明治安田J1　第11節 vs. 名古屋グランパス
AWAY豊田スタジアム

　停滞した流れを吹き飛ばしたい一戦だ。前節に行われた岡山との史上初の“中国ダービー”は、0-1の敗戦。今季を象徴する、チャンスを何度も作り出しながらモノにできない悪い流れはこの試合でも表れ、「自分たちの得点力のなさを痛感した」（ミヒャエル・スキッベ監督）。ここまでリーグ戦9試合を戦い、2得点を挙げたゲームはわずか2度。その他は1点を取るのがやっとで総得点は『9』と“得点力不足”が躊躇になっているだけに、どうにかチームに勢いを与えるゴールが欲しいところだ。
　今節も課題解決に向けて険しい戦いとなる。相手の名古屋はここまでのリーグ戦2勝2分6敗でまさかの最下位。さらに4月16日（水）のルヴァンカップ2回戦では、J2の富山にPK戦で敗れるなど今季は苦戦が続いている。ただし、「今はちょっと調子が悪いぐらいの話で、質は持ってるチーム」（ミヒャエル・スキッベ監督）と、戦力を考えればそんな順位にいるチームではない。広島にもお馴染みの稲垣祥や野上結貴、森島司、浅野雄也らに加え、J屈指のアタッカーであるマテウス・カストロ、キャスパー・ユンカー、和泉竜司、中山克広など、タレントはズラリと揃っている。今季はGKにも元日本代表のシュミット・ダニエルを補強。就任4年目を迎えた経験豊富な指揮官・長谷川健太監督に率いられたチームは攻守に穴がなく、やはり今の順位が不思議なほどである。
　また、名古屋のスタイルも今の広島にとっては厄介だ。ベースとなるのは“堅守速攻”。自陣で深く守って堅陣を築き、攻撃ではマテウスらのスピードを生かしたカウンターが大きな武器である。特に今はなかなか勝てていないとあって、広島戦ではより守備に注力してくるのは必至。0-2で敗れた前節・G大阪戦も前半から圧倒的に攻め込まれるなかでも最後の局面では粘り強く守り抜こうという姿勢は見受けられた。今節も広島が相手陣地でプレーする時間が長くなることが予想されるが、そこからいかに名古屋守備陣を攻略していくか。紫軍団の攻撃力が問われることになる。
　ポイントは、やはり先制点だろう。前節のG大阪も前半は得点が取れないなかでも焦れずに相手陣地でプレーを続け、名古屋のシュートをたった2本に抑えて後半の2得点で勝ち切った。広島としてもなかなか得点を奪えなくても名古屋のカウンターを封じ続け、90分を通じて勝利のゴールを奪えるか。また、守備に徹する名古屋相手に複数得点を奪えればより自信も得られるのは間違いない。攻撃陣の奮起に期待したいところだ。

──就任1年目から長谷川健太監督とは縁があります。同い年でもあり、意識することはありますか？
「良い人だと思いますよ。親近感もありますし、親しみやすい人です。名古屋の前から良い仕事をしてきた監督だと思っています」

──今季の名古屋は調子を落としていますが、チームの印象は変わりませんか？
「すごく良い印象はずっとありますし、オフェンスはやはり強力です。今はケガ人が出て少し苦しんでいるところがあるのかもしれませんが、以前、広島にいたモリシ（森島司）や（浅野）雄也、それからブラジル人のマテウス（・カストロ）などは強烈です。また、稲垣（祥）は我々から何点も取った選手です。そういう選手もいるので、注意が必要です」

──特に元サンフレッチェの選手にはやられるのは悔しいところかと思います。
「我々のチームで実力を付けて、移籍したことの証明かなと思います。名古屋だけでなく、他のチームに行った選手も、そのクラブで良いプレーをしています。そこは良いかなと思います」

──名古屋戦で選手に求めることは？
「たくさんシュートチャンスを作る部分を期待しています。それも確実なチャンスをしっかり作ること。誰が得点を取ろうが構わないので、とにかく点を取れる形をたくさん作ること。そこは期待しています」

「まず名古屋の勝利、おめでとうございます。名古屋は素晴らしい2ゴールを決めたと思います。1点目のミドルシュートも素晴らしかったですし、2点目も良いゴールでした。我々は後半、追い上げた部分はありましたが、追い付くことはできませんでした。ただ、前田（直輝）は（負傷で）数週間か数カ月、かかるかもしれません」

──後半途中から入った井上潮音選手と越道草太選手はリズムを作ったと思います。
「彼ら二人はゴールが欲しい時に入ったなか、そういった働きはできたと思います」

本日は名古屋でのゲームとなりましたが、約1,800名もの方にお越しいただきました。
勝利をお届けできませんでしたが、皆様の熱い声援は選手の大きな力になりました。最後まで力強い後押し、ありがとうございました。