7.2 19:00

明治安田J1 第5節 vs. ヴィッセル神戸
AWAYノエビアスタジアム神戸

試合終了

ヴィッセル神戸 神戸
1
0
サンフレッチェ広島 広島
  • 後半21分
    エリキ
0
前半
0
1
後半
0

試合の見どころ

 自分たちのスタイルを取り戻したい一戦だ。1-2で敗れた前節・名古屋戦、恒例となっている試合後のピッチ上での円陣でめずらしく険しい表情で選手に訴えかけるミヒャエル・スキッベ監督の姿があった。「前半の我々のパフォーマンスに関しては理解できないところがあった。私がサンフレッチェに来てから、まったく逆のサッカーをやっていた。本来だったら高い位置からボールを奪いに行きたかったが、ボールを奪っても後ろにパスを出す、バックパスが非常に多い試合になってしまった」と試合後の指揮官。やはり、アグレッシブに、前へ前へ突き進むのが、スキッベ監督率いる広島のスタイルである。試合で敗れようとも、そのスタイルを出せていた時には選手を称えてきた指揮官の名古屋戦後の喝がチームにどう響いたか。今節は原点に立ち返るゲームとなる。
 自信を取り戻すには、打ってつけの強豪との対戦だ。敵地で戦うのは、リーグ2連覇中の神戸。「やはり一番強いチームだと思っている」(スキッベ監督)と話すとおり、言わずもがなの難敵である。現在は広島を勝点差1で上回っての4位。昨季のリーグMVPである武藤嘉紀が5月からケガで長期離脱していることに加え、絶対的エースの大迫勇也も直近の3試合で離脱中と決して順風満帆なチーム事情ではないが、直近の4試合は3連勝を含む3勝1分と地力の高さを示している。開幕から3月までのリーグ戦6試合は1勝3分2敗と苦戦が続いたが、4月からの14試合で10勝4敗と怒涛の巻き返し。ダブルエース不在でも、佐々木大樹が前線の核として成長し、序盤はケガで出遅れた宮代大聖が7得点と気を吐く。さらにドリブラーの汰木康也や今季途中に町田から加入したエリキといったタレントが攻撃陣には揃い、中盤から最終ラインにかけても経験豊富な扇原貴宏や井手口陽介、酒井高徳らが存在感を見せるなど、やはりチーム力はJ1随一だ。2月に戦った『FUJIFILM SUPER CUP 2025』では、神戸に2-0で勝利した広島だが、相手は主力を温存していたため参考にはならない。今回はACLの関係で未消化となっていた第5節のゲーム。上位に肉薄するためにも、お互いに負けられない一戦となる。
 広島としては、名古屋戦の教訓を生かすのみだ。相手の前線が強烈であろうとも、前からボールを奪いに行き、相手を押し込み続け、ゴールを目指すこと。前節に見せられなかった広島らしいアグレッシブな戦いで神戸を撃破し、再び勢いに乗りたいところだ。

監督 試合前日コメント

──神戸の印象は?
「ここ2シーズン連続で優勝していますし、今は大迫(勇也)と武藤(嘉紀)がいないながらもオフェンスはすごく強い。やはり一番強いチームだと思っています」

──攻守にアグレッシブな戦いが求められますが、広島らしさを出していきたいところです。
「それをやらないと大敗してしまいます」

──中3日のゲームですが、選手の状態はいかがでしょうか?
「神戸も同じ状況ですから、問題ないです」

ゲームレポート

序盤から互いに譲らない一進一退の攻防となった。気温28.5℃、湿度85%。19時キックオフながら高温多湿のタフな気候となったが、広島は「自分たちのサッカーができなかった」(ミヒャエル・スキッベ監督)と言う前節・名古屋戦の反省を生かして立ち上がりから前へ、前へ、突き進んだ。ジャーメイン良、加藤陸次樹、中村草太の1トップ2シャドーが果敢に相手DFの背後を狙って敵陣地へ前進し、チャンスをうかがう。13分、新井直人のパスをペナルティーエリア内で受けたジャーメインから中村へとボールが繋がる好機があった他、右サイドを抜け出した加藤の鋭いクロスからあわやのシーンを作るなど、前半途中までは広島ペースとなった。30分過ぎからは、攻撃への圧力を強めてきた神戸にチャンスを作られることもあったが、GK大迫敬介が宮代大聖の決定的なシュートをファインセーブで止めるなど、守備陣も粘り強く対応。どちらも好機を生かせず、前半を0-0で終えた。
「ここまで良いゲームができている。チャンスをしっかり生かしていこう!」
 スキッベ監督が選手へそう伝えて送り出した後半も互いに譲らない激闘となった。広島は52分、右サイド・中野就斗のアーリークロスからジャーメインがポスト直撃のヘディングシュートを放っていきなり相手を脅かせば、神戸もエリキや佐々木大樹、宮代大聖らが推進力のある攻撃を仕掛けてきた。すると、チャンスを先にモノにされたのは66分だった。神戸のカウンターを受けると、ゴール前の崩しから佐々木大樹のパスを最後はエリキに頭で合わせられて失点。手痛いリードを許してしまった。
 その後は前田直輝、東俊希、ヴァレール・ジェルマン、木下康介、菅大輝と攻撃的なカードを次々と切って同点を目指したスキッベ監督。だが、失点以降はなかなか相手陣地へ前進できずに受けに回る時間が多くなり、効果的な攻撃をほぼ見せられず。そのまま0-1で敗れた広島はリーグ2連敗と悔しい結果に終わった。

監督 試合後コメント

今日は強い2チームが対戦した面白いゲームだったと思います。
一方のチームはたくさんチャンスを作りながらも点を取れず、もう一方は1点取って勝った、そういう試合だったと思います。
全体的にチームのパフォーマンスに納得はしていますが、良いサッカーをしてたくさんチャンスを作りながらも得点ができないという、今シーズンの我々の苦しみを象徴するようなゲームになってしまいました。
Jリーグを連覇している王者相手に良いパフォーマンスができたことは良かったと思いますが、負けてしまったことが残念です。

──高温多湿で選手の消耗も激しいなか、次節まで中2日と期間が短い。どのようにコンディション調整をして次節に臨もうとしているか。

メディカルチームと協力しながら、回復するということに全力を尽くしたいと思います。
この暑いなかコンディションを回復させるのは非常に難しいチャレンジになりますが、トップアスリートとして次節に万全のコンディションで臨みたいと思います。

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は神戸での平日ナイトゲームとなりましたが、約2,000名もの方にお越しいただきました。ゴール裏を紫で染めてくださった皆様の声援は選手の大きな力になりました。最後まで力強い後押し、ありがとうございました。

試合情報をシェア!

x