3.19 14:00

明治安田J1 第5節 vs. 川崎フロンターレ
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
0
2
川崎フロンターレ 川崎F
0
前半
0
0
後半
2
  • 後半28分
    オウンゴール
  • 後半44分
    山根視来

試合の見どころ

 “スキッべ・サッカー”を強者相手にも貫くのみだ。ここまで3分1敗と勝利がない中で迎える川崎フロンターレ戦。直近5年で4度のリーグ優勝を誇る2連覇中の絶対的王者との戦いとなるが、「大きな挑戦になる。ただ、神戸戦とFC東京戦で見せたパフォーマンスは、強いチーム相手にも十分通用することを証明している」とミヒャエル・スキッべ監督は最近のゲーム内容に自信を持つ。特に前節・FC東京戦は1-2で敗れたとはいえ、「90分を通じてゲームをコントロール仕切れなかった」と敵将のアルベル監督がこぼすほど、広島の内容は良かった。日々、成長の跡を見せているスタイルで今節こそ勝利をもぎ取るのみだ。
 もっとも、今季も川崎Fの強さは健在だ。ACLに参加するため、他チームより2試合多く消化している中、ここまでの成績は4勝1分1敗。リーグ2試合目にして横浜FMに初黒星を喫したとはいえ、FC東京や鹿島、浦和、名古屋と強豪相手にきっちりと勝利しているのがさすがだ。しかも現在はジェジエウや登里享平、車屋紳太郎など最終ラインの実力者が揃って離脱中にも関わらず、勝負強さを示している。川崎F自慢のテクニックやコンビネーション、圧倒的な個を備えるエースのレアンドロ・ダミアンのパワー、全体の素早い攻守の切り替え、強度の高い守備はやはりJリーグトップの力を持つだけに、広島の現在地を図るには楽しみな相手でもある。
「我々もこの1週間は良い準備ができたし、十分に戦える手応えはある」とはスキッべ監督。内容に手応えを感じつつも、得点力不足の課題に直面しているチームは、今週のトレーニングで攻撃力向上に努めた。来日した直後の先週は練習でも様子を見ることのほうが多かったスキッべ監督だが、今週からはついに声を張り上げながら熱血指導。「自分たちに足りない部分だからタメになる」と選手たちも攻撃力アップに向けて真摯に取り組むなど、練習場は活気のある状態々が続いた。その成果を川崎F戦で出すのみである。
 もちろん、難しい戦いになるのは必至だ。リーグで最も勝利するのが難しい相手なのも変わらない。ただし、今季の広島のスタンスも変わりはない。「相手にサッカーをやらせずに自分たちのサッカーをすることが大事になる」(スキッべ監督)。紫軍団は恐れることなく戦い、王者相手に勝利を目指す。

監督 試合前日コメント

──明日は王者・川崎Fとの対戦だが?
「相手はチャンピオンだし、難しい試合になると思う。ただ、我々もこの1週間は良い準備ができたし、十分に戦える手応えはある」

──川崎Fの警戒するポイントは?
「相手のサッカーをやらせないことが一番重要なポイントだと思う。セットプレーもそうだし、レアンドロ・ダミアンという素晴らしいセンターFWもいる。我々としては、そんな相手に対してコレクティブに動くこと、そして相手にサッカーをやらせずに自分たちのサッカーをすることが大事になる」

──今週はクロスからのシュートに重点を置いていたが?
「課題については今週やったからと言ってすぐにできるものではない。プロセスの途中なのは間違いないが、我々のチームはやろうとする意志があるし、受け入れようとする姿勢を見せてくれている」

──ここまでのリーグ3試合は先制点を許しているが、川崎F戦で気を付ける部分は?
「もちろん点を取られないほうがいいし、0-1にされることは良いことではないが、状況にもよること。FC東京戦では浅野(雄也)のゴールがオフサイドだったり、藤井(智也)のギリギリのシュートがあったりした。(先制点を取られていることは)それほど気にしてはいないが、そうならないようにしたい」

──鮎川峻選手がU-21日本代表に選出されたが?
「彼は才能のあるFW。ゴールに向かうプレーは非常に評価できる。彼が成長することは、我々のチームを助けることにも繋がってくる。彼だけでなく、棚田(遼)という同じような才能を持つ選手もいる。彼もゴールに向かうプレーができて、テクニックに優れた良い選手だと思っている」

試合前情報

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監督 ハーフタイムコメント

・前半は主導権を奪えていた。
・大きい展開も入れていくこと。
・相手のリスペクトはしないといけない。それに打ち克つ勇気を持とう!

ゲームレポート

 王者相手に奮闘した紫軍団だったが、あと一歩届かなかった。
 前半から広島の内容は良かった。高い位置では浅野雄也と森島司をスイッチとした前線からのハイプレスで相手のビルドアップを封じ、自陣でボールを持たれた際には組織的な守備ブロックを築いて川崎F攻撃陣を封鎖。開始早々の4分にレアンドロ・ダミアンのシュートからピンチを招いたが、それ以外はほとんどチャンスを作らせず、広島が主導権を握ってゲームを進めた。序盤から果敢にゴールを狙うサンフレッチェは、3分の満田のミドルシュートを皮切りに、浅野や藤井智也らも積極的に得点を狙いに行った他、25分には藤井のクロスから満田が放ったボレーがゴールライン上でクリアされるなど、川崎Fを脅かし続けた。前半のシュート数は川崎Fの3本に対し、広島が10本。敵陣地へ押し込み続けた紫軍団にゴールの匂いは漂っていた。
「相手は日本一いいチームだ。だけど前半は我々のほうがいいサッカーができていた。相手はリスペクトしないといけない。それに打ち克つ勇気を持とう!」
 ハーフタイム、そんなミヒャエル・スキッべ監督の言葉を受けた選手たちは、後半も川崎Fに果敢に襲い掛かった。前半同様に前線からのプレスを緩めずに発動。相手を押し込んでゲームを展開する中、60分には満田の中央への突破など好機を作り出していく。だが、前半を含めて好機で仕留められなければ、やはり流れが相手に傾くのがサッカーだ。67分に3枚同時に選手交代をしてきた川崎Fの圧力にも屈することなく戦い続けた広島だったが、一瞬の隙を突かれたのは73分だった。CKからオウンゴールで先制点を献上。終盤にリードを許す苦しい展開となってしまった。
 その後は広島も立て続けに選手交代をしていったが、なかなか流れを引き寄せられずにゲームは進むと、88分には追加点を奪われて勝負あり。「相手のゴールが入る73分まではサンフレッチェだけがサッカーをやっていたと思うし、我々にとって凄く良いサッカーができたと思っている」(スキッべ監督)。前節・FC東京戦と同じく、全体的に主導権を握りながら敗れる悔しいゲームとなった。

監督 試合後コメント

「最初の5分間は悪い入りだったと思う。相手のCKが何本かあるなど、良い対応ができていなかった。ただ、それから相手のゴールが入る73分まではサンフレッチェだけがサッカーをやっていたと思うし、我々にとって凄く良いサッカーができたと思っている。残念ながら、それから先は我々のほうがクオリティーが劣っていた。オウンゴールで失点して以降は、自分たちのサッカーを見失ってしまい、逆に川崎Fが何度かチャンスを作って0-2になってしまった。ただし、73分間は王者・川崎Fに対して良いサッカーができたことは前を向きたい。また、チャンスをモノにするところは改善し、点を取る形を作っていきたい」

──チャンスをモノにするところが課題だが、トレーニングでの今後の改善方法は?
「この中に今週の練習を見に来てくださった記者の方々もいると思うが、ビルドアップからゴールを奪うトレーニングをしている。我々のチームはペナルティーエリアの外でうまくボールを繋ぐ選手は多いが、そのエリア内に入っていくプレーがまだ欠けているように思う。そういった選手たちにどのポジションに入っていくか提示していくことが必要になってくる。また、今後はドウグラス・ヴィエイラやエゼキエウが戻ってくるので、競争させていきたいと思っている」

──終盤に住吉ジェラニレショーン選手を前線に上げて2トップの形にしたが、彼の高さに期待したのか?
「前線で体を張れる選手がいなかったため、住吉を前線に入れた。ただ、それよりも交代する前にゲームを決めることのほうが重要なポイントになる」

──前節・FC東京戦に続いてセットプレーで失点したが?
「基本的に今日は相手のFKを含めてセットプレーはよく守れていた。失点シーンが唯一のセットプレーの危ないシーンだったと思う。オウンゴールだったが、不運だった。まず一番最初に言えるのは、相手にFKを与えないことが大事。CKにしてしまったシーンも横に逃げられたのではないか、といったことも考えられる。そういうところもすぐに変えられるものではなく、時間をかけながら改善していこうと思う」

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