2.27 14:03

明治安田J1 第1節 vs. ベガルタ仙台
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
1
ベガルタ仙台 仙台
  • 前半33分
    ジュニオールサントス
1
前半
0
0
後半
1
  • 後半45分
    赤﨑秀平

試合の見どころ

 ついに2021シーズンが幕を開ける。昨年から続く新型コロナウイルスは終息の気配を見せず、いまだスタジアムへの入場者数に制限がある中での開幕となるが、まずは開催できることに感謝の思いがある。「県民の皆さんの努力によって、ホームで開催できることをしっかり胸に刻みながら、喜びを皆さんに与えたいと思っている」(城福浩監督)。苦難の時にこそ、やはりサッカーを通して勇気や希望を与えることがサンフレッチェ広島の使命だ。
 その初戦からなかなか厄介なチームとの対戦となる。相手は東北の雄・ベガルタ仙台。昨季は特例ルールによってJ2降格は免れたが、17位と下位に沈んだチームの再建を託されたのは、2度目の就任となる手倉森誠監督だ。「一番注意しないといけないのは手倉森監督」と城福監督も警戒するように、まさに実績は十分の指揮官。2008年~2013年まで指揮を執っていた仙台での1次政権時には、J1へ昇格させるだけでなく“定着”させる土台を築き、その手腕を買われて2014年からはリオ五輪の日本代表監督に就任。世界との戦いを経験した他にも日本代表コーチや長崎での監督など、ただでさえ“策士”とも言われていた戦略家はより経験値が増した。「監督が変わっても仙台には脈々と受け継がれたものがある」(城福監督)と言う仙台伝統の堅守&カウンターの土台に、手倉森監督が新たに植え付けた今年のスタイルはどうなっているのか。開幕前で未知な部分が多いが、新戦力の強力アタッカーであるマルティノスや皆川佑介&吉野恭平といった力のある元広島組の良さを生かした手強いチームを作り上げているだろう。
 その仙台を迎え撃つサンフレッチェはどう戦うか。手倉森監督による厄介な“広島対策”も予想されるが、「今年やっているチャレンジの良さを出すこと。いかに出すかが我々の一番のフォーカスすべきところ。自分たちに目を向けてやりたい」と城福監督は“新戦術”のトライを強調した。就任4年目を迎えた今年は、走り込みをなくした実戦メインの異例のキャンプを送り、昨季までのベースから新たな武器を身につけるべくチーム全員でチャレンジを続けた。この戦いを初戦からいかに出せるかが勝利のポイントだ。「対策を上回るチームにならないと我々が目指すステージで戦えない。対策を覚悟の上で戦いたい」と指揮官。2021シーズン開幕戦、“変幻自在”をキーワードに作り上げてきた新たなスタイルに注目だ。

監督 試合前日コメント

──ついに今季開幕だが?
「我々にとっては積み上げてきたものに加えてチャレンジしている年でもある。今チャレンジしていることの良さを発揮したいし、どれだけ出せるのかある意味で楽しみでもある。もう一つはコロナ禍で開催できる喜びや皆さまの期待にしっかり応えることを表現できるような試合をしたい」

──コロナ禍で開催できるか不安もあったのでは?
「この前も医療従事者の方たちとお会いした。あらためて、いろんな方の尽力でJリーグが開催できるということを感じた。県民の皆さんの努力によって、ホームで開催できることをしっかり胸に刻みながら、喜びを皆さんに与えたいと思っている」

──仙台の印象について。
「守備やカウンター、リスタートなど、仙台の良さはずっと継続しているところがあると思う。そこは我々もリスペクトしているし、なかなか簡単に崩せる相手ではない。昨年の2試合も相当苦労している。そこを覚悟して臨まないといけない。とにかく今年やっているチャレンジの良さを出すこと。いかに出すかが我々の一番のフォーカスすべきところ。自分たちに目を向けてやりたい」

──手倉森誠監督の印象について。
「モチベーターだと思っている。この開幕戦に向けて選手の持てる力を100%出す、引き出してくると思う。非常に厳しいゲームになると思っている」

──新たなチャレンジの手応えは?
「まだまだ途上だと思っているが、今現在でみんなでやるべきことをやって、いい準備をしてきた自負もある。このピッチに立ちたい、18人に入りたいという全員の思いでプレシーズンを過ごしてきた。その思いを持って、チャレンジするからにはメリットを出したいという思いでいっぱい」

──開幕を翌日に控えた選手の表情は?
「ここまでケガ人もなく、厳しいキャンプを乗り越えて、ある程度の手応えもありながらきた。これを確信に変えるために、明日は戦える準備をみんなができていると思う。今年も過密日程で特殊なシーズンになるので、『全員で戦うんだ』という思いはみんなからも感じる。この思いを持って前に進んで行きたい」

試合前情報

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本日のスターティングイレブンです! 東俊希選手は、開幕戦初スタメン! 今季は4バックにシステムを変更して戦います! 熱いご声援をよろしくお願いいたします。

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選手がピッチに登場しました! 開幕戦のスタメンGKは、大迫敬介選手! 守護神がゴールにカギをかけます!

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チームバスがスタジアム到着しました! サンフレッチェクラブ会員の企画でモニター越しにファミリーの方に迎えていただき、選手たちも笑顔です♪

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スターティングイレブンが発表になりました! 新加入したジュニオール・サントス選手も先発で出場。加入後初ゴールに、ご期待ください!

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本日はホーム・ベガルタ仙台戦! いよいよ今季リーグ開幕戦を迎えることになりました。相手は策略家・手倉森誠監督率いる仙台とあって難しい戦いが予想されますが、キャンプから積み上げてきた成果を発揮して勝利を目指しますので、熱いご声援をよろしくお願いします!

監督 ハーフタイムコメント

・守備は中央をしっかり閉じること。
・攻撃はテンポ良くボールを動かすこと。
・もっとサイドでフットボールをしよう。

ゲームレポート

8,820人の観衆が集まった2021シーズン開幕戦は、何とも後味の悪い結末となった。
序盤からサンフレッチェペースで試合は進んだ。“変幻自在”をテーマにシステムを慣れ親しんだ3バックから4バックへ変えた今季。城福浩監督が過去3年間で植え付けた守備の堅さはそのままに、攻撃ではサイドバックも積極果敢に攻撃参加していくアグレッシブなスタイルを試合開始から発動。守備に移れば前線からの鋭いハイプレスで仙台の自由を奪い、広島がボールを保持しながら得点を狙いに行った。
すると、ゲームが大きく動いたのは27分だった。前線で相手をかわして抜け出したジュニオール・サントスが仙台DFのシマオ・マテに背後から倒されて相手は一発退場。広島が数的優位となってより攻勢を強めると、33分、仙台ゴールをこじ開けたのはやはり新助っ人だった。ペナルティーエリアの外でドリブルを仕掛けたサントスが右足を豪快に降り抜くと、相手DFに当たって先制。これで試合の主導権は完全にサンフレッチェのものとなった。
一人少ない相手に対してボールを保持して攻め込み続けた広島は、後半に入っても決定機を何度も創出。サントスの抜け出しからドウグラス・ヴィエイラがチャンスを迎えれば、CKから野上結貴や佐々木翔がヘディングで相手ゴールを脅かす。また、勢いの止まらないサントスによる突破からのビッグチャンスや途中出場・柏好文の柔らかなクロスを東俊希が頭で合わせるも相手GKのスーパーセーブにあい、追加点を奪えず。そんなチャンスを逃し続けると、サッカーはやはり難しい展開に陥ってしまう。「2点目を取らないとこういうことが起こりえると思い知らされた」(城福監督)と言うシーンが訪れたのは試合終了間際の90分だった。ゴール前の混戦から最後は赤﨑秀平に決められて、まさかのドロー決着。広島は前半途中からの数的優位を生かせず、「勝たないといけない試合」(城福監督)で何とも悔しい勝点1に終わってしまった。

監督 試合後コメント

「コロナ禍でこのスタジアムでリーグ戦を開幕できたこと、この感謝の意を表すには勝点3をプレゼントすることだと思っていた。それができず本当に残念。難しいシチュエーションにはなったが、2点目を取らないとこういうことが起こりえると思い知らされた。相手にあのワンチャンスを決めさせてしまった。こういう試合こそ1-0で勝ち切らないといけないという意味でも、そこの守備のところも反省しないといけない。とにかく、今日来てくださった方々、観てくださった方々に悔しい思いをさせてしまった。しっかり我々は踏ん張って、次の試合で今年に懸ける思いをお見せしたいと思う」

──ゴールを奪ったジュニオール・サントス選手の評価について。
「あのゴールはスーパーだったし、彼がサイドで持ち込んでビッグチャンスの起点にもなっていた。我々がほとんどボールを持っている中でコンビネーションを発動したり、他の選手にスペースを空けたり、効果的な動きができたかと言うと、そこはまだまだ時間が必要だと思っている。1-0で勝っていたので、カードとしては非常に動かしづらかったが、攻守におけるモビリティーを追求するために彼を代えた。必ずしも彼の良さを全面的に出してチームのやりたいことがやり切れているかと言うと、まだまだここから時間を積み重ねていかないといけないという感じもした」

──全体としてキャンプから積み上げてきたものを発揮できた実感は?
「もちろん開幕なので試合の入りは堅くなると思う。流れるようにボールを動かしたかと言うと、そういう入りではなかったと思う。それは開幕ということを考えたら仕方ない。相手は多少、後ろに重心を置いて守ってくると予測していた。そこでテンポ良くボールを動かしていたかと言うと、そういう時間帯に入る前にジュニオール・サントスの突破があって相手の一人退場があった。そういう意味では、完全に重心が後ろに置いた相手を我々が崩し切れたかと言うと、結果的に1点で終わったので、そこはこれからもっともっと積み上げていかないといけない、研ぎ澄ましていかないといけないところだと思っている」

──次の試合に向けて改善していくところは?
「勝たないといけない試合だったことは全員が分かっている。内容として突き詰めないといけないところはあるが、Jリーグは簡単なゲームはない。今日はなかなか難しいメンタルだと思うが、明日から切り替えること。JリーグYBCルヴァンカップも我々にとっては大事な大会なので、全員で良い準備をして、今日出た課題、感じた悔しさをしっかり次の試合で出せるように準備したい」

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