4.6 15:00

明治安田J1 第9節 vs. セレッソ大阪
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
2
1
セレッソ大阪 C大阪
1
前半
1
1
後半
0
  • 前半15分
    ルーカスフェルナンデス

試合の見どころ

 勢いを付ける一戦だ。鹿島を迎えた前節は、新戦力・前田直輝の一発で首位を撃破。ACL2敗退からのリーグ戦2試合は1分1敗とやや停滞感があっただけに、前田という“起爆剤”を得て強敵相手に勝てたのはチームとして大きい。今節は再び中3日の連戦となるが、鹿島戦で見せた勝負強さを発揮して2連勝といきたいところだ。
 今節も難敵との戦いとなる。相手のC大阪は、ここまで2勝3分3敗の13位と中位に甘んじているが、戦力を考えればもっと上の順位にいてもおかしくないチームだ。今季は開幕戦で勝利して以降、6試合連続で勝利がなく苦戦が続いていたが、前節・岡山戦でようやく7試合ぶりの白星。復調の兆しを見せた。
 選手を見ても前線は強烈だ。3トップに並ぶのは、「速い、強い、巧い」とミヒャエル・スキッベ監督も警戒するブラジル人トリオ。1トップを務めるラファエル・ハットンは、高い得点能力に加え、柔らかなポストプレーでチームに変化を加えるストライカーである。サイドに目を移せば、左ではチアゴ・アンドラーデは抜群のスピードで相手を切り裂き、右サイドではルーカス・フェルナンデスが切れ味鋭いドリブルや正確なキックでチャンスを創出する。前節はそのチアゴがスピードを生かした超ロングカウンターで開始3分に先制点を奪えば、決勝点はルーカスのFKからラファエルがゲット。他にも北野颯太といった攻撃能力の高いアタッカーが存在感を見せているが、まずはそのブラジル人トリオは要警戒である。
 広島の勝利のポイントは、やはり前線からのプレスになるだろう。今季からC大阪で指揮を執るアーサー・パパス監督の戦術としては、GKを含めて最終ラインから細かくパスを繋いで敵のハイプレスを回避し、広大な背後のスペースを使ってくる。広島としても、そのビルドアップを前で寸断することができればショートカウンターなどからチャンスを作れるだろうが、逆にプレスをいなされてボールを運ばれてしまえば、C大阪ブラジル人トリオの速い攻撃に遭うのは必至だ。まさに紫軍団の前線からのプレッシングが問われる戦いとなる。
 広島のハイプレスか、C大阪のポゼッションか。この攻防を制したチームが2連勝を掴むことになりそうだ。

監督 試合前日コメント

──中3日での試合となりますが、選手のコンディションは?
「問題ありません」

──C大阪は攻撃力のあるチームだが?
「そのとおりだと思います。前線3人のブラジル人選手は速い、強い、巧い。その3人に対してどう守れるか。そこは大きなチャレンジだと思います」

──相手が攻撃的に来れば、隙もできるのでは?
「二つのオフェンシブなチームが対戦すれば、見ているほうも面白いですよね。片方が攻めて、片方が守るという試合よりも、面白いサッカーになることを期待しています」

──前節はジャーメイン良選手、ヴァレリー・ジェルマン選手、前田直輝選手の前線3人も良い攻撃を見せていました。
「得点力はずっと課題になっている部分で、(前節・鹿島戦では)5つぐらいのチャンスを作りながらも1点しか取れていないところはあります。そこはまだまだやっていかないといけないですが、見えてきている部分はあります」

ゲームレポート

前半の広島は苦戦した。序盤からC大阪の勢いある攻撃を受けると、15分には右サイドを攻略されて最後はルーカス・フェルナンデスに決められて失点。いきなり追いかける展開となってしまった。その3分後の18分、左サイドで抜け出したジャーメイン良のパスを受けた新井直人が左足でゴールを決めてすぐに同点に追い付くことはできたが、そこからは再びC大阪ペースに。後方でのポゼッションを狙われて何度も鋭いカウンターを浴びた他、相手の巧みなパスワークに翻弄されてピンチを招くなど、前半のシュート数は広島の2本に対し、C大阪は10本と多く攻め込まれる内容でハーフタイムを迎えた。
「簡単なミスからカウンターを受けている。もっと早く簡単にボールを動かそう。後半は上げていくぞ!」
 そうミヒャエル・スキッベ監督が指示を送った後半、指揮官はメンバー構成にも変化を加えた。新井直人とヴァレール・ジェルマンを下げ、塩谷司と中村草太を投入。ベテランとスーパールーキーを入れてチームに刺激を加えた。
 後半は広島が序盤から攻め立てた。2分、中野就斗のロングスローからジャーメインがヘディングで決定的なシュートを放てば、3分に右サイドを崩して中野が決定機を迎える。さらに12分にもジャーメインが強烈な左足シュートを放ってC大阪を脅かすなど、立ち上がりは広島の勢いが上回った。だが、得点を決め切れずに時間は推移すると、その後はどちらも譲らない一進一退の攻防に。広島は相手のパスワークに何とか対応しながらしぶとくゲームを進めると、終盤にドラマが待っていた。86分、再び中野のロングスローから左サイドの中村にボールがこぼれると中央への折り返しを荒木隼人が決めて2-1。紫軍団がついに勝ち越しに成功した。
 7分となったアディショナルタイムでは、追加点を狙いつつ試合を締めて広島がそのまま勝利。2連勝を達成して順位を2位へと上げた。

監督 試合後コメント

「今日の自分たちのチームが見せたパフォーマンスはすごく誇りに思う素晴らしい試合でした。特に後半、パフォーマンスが上がったのは素晴らしかったです。前半はC大阪が主導権を握った試合でした。簡単に正確に、ウインガーにボールを預けて攻撃をしてくる形で、1点目は素晴らしいゴールを決められました。前半は(大迫)敬介に助けられたシーンも二つありました。ただ、我々も失点した後は左サイドで裏を取り、すぐに点が取れたのは素晴らしかったです。後半になるとサンフレッチェらしさをたくさん出せるようになったと思います。ゴールに向かうシーンがたくさん増えてきました。そこから終盤に良い形で点が取れて、この試合に勝てて、上位に食い付いていけることは嬉しく思います」

──前半はC大阪のビルドアップに苦しめられましたが、後半は押し込めるようになりました。ハーフタイムの修正点を教えてください。
「まず交代の部分で(新井)直人はケガが原因で変わりました。シオ(塩谷)が入ったことで後ろから良いパスが出るようになりました。また、裏に抜けることを強調したがったために(中村)草太を入れました。前半のパッシブルなところからよりアクティブにという形がカギになったと思います。そうすることでプレスに行けるようになりましたし、高い位置でボールを奪えるようになり、そこから良い攻撃に繋げることができました。本当に今日の自分たちは素晴らしかったと思います。前半あれだけ相手にボールを握られながら、後半は盛り返して向上することができた。それは簡単なことではありません。それができたチームを誇りに思います」

──前半の状況からよく立て直したと思います。今日、鹿島はホームで後半に4点を取られて逆転負けしたことを考えると、広島にも前節・鹿島戦の疲労があった気がします。
「連戦については、自分たちだけではなく、他のチームも同じ状況ですので言い訳はできません。今日の前半に関しては、C大阪が本当に素晴らしいサッカーをしたと思います。自分たちも追い越せなかった部分はありますが、そこが前半はうまくいかなかった原因だと思っています」

──ゲームを変えたポイントは3つあると思います。一つは新井直人選手の同点ゴール。一つが大迫敬介選手の素晴らしいセーブ。もう一つは塩谷司選手の投入が流れを変えたと思いますが、いかがでしょうか?
「シオは本当に素晴らしいクオリティーを持った選手です。そこは間違いありません。いつも高いパフォーマンスを発揮してくれますし、シオのために明日、明後日は2オフになります(笑)。45分頑張ったので、それに(2オフに)値するだけの活躍をしてくれたと思います」

──決勝点もそうでしたが、中野就斗選手がロングスローから多くのチャンスを作っていました。
「点を取る大きな手段だと思っています。今回もジャーメインが合わせたシーンがありましたし、得点シーンも一度、(荒木)隼人が頭ですらして、折り返しを決めました。すごく魅力的な攻撃手段かと言ったらそうではないかもしれませんが、点を取るための大きな方法だと思っています。前節・鹿島戦もスローインからの攻撃で点を取っています。そういった部分も含めて、スローインやセットプレーから得点に繋がっているところは嬉しく思っています」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

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