11.21 16:03

明治安田J1 第28節 vs. セレッソ大阪
AWAYヤンマースタジアム長居

試合終了

セレッソ大阪 C大阪
0
1
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
1
0
後半
0
  • 前半24分
    レアンドロペレイラ

試合の見どころ

 拮抗した展開を打ち破る攻撃力に期待だ。敵地「ヤンマースタジアム長居」へ乗り込む今節。相手のC大阪はここまで15勝4分8敗の勝点49で5位という好位置につけている難敵である。スペイン人の策略家・ロティーナ監督に率いられたチームの大きな特長はリーグで4番目に失点数の少ない堅守であり、整備された守備組織を崩すのは容易ではない。浦和(1●3)、G大阪(1△1)、清水(1●3)と戦った相手の直近3試合は1分2敗と結果こそ出ていないが、内容を見れば勝っていてもおかしくないゲームもあった。「(C大阪の守備は)本当に堅い。個の能力もある中で守備意識も高く持っている」と城福浩監督も認める相手の堅い守備をどうこじ開けるか注目となる。
 特に広島にとって“得点力向上”は必須だ。直近の5試合は2勝3分と負けておらず、内容面でも多くの時間で相手を押し込んでチャンスを作ることはできているが、仕留められなかったがために勝ち切れず3引き分けにつながっている。その課題について「ここ数試合の感覚で言えば、得点は少ない」と指揮官もキッパリ。1-1で引き分けた前節・横浜FC戦もそうだが、第25節・仙台戦(0△0)、第26節・浦和戦(1△1)など、好内容とは裏腹な結果となっているだけに、課題克服は喫緊のテーマだ。前節から1週間空いた今週は「決定機に近い状況をいかに多く作るか」(城福監督)と攻撃の積み上げに注力した。昨年からC大阪戦は堅いゲームになっているが、今節は“超決定機”を一つでも多く作り出して勝機を見出したいところとなる。
 その前提として、城福監督がC大阪戦でポイントに挙げたのが広島の守備でもある。相手の堅さはもちろんだが、前線のタレントに目を向けても実力者がズラリ。特に元日本代表の技巧派アタッカー・清武弘嗣とドリブラー・坂元達裕が陣取る「両サイドは個の能力が高い」(城福監督)。C大阪の堅守攻略だけに思考が傾いてしまえば、相手の強烈なアタッカー陣の餌食になってしまうだけに、やはり攻守のバランスは重要だ。「そこ(両サイド)を抑えながら、良い守備から良い攻撃につなげることが試合の大きなポイントになる」と指揮官。相手の陣形が整った時に崩すことができればいいが、難しくても良い守備でC大阪攻撃陣を封じ、バランスが崩れた相手の隙を突くこと。難敵を何とか攻略して、ラスト5試合へ勢いをつけたいところだ。

監督 試合前日コメント

(C大阪は直近の3試合で勝てていないが?)メンバーが固定されているところもあるので、年間を戦ってきた中での多少のコンディション的なものはあるかもしれない。ただ、C大阪がやろうとしていること、あるいは右と左で個がまったく違う特長を持っている中、それを最大限発揮しようとしてくる。また、最近は特に豊川(雄太)が出場し、モビリティーがより出てきている印象がある。そういう意味では、内容と勝点は必ずしも比例はしていないと思っている。
(相手には優秀なサイドアタッカーがいるが?)どのゾーンでどういう形でボールを持たせたら必ずここまでの仕事をするという選手がいる。そこは対面している選手だけに任せるのではなく、チームでそういう状況を作らないこと。また、そういう状況になった時には数的優位を作って凌ぐこともしないといけない。だからと言って、我々の前から行くディフェンスと後ろのカギをかけるディフェンスが引きこもるような感じにはなりたくない。どのゾーンでどういう状況になった時にみんなが同じ危機感を持てるかが大事になる。
(広島の攻めていくポイントは?)相手は[4-4-2]システムのブロックを本当にしっかり敷いてくるチーム。逆に言うと、そのブロックの形を崩すのが難しい。我々はむしろ、そのブロックの間にどういうボールをつけていくか。それはサイドも含めて。[4-4-2]がどういうブロックの形なのかみんながバッとイメージできるぐらい、あの[4-4-2]の形が一番崩れないチーム。だからこそ、間をうまく使えればと思っている。
(セットプレーがカギになるのでは?)相手はキッカーもクオリティーが高いし、いくつかの決まったパターンを持っている。一つを抑えれば、もう一つを抑えられない状況になる。今日はみんなで共有はした。ただ、一番得点につながっているのは、マテイ・ヨニッチや木本(恭生)がどういうふうに入ってきて、彼らにヘディングをさせるために他の選手が何をしているか。ここは試合前も含めて、もう一度みんなで共有したい。我々の攻撃で言えば、C大阪のほとんどが先ほど話したヨニッチと木本がヘディングでクリアしている。彼らのボールに当てる能力は非常に高い。彼らに思う存分ボールに当てに行くような状況にさせないことを考えるのと、ボールの供給のしどころをどうするか。そこは我々も準備してきた。
(明日から3連戦となるが?)まずは明日の試合に集中すること。そこから先のことはその後に考えたい。他は過密日程の中でやってきたチームもあるので、今度は我々がそれをやる番になっただけ。大事なのは連戦の最初のゲーム。結果が一番大事になる。

試合前情報

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本日は大阪でのゲームとなりましたが、約800名もの方にお越しいただきました。皆さまの後押しがあったからこそ、10人になってからも選手は戦い抜くことができました。応援、ありがとうございました!

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本日のスターティングイレブンです! 前節から先発5人が入れ替わりました。今日もチーム全員の力を合わせて勝利を目指します!

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10月14日のJ1第22節・川崎F戦以来のメンバー入りとなった柴崎晃誠選手。今日は頼もしいベテランがベンチで控えています!

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選手を乗せたバスがスタジアムに到着しました。ここからさらに気持ちを高めていきます!

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「ヤンマースタジアム長居」のロッカールームです。育成組織時代から過ごしたC大阪との対戦となる永井龍選手。古巣との戦いに気合い十分です!

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本日はアウェイ・セレッソ大阪戦! 相手は堅い守備力を備える強豪です。今日も堅い難しい戦いが予想されますが、チーム全員の力で勝利を目指しますので、熱い後押しをよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・守備はロングボールの対応とセカンドボールの回収はできている。これを続けること。
・攻撃は相手の状況を見ながらビルドアップすること。
・アタッキングサードでは相手を揺さぶりながら間を使っていこう。

ゲームレポート

紫軍団が敵地で執念の戦いを見せた。
まさに前半は完璧な内容だったと言っていい。「11対11の時には攻守において我々らしく非常に良い内容だったと思う」。そう城福浩監督が試合後に語ったように、リーグ屈指の堅い守備力に加え、清武弘嗣や坂元達裕など強烈なアタッカーを擁するC大阪に対し、広島は組織的な戦いで序盤から圧倒。1トップに配置されたレアンドロ・ペレイラを筆頭に2シャドーの森島司と浅野雄也ら前線が効果的なプレスを仕掛けて相手の後方でのビルドアップを封じると、ロングボールに切り替わった時でも大型FWである都倉賢のパワーを佐々木翔、荒木隼人、野上結貴の3バックが抑え込む。セカンドボールへの寄せも早い広島がほぼ相手を自陣へ押し込み続け、アタッキングサードではレアンドロやサイドを起点にコンビネーションプレーでC大阪ゴールへ襲い掛かった。すると、その効果が実ったのは24分だった。パスの連係から左サイドを攻略した東俊希がクロスを送ると、相手DFのクリアを拾ったレアンドロが右足を振り抜き豪快にネットを揺らして先制点を奪うことに成功した。その後も組織的かつ迫力のある守備でC大阪に攻め手を許さなかったサンフレッチェがリードしたまま前半を終えた。
だが、試合はやはりそう簡単に終わらなかった。ハーフタイムから選手交代を使って同点を目指してきたC大阪に対し、広島は前半同様に高い集中力で抑え込んでいたが、アクシデントが起きたのは62分だった。レアンドロがこの日2枚目となるイエローカードを提示されて退場。残りの約30分間を一人少ない10人で戦わざるを得なくなってしまった。
そうなると、試合はもう完全にC大阪ペースへ切り替わった。前線の枚数が減ったことで攻撃へのパワーを出せなくなった広島は自陣に釘付けにされ、サイドからのクロスを中心にパワープレーでゴールを狙われ続ける。そのこぼれ球からクロスバー直撃のシュートを打たれるなど、ピンチも続出した。だが、10人になってからもサンフレッチェの粘り強いタフな守備力は素晴らしかった。「(一人退場してからは)みんなで励まし合っていた」と言うGK林卓人を中心に声をかけ続けた中でゴール前で体を張り、空中戦でも懸命に立ち向かっていく。30分間はまさに防戦一方の展開が続いたが、必死に最後まで守り抜いた広島が1-0の逃げ切り勝ち。「勝利への執念をみんなで見せられた」と城福監督も胸を張る、魂で奪った勝点3となった。

監督 試合後コメント

11対11の時には攻守において我々らしく非常に良い内容だったと思う。2点目、3点目を取らないといけないような展開に持って行けたのは良かった。ただ、1点しか入らないのが今の我々の課題だと思っている。もちろん、(レアンドロ・ペレイラの)退場は良くないことだが、退場になった後の10人での共通意識はみんな持てたと思う。全員で中をやらせない、クロスはCBが弾く、セカンドボールの対応を含めて、ヘディングで危ない場面はあったが、ペナルティーエリアの中で足を降らせた場面を10人でもほとんど作らせなかったという意味では、勝利への執念を見せられたと思う。ここまで足を運んでくれたファン・サポーターと一緒に喜び合えて本当に良かった。
(GK林卓人選手の出来について)10人になる前のビッグセーブは1回だったと思う。それぐらいチーム全体が相手の良さを消すことができていた。少なくとも11対11の時に相手の個人のストロングを完全に出させたシーンは僕の記憶にはなかった。もちろん、GKと1対1になりかけたところをブレイクアウェイしてくれた林卓人の判断は素晴らしかった。また、体を寄せたDF陣もいる。相手にああいうチャンスを与えたのは11対11の時には少なかった。あれぐらいの試合を基準にしたいのと、願わくば、あの時に2点目を早く取りたかった思いはある。一人退場になってからは、林の声かけやクロスに対する集中を含めて、全員が一丸となった守備を見せてくれたと思う。
(ゴールを決めて退場もしたレアンドロ・ペレイラについて)どのようにボールを収めて彼とのコンビネーションを作るかは、ここ最近はやってきた。それは少し出せた思う。今までより、アタッキングサードでの中央のコンビネーションから得点の匂いは出せていた。ここはもっともっと研ぎ澄ましていきたい。また、彼の足下だけでなく裏やサイドチェンジを含めて、得点の匂いをさせたところまでは、ある程度の成功体験をつかめた。これをしっかり次につなげていきたい。ただし、1枚目も2枚目もいらないイエローカードだったと思うので、そこは強く反省してほしい。

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