試合の見どころ
今季のJ1もいよいよラストマッチを迎える。ここまで11勝13分13敗の12位に位置する広島は、沢田謙太郎監督が指揮を執ってからの4試合で勝利がなく(1分3敗)、苦しい時期を過ごしているが、指揮官の姿勢にブレはない。「一つひとつ、少しずつでも成長させたい」。今季はもうチームとしての目標が難しくなったとはいえ、選手個人の“成長”は無限だ。その成果を目の前の試合で発揮して勝利を目指す。前節は悔しい敗戦だったからこそ、「今週あることを幸せに思ってやりたい」(沢田監督)。今季を勝利で終えるチャンスは残っている。全員でそこに突き進むだけだ。
もっとも、今回の最終節は“異質”な空気が流れているだろう。敵地に乗り込む今節、相手の徳島はまさに残留争いの当事者だ。16位・湘南と勝点で並んでいるとはいえ、順位は降格圏である17位であり、今節にすべてが懸かっている。J1残留には15位・清水を含めた他会場の結果次第とはいえ、徳島はまず勝点が欲しいのは間違いない。当日はチームはもちろんのこと、スタジアムへ駆けつける徳島のファン・サポーターすべてが“勝利”のために強い覚悟を持って臨んでくるのは必至だ。
相手の調子もここにきて上向きだ。今季序盤は新型コロナウイルスの影響でダニエル・ポヤトス監督がなかなか来日できず、開幕から10試合で指揮を執れない難しいシーズンとなったが、終盤になった今では監督の戦術が「整理されて、洗練されてきた」(沢田監督)。一時は6連敗を喫する時期があったとはいえ、前々節ではFC東京を圧倒して2-0で勝利すると、残留争い直接対決となった前節・湘南戦では粘り強く戦って1-0で勝ち切った。2連勝中と勢いもある中で、残留に向けた気迫も合わさった今節の徳島はかなりの脅威だ。
だからこそ、沢田監督は強く言い切った。「(徳島の勢いを)力に変えたい」。相手が残留のために必死に戦ってくるのは覚悟の上。それを上回ってこそ、勝つチャンスは出てくる。もちろん、現在の2連敗中の内容を振り返れば課題はある。だが、まずは「今節でラストの試合。出せるモノを出すこと。アグレッシブさをもっと出したい」(沢田監督)と最大限のパワーの出力に期待する。結果が出ない苦しさがある中でも、沢田監督の下、選手たちは練習場で懸命にトレーニングに励んできた自負はある。それを徳島相手にぶつけるだけだ。
「謙太郎さんと一緒に勝利したい。一緒に喜びたい」(塩谷司)。難しいチーム状況の中、熱い指導で指揮を執ってくれた熱血漢と笑顔で終わるべく、紫軍団は徳島のピッチに立つ。
もっとも、今回の最終節は“異質”な空気が流れているだろう。敵地に乗り込む今節、相手の徳島はまさに残留争いの当事者だ。16位・湘南と勝点で並んでいるとはいえ、順位は降格圏である17位であり、今節にすべてが懸かっている。J1残留には15位・清水を含めた他会場の結果次第とはいえ、徳島はまず勝点が欲しいのは間違いない。当日はチームはもちろんのこと、スタジアムへ駆けつける徳島のファン・サポーターすべてが“勝利”のために強い覚悟を持って臨んでくるのは必至だ。
相手の調子もここにきて上向きだ。今季序盤は新型コロナウイルスの影響でダニエル・ポヤトス監督がなかなか来日できず、開幕から10試合で指揮を執れない難しいシーズンとなったが、終盤になった今では監督の戦術が「整理されて、洗練されてきた」(沢田監督)。一時は6連敗を喫する時期があったとはいえ、前々節ではFC東京を圧倒して2-0で勝利すると、残留争い直接対決となった前節・湘南戦では粘り強く戦って1-0で勝ち切った。2連勝中と勢いもある中で、残留に向けた気迫も合わさった今節の徳島はかなりの脅威だ。
だからこそ、沢田監督は強く言い切った。「(徳島の勢いを)力に変えたい」。相手が残留のために必死に戦ってくるのは覚悟の上。それを上回ってこそ、勝つチャンスは出てくる。もちろん、現在の2連敗中の内容を振り返れば課題はある。だが、まずは「今節でラストの試合。出せるモノを出すこと。アグレッシブさをもっと出したい」(沢田監督)と最大限のパワーの出力に期待する。結果が出ない苦しさがある中でも、沢田監督の下、選手たちは練習場で懸命にトレーニングに励んできた自負はある。それを徳島相手にぶつけるだけだ。
「謙太郎さんと一緒に勝利したい。一緒に喜びたい」(塩谷司)。難しいチーム状況の中、熱い指導で指揮を執ってくれた熱血漢と笑顔で終わるべく、紫軍団は徳島のピッチに立つ。
監督 試合前日コメント
──練習後の円陣で選手に球際の部分を強調していたが?
「相手はそこを突いてくると思う。ただ、そこで負けてしまったら面白くない。やはりプロとして最低限のレベルはしっかりと保ちながら、その中で戦術や技術、フィジカル、コンビネーションも含めて勝負しないといけない。それができると面白い試合になると思っている」
──明日はまず気持ちのぶつかり合いになるのでは?
「相手は(残留が)懸かっている。応援する方々もたくさん来ていると思う。ただ、広島のファミリーも絶対に来てくださっていると思う。人数の差ではなく、気持ちの差で埋めていきたい」
──徳島の注意すべき部分は?
「戦術的な部分だと攻撃はしっかりとビルドアップしながら、でも深い位置に(ボールを)入れ込んでくる。そしてリスクをかなり下げてくると思っている。我々もそういう状況は選手に伝えて、それに対してどうするか。今週だけでなく、その部分はずっと練習でやってきた。
守備も相手は前からどんどん来る。そのプレスをしっかりとかいくぐりながらも、前節・FC東京戦では我々が少し後ろ向きになった時に相手を良い状況にしてしまった。そこは改善したい。特にサポートすることは大切だと思っている」
──徳島はセットプレーもデザインしてくるのでは?
「それはある。今日も練習でもそうだったが、どうしてもズレは出てくると思う。明日の試合もズレは出ると思う。そのズレを声を出すなど修正して、みんなで守ることが大切だと思っている。『誰かだけ』とか、『ここがミスした』とかで簡単にやられるのではなく、全員で守れればと思っている」
「相手はそこを突いてくると思う。ただ、そこで負けてしまったら面白くない。やはりプロとして最低限のレベルはしっかりと保ちながら、その中で戦術や技術、フィジカル、コンビネーションも含めて勝負しないといけない。それができると面白い試合になると思っている」
──明日はまず気持ちのぶつかり合いになるのでは?
「相手は(残留が)懸かっている。応援する方々もたくさん来ていると思う。ただ、広島のファミリーも絶対に来てくださっていると思う。人数の差ではなく、気持ちの差で埋めていきたい」
──徳島の注意すべき部分は?
「戦術的な部分だと攻撃はしっかりとビルドアップしながら、でも深い位置に(ボールを)入れ込んでくる。そしてリスクをかなり下げてくると思っている。我々もそういう状況は選手に伝えて、それに対してどうするか。今週だけでなく、その部分はずっと練習でやってきた。
守備も相手は前からどんどん来る。そのプレスをしっかりとかいくぐりながらも、前節・FC東京戦では我々が少し後ろ向きになった時に相手を良い状況にしてしまった。そこは改善したい。特にサポートすることは大切だと思っている」
──徳島はセットプレーもデザインしてくるのでは?
「それはある。今日も練習でもそうだったが、どうしてもズレは出てくると思う。明日の試合もズレは出ると思う。そのズレを声を出すなど修正して、みんなで守ることが大切だと思っている。『誰かだけ』とか、『ここがミスした』とかで簡単にやられるのではなく、全員で守れればと思っている」
試合前情報
本日は広島からは遠い徳島でのゲームとなりましたが、約900名もの方にお越しいただきました。皆さまの後押しがあったらこそ、最終節で勝利を掴み取ることができました。最後まで熱いサポート、ありがとうございました。
本日のスターティングイレブンです! 前節から先発2人が入れ替わりました。最後は笑顔で終わるべく、持てる力を出し尽くして勝利を目指します!
故郷凱旋となった塩谷司選手。今日も攻守における働きはチームに欠かせません!
選手を乗せたバスがスタジアムに到着しました。それぞれ引き締まった表情でロッカーへ入っていきました!

「鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム」のロッカールームです。9月11日のJ1第28節・横浜FM戦以来、約3カ月ぶりの先発となった大迫敬介選手。持ち味のアグレッシブな守備に期待です!
本日はアウェイ・徳島ヴォルティス戦! 相手は降格圏の17位に位置しているものの、残留圏の16位・湘南とは同じ勝点で並び、15位・清水とは3差。残留の可能性はまだまだあるだけに、今日のゲームでは最後の力を振り絞って必死で戦ってくるのは必至です。広島としても難しい戦いが予想されますが、何とか最終節で“沢田サンフレッチェ”初勝利を飾るべく全力で臨みますので、熱い後押しをよろしくお願いします!
監督 ハーフタイムコメント
・全体的に落ち着いてできている。
・後半の入りはセットプレーを含めて気を付けること。
・まだまだできる。残り45分も見せつけよう!
・後半の入りはセットプレーを含めて気を付けること。
・まだまだできる。残り45分も見せつけよう!
ゲームレポート




残留争いの渦中にいる17位・徳島のホームに乗り込んだ一戦。少しでも勝点を積み重ねてJ1生き残りへの可能性を広げたい相手の独特の緊張感でスタジアムは包まれる中、序盤から紫軍団は落ち着いた試合運びを見せた。後方からじっくりとボールを繋いで攻撃を組み立ててくる徳島に対して組織的な守りで封じると、試合を動かしたのは9分だった。左サイドでのパス交換から青山敏弘がゴール前へアーリークロスを送り込むと、逆サイドから走り込んだ藤井智也がJ1初ゴールとなるボレーシュートを突き刺して先制。早くもリードを奪った。
広島の勢いは止まらなかった。その2分後、藤井が今度は自慢のスピードを生かして右サイドを切り裂くと、中央へクロスボールを送り込む。これをエゼキエウが頭で合わせて2-0。電光石火の得点劇で広島が早々に主導権を握ることになった。
そして、勝負を決定付けるゴールが生まれたのは36分だった。2点目を奪った後は徳島にボールを持たれる時間が増え、あわやのピンチを招く場面はあったものの、集中を切らさずに耐え抜いた後の左サイドのCK。柴﨑晃誠のキックから最後はエゼキエウが頭で詰めて3-0。ハードな戦いが予想された一戦は、広島の大量リードで前半を終えた。
後半も広島はしたたかにゲームを進めた。54分に1点を返された時には徳島に勢いが生まれそうだったが、その後も慌てることなく対応すると、65分だった。敵陣での相手のミスを柴﨑が見逃さずにボールを奪うと、最後は途中出場・浅野雄也が左足でねじ込んで再び3点差に。終盤に入るとより圧力を強めて得点を奪いに来た徳島に2点目を決められて4-2となったが、最後まで粘り強くゲームを進めた広島が6試合ぶりの勝点3を奪った。
沢田体制5試合目での初勝利。それまで1分3敗と苦しむことが多かったが、「こうやって勝利した時にみんなと喜びを分かち合えて、改めて私は幸せだと思った」と指揮官。選手たちの「沢田監督のために1勝を」という団結心が実った勝利について、ヘッドコーチ時代から居残り練習に付き合ってもらっていた藤井は「自分の得点よりも、沢田さんのために勝利できて良かった」と恩返しの最終節となった。
監督 試合後コメント
「試合の入りが非常に良く、得点を重ねることができた。後半は相手もメンバーを代えたりして圧力をかけてくると思いながらも、その圧力を最初は少しいなせなかった。ただ、途中からいなせるようになり、失点はしたが、すぐに(浅野)雄也が点を取ってくれて何とか勝利をもぎ取ることができたと思う」
──就任初勝利となったが?
「1カ月間という中で、今日の試合ではサイドからの攻撃など、やっていたことが出て得点を取れたので嬉しかったのはある。ただ、それよりも何よりも、最後の最後まで後ろだけでなく全員が守る時は守って、攻撃する時は攻撃するというのができたのが本当に嬉しかった」
──2得点に絡んだ藤井智也選手の活躍について。
「いつも良いところまではいっていたが、最後のところで少しズレたり、うまくいかないシーンが今季はあった中で、今日のプレーは良かったと思う。彼が毎日、毎日、居残りで練習しているモノが出た。選手として自分を高めていた証なのではないかと思っている」
──試合後に藤井選手にかけた言葉は?
「点を取った時に満面の笑みでベンチに来てくれた。試合後は特に話はしていないが、強い思いを伝えてもらったと思っている」
──監督は今日で最後だが、徳島戦を受けて来年にこのチームはどう繋がっていくか?
「新しい監督の下、鍛えられながら成長していくと思っている。ただ、ベースがある程度はある。そのベースをしっかりみんなが怠らずにやることでさらに上がっていけると思う。そのベースを日々のトレーニングから出し続けて、今日のように全員が守る時に守ること、誰もサボらずひた向きにやれる強さみたいなモノがあれば、どんどん活躍できる。今季は引き分けた試合や負けた試合で途中から追い付かれたりするシーンもあったが、そういう試合が少なくなって勝ちに繋がると思っている」
──選手も「沢田監督のために1勝」と言っていたが、今日の勝利について。
「幸せもの。選手がそういう思いを口にしてくれながらも、もっともっと強い監督だったら、『選手は純粋にピッチで戦うことだけを目指して戦わせてあげられるのに』と思っていた。そういう言葉を聞いて嬉しくも少し複雑だったが、こうやって勝利した時にみんなと喜びを分かち合えて、改めて私は幸せだと思った」
──就任初勝利となったが?
「1カ月間という中で、今日の試合ではサイドからの攻撃など、やっていたことが出て得点を取れたので嬉しかったのはある。ただ、それよりも何よりも、最後の最後まで後ろだけでなく全員が守る時は守って、攻撃する時は攻撃するというのができたのが本当に嬉しかった」
──2得点に絡んだ藤井智也選手の活躍について。
「いつも良いところまではいっていたが、最後のところで少しズレたり、うまくいかないシーンが今季はあった中で、今日のプレーは良かったと思う。彼が毎日、毎日、居残りで練習しているモノが出た。選手として自分を高めていた証なのではないかと思っている」
──試合後に藤井選手にかけた言葉は?
「点を取った時に満面の笑みでベンチに来てくれた。試合後は特に話はしていないが、強い思いを伝えてもらったと思っている」
──監督は今日で最後だが、徳島戦を受けて来年にこのチームはどう繋がっていくか?
「新しい監督の下、鍛えられながら成長していくと思っている。ただ、ベースがある程度はある。そのベースをしっかりみんなが怠らずにやることでさらに上がっていけると思う。そのベースを日々のトレーニングから出し続けて、今日のように全員が守る時に守ること、誰もサボらずひた向きにやれる強さみたいなモノがあれば、どんどん活躍できる。今季は引き分けた試合や負けた試合で途中から追い付かれたりするシーンもあったが、そういう試合が少なくなって勝ちに繋がると思っている」
──選手も「沢田監督のために1勝」と言っていたが、今日の勝利について。
「幸せもの。選手がそういう思いを口にしてくれながらも、もっともっと強い監督だったら、『選手は純粋にピッチで戦うことだけを目指して戦わせてあげられるのに』と思っていた。そういう言葉を聞いて嬉しくも少し複雑だったが、こうやって勝利した時にみんなと喜びを分かち合えて、改めて私は幸せだと思った」