試合の見どころ
今節のJ1最注目の“首位攻防戦”だ。2024シーズンのリーグ戦も残り7試合。長いJ1の戦いも佳境を迎えた中、前節の勝利で再び首位に浮上した広島が、同じ勝点で並ぶ2位・町田をホームに迎え撃つことになった。もちろん、この1試合ですべてが決まるわけではないが、残り試合を考えれば今後に大きな影響が出る、どちらのチームにとっても“ビッグマッチ”なのは間違いない。「重要な一戦」と主将・佐々木翔もこの試合の価値を語る。勝負の一戦へ。広島は直近9戦無敗(8勝1分)の勢いを持って臨む。
当然ながら相手は強敵だ。J1初年度ながらシーズン開幕から快進撃を続けてきた町田は、直近の8試合で2勝4分2敗と一時期の勢いに陰りが見え始めたとは言え、黒田剛監督の下、相変わらず勝負に徹する姿勢を貫いている。隙のない徹底された堅い守備を構築し、攻撃では強烈なカウンターに加えて、ロングスローを含めたセットプレーに強みを持つ。さらに今夏には積極補強で戦力をより強化。攻撃陣の核となっていた平河悠が海外クラブへ移籍したのは痛手だろうが、同じアタッカーの日本代表・相馬勇紀に加え、中山雄太、杉岡大暉、白崎凌兵といった実力者を次々と迎え入れるなど、チーム力は確実にアップした。0-0で引き分けた前節・札幌戦のベンチには、ミッチェル・デューク、藤尾翔太、エリキ、相馬、仙頭啓矢、そして日本代表に初選出された望月ヘンリー海輝と、まさに豪華な顔ぶれ。そんな高い個々の質がしっかりと組織として形成されている町田は、やはり手強いチームだ。
ただし、どこが相手だろうと広島の姿勢にもブレはない。「自分たちのサッカーをどれだけ貫き通せるかが重要になる」とミヒャエル・スキッベ監督はハッキリと言う。相手の最終ラインがパスを繋いでこようが、蹴ってこようが、紫軍団は前線からプレスを仕掛け、中盤でバトルし、相手を押し込んでゴールを目指すのみ。同じ思考を持つ前節の横浜FM相手にも広島は攻撃的なスタイルで打ち勝ち、6得点を奪った。今回はリーグ最少失点の町田相手に均衡した戦いが予想されるが、我慢強くスタイルを貫いて勝利を奪えるか。ここまで培ってきた広島の力が問われる頂上決戦となる。
当然ながら相手は強敵だ。J1初年度ながらシーズン開幕から快進撃を続けてきた町田は、直近の8試合で2勝4分2敗と一時期の勢いに陰りが見え始めたとは言え、黒田剛監督の下、相変わらず勝負に徹する姿勢を貫いている。隙のない徹底された堅い守備を構築し、攻撃では強烈なカウンターに加えて、ロングスローを含めたセットプレーに強みを持つ。さらに今夏には積極補強で戦力をより強化。攻撃陣の核となっていた平河悠が海外クラブへ移籍したのは痛手だろうが、同じアタッカーの日本代表・相馬勇紀に加え、中山雄太、杉岡大暉、白崎凌兵といった実力者を次々と迎え入れるなど、チーム力は確実にアップした。0-0で引き分けた前節・札幌戦のベンチには、ミッチェル・デューク、藤尾翔太、エリキ、相馬、仙頭啓矢、そして日本代表に初選出された望月ヘンリー海輝と、まさに豪華な顔ぶれ。そんな高い個々の質がしっかりと組織として形成されている町田は、やはり手強いチームだ。
ただし、どこが相手だろうと広島の姿勢にもブレはない。「自分たちのサッカーをどれだけ貫き通せるかが重要になる」とミヒャエル・スキッベ監督はハッキリと言う。相手の最終ラインがパスを繋いでこようが、蹴ってこようが、紫軍団は前線からプレスを仕掛け、中盤でバトルし、相手を押し込んでゴールを目指すのみ。同じ思考を持つ前節の横浜FM相手にも広島は攻撃的なスタイルで打ち勝ち、6得点を奪った。今回はリーグ最少失点の町田相手に均衡した戦いが予想されるが、我慢強くスタイルを貫いて勝利を奪えるか。ここまで培ってきた広島の力が問われる頂上決戦となる。
監督 試合前日コメント
──今週1週間は良い準備ができましたか?
「良い準備ができましたし、良いトレーニングが積めたと思っています。町田戦は凄く楽しみにしています」
──町田の印象は?
「コンパクトに組織された守備がありますし、失点がダントツで少ないのは納得できる部分です。それから、ロングボールからセカンドボールを拾い、そこからコンビネーションでゴールを奪う攻撃もあります。また、セットプレーもあります。CK、FK、ロングスローであろうが、自分たちのスタイルを持っています。前線には、フィジカルを生かせる選手がいて、その周りに速い選手がいる。凄く良いチームだと思っています」
──町田はリアクションサッカーでカウンターは武器です。広島としては、カウンターをさせず、押し込み続ける展開が理想ですか?
「攻めている時も守っている時も自分たちらしさを出し続けることが大事だと思っています。もちろん相手はずっと1位や2位にい続けているチームで、Jリーグの中でも良いチームなのは誰もが知っていることです。それに対しても自分たちのサッカーをどれだけ貫き通せるかが重要になると思っています」
──町田のロングスローについて。
「ロングスローを投げられる選手がいて、ヘディングの強い大きい選手がいるという条件が揃っているのならば、攻める時には凄く大きな武器になるのは間違いありません。ただ、そればかりの攻撃だとあまり恐怖を感じる必要はありません。スローインを与えないことが大事になります」
──前回対戦ではスローインを与えないことや前線に蹴らせないことが上手くできた印象です。
「その通りだと思います。高い位置からプレスに行ってボールを奪う、自分たちの良いところが多く出た試合でした。今回も相手の良さを出させるのではなく、自分たちの良さを出し続けることが大事になります」
「良い準備ができましたし、良いトレーニングが積めたと思っています。町田戦は凄く楽しみにしています」
──町田の印象は?
「コンパクトに組織された守備がありますし、失点がダントツで少ないのは納得できる部分です。それから、ロングボールからセカンドボールを拾い、そこからコンビネーションでゴールを奪う攻撃もあります。また、セットプレーもあります。CK、FK、ロングスローであろうが、自分たちのスタイルを持っています。前線には、フィジカルを生かせる選手がいて、その周りに速い選手がいる。凄く良いチームだと思っています」
──町田はリアクションサッカーでカウンターは武器です。広島としては、カウンターをさせず、押し込み続ける展開が理想ですか?
「攻めている時も守っている時も自分たちらしさを出し続けることが大事だと思っています。もちろん相手はずっと1位や2位にい続けているチームで、Jリーグの中でも良いチームなのは誰もが知っていることです。それに対しても自分たちのサッカーをどれだけ貫き通せるかが重要になると思っています」
──町田のロングスローについて。
「ロングスローを投げられる選手がいて、ヘディングの強い大きい選手がいるという条件が揃っているのならば、攻める時には凄く大きな武器になるのは間違いありません。ただ、そればかりの攻撃だとあまり恐怖を感じる必要はありません。スローインを与えないことが大事になります」
──前回対戦ではスローインを与えないことや前線に蹴らせないことが上手くできた印象です。
「その通りだと思います。高い位置からプレスに行ってボールを奪う、自分たちの良いところが多く出た試合でした。今回も相手の良さを出させるのではなく、自分たちの良さを出し続けることが大事になります」
ゲームレポート
同じ勝点で並ぶ首位・広島と2位・町田の“頂上決戦”。今節のJ1最注目の一戦で広島が強さを見せ付けた。
序盤から広島は勢い良く町田に襲い掛かった。持ち味のハイプレスを武器に相手を押し込んでゲームを進めると、試合を動かしたのは開始早々の3分だった。敵陣での右サイドでパスを受けた中野就斗の左足クロスにニアで飛び込んだのはゴンサロ・パシエンシア。足で合わせたシュートが相手DFに当たってネットに吸い込まれ、広島が先制に成功した。
その後も試合の主導権を握ったのは広島だった。時折、相手のセットプレーや鋭いカウンターからピンチを招く場面はあったが、ほとんどの時間帯で相手を陣地へ押し込んでサッカーを展開。町田の攻撃の芽を素早く摘み、相手の前線に対しても守備陣がハードなマークで仕事をさせず広島が追加点を狙いに行った。すると、相手を突き放す貴重な追加点が生まれたのは23分だった。中央でファウルを受けたトルガイ・アルスランが素早いリスタートで右サイドへボールを展開すると、中野の右足クロスに加藤陸次樹が合わせて2-0。広島が優位な状況で前半を終えた。
「テンポを落とさずに行こう。後半はもっとギアを上げて、相手に何もやらせないぞ!」
ミヒャエル・スキッベ監督がハーフタイムにそう声をかけて迎えた後半、広島は変わらず攻撃姿勢を貫いた。アグレッシブな前線からの守備を武器にゲームを進め、守りに入ることなくゴールを目指す。それでも攻撃への圧力が増した町田に53分、58分とチャンスを作られることもあったが、ここでは守護神・大迫敬介がビッグセーブを連発。後半は追加点こそ生まれなかったものの、堅い守りで無失点でゲームを進めたサンフレッチェが2-0で逃げ切り勝ち。「重要な一戦」(佐々木翔)と戦前に話していた今季の大一番を制した広島がリーグ戦2連勝を達成して首位をキープした。
序盤から広島は勢い良く町田に襲い掛かった。持ち味のハイプレスを武器に相手を押し込んでゲームを進めると、試合を動かしたのは開始早々の3分だった。敵陣での右サイドでパスを受けた中野就斗の左足クロスにニアで飛び込んだのはゴンサロ・パシエンシア。足で合わせたシュートが相手DFに当たってネットに吸い込まれ、広島が先制に成功した。
その後も試合の主導権を握ったのは広島だった。時折、相手のセットプレーや鋭いカウンターからピンチを招く場面はあったが、ほとんどの時間帯で相手を陣地へ押し込んでサッカーを展開。町田の攻撃の芽を素早く摘み、相手の前線に対しても守備陣がハードなマークで仕事をさせず広島が追加点を狙いに行った。すると、相手を突き放す貴重な追加点が生まれたのは23分だった。中央でファウルを受けたトルガイ・アルスランが素早いリスタートで右サイドへボールを展開すると、中野の右足クロスに加藤陸次樹が合わせて2-0。広島が優位な状況で前半を終えた。
「テンポを落とさずに行こう。後半はもっとギアを上げて、相手に何もやらせないぞ!」
ミヒャエル・スキッベ監督がハーフタイムにそう声をかけて迎えた後半、広島は変わらず攻撃姿勢を貫いた。アグレッシブな前線からの守備を武器にゲームを進め、守りに入ることなくゴールを目指す。それでも攻撃への圧力が増した町田に53分、58分とチャンスを作られることもあったが、ここでは守護神・大迫敬介がビッグセーブを連発。後半は追加点こそ生まれなかったものの、堅い守りで無失点でゲームを進めたサンフレッチェが2-0で逃げ切り勝ち。「重要な一戦」(佐々木翔)と戦前に話していた今季の大一番を制した広島がリーグ戦2連勝を達成して首位をキープした。
監督 試合後コメント
「今日は町田に勝てたことに満足しています。自分たちの強さである勇気を持って前に進むサッカーを最初から見せることができました。特に前半はうまくいったと思います。勇敢に相手の裏を取りに行って、前に速いサッカーができました。また、今日は(大迫)敬介が2本、素晴らしいセーブで止めてくれて、ゼロで抑えたことも嬉しく思います。後半の最後のほうは、さらに(東)俊希がポストに当たるシュートを打ったり、良い形で終われたシーンがたくさんありました。今日の試合は自分たちが勝ちに値する良いゲームだったと思います。ただ、町田というクラブも素晴らしかったです。彼らはJ1に昇格したばかりでありながら、常に1位~3位の間にいる素晴らしいシーズンを過ごしています。彼らもまた素晴らしいチームでした」
──ゴンサロ・パシエンシア選手の先制点も加藤陸次樹選手の2点目も右サイドで裏を取ってクロスから決まりました。横浜FM戦もそうでしたが、監督の中で一つの得意な形になっていますか?
「今日は右サイドから2点を取れましたが、左サイドでも俊希が同じような形で深い位置を取ってクロスがありました。最後のフィニッシュのところでうまくいかない部分があっただけで、特に右サイドからだけでなく、どちらからも良い形で崩せると思っています」
──今季、飛躍を遂げている松本泰志選手がJ1通算100試合を達成しました。彼の成長ぶりについて。
「彼は何点取りましたか?(今季は3点のようですが)まだまだ伸びますね。泰志の成長に関しては満足するところですし、自分たちのチームの伸びている部分を象徴する存在になっていると思います。彼自身、自分からアクションを起こせますし、起こっている現象に対してリアクションも素晴らしいです。あとは、メチャクチャ可愛い犬を飼っています(笑)」
──今日の結果、町田とは勝点3差となり、神戸とは1差です。首位に立つ中、残り6試合はチームをどう進めていきたいですか?
「自分たちにとって来季のACLを目指す上では3位以内に入ることが重要だと思っています。他の結果で言えば、今日は鹿島が敗れ、G大阪が引き分けました。そこは非常に大きな意味があると思います」
──2点目はクイックリスタートから生まれました。町田の堅い守備が整う前に速く攻めたいというところを徹底したのでしょうか?
「そのとおりです。前回対戦から町田の守備の堅さは分かっていたので、セットプレーだけでなく、速い攻撃は常に心掛けていました。速くすることによって町田のディフェンスラインを崩そうと言っていました」
──ゴンサロ・パシエンシア選手の先制点も加藤陸次樹選手の2点目も右サイドで裏を取ってクロスから決まりました。横浜FM戦もそうでしたが、監督の中で一つの得意な形になっていますか?
「今日は右サイドから2点を取れましたが、左サイドでも俊希が同じような形で深い位置を取ってクロスがありました。最後のフィニッシュのところでうまくいかない部分があっただけで、特に右サイドからだけでなく、どちらからも良い形で崩せると思っています」
──今季、飛躍を遂げている松本泰志選手がJ1通算100試合を達成しました。彼の成長ぶりについて。
「彼は何点取りましたか?(今季は3点のようですが)まだまだ伸びますね。泰志の成長に関しては満足するところですし、自分たちのチームの伸びている部分を象徴する存在になっていると思います。彼自身、自分からアクションを起こせますし、起こっている現象に対してリアクションも素晴らしいです。あとは、メチャクチャ可愛い犬を飼っています(笑)」
──今日の結果、町田とは勝点3差となり、神戸とは1差です。首位に立つ中、残り6試合はチームをどう進めていきたいですか?
「自分たちにとって来季のACLを目指す上では3位以内に入ることが重要だと思っています。他の結果で言えば、今日は鹿島が敗れ、G大阪が引き分けました。そこは非常に大きな意味があると思います」
──2点目はクイックリスタートから生まれました。町田の堅い守備が整う前に速く攻めたいというところを徹底したのでしょうか?
「そのとおりです。前回対戦から町田の守備の堅さは分かっていたので、セットプレーだけでなく、速い攻撃は常に心掛けていました。速くすることによって町田のディフェンスラインを崩そうと言っていました」