試合の見どころ
サンフレッチェにとって一つの試練だ。“得点力不足”に直面しているチームは、敵地で戦った前節・名古屋戦も1-2で敗れてリーグ2連敗。試合を通してボールは保持するものの、相手に一発で仕留められて負ける悪循環は名古屋戦でも続いた。最近の広島対策としての傾向である守備に注力してくる相手をどうこじ開けていくか。乗り越えなければならない壁だ。
その意味では、今節も険しい戦いが待っているだろう。前節に続いて敵地で戦う今回の相手は、浦和。組織的なチーム作りに定評のあるマチェイ・スコルジャ監督率いる強豪だ。今は特に勢いに乗っているチームと言っていい。開幕からのリーグ戦4試合こそ2分2敗のスタートとなったが、第5節・岡山戦の初勝利をキッカケに8試合で5勝2分1敗と上昇。直近の3試合は3連勝中である。先発メンバーもその3試合はすべて固定しており、チーム力は確実に高まっている。守りでは守護神・西川周作が最後尾でどっしりと構え、マリウス・ホイブラーテンとダニーロ・ボザのCBコンビを中心に安定。攻撃では、今季の補強の目玉となったマテウス・サヴィオ、渡邊凌磨、金子拓郎の3シャドーに加え、1トップにスピードスターの松尾佑介を置くシステムがハマっている。マチェイ・スコルジャ監督のチームらしく、攻守に安定した戦いを見せている現在の浦和は、なかなか隙を探すのが難しい。
広島としては、なかなか得点が取れないのであれば堅いゲーム運びを見せたいところだ。0-3で敗れた昨年11月の浦和との対戦は、まさに教訓とすべきゲームである。前半から攻めに攻めた広島だったが、90分を通して放った23本ものシュートはすべて空砲に終わり、少ない好機を確実にモノにされて敗れた。今節も浦和は堅い守備組織をベースに広島の前に立ちはだかるだろう。広島が相手を押し込んでゲームを展開することが予想されるなか、リスク管理を徹底して失点ゼロで耐えられるか。万が一、相手にリードを許してしまえば、浦和の“堅守速攻”がより冴えわたる。なかなか先制点が奪えなくても焦れずに0-0の時間を長くし、何とか勝利のゴールをもぎ取りたいところ。チーム全員で難局を乗り切れるか。
その意味では、今節も険しい戦いが待っているだろう。前節に続いて敵地で戦う今回の相手は、浦和。組織的なチーム作りに定評のあるマチェイ・スコルジャ監督率いる強豪だ。今は特に勢いに乗っているチームと言っていい。開幕からのリーグ戦4試合こそ2分2敗のスタートとなったが、第5節・岡山戦の初勝利をキッカケに8試合で5勝2分1敗と上昇。直近の3試合は3連勝中である。先発メンバーもその3試合はすべて固定しており、チーム力は確実に高まっている。守りでは守護神・西川周作が最後尾でどっしりと構え、マリウス・ホイブラーテンとダニーロ・ボザのCBコンビを中心に安定。攻撃では、今季の補強の目玉となったマテウス・サヴィオ、渡邊凌磨、金子拓郎の3シャドーに加え、1トップにスピードスターの松尾佑介を置くシステムがハマっている。マチェイ・スコルジャ監督のチームらしく、攻守に安定した戦いを見せている現在の浦和は、なかなか隙を探すのが難しい。
広島としては、なかなか得点が取れないのであれば堅いゲーム運びを見せたいところだ。0-3で敗れた昨年11月の浦和との対戦は、まさに教訓とすべきゲームである。前半から攻めに攻めた広島だったが、90分を通して放った23本ものシュートはすべて空砲に終わり、少ない好機を確実にモノにされて敗れた。今節も浦和は堅い守備組織をベースに広島の前に立ちはだかるだろう。広島が相手を押し込んでゲームを展開することが予想されるなか、リスク管理を徹底して失点ゼロで耐えられるか。万が一、相手にリードを許してしまえば、浦和の“堅守速攻”がより冴えわたる。なかなか先制点が奪えなくても焦れずに0-0の時間を長くし、何とか勝利のゴールをもぎ取りたいところ。チーム全員で難局を乗り切れるか。
ゲームレポート
サンフレッチェにとっては、またもあと一歩が足りなかった。
2連敗中に加え、ミヒャエル・スキッベ監督がこのゲームを含めた2試合で出場停止となるなど、一つの試練が訪れた広島。さらにリーグ戦3連勝中と勢いに乗る浦和に対し、サンフレッチェは打開策として新布陣で挑んだ。システムは従来の[3-4-2-1]から[3-5-2]へと変更。前線ではジャーメイン良と加藤陸次樹の2トップにし、その一つ下に川辺駿、ダブルボランチには3月2日のJ1第4節・横浜FC戦以来の先発となった井上潮音と田中聡を組ませる陣容となった。
試合はやはり戦前の予想どおりの展開となった。最終ラインを低くして組織的な守備ブロックを築く浦和に対し、広島がボールを保持しながら相手陣地でサッカーを展開。堅い中央の守備網をなかなかこじ開けることができない中でも左右のサイドを使いながら好機をうかがい、CKも獲得しながらゴールを目指した。反対に浦和の大きな武器であるカウンターからピンチを招いた時には最後の局面で粘り強く対応。目の離せない緊迫した前半は0-0で終えた。
「このままコンパクトさを保つこと。攻撃はどんどんボールを動かして行こう。後半も最初からオレたちのテンポで行くぞ!」
ミヒャエル・スキッベ監督に代わって指揮を執った迫井深也ヘッドコーチからそう指示を送られて臨んだ後半、51分に川辺駿が決定機を迎えるなど悪くない試合の入りを見せた広島だったが、やはり浦和には一発があった。57分、広島のCKからボールを奪われてロングカウンターを受けると、最後は金子拓郎に決められて失点。最近の良くない傾向である先制点を4試合連続で食らってしまった。
そこからもボールを保持しながら攻撃を繰り出す広島とカウンターで追加点を狙う浦和の構図で推移。時折、訪れるピンチにはGK大迫敬介がファインセーブを見せるなど1失点でしのぎ、何とか同点ゴールを目指した。だが、最近の課題である得点力不足に苦しむチームは、この試合でも堅い守備力を備える浦和をこじ開けられず。そのまま0-1で敗れてリーグ戦3連敗となった。
2連敗中に加え、ミヒャエル・スキッベ監督がこのゲームを含めた2試合で出場停止となるなど、一つの試練が訪れた広島。さらにリーグ戦3連勝中と勢いに乗る浦和に対し、サンフレッチェは打開策として新布陣で挑んだ。システムは従来の[3-4-2-1]から[3-5-2]へと変更。前線ではジャーメイン良と加藤陸次樹の2トップにし、その一つ下に川辺駿、ダブルボランチには3月2日のJ1第4節・横浜FC戦以来の先発となった井上潮音と田中聡を組ませる陣容となった。
試合はやはり戦前の予想どおりの展開となった。最終ラインを低くして組織的な守備ブロックを築く浦和に対し、広島がボールを保持しながら相手陣地でサッカーを展開。堅い中央の守備網をなかなかこじ開けることができない中でも左右のサイドを使いながら好機をうかがい、CKも獲得しながらゴールを目指した。反対に浦和の大きな武器であるカウンターからピンチを招いた時には最後の局面で粘り強く対応。目の離せない緊迫した前半は0-0で終えた。
「このままコンパクトさを保つこと。攻撃はどんどんボールを動かして行こう。後半も最初からオレたちのテンポで行くぞ!」
ミヒャエル・スキッベ監督に代わって指揮を執った迫井深也ヘッドコーチからそう指示を送られて臨んだ後半、51分に川辺駿が決定機を迎えるなど悪くない試合の入りを見せた広島だったが、やはり浦和には一発があった。57分、広島のCKからボールを奪われてロングカウンターを受けると、最後は金子拓郎に決められて失点。最近の良くない傾向である先制点を4試合連続で食らってしまった。
そこからもボールを保持しながら攻撃を繰り出す広島とカウンターで追加点を狙う浦和の構図で推移。時折、訪れるピンチにはGK大迫敬介がファインセーブを見せるなど1失点でしのぎ、何とか同点ゴールを目指した。だが、最近の課題である得点力不足に苦しむチームは、この試合でも堅い守備力を備える浦和をこじ開けられず。そのまま0-1で敗れてリーグ戦3連敗となった。
監督 試合後コメント
これまでの2試合は我々のテンポで試合をスタートできていませんでしたが、今日の試合に関しては自分たちのテンポで試合を進めようと話していました。そういった意味ではいいスタートが切れた試合だったと思います。
前半の途中からセカンドボールが拾えなくなって、相手にチャンスを与える時間もありましたが、その後セカンドゴールを拾えるように修正を効かせながら試合を進めることができたと思います。
ただ、最後のところが深いところまで踏み込み切れなかったことと、カウンターでの失点を繰り返しでしまったところが反省点ですが、選手たちは前向きに粘り強く戦ってくれたと思っています。
──攻撃的な布陣を敷いた狙いと成果は?
これまでの試合で前の選手との距離感が少し離れてる部分があったことと、(前線と守備陣の間の)つなぎ目となれる井上選手を起点に、得点を取るためにゴール前に人を増やす狙いでそういう形を取りました。
途中までは良い距離感を保ち、中央を通していけた部分もありますが、もう一歩深いところに踏み込んで行くことが出来ていたら(もっと良かった)と思います。
──スキッベ監督不在のなか、どのような役割分担をしていたか。
スキッベ監督とは、試合前の準備の段階で狙いも含めてコミュニケーションをとっており、試合前である程度完結していました。
──ウイングバックに起用した中村草太選手のパフォーマンスは。
中村草太選手は中央でのスピードが武器ですが、加藤陸次樹選手とジャーメイン良選手の2人に加え川辺駿選手が距離感よくできるとサイドのスペースより多くできると思っていたので、ウイングバックに起用しました。前半からサイドの突破ができていて、狙い通りのプレーができた部分はあったと思います。
前半の途中からセカンドボールが拾えなくなって、相手にチャンスを与える時間もありましたが、その後セカンドゴールを拾えるように修正を効かせながら試合を進めることができたと思います。
ただ、最後のところが深いところまで踏み込み切れなかったことと、カウンターでの失点を繰り返しでしまったところが反省点ですが、選手たちは前向きに粘り強く戦ってくれたと思っています。
──攻撃的な布陣を敷いた狙いと成果は?
これまでの試合で前の選手との距離感が少し離れてる部分があったことと、(前線と守備陣の間の)つなぎ目となれる井上選手を起点に、得点を取るためにゴール前に人を増やす狙いでそういう形を取りました。
途中までは良い距離感を保ち、中央を通していけた部分もありますが、もう一歩深いところに踏み込んで行くことが出来ていたら(もっと良かった)と思います。
──スキッベ監督不在のなか、どのような役割分担をしていたか。
スキッベ監督とは、試合前の準備の段階で狙いも含めてコミュニケーションをとっており、試合前である程度完結していました。
──ウイングバックに起用した中村草太選手のパフォーマンスは。
中村草太選手は中央でのスピードが武器ですが、加藤陸次樹選手とジャーメイン良選手の2人に加え川辺駿選手が距離感よくできるとサイドのスペースより多くできると思っていたので、ウイングバックに起用しました。前半からサイドの突破ができていて、狙い通りのプレーができた部分はあったと思います。
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