試合の見どころ
サンフレッチェの力を示す戦いとなる。11月7日(木)のグループステージ(GS)第4節・シドニーFC戦で勝利して4連勝を達成した広島は、早くもノックアウトステージへの首位通過が決定。残り2試合は“消化試合”となったわけだが、公式戦である以上は勝利を目指すのみだ。ミヒャエル・スキッベ監督も「さまざまな国のチームと戦うことのできる素晴らしい大会」と、広大なアジアの舞台で繰り広げられるACL2での戦いを楽しんでおり、香港、そしてオーストラリアのゲームでは勝利して帰ってきた。次なる舞台は、クラブ初となるフィリピンでの一戦。なかなかできない海外試合を経験値へと変えて、チーム力アップにも繋げていく。
相手のカヤFCも当然ながら簡単なチームではない。GS初戦のホームで戦った前回対戦は、3-0で広島が勝利。さらに現在は1勝3敗でGS最下位に甘んじているが、ゲーム内容を見れば接戦ばかりだ。日本人指揮官の星出悠監督が指揮を執っているとあって、Jクラブのような全員がハードワークする組織的で堅い守備を構築し、攻撃ではスピーディーなサッカーを展開。同グループのシドニーFCや東方のように個で勝負を決定付ける強烈な外国籍選手はいないが、4人の日本人選手を各ポジションに配置してバランスの良いチームとなっている。両ワイドの堀越大蔵と駒木秀人、アンカーの山崎海秀、そしてCB斎藤彰人と力のある“日本人カルテット”は広島としても侮ることはできない。
勝利のポイントは、やはり難解なアウェイを乗り越えられるかだ。今回の試合会場である『リサールメモリアルスタジアム』は、Jリーグにはない人工芝での戦い。試合でも練習場でも普段から天然芝を使用しているとあって、慣れない人工芝をどう克服するか。また、11月下旬に入って冷え込んできた日本とは違い、現在のフィリピンは最高気温が30℃を超える“真夏”の気候だ。ACLの戦いらしく、日本とは大きく異なるピッチ、そして環境の中で、サンフレッチェがどう戦い抜くかは注目だ。相手の組織力を崩すチーム力が必要なのはもちろんのこと、一人ひとりのタフさも求められるハードなアウェイゲームである。
相手のカヤFCも当然ながら簡単なチームではない。GS初戦のホームで戦った前回対戦は、3-0で広島が勝利。さらに現在は1勝3敗でGS最下位に甘んじているが、ゲーム内容を見れば接戦ばかりだ。日本人指揮官の星出悠監督が指揮を執っているとあって、Jクラブのような全員がハードワークする組織的で堅い守備を構築し、攻撃ではスピーディーなサッカーを展開。同グループのシドニーFCや東方のように個で勝負を決定付ける強烈な外国籍選手はいないが、4人の日本人選手を各ポジションに配置してバランスの良いチームとなっている。両ワイドの堀越大蔵と駒木秀人、アンカーの山崎海秀、そしてCB斎藤彰人と力のある“日本人カルテット”は広島としても侮ることはできない。
勝利のポイントは、やはり難解なアウェイを乗り越えられるかだ。今回の試合会場である『リサールメモリアルスタジアム』は、Jリーグにはない人工芝での戦い。試合でも練習場でも普段から天然芝を使用しているとあって、慣れない人工芝をどう克服するか。また、11月下旬に入って冷え込んできた日本とは違い、現在のフィリピンは最高気温が30℃を超える“真夏”の気候だ。ACLの戦いらしく、日本とは大きく異なるピッチ、そして環境の中で、サンフレッチェがどう戦い抜くかは注目だ。相手の組織力を崩すチーム力が必要なのはもちろんのこと、一人ひとりのタフさも求められるハードなアウェイゲームである。
監督 試合前日コメント
■ミヒャエル・スキッべ監督
「ここに来れたことを嬉しく思っています。前回対戦でも面白い試合だったと思いますが、今回も非常に面白いゲームになると思っています。前回対戦は後半に点が取れて3-0という結果になりました。ただ、明日は難しくなるのは間違いないです。人工芝のグラウンドに慣れていない部分もありますし、そこを含めて明日の試合は楽しみたいと思っています」
──熱い気候に加え湿度も高く、さらに人工芝での戦いになります。気候も環境も難しいと思いますが、いかがでしょうか?
「天候、気候に関しては問題ないと考えています。我々、日本でも非常に厳しい長い夏を過ごしました。特に今年は長い夏だったので、先々週ぐらいまでは厳しい条件の中でサッカーをやってきました。そこに関しては、問題ないと思っています。また、ピッチについてもお互いに同じグラウンドで戦うわけです。また、相手には日本人選手がたくさんいて、フィリピンの中でも良い選手がたくさんいる、フィリピンで一番良いチームと対戦できるのは楽しみですし、素晴らしい試合になると思います」
──今季限りとなる青山敏弘選手と柏好文選手が帯同していますが、明日の出場機会はいかがでしょうか?
「カシ(柏)についてはケガをしていたこともあり、少し心配があるのでスタートではありません。アオ(青山)についても、残り4試合をこの2週間でやらないといけない状況の中、彼にとって最後の試合、ホームでできるリーグ・札幌戦、そして本当に最後の最後のホームゲームとなるACL2の東方戦、そこに照準を合わせたいと思っています。今までになかった活躍をしてほしいという気持ちから、明日はスタートではないです」
■茶島 雄介選手
「(相手には4人の日本人がいるが)同じ日本人としてフィリピンで活躍している日本の選手たちと対戦できるのは、ACLの舞台でしか経験できないことなので楽しみにしています」
──前回対戦でもカヤFCは組織的な戦いをしていましたが、印象をお願いします。
「カヤFCはホームで戦った時も組織的なディフェンスと、そこからカウンターを狙ってくる素晴らしいチームです。また、今までACLで何試合か戦ってきましたが、一つ言えるのはホームとアウェイではまったく別の顔を見せるということ。ホームも難しい試合ではありましたが、アウェイではまったく別のゲームになると思っています」
──人工芝の試合はひさしぶりだと思いますが、いつぶりになりますか?人工芝で気を付けたい点は?
「人工芝は大学の時以来です。ただ、ほとんどの日本人選手は人工芝で育ってきていると思うので、感覚がないわけではないと思います。今日のトレーニングでしっかりとボールの転がり方や跳ね方を確かめて、明日の試合に臨めればと思います」
「ここに来れたことを嬉しく思っています。前回対戦でも面白い試合だったと思いますが、今回も非常に面白いゲームになると思っています。前回対戦は後半に点が取れて3-0という結果になりました。ただ、明日は難しくなるのは間違いないです。人工芝のグラウンドに慣れていない部分もありますし、そこを含めて明日の試合は楽しみたいと思っています」
──熱い気候に加え湿度も高く、さらに人工芝での戦いになります。気候も環境も難しいと思いますが、いかがでしょうか?
「天候、気候に関しては問題ないと考えています。我々、日本でも非常に厳しい長い夏を過ごしました。特に今年は長い夏だったので、先々週ぐらいまでは厳しい条件の中でサッカーをやってきました。そこに関しては、問題ないと思っています。また、ピッチについてもお互いに同じグラウンドで戦うわけです。また、相手には日本人選手がたくさんいて、フィリピンの中でも良い選手がたくさんいる、フィリピンで一番良いチームと対戦できるのは楽しみですし、素晴らしい試合になると思います」
──今季限りとなる青山敏弘選手と柏好文選手が帯同していますが、明日の出場機会はいかがでしょうか?
「カシ(柏)についてはケガをしていたこともあり、少し心配があるのでスタートではありません。アオ(青山)についても、残り4試合をこの2週間でやらないといけない状況の中、彼にとって最後の試合、ホームでできるリーグ・札幌戦、そして本当に最後の最後のホームゲームとなるACL2の東方戦、そこに照準を合わせたいと思っています。今までになかった活躍をしてほしいという気持ちから、明日はスタートではないです」
■茶島 雄介選手
「(相手には4人の日本人がいるが)同じ日本人としてフィリピンで活躍している日本の選手たちと対戦できるのは、ACLの舞台でしか経験できないことなので楽しみにしています」
──前回対戦でもカヤFCは組織的な戦いをしていましたが、印象をお願いします。
「カヤFCはホームで戦った時も組織的なディフェンスと、そこからカウンターを狙ってくる素晴らしいチームです。また、今までACLで何試合か戦ってきましたが、一つ言えるのはホームとアウェイではまったく別の顔を見せるということ。ホームも難しい試合ではありましたが、アウェイではまったく別のゲームになると思っています」
──人工芝の試合はひさしぶりだと思いますが、いつぶりになりますか?人工芝で気を付けたい点は?
「人工芝は大学の時以来です。ただ、ほとんどの日本人選手は人工芝で育ってきていると思うので、感覚がないわけではないと思います。今日のトレーニングでしっかりとボールの転がり方や跳ね方を確かめて、明日の試合に臨めればと思います」
ゲームレポート
フィリピンでの一戦は、タフでハードな戦いとなった。
前回のシドニーFC戦でグループステージ首位突破を決めている広島は、敵地での戦いとなったこのカヤFC戦で主力を温存。井上愛簾、中島洋太朗、木吹翔太の“高校生トリオ”を先発で起用した他、最終ラインにも松本大弥、細谷航平、越道草太の3人を並べるなど、フレッシュな陣容で挑んだ。試合は慣れない人工芝のピッチ、そして東南アジア特有の高温多湿の難しいコンディションとなったが、紫軍団はそんな環境をモノともせずに、いつもどおりのアグレッシブなサッカーを展開。相手を自陣へ押し込んで試合を進めると、6分の茶島雄介のシュートを皮切りに、7分には細かなパス交換から中島がゴール中央でビッグチャンスを迎える上々のスタートとなった。
だが、フィリピンリーグでも屈指の力を持つカヤFCは、やはり侮れなかった。時折、相手の鋭いカウンターを浴びていた広島はゴール前で粘り強く対応していたが、打開されてしまったのは19分だった。カヤFCの素早い攻撃から右サイド深くまで攻め込まれると、中央へのクロスを押し込まれて失点。追いかける展開となってしまった。
それからも広島が主導権を握る構図は変わらなかった。後方からじっくりとパスを繋いで敵陣へ攻め込み、右サイドを中心に効果的なクロスを送り込んでチャンスを作り出す。あと一歩が足りずゴールは奪えなかったが、前半の内容は悲観するものではなかった。
0-1で迎えたハーフタイム、「内容は悪くない」と選手たちへ伝えたミヒャエル・スキッベ監督だが、“消化試合”だろうと勝負にこだわる指揮官らしく、一気に3枚替えを敢行。志知孝明、茶島、木吹を下げて、新井直人、松本泰志、中野就斗を投入してゲームを動かしにかかった。
後半開始すぐに入ったばかりの新井が負傷交代するアクシデントがあったものの、広島は攻撃姿勢を崩さずゴールを目指した。1トップの井上やシャドーの満田が積極的に相手DFの背後を狙って相手に圧力をかけると、迎えた69分だった。左サイドの攻撃から中央で混戦になると、相手DFのクリアが井上に当たってゴールネットに吸い込まれ同点。ようやくカヤFCゴールをこじ開けることに成功した。
そこからも攻撃への手を緩めることなく逆転を目指した広島。同点に追い付いてからは相手をほぼ押し込み続ける一方的な展開となったが、この日は最後の精度を欠いて決勝点は奪えず。フィリピンでのハードな環境での一戦は痛み分けに終わった。
前回のシドニーFC戦でグループステージ首位突破を決めている広島は、敵地での戦いとなったこのカヤFC戦で主力を温存。井上愛簾、中島洋太朗、木吹翔太の“高校生トリオ”を先発で起用した他、最終ラインにも松本大弥、細谷航平、越道草太の3人を並べるなど、フレッシュな陣容で挑んだ。試合は慣れない人工芝のピッチ、そして東南アジア特有の高温多湿の難しいコンディションとなったが、紫軍団はそんな環境をモノともせずに、いつもどおりのアグレッシブなサッカーを展開。相手を自陣へ押し込んで試合を進めると、6分の茶島雄介のシュートを皮切りに、7分には細かなパス交換から中島がゴール中央でビッグチャンスを迎える上々のスタートとなった。
だが、フィリピンリーグでも屈指の力を持つカヤFCは、やはり侮れなかった。時折、相手の鋭いカウンターを浴びていた広島はゴール前で粘り強く対応していたが、打開されてしまったのは19分だった。カヤFCの素早い攻撃から右サイド深くまで攻め込まれると、中央へのクロスを押し込まれて失点。追いかける展開となってしまった。
それからも広島が主導権を握る構図は変わらなかった。後方からじっくりとパスを繋いで敵陣へ攻め込み、右サイドを中心に効果的なクロスを送り込んでチャンスを作り出す。あと一歩が足りずゴールは奪えなかったが、前半の内容は悲観するものではなかった。
0-1で迎えたハーフタイム、「内容は悪くない」と選手たちへ伝えたミヒャエル・スキッベ監督だが、“消化試合”だろうと勝負にこだわる指揮官らしく、一気に3枚替えを敢行。志知孝明、茶島、木吹を下げて、新井直人、松本泰志、中野就斗を投入してゲームを動かしにかかった。
後半開始すぐに入ったばかりの新井が負傷交代するアクシデントがあったものの、広島は攻撃姿勢を崩さずゴールを目指した。1トップの井上やシャドーの満田が積極的に相手DFの背後を狙って相手に圧力をかけると、迎えた69分だった。左サイドの攻撃から中央で混戦になると、相手DFのクリアが井上に当たってゴールネットに吸い込まれ同点。ようやくカヤFCゴールをこじ開けることに成功した。
そこからも攻撃への手を緩めることなく逆転を目指した広島。同点に追い付いてからは相手をほぼ押し込み続ける一方的な展開となったが、この日は最後の精度を欠いて決勝点は奪えず。フィリピンでのハードな環境での一戦は痛み分けに終わった。
監督 試合後コメント
「今日は面白い試合になったと思います。前半の相手はスピードのある攻撃からチャンスを作り、我々の失点もそういった形でやられてしまいました。ただ、自分たちも前半から良い攻撃ができたと思っています。後半に入るとより自分たちのプレッシャーが増して、前半よりもチャンスを多く作ることができましたし、1点を取ることができました。今日は非常にタフで難しい試合で、慣れていない人工芝ということを踏まえれば、1-1という結果には満足しています」
──今日は井上愛簾選手、中島洋太朗選手、木吹翔太選手の2種登録選手を多く使って新鮮なスタメンでした。後半開始に木吹選手を含めて3人を交代したのは、チームのできに思うところがあったからでしょうか?
「まず木吹に求めていたのは、前のスペースにどんどんボールを当ててほしいということでした。サイドチェンジはできていましたが、残念ながらそこはあまりうまくいっていませんでした。また、ワイドではもう少しオフェンシブにプレーしたいということで、(ハーフタイムに)両ワイドも交代しました」
──井上愛簾選手はプロ公式戦初ゴールとなりました。彼のできについて。
「愛簾はユースチームでずっと点を取っていましたが、今日は彼のクオリティーをプロの舞台で見せられたのは非常に嬉しく思っています。今日はU-18の3人が試合に出ていたわけですが、彼らの見せたパフォーマンスは満足しています。特に愛簾と洋太朗は、自分たちの重要なポジション、レギュラーに近付いてきたと思います。こういうインターナショナルな試合のなかで、彼らと良いチャレンジができたのは良かったです」
──今日は井上愛簾選手、中島洋太朗選手、木吹翔太選手の2種登録選手を多く使って新鮮なスタメンでした。後半開始に木吹選手を含めて3人を交代したのは、チームのできに思うところがあったからでしょうか?
「まず木吹に求めていたのは、前のスペースにどんどんボールを当ててほしいということでした。サイドチェンジはできていましたが、残念ながらそこはあまりうまくいっていませんでした。また、ワイドではもう少しオフェンシブにプレーしたいということで、(ハーフタイムに)両ワイドも交代しました」
──井上愛簾選手はプロ公式戦初ゴールとなりました。彼のできについて。
「愛簾はユースチームでずっと点を取っていましたが、今日は彼のクオリティーをプロの舞台で見せられたのは非常に嬉しく思っています。今日はU-18の3人が試合に出ていたわけですが、彼らの見せたパフォーマンスは満足しています。特に愛簾と洋太朗は、自分たちの重要なポジション、レギュラーに近付いてきたと思います。こういうインターナショナルな試合のなかで、彼らと良いチャレンジができたのは良かったです」
フォト
本日は広島からは遠いフィリピンでのゲームとなりましたが、現地在住の方も含めて約150名もの方にお越しいただきました。勝利をお届けすることはできませんでしたが、皆さまの声援が選手の大きな力になりました。力強い後押し、ありがとうございました。