6.26 19:00

明治安田J1 第20節 vs. アルビレックス新潟
HOMEエディオンピースウイング広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
1
アルビレックス新潟 新潟
1
前半
1
0
後半
0
  • 前半11分
    谷口海斗

試合の見どころ

 もうひと踏ん張りだ。中3日や2日の戦いが続く6月の9連戦もあと2試合。日本代表選手の不在や主力のケガによる離脱、さらには川村拓夢と野津田岳人が移籍により途中でチームを去るなど難しい局面はあったが、ここまでの7連戦を6勝1敗で過ごしているのは上々の成績だ。次は中3日でホーム・新潟戦。その後には中2日でアウェイ・川崎F戦が待つが、「まずは明日の試合」(ミヒャエル・スキッベ監督)と新潟戦に今のすべての力を注ぐことになる。
 今節もなかなか一筋縄ではいかない相手だ。新潟には昨季のリーグ戦で2敗を喫したことに加え、今季も5月に敵地で戦った際には1-1のドロー。しかもその時は前半に相手が一人退場者を出し、広島が1-0でリードしながら、後半アディショナルタイムに同点に追い付かれる、「2ポイントを置いて帰ってしまった」(スキッベ監督)ようなゲームだった。当時のゲームでは10人になった相手が割り切って守備に徹したことでより難しくなったが、もともと新潟は細かくボールを繋いでゲームを構築する力のあるチームである。最終ラインからの巧みなビルドアップ、そして相手のゴール前へ迫れば日本人を主体としたコンビネーションは対戦するチームにとっては厄介であり、どう防ぐかは一つのポイントだ。広島としては、まず自陣のゴール前からいかに相手を遠ざけてサッカーをするかが重要となる。
 そうなると、勝負の肝となるのは、やはり広島のハイプレスが機能するかだ。新潟と1-1のドローに終わった前節の川崎Fも序盤は前線からのハードなプレッシングで主導権を握り、相手を押し込み続けて先制点を奪ったが、時間の経過とともにプレスが機能しなくなると、新潟自慢のパスワークを受けて同点に追い付かれた。前線からのアグレッシブな戦いをベースとする広島は、いかに長い時間で新潟に圧力をかけ続け、主導権を握って試合を進められるか。中国地方は最近になって梅雨入り。高温多湿の難しいコンディションによって体力が心配されるが、まずは力の限りハイプレスで新潟のポゼッションを封じれば勝利は確実に近付く。スタミナが切れても、力のある選手はサブに控えている。まさにメンバー全員が力を出し尽くし、今度こそ新潟撃破といきたいところだ。

監督 試合前日コメント

──新潟はボールを繋いでくるチームですが、現状をどう見ていますか?
「相手はボール保持率の高いチームですので、中盤をしっかり締めて、できるだけ良い形でサッカーをやりたいと思っています」

──前回のアウェイでの戦いは、最後の最後で追い付かれましたが、全体的には良い形で試合を進めていた印象です。
「むしろ11人対11人の時のほうが良いサッカーができていたと思います。相手が(退場者を出して)10人になったところから低い位置でブロックを敷かれて、崩すのが難しくなってしまいました。最後の最後で失点し、2ポイントを置いて帰ってしまったのは残念でした」

──9連戦は残り2試合ですが、メンバーのやり繰りは大変です。
「まずは明日の試合です」

ゲームレポート

 互いに持ち味を出す熱戦となった。
 広島の試合の入りは決して悪くなかった。4分の新井直人のシュートを皮切りに、その直後には高い位置で相手のパスミスを奪った大橋祐紀が絶好機を迎えれば、5分にも左サイドのCKから佐々木翔が決定的なヘディングシュートを放った。だが、相手GKの好守もあって得点を奪えずにいると、ワンチャンスをモノにされたのは12分だった。新潟の武器であるコンビネーションプレーで左サイドを崩されると、中央へのクロスを谷口海斗に合わせられて失点。早い時間帯でリードを許してしまった。
 そこからも広島はブレずに攻撃的な姿勢を貫いた。GKからじっくりとビルドアップを試みる新潟に対して高い位置からプレッシングを敢行。新潟のパスワークを封じて敵陣へ押し込んでゲームを進めると、27分にようやく攻勢が実を結ぶ。細かなパス交換から右サイドを攻略すると、新井の鋭いクロスに頭で合わせたのは大橋。得意のサイド攻撃から同点に追い付くことに成功した。
 その後は時折、新潟の鋭い攻撃を受ける時もあったが、全体的には広島が相手を押し込んでサッカーを展開。この試合は左サイドに入った満田誠やDF塩谷司が強烈なミドルシュートでゴールを狙った他、ボランチ・松本泰志らも果敢にペナルティーエリア内へ進出してチャンスを作り出していった。
 1-1で試合を折り返したハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督は選手たちに引き続き、ハードワークを求めた。
「このまま高いテンポで行こう!」
 迎えた後半は一進一退の攻防となった。前半同様、前線からハードにボールを奪いに行く広島に対し、新潟もポゼッションサッカーを変わらず貫く。前半よりは互いにチャンスを作る機会は減ったが、両チームとも良さを存分に発揮する緊張感のある攻防で推移。その中で広島は決勝点を奪おうと、ドウグラス・ヴィエイラやマルコス・ジュニオール、エゼキエウといった攻撃の切り札を立て続けに投入して試合を動かしにかかり、後半アディショナルタイムには87分から出場していた中島洋太朗も決定機を作り出したが、決めることはできず。「今日は楽しい、素晴らしい試合だったと思う。相手は勇敢で、テクニックのあるチームでしたし、我々も情熱的な活発的なチームだった」。1-1で終えた試合後のスキッベ監督は、勝点3を逃した悔しさを見せつつも、選手たちが見せたパフォーマンスを称えた。

監督 試合後コメント

「今日は楽しい、素晴らしい試合だったと思います。相手は勇敢で、テクニックのあるチームでしたし、我々も情熱的な活発的なチームだったと思います。前半も後半も多くのチャンスを作ることができました。最後の洋太朗のシュートが入っていたならばサンフレッチェ史上に残る素晴らしい物語が書けたと思いますが、そこは少し残念です。ただ、全員が良いパフォーマンスを見せたと思います。DFはケガ人がいて苦しい状態ですが、その中でもしっかり守ることができていましたし、オフェンスの選手たちもすごく良いパフォーマンスでした。ただ、結果に満足しているかと言ったら、完全に満足しているわけではありません」

──今日は満田誠選手を左サイドにしました。彼をそのポジションに置いた理由と今日のできについて。
「彼の持っているパワー、エネルギーを前で発揮してほしいと思いましたが、今日はそれを見せてくれたと思います。最初の最初の頃、マコはそのポジションで出たと思います。今日のマコのパフォーマンスにはすごく満足していますし、自分たちが求めていた『走れるマコ』が戻ってきて、望んだとおりの素晴らしいマコが帰ってきたと思っています」

──今日はいつも以上に敵陣での圧力が強かったと思います。ボールを保持する新潟に対して、そういう指示を出したのでしょうか?
「そのとおりです。『前からどんどん行こう』と今日は特に強調しました。相手は丁寧に後ろから攻撃を組み立ててきますが、そこで『丁寧にやらせないぐらいアグレッシブに行こう』と話しました。最初の4分ぐらいで、大橋がフリーになり良いシュートまで行きましたが、そういうシーンを作り出すことができました」

──中島洋太朗選手のシュートが決まっていればという試合でした。今日は彼をベンチ入りさせ、緊迫した状況で起用した理由と将来性について。
「我々はもともと、若い選手を使っていくクラブです。また、今回は移籍によって中盤の選手が抜けていたことで彼を入れました。彼にとってもチャンスを掴む良い時期だと思っています。彼自身はすごく才能のある選手です。今日の試合を見て分かったと思いますが、(最後のシュートの場面では)前へボールを持っていけるような才能のある選手なので、今後も楽しみにしています」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo

PLAYER OF THE MATCH

photo

試合情報をシェア!

x