9.4 19:00

ルヴァンカップ プライムラウンド 準々決勝 第1戦 vs. 名古屋グランパス
AWAY豊田スタジアム

試合終了

名古屋グランパス 名古屋
0
1
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
0
0
後半
1

試合の見どころ

 紫軍団の勢いはまさに本物だ。前節はFC東京を3-2で倒し、クラブ新記録となるリーグ戦7連勝を達成。天皇杯を含めれば、7月10日から公式戦9連勝と約2カ月近く勝ち続ける圧巻の数字で、夏に強い“スキッベ・広島”は今年も健在である。ただし、そんな記録にも浮かれることのないミヒャエル・スキッベ監督は「いまむしろ大事なのは、次の水曜日に向けてどれだけ回復して名古屋戦で勝利するか。そこだけ」とキッパリ。どれだけ連勝しようとも、最終的に高みに到達できなければ意味はない。次なる戦いはYBCルヴァンカップ準々決勝・名古屋戦。敵地での第1戦に向けて、広島は最善の準備を尽くして臨む。
 力のある相手なのは、すでに分かり切っている。名古屋とは約2週間前にもリーグ戦で戦い、充実した内容で2-1で勝利しているが、当然ながらそう簡単に勝てるチームではない。選手の顔ぶれを見れば、キャスパー・ユンカーやパトリック、永井謙佑、山岸祐也、森島司など前線には豊富な戦力を揃え、守備陣もGKランゲラックを中心に堅い守りを築く。広島に敗れた後の湘南戦では、実に“名古屋らしい”戦いぶりを披露。序盤に先制点を奪うと、その後はカウンターから追加点を狙いつつも、守備では1点も与えない粘り強さを発揮して、得意の“ウノゼロ”を達成。先制したら強い名古屋の力を示す結果となった。今回の戦いでもJリーグ屈指の名将・長谷川健太監督は前回対戦を踏まえた広島対策を練ってくるのは間違いなく、難しい試合になることは確実である。さらに8月31日のリーグ戦が台風の影響で延期となった名古屋はこの試合に向けて1週間以上の準備期間があったのに対し、広島は中3日。連戦を乗り切るタフさが広島には求められることになる。
 ゲームのポイントは、やはり先制点を与えないことだ。今季の名古屋はリーグ戦で13敗を喫しているが、そのなかで逆転負けはたった一度だけ。先に得点を奪った際には異常な強さを発揮するのが名古屋というチームだ。だからこそ、広島としては0-0の状況でも焦れずに試合を進めること。得点をなかなか奪えないからと言って焦って前がかりになってしまえば、相手は大きな武器であるカウンターで一発を狙っている。広島のストロングである“攻撃的守備”で主導権を握りつつも、名古屋の速攻を確実に潰し、いつか訪れるチャンスを確実にモノにできるか。サンフレッチェのストロングを存分に発揮して第1戦を制したいところだ。

監督 試合前日コメント

──今日からゴンサロ・パシエンシア選手が合流しました。
「遅くなってしまいましたが、来ましたね。ビザの手続きや台風の影響でいろいろあって少し時間がかかってしまいました。コンディションは見てみないと分からない部分はありますが、すぐにではなくシーズンを通して少し長い目で見たいと思います。もちろん、トルガイ(・アルスラン)みたいに助けてくれたら、それはそれで嬉しい話です」

──このチームでゴンサロ選手に求めることは?
「何よりも点を取ってほしいです」

──明日の名古屋戦は難しい戦いになりそうです。準々決勝第1戦では、どんな戦いにしたいですか?
「走り負けないこと、それから戦う部分で負けないことです。相手は試合が(8月31日のリーグ戦が台風の影響で)なくなっています。我々は(大迫敬介が日本代表合流のため)GKが一人いません。相手にとってはそこが付け入る隙になるのかもしれませんが、先発するGKは信頼しているので問題ありません」

──ルヴァンカップ準々決勝は2試合のため180分で勝負を決めます。明日は最初の90分という考えでしょうか?
「そういうふうに捉えても良いと思いますし、第1戦の4日後には第2戦があるので、連続で戦った時にはチーム力が差を生むと思っています。最終的には相手より少しでも良いチームでありたいと思っています」

──守備の堅さも大事になってくると思います。
「そうなると思います。ディフェンスと言っても最後の部分で守ることではなく、できるだけ自分たちのゴールから遠ざけたところでずっとプレーをすることが大事になります。相手はパトリックであろうが、ユンカーだろうが、新しく入った(アヴェレーテ・イーブス)選手だろうが、誰が出てきてもクオリティーがあります。そういった選手にゴール前で仕事をさせないためには、できるだけボールを自分たちのゴールから遠ざけたところに置いておくことが大事です」

──今日の練習前に円陣で選手に「しっかりと試合ができれば日本一の強さがある」と言っていました。
「チームとしてまとまりがありますし、各個人の能力もチームのなかで十分に発揮できたならば日本一だと思っています。それを毎試合、毎試合、出せたら良いなと思っています」

ゲームレポート

 紫軍団が根気強く名古屋を攻略する一戦となった。
 立ち上がりから試合の主導権を握ったのは広島だった。相手の武器であるカウンターに対しては出足の良さとハードな守備で潰し、攻撃に移れば果敢に背後を狙って名古屋ゴールへ前進。相手を押し込む時間を長くして試合を進めると、左右のCKを獲得して攻め立てた他、満田誠や東俊希らが積極的にミドルシュートを放つなど、広島のリズムは良かった。前半の終盤になると名古屋の圧力を受けるようになって攻め込まれる時間は増えたが、守備陣も粘り強い守りを見せて悪くない内容で前半を0-0で終えた。
「35分ぐらいまでは主導権を握っていた。後半も簡単に速く、目的を持って攻撃しよう!」
 ハーフタイム、敵地だろうと勝利を求めて攻撃的な指示を送ったミヒャエル・スキッベ監督。前線では満田誠を下げて189cmの大型FWドウグラス・ヴィエイラを入れる変化を加えて後半に臨むと、指揮官の指示どおり広島は立ち上がりから勢いを持って入った。3分に名古屋のゴールがオフサイドで取り消されるヒヤッとした場面はあったが、1トップのドウグラスを起点に紫軍団が相手を押し込んで主導権を掌握。すると、待望の時は58分に訪れた。中盤でのボールの奪い合いを制すと、新井直人が加藤陸次樹とのワンツーパスで右サイドを攻略。中央へ送り込んだ新井の鋭いクロスにトルガイ・アルスランが頭で合わせてネットを揺らし、先制に成功した。
 その後も追加点を狙う攻撃的な姿勢を持ちながら、相手の迫力ある攻めには最終ラインを中心に集中したハードな守備で対応する。80分には名古屋のスピードスター・永井謙佑にDFの背後へ抜け出されるピンチを招くも、GK川浪吾郎がスーパーセーブで死守。1点差の緊迫した状況が30分以上続く接戦となったが、最後まで守り切ったサンフレッチェが1-0で勝利。広島が優位な状況でホームでの第2戦に向かうことになった。

監督 試合後コメント

「今日は非常に“闘った”という印象です。サッカーのマインドよりも、走ることや戦うところはお互いに良いものを出せたと思います。前半の終わり頃に相手のゴールが取り消されたのはラッキーでした。後半に4つ5つぐらいの良い攻撃があり、その内の一つが良いクロスが上がり、良いヘディングシュートが決まりました。また、今日は(川浪)吾郎が(大迫)敬介に負けないぐらい良いパフォーマンスを見せてくれたと思います。次の日曜日は今日のように激しい戦いになると思いますが、そのなかでも自分たちのサッカーをレベルを上げた形で見せられたらと思っています。そうすることによって次のラウンドに進みたいと思います」

──今日は非常に守備を堅くできたと思います。
「我々のディフェンスラインは安定した守備を見せてくれました。特に1対1の場面で強さを見せたと思います。相手の(キャスパー・)ユンカーや山岸(祐也)はフィジカルがあって良い選手だと分かっていましたし、止めるのが難しいのも分かっていました。ただ、2~3カ月前の(野津田)ガクや(川村)拓夢がいなくなった頃に失点を重ねている時期がありましたが、その時からは安定した守備ができるようになって満足しています」

──中3日の試合でアウェイで勝利できた価値は?
「1-0でリードしてホームで試合ができます。ただ、たったの1点というところもあります」

──今日の川浪吾郎選手の活躍なくして勝利はありませんでした。素晴らしいセーブに加えて、落ち着きをもたらしていたと思いますが、試合前にどのような声をかけたのでしょうか?
「『今までやってきたルヴァンカップのようにプレーすれば良い』と話しました。彼は長くクラブにいますし、経験値もたくさんあるGKです。普段のパフォーマンスを出してもらえれば問題ないと思っていました。チームもコーチ陣も彼を信頼しているので、特別なことはせずに送り出しました」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は名古屋での平日ナイトゲームとなりましたが、約600名もの方にお越しいただきました。
皆様の熱い声援があったからこそ最後まで1点を守り切ることができました。力強い後押し、ありがとうございました!

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