9.19 19:00

AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25 グループステージ MD1 vs. カヤFC・イロイロ
HOME広島サッカースタジアム(エディオンピースウイング広島)

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
3
0
カヤFC・イロイロ カヤFC・イロイロ
1
前半
0
2
後半
0

試合の見どころ

 紫軍団にとっては2019年以来、5年ぶりの挑戦となる。昨季にリーグ3位となったことで得た『AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)』への出場。神戸や横浜FM、川崎Fが出場している『AFCチャンピオンズリーグ エリート(ACLE)』から一つ下のカテゴリーとなるが、ACL2にもかつてアジアを2度制覇した全北現代モータースや4度のオーストラリアリーグ優勝経験のあるシドニーFCなど強豪が集い、決して簡単な大会ではない。広島と同グループには、そのシドニーFCに加え、香港の東方、そして今回のグループステージ初戦で対戦するフィリピンのカヤFC・イロイロ。広大なアジアが舞台となる国際大会をいかに乗り越えていくか。今季から新設されたACL2の初代チャンピオンを目指し、広島が新たな冒険に出る。
 ホームで戦う初戦、カヤFC戦も簡単なゲームにはならないだろう。相手はフィリピンリーグの王者であり、昨季もACLに出場した経験値のあるチームだ。指揮を執るのは、日本人の星出悠監督・47歳。プレーヤーとしては、クラブチームの名門・三菱養和で育ち、明治大学を卒業後に日本の社会人クラブを経て、渡米。アメリカやトリニダード・トバゴ、フィリピンのクラブチームに在籍した後、そのまま指導者に転身した異色の指揮官である。今季で就任5年目。選手としても、指揮官としても、長く同国でサッカーに携わるフィリピンサッカー界の知将だ。
 さらにカヤFCは、フィリピン代表歴のある選手を多く抱える他、山崎海秀、駒木秀人、斎藤彰人、堀越大蔵という日本人選手4人を擁す。それぞれJリーグでのプレー経験はないが、東南アジアのクラブを中心に経験を積み、契約を勝ち取ってきた選手たちだ。昨季は無敗でリーグ優勝を果たした王者の“外国籍選手”として、広島は注意しなければならない。
 サンフレッチェとしては、チームの総合力で挑むことになる。直近のリーグ・鹿島戦後、ミヒャエル・スキッベ監督はカヤFC戦に向けて、「(鹿島戦とは)違うメンバーで戦おうと思っている」とターンオーバーを示唆。普段のリーグ戦ではあまり出番のない選手たちを中心に戦う腹積もりだ。ここまで基本的にスキッベ監督はどの大会だろうとメンバーを固定する傾向にあったため、出場機会の少なかった選手たちはまさにチャンス到来である。「ここしばらく厳しい連戦が続いていました。そのなかでこういう(メンバー変更の)決断に至ったわけですが、まだまだJリーグは残り8試合あり、さらに今年はACL2も6試合あるということで、ACL2のグループステージを突破したいと思っていますし、リーグ戦も1試合も落とさずに1位を目指してやっていきたい」(スキッベ監督)。まさにチームの総合力で戦うアジアの戦い。5年ぶりとなる舞台で躍動する紫の戦士に期待だ。

監督 試合前日コメント

「今回は念願の、数年間叶うことのなかったアジアの大会に出場することができました。当時はACLしかなく、今回はACL2になりますが、初めての大会を楽しみにしている部分もあります。もう一方で、この広島にアジアのたくさんのお客さんが来てくれたことを嬉しく思います。マッチコミッショナーの方がシンガポールから来てくださいましたし、今回の相手はフィリピンから来ています。インターナショナルな大会に参加できることを嬉しく思っています」

──明日のカヤFCについて、どのような印象を持っていますか?
「カヤFCは昨年ACLに出場し、横浜FMと2試合戦っています。その試合を見せてもらいました。ただ、フィリピンはシーズンがまだ始まっていないということで、あまり情報は入っていません。いつもどおり、相手のことよりも自分たちがどういうサッカーをするかが大事だと思っています」

──連戦が続くなか、直近の鹿島戦後にカヤFC戦は「メンバーを入れ替える」と話していました。明日はどのようなメンバーで臨もうと思っていますか?
「明日のチームについてですが、ここですべては話せません。ただ、この場(会見場)にいる柏好文選手はフィールドに立っているはずですし、キャプテンとして青山敏弘選手が出ることまでは言える範囲です。ここしばらく厳しい連戦が続いていました。そのなかでこういう決断に至ったわけですが、まだまだJリーグは残り8試合あり、さらに今年はACL2も6試合あるということで、ACL2のグループステージを突破したいと思っていますし、リーグ戦も1試合も落とさずに1位を目指してやっていきたいと思っています。そうすることで、次のシーズンのACL出場権を得られるようにやっていきたいです」

■柏 好文
「ACL2に初めて参加するということで、どういう感じになるのか分かりませんが、広島の良さをこの大会で出せるようにチーム一丸となって戦っていきたいと思います」

──ACLの経験もある柏選手ですが、初戦の大事さが身に染みていると思います。明日の試合をどういうふうに捉えていますか?
「ACLだけでなく国内のカップ戦も初戦は難しさがあります。相手もフィリピンで圧倒的な力でリーグを制覇しているので、入りから集中して90分を通して広島らしさを見せたいと思います」

──過去にACLを戦ってきたなかで印象や戦うなかで必要になってくるものは?
「相手は日本人選手ではないので、感覚が違ってきますし、レフェリーも日本の笛とは違ったものがあると思います。そのあたりはチームとして90分間、集中する必要があります。僕にはACLの経験があるので、自分自身も浸透させていきたいと思います」

──今回はフィリピン、香港、オーストラリアと同グループになりました。日本ではない国でサッカーをすることについて。
「それを含めてACLの醍醐味です。移動も大変だと思いますが、そこも楽しんでやれれば良いかなと思います」

ゲームレポート

 サンフレッチェがアジアの舞台で力の差を見せ付けた。
 序盤はカヤFCの攻略に苦戦した。5バック気味となってラインを低くして守りを固めてきた相手に対し、広島はポゼッション率を高めて相手を押し込むハーフコートゲームの様相を呈すなか、最後の局面ではなかなかカヤFC守備陣を崩せず。両サイドの柏好文と茶島雄介を積極的に生かしながら、中央ではドウグラス・ヴィエイラが起点となって満田誠、井上愛簾らがゴールへ迫るが、相手の粘り強さもあって0-0の時間が長く続いた。
 だが、根気強い紫軍団の攻撃が実ったのは37分だった。左CBイヨハ理ヘンリーがペナルティーエリア内まで果敢に攻め上がった後の2次攻撃から、満田誠が左サイドを攻略し、中央へクロス。これをドウグラスがワンタッチで合わせて、ようやく広島が先制に成功した。
 そのまま1-0で前半を終えて迎えたハーフタイム、当然ながらスキッベ監督の指示は攻撃的な声だった。
「引いた相手を崩すのは難しいけど、もっと裏を取ろう。そして早くボールを動かすこと」
 後半開始からはドウグラスと茶島を下げて、ゴンサロ・パシエンシアと中野就斗を投入。二人の選手交代で変化を加えて臨むと、前半同様、序盤からカヤFCに襲い掛かった。すると、相手を突き放す貴重な追加点が生まれたのは後半開始早々の54分だった。満田の中央でのドリブル突破から、左寄りでフリーとなっていたゴンサロへパスが渡ると、背番号99は豪快に右足を振り抜いて2-0。さらに攻撃の手を緩めることなく攻め続けた広島は、続く64分にも満田の左サイドからのクロスをイヨハが頭で合わせて3-0と大きくリードを広げた。
 その後は得点こそ奪えなかったものの、守備陣はカヤFCに決定機を作らせることなくしっかりと完封。広島にとって5年ぶりとなるアジアでの戦いの初戦は、完勝となった。

監督 試合後コメント

「グループステージ初戦に勝てて嬉しく思います。最初から最後までゲームをコントロールすることができましたし、多くのチャンスを作ることができました。3-0という結果も良かったです。今日のようなインターナショナルなゲームの経験ができたのは重要なポイントだと思っていますし、どちらのチームにとっても良かった試合だと思います」

──相手が引いてきたことで難しい立ち上がりだったと思います。点を取るために何が必要だったでしょうか?
「最初の10分くらいは良い形で崩せたシーンがありました。柏(好文)がサイドでボールを持ってシュートまで行ったシーンもありました。その後にもう1回ギアが上がったのは飲水タイム以降だと思います。深いディフェンスラインの相手に対して、簡単にゴールを割るのは難しいことです。ただ、前半の内に点が取れたのは良かったと思っています」

──得点を決めたゴンサロ・パシエンシア選手のコンディションはどう見ていますか?
「まだもう少しかかるのではないかと思っています。ここに来て2週間ぐらいですが、その前の準備期が十分ではなかったと思います。ただ、ピエロス(・ソティリウ)ももう少しで戻ってきますし、ドグ(ドウグラス・ヴィエイラ)も調子を上げています。良い攻撃陣が揃って、良い攻撃ができるのではないかと思います」

フォト

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