6.22 19:00

明治安田J1 第19節 vs. 柏レイソル
AWAY三協フロンテア柏スタジアム

試合終了

柏レイソル
0
1
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
1
0
後半
0

試合の見どころ

 紫軍団の踏ん張りどころだ。19日(水)に開催された前節・横浜FM戦は、後半開始早々に退場者を出し、一時は勝ち越すなど奮闘したが、終盤に2得点を許して逆転負け。6月に入って公式戦5連勝と勢いに乗っていた広島だったが、何ともダメージの残る敗戦となった。だが、下を向いてばかりもいられない。次は中2日で前半戦最後となる柏戦だ。現在の5位をキープして、後半戦に向かうことができるか。広島のリバウンドメンタリティーが問われている。
 まさにサンフレッチェは総力戦で臨むことになる。今節は満田誠が横浜FM戦の退場によって出場停止。ただでさえ、川村拓夢と野津田岳人が抜けてボランチのポジションが手薄となっている中、ここに誰を起用するか。ミヒャエル・スキッベ監督は「もちろん頭の中にはあるが、ここで話すことではない」と前節終了後に明言を避けたが、どちらにせよ今までとは違うプランで臨まなければならない。
 また、今節のレイソルは1週間の準備期間があり、中2日の広島とはコンディション面でも差がある。幸いにも前節は不在だった主将・佐々木翔が出場停止から帰ってくる。「一つ嬉しいのは佐々木翔が戻ってこれること。また守備を強固にしながら、次の試合に向けてやっていきたい」(スキッベ監督)。立て続けに主力が不在となる中、まずは広島のストロングである“堅守”の立て直しは重要だ。レイソル戦はボランチを含めてポジションが流動的になりそうだが、やはり前線からのハードなプレスや後方での堅い守りはチームのベースとして欠かすことはできない。
 相手は現在3連敗中と良好なチーム状態ではないが、それでもタレントは揃っている。前線には日本代表経験もある点取り屋の細谷真大や190cmの大型ストライカー・木下康介、高い個人能力を備えるマテウス・サヴィオら特長の異なる多彩な攻撃陣がおり、中盤から最終ラインにかけてもボールハンター・高嶺朋樹や超攻撃型左SB・ジエゴなど充実。1-2で敗れたG大阪戦の後半を見れば、いつ同点に追い付いてもおかしくない力を示していた。今節はさらにホームで連敗を脱出しようと強いメンタリティーで臨んでくることは必至。そのレイソルの地で戦う紫軍団としては、まずは気迫で負けないこと。そして、サンフレッチェ全員の力を結集して、難局を乗り越えたいところだ。

監督 試合前日コメント

──今季のレイソルのイメージは?
「昨年より安定した戦いをしていると思っています。昨年は勝ったり、負けたりで少し安定感がなかった印象です。今年はディフェンスもだいぶ落ち着いてきていますし、前線のブラジル人や細谷(真大)など攻撃は素晴らしいものがあります」

──前節・横浜FM戦は一人退場者を出しながらも、あと一歩まで追い詰めました。決して悪い試合ではなかったと思います。
「良い試合だったかと言えば、そうではなかったと思います。ただ、熱意をもってしっかり守ったという試合でした」

──レイソル戦は佐々木翔選手が出場停止から帰ってきます。
「彼は力強い、心強いキャプテンです。もちろん、ディフェンスラインに戻ってこれるのは、すごく嬉しく思っています」

ゲームレポート

 まさに広島が耐え凌いだ一戦となった。
 この日の紫軍団は序盤から苦戦した。前節から1週間の準備期間があったレイソルに対し、広島は中2日。コンディションの差の影響からか、立ち上がりから相手の猛攻を受けてしまった。細谷真大、マテウス・サヴィオ、小屋松知哉ら力のある攻撃陣に何度もペナルティーエリア内へ進出されては守備陣が崩され、シュートを浴び続ける展開。さらにCKを何本も与えるなど、防戦一方の戦いが続く中で、何とか守備陣は体を張り、相手のシュートミスにも助けられて何とか無失点で試合を進めた。
 すると、この粘りが33分に結実する。CB中野就斗が左サイドへ展開すると、東俊希から前線の大橋祐紀へとパスが繋がりドリブルで持ち込むと、中央への折り返しをドウグラス・ヴィエイラが合わせて先制。チームを蘇らせる貴重な先制点を広島が奪って見せた。
 その後、ようやく落ち着きを取り戻したサンフレッチェは敵陣へ進出する回数を増やして前半は終了。苦しい戦いの中でもリードしてハーフタイムを迎えた。
 だが、後半はさらに耐え続ける展開となった。前半以上に相手にボールを保持されて押し込まれると、自陣で守り続けるハーフコートゲームの展開に。後半開始から左サイドだった東をボランチに回してセンターを強固にしたことで前半よりは中央で崩されるシーンは減ったが、反対に両サイドからクロスを送り込まれてゴール前での空中のバトルが続出。広島DF陣が何度も何度も頭で跳ね返し、「敬介に助けられた部分がたくさんあった」(ミヒャエル・スキッベ監督)と守護神・大迫も安定したキャッチングやファインセーブでチームを救う。ホームの大声援を背に押せ押せムードのレイソル攻撃陣を何とかギリギリのところで防ぎ続けた広島が、最後まで得点を許さず1-0で勝利。「あれだけの攻撃を受けながら失点ゼロで抑えられたことに関しては、チームは自信を付けたのではないかと思う。もちろん我々のディフェンスラインはギリギリのところで防いだ場面はたくさんあったが、それよりも後半の敬介は特に素晴らしかった」(スキッベ監督)と守備の奮闘が際立つ勝点3となった。

監督 試合後コメント

「3日前の横浜FM戦はアンラッキーで負けてしまった部分があったと思います。ただ、今日はその反対でラッキーで勝てました。現在、ディフェンスラインのケガ人が続出していることと、二人のボランチ(川村拓夢、野津田岳人)がいなくなってしまったところから、前まで見せていたディフェンスの安定感がなかなか見せられなくなっています。前半は我々にもシュートまで行くチャンスはあったと思います。後半はそういったシーンをほとんど作れませんでしたが、耐え凌いだ素晴らしい後半だったと思います。今日は(大迫)敬介に助けられた部分がたくさんありました。今日は3ポイントを持って帰られることを嬉しく思いますし、新潟戦に向けては中3日で戦えるので、次に向けて良い準備をしていきたいと思います」

──前半の30分ぐらいにシャドーのマルコス・ジュニオール選手とボランチの加藤陸次樹選手のポジションを入れ替えました。そこから試合展開は落ち着いたと思いますが、そのポジションチェンジの狙いは?
「先ほども言ったように現在の我々はディフェンスラインのケガ人、それからボランチの選手が移籍で二人いなくなったことで真ん中をできる選手層が薄くなっている状況です。その中で今日はいろいろと変えながらやりました。後半に入ると真ん中は落ち着いたと思いますが、その代わりサイドから攻撃される形となってしまいました。この状態を早く打開するために、(荒木)隼人に早くケガから回復して戻ってもらいたいと思っています」

──マルコス・ジュニオール選手を前半で代えた理由は?
「後ろに重点を置かないといけないという状況の時に前から誰かを抜かないといけませんでした。その一人が彼でした。ケガではありません」

──これほど攻め込まれた状況の中で、今季初めて1-0の勝利でした。この勝点3の意味を教えてください。
「あれだけの攻撃を受けながら失点ゼロで抑えられたことに関しては、チームは自信を付けたのではないかと思います。もちろん我々のディフェンスラインはギリギリのところで防いだ場面はたくさんありましたが、それよりも後半の敬介は特に素晴らしかったと思います」

──ドウグラス・ヴィエイラ選手のゴールをアシストした大橋祐紀選手の今季のプレーについて。
「彼はシーズン前に入ってきた選手ですが、うまくいった最高の補強だったと思っています。加藤陸次樹とのコンビネーションもすごくいいですし、前からのディフェンスもできます。今日のような攻撃の大きい仕事もできます。本当に一番、良い補強だったと思っています」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い柏でのゲームとなりましたが、約2,300名もの方にお越しいただきました。皆様の大声援があったからこそ、何とか最後まで1点を守り切ることができました。力強い後押し、ありがとうございました!

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