試合の見どころ
4年目を迎えたミヒャエル・スキッベ体制で一番の苦境かもしれない。前節・新潟戦では、最近の苦戦する戦いぶりを再び露呈。チャンスを作り出しながらゴールを奪えず時計の針が進んでいくと、終盤の85分に決勝点を奪われて0-1の敗戦。リーグ戦4連敗はスキッベ監督が就任してから最長で、クラブにとっても2019年以来6年ぶりとなった。直近の4試合でわずか1得点と“ゴール欠乏症”に苦しむチームは、ここからどう盛り返していくか。サンフレッチェの底力が問われている。
5試合ぶりの勝点3を目指す今節も難敵との対戦だ。今季から金明輝監督を迎えてスタートした福岡は、開幕3連敗と最初こそ躓いたが、第4節からは2度の3連勝を含む6勝3分1敗と勢いをつけて順位も6位へと上昇。鳥栖時代にボールを大事にする組織的なサッカーを構築していた金監督らしく、今の福岡でも堅い守備力に加え、後方からじっくりとパスを繋いで攻撃を繰り出すスタイルに着手している。
さらにタレントも揃っている。1トップは大型ストライカーのウェリントンかシャハブ・ザヘディのどちらかが務め、2列目は個性のある選手たちが充実。東京Vから加入した見木友哉や名古新太郎、岩崎悠人、紺野和也など、個で局面を打開できるアタッカー陣は誰が出てきても厄介だ。システムは状況に応じて3バックと4バックを使い分ける術も備えており、広島戦でどちらを採用するかも不透明。主に左DFを担当している期限付き移籍中の志知孝明は契約上、この試合に出場できないが、CB上島拓巳らを軸に堅い守備組織を築いてくるのは間違いない。
広島としては、やはりいかに“先制点”を奪うかが最大のカギだ。今は連敗中とはいえ、決して守備が崩壊しているわけではなく、堅い守りは相変わらず大きな武器である。今季の逆転負けは一度もなく、先制すれば3勝1分。勝ちパターンはやはり先行逃げ切りだ。焦れずに無失点で戦い続け、どうゴールをもぎ取るか。「ゴールへの意欲などもっと情熱的に表現していかないといけない」(スキッベ監督)。どんな形でも良い。誰が取っても良い。勝利への強い執念を持って戦いたいところだ。
5試合ぶりの勝点3を目指す今節も難敵との対戦だ。今季から金明輝監督を迎えてスタートした福岡は、開幕3連敗と最初こそ躓いたが、第4節からは2度の3連勝を含む6勝3分1敗と勢いをつけて順位も6位へと上昇。鳥栖時代にボールを大事にする組織的なサッカーを構築していた金監督らしく、今の福岡でも堅い守備力に加え、後方からじっくりとパスを繋いで攻撃を繰り出すスタイルに着手している。
さらにタレントも揃っている。1トップは大型ストライカーのウェリントンかシャハブ・ザヘディのどちらかが務め、2列目は個性のある選手たちが充実。東京Vから加入した見木友哉や名古新太郎、岩崎悠人、紺野和也など、個で局面を打開できるアタッカー陣は誰が出てきても厄介だ。システムは状況に応じて3バックと4バックを使い分ける術も備えており、広島戦でどちらを採用するかも不透明。主に左DFを担当している期限付き移籍中の志知孝明は契約上、この試合に出場できないが、CB上島拓巳らを軸に堅い守備組織を築いてくるのは間違いない。
広島としては、やはりいかに“先制点”を奪うかが最大のカギだ。今は連敗中とはいえ、決して守備が崩壊しているわけではなく、堅い守りは相変わらず大きな武器である。今季の逆転負けは一度もなく、先制すれば3勝1分。勝ちパターンはやはり先行逃げ切りだ。焦れずに無失点で戦い続け、どうゴールをもぎ取るか。「ゴールへの意欲などもっと情熱的に表現していかないといけない」(スキッベ監督)。どんな形でも良い。誰が取っても良い。勝利への強い執念を持って戦いたいところだ。
監督 試合前日コメント
──福岡の現状をどう見ていますか?
「昨年からチームとして出来上がってきたイメージはあります。そのなかでもよりアクティブになってきたと感じています。昨年まではすごく守ってくるチームだったのが、前にアクティブに動いてくるチームになっています」
──福岡は監督が代わり、ボールを繋ぐスタイルになっています。
「先ほど言いましたようにアクティブになっていますし、新しい監督の要素が入っていると思います。数節前には首位にも立っています。すごく良い形でシーズンに入れていると思っています」
──広島はまず自分たちに目を向けることになると思いますが、選手のコンディションはいかがでしょうか?
「今は結果としてうまくいっていない時期で、批判的な部分はもちろんあると思います。ただ、チームは相手に上回られているわけではありません。そのなかでゴールへの意欲などもっと情熱的に表現していかないといけません」
──連戦となりますが、メンバー構成についてはどう考えていますか?
「誰が出ても自分たちにはそれなりのものを持っていることをもう一度再確認したいと思っています。クリエイティブなサッカーもできますし、巧い選手もいる。走れる選手もいる。セットプレーもあります。自分たちのポテンシャルをしっかり示せるようにやっていきたいと思っています」
「昨年からチームとして出来上がってきたイメージはあります。そのなかでもよりアクティブになってきたと感じています。昨年まではすごく守ってくるチームだったのが、前にアクティブに動いてくるチームになっています」
──福岡は監督が代わり、ボールを繋ぐスタイルになっています。
「先ほど言いましたようにアクティブになっていますし、新しい監督の要素が入っていると思います。数節前には首位にも立っています。すごく良い形でシーズンに入れていると思っています」
──広島はまず自分たちに目を向けることになると思いますが、選手のコンディションはいかがでしょうか?
「今は結果としてうまくいっていない時期で、批判的な部分はもちろんあると思います。ただ、チームは相手に上回られているわけではありません。そのなかでゴールへの意欲などもっと情熱的に表現していかないといけません」
──連戦となりますが、メンバー構成についてはどう考えていますか?
「誰が出ても自分たちにはそれなりのものを持っていることをもう一度再確認したいと思っています。クリエイティブなサッカーもできますし、巧い選手もいる。走れる選手もいる。セットプレーもあります。自分たちのポテンシャルをしっかり示せるようにやっていきたいと思っています」
ゲームレポート
サンフレッチェがようやく苦境を脱出した。
直近の4試合でわずか1得点。4連敗の原因となっている“得点力不足”を解消しようと、広島は序盤から攻めに攻めた。開始1分の前田直輝のファーストシュートを皮切りに相手を押し込んでサッカーを展開。ジャーメイン良の前線でのプレスから加藤陸次樹がショートカウンターで好機を迎えれば、CKから荒木隼人がヘディングで2度の惜しいシュートを放つ。さらに左サイド・東俊希のクロスからジャーメインも2度のチャンスが訪れるなど、果敢にゴールを狙いに行った。得点まであと一歩が届かなかったが、37分の前半唯一のピンチに対しても守護神・大迫敬介がビッグセーブ。広島が多くのチャンスを作り出す展開で前半を0-0で終えた。
「シュートはもっと丁寧に。最後の最後まで集中すること。残り45分で勝つぞ!」
ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督がそう指示を送って臨んだ後半も広島ペースは変わらなかった。前半同様、相手陣地でプレーする時間を長くして試合を進め、チャンスを構築。56分、田中聡のスルーパスからジャーメインがGKと1対1の絶好機を迎えるなど得点の匂いを漂わすと、ついに待望の先制点が生まれた。67分、ハーフライン付近でジャーメインが体を張ってキープしたボールが加藤に繋がると、そのままドリブルで持ち運んで右足を一閃。苦しんでいた背番号51がようやく今季初ゴールをもぎ取った。
その後、86分に菅大輝がペナルティーエリア内でハンドを取られてPKから同点弾を献上。またも勝利から見放されるかと思われた広島だったが、「最後までゴールを取りに行って勝利を目指したところは素晴らしかった」とスキッベ監督が称えた選手たちの勝利の執念が90+8分に実った。中村草太がドリブル突破からPKを獲得。キッカーはここまで1得点と加藤同様に苦しんでいたジャーメインだった。これを左足で冷静に決めて、再び勝ち越し。このゴールを守り切った広島が連敗を『4』で止め、5試合ぶりの勝利を挙げた。
直近の4試合でわずか1得点。4連敗の原因となっている“得点力不足”を解消しようと、広島は序盤から攻めに攻めた。開始1分の前田直輝のファーストシュートを皮切りに相手を押し込んでサッカーを展開。ジャーメイン良の前線でのプレスから加藤陸次樹がショートカウンターで好機を迎えれば、CKから荒木隼人がヘディングで2度の惜しいシュートを放つ。さらに左サイド・東俊希のクロスからジャーメインも2度のチャンスが訪れるなど、果敢にゴールを狙いに行った。得点まであと一歩が届かなかったが、37分の前半唯一のピンチに対しても守護神・大迫敬介がビッグセーブ。広島が多くのチャンスを作り出す展開で前半を0-0で終えた。
「シュートはもっと丁寧に。最後の最後まで集中すること。残り45分で勝つぞ!」
ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督がそう指示を送って臨んだ後半も広島ペースは変わらなかった。前半同様、相手陣地でプレーする時間を長くして試合を進め、チャンスを構築。56分、田中聡のスルーパスからジャーメインがGKと1対1の絶好機を迎えるなど得点の匂いを漂わすと、ついに待望の先制点が生まれた。67分、ハーフライン付近でジャーメインが体を張ってキープしたボールが加藤に繋がると、そのままドリブルで持ち運んで右足を一閃。苦しんでいた背番号51がようやく今季初ゴールをもぎ取った。
その後、86分に菅大輝がペナルティーエリア内でハンドを取られてPKから同点弾を献上。またも勝利から見放されるかと思われた広島だったが、「最後までゴールを取りに行って勝利を目指したところは素晴らしかった」とスキッベ監督が称えた選手たちの勝利の執念が90+8分に実った。中村草太がドリブル突破からPKを獲得。キッカーはここまで1得点と加藤同様に苦しんでいたジャーメインだった。これを左足で冷静に決めて、再び勝ち越し。このゴールを守り切った広島が連敗を『4』で止め、5試合ぶりの勝利を挙げた。
監督 試合後コメント
「両チームともJリーグのなかでも高いレベルのサッカーをしたと思います。我々の一番良かったところは失点後も諦めることなく攻撃し続けたこと。残り5分~アディショナルタイムを含めて10~15分ぐらいの時間でも諦めることなく、最後までゴールを取りに行って勝利を目指したところは素晴らしかったと思います。全体的に自分たちのパフォーマンスには満足しています。そのなかでも特にオフェンシブの選手のパフォーマンスには非常に満足しています。前の二人がやっと点を取れたことは素晴らしいですし、その前にも彼らは素晴らしいプレーを見せていました。次の試合に向けて少しは荷が下りたところはあると思います。今、この瞬間は今日勝ったこと、今日のパフォーマンスには非常に嬉しく思っています」
──ジャーメイン良選手と加藤陸次樹選手が点を取れて本当に良かったと思います。彼ら二人は苦しんでいたと思いますが、監督からメンタル面など声をかけたことはありますか?
「いつも誰でもそういう話はしています。『ナーバスになるな』、『気にしなくていい』、『次は必ず入る』など、そういった話はしてきました。今日の試合でもし入らなかったとしても次の試合、そこで入らなかったとしてもその次の試合とやっていくことができました。それよりも何よりも彼ら自身が良いパフォーマンスをずっと見せ続けていたことは素晴らしかったです。今日に関して言えば、(前田)直輝も最初のシュートは入っていませんし、(中村)草太も何本か外しているところはあります。ただ、そのなかでも彼らが見せたパフォーマンスには満足しています」
──前節の前半もそうでしたが、今節も前からのディフェンスで前から奪うシーンが多くありました。
「今日の試合の前にキャプテンと話をしました。その時にはコンパクトにすることについて話しました。どの場面になってもコンパクトにプレーすることを強調しました。キャプテンとの意見交換は非常に重要なことだと思っています。そのなかでそういうことを言えた。キャプテンからチームに伝わったことが良かったのではないかと思っています」
──PKを獲得した中村草太選手について。
「素晴らしいパフォーマンスでした。我々のクラブに来たのは正解だったと思っています。彼自身、このクラブでどんどん成長していくと思っています」
──就任4年目で4連敗は初めてだったと思います。ベンチ入り停止などもありましたが、この1カ月はどういう期間でしたか?
「2試合負けて、2試合はファンだったんですけどね(笑)。ただ、サッカーの楽しみ方やサッカー人生のなかで良い経験ができたと思います。監督になって40年目で初めてベンチ入り停止となりました」
──ジャーメイン良選手と加藤陸次樹選手が点を取れて本当に良かったと思います。彼ら二人は苦しんでいたと思いますが、監督からメンタル面など声をかけたことはありますか?
「いつも誰でもそういう話はしています。『ナーバスになるな』、『気にしなくていい』、『次は必ず入る』など、そういった話はしてきました。今日の試合でもし入らなかったとしても次の試合、そこで入らなかったとしてもその次の試合とやっていくことができました。それよりも何よりも彼ら自身が良いパフォーマンスをずっと見せ続けていたことは素晴らしかったです。今日に関して言えば、(前田)直輝も最初のシュートは入っていませんし、(中村)草太も何本か外しているところはあります。ただ、そのなかでも彼らが見せたパフォーマンスには満足しています」
──前節の前半もそうでしたが、今節も前からのディフェンスで前から奪うシーンが多くありました。
「今日の試合の前にキャプテンと話をしました。その時にはコンパクトにすることについて話しました。どの場面になってもコンパクトにプレーすることを強調しました。キャプテンとの意見交換は非常に重要なことだと思っています。そのなかでそういうことを言えた。キャプテンからチームに伝わったことが良かったのではないかと思っています」
──PKを獲得した中村草太選手について。
「素晴らしいパフォーマンスでした。我々のクラブに来たのは正解だったと思っています。彼自身、このクラブでどんどん成長していくと思っています」
──就任4年目で4連敗は初めてだったと思います。ベンチ入り停止などもありましたが、この1カ月はどういう期間でしたか?
「2試合負けて、2試合はファンだったんですけどね(笑)。ただ、サッカーの楽しみ方やサッカー人生のなかで良い経験ができたと思います。監督になって40年目で初めてベンチ入り停止となりました」
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