当に実力が拮抗しています。どこのチームと対戦してもポイントを取れる確証はありませんので、引き続きやっていきたいと思っています」
——ルヴァンカップ・東京V戦でも見せた塩谷司選手のボランチ起用の効果について教えてください。
「塩谷がボランチをやるとゲームが落ち着くのはあります。それと同時に中野(就斗)が3バックの右ですごく良いプレーを見せているのもあります」
——1アシストを記録した新井直人選手について。
「新井については、右サイドで彼の才能を遺憾なく発揮しています。シュートを決めることだけでなく、得点に絡む部分でいろんな働きをしてくれています。早い段階で我々のチームに馴染んでくれたと思っています」
——同点になり、相手が勢い付いてきたことで、選手交代の判断は難しかったと思います。交代が遅かったように感じましたが、どういう判断だったのでしょうか?
「選手のパフォーマンスは非常に満足している部分はありました。(失点場面で)敬介が流していれば、そのまま1-0でいけていました。そういった面で他の選手を代えることは考えていませんでした」
——5月に入ってからまだ1勝です。勝ち切れない要因をどう考えていますか?
「まずはチャンスを得点に繋げられていないこと。それから今日のように何もないところからミスで失点しているため、思ったようにポイントが取れていないと思っています。ただ、Jリーグは上から下まで本当に実力が拮抗しています。どこのチームと対戦してもポイントを取れる確証はありませんので、引き続きやっていきたいと思っています」
——ルヴァンカップ・東京V戦でも見せた塩谷司選手のボランチ起用の効果について教えてください。
「塩谷がボランチをやるとゲームが落ち着くのはあります。それと同時に中野(就斗)が3バックの右ですごく良いプレーを見せているのもあります」
——1アシストを記録した新井直人選手について。
「新井については、右サイドで彼の才能を遺憾なく発揮しています。シュートを決めることだけでなく、得点に絡む部分でいろんな働きをしてくれています。早い段階で我々のチームに馴染んでくれたと思っています」
フォト
本日は大阪での試合となりましたが、約2,400名もの方にお越しいただきました。
紫で染まったゴール裏からの応援は選手の大きな力になりました。最後まで力強い後押し、ありがとうございました。
紫で染まったゴール裏からの応援は選手の大きな力になりました。最後まで力強い後押し、ありがとうございました。