3.26 14:00

ルヴァンカップ グループステージ第3節 vs. 清水エスパルス
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
2
清水エスパルス 清水
  • 後半18分
    住吉ジェラニレショーン
0
前半
2
1
後半
0
  • 前半20分
    ベンジャミンコロリ
  • 前半38分
    輝綺

試合の見どころ

 仕切り直しの一戦だ。リーグ戦2連敗中で迎える明日のルヴァンカップだが、こちらは徳島、名古屋を倒して2連勝中と好調である。3戦目の清水に勝てば、グループステージ突破の確率は大きくなるだけに、当然ながらホームで勝利を目指すことになる。
 リーグ戦5試合で勝利がない(3分2敗)とは言え、サンフレッチェの状態は決して悪くない。むしろ、内容は上々だ。直近のリーグ・川崎F戦も0-2で敗れたとはいえ、CKで失点する73分までは「王者・川崎Fに対して良いサッカーができていた」(ミヒャエル・スキッべ監督)。全体をコンパクトにした前線からの強度の高い守備を軸とした戦いで相手の自由を奪い、攻撃に移ればテンポの良いパスワークで何度もチャンスを演出。決定力が現在の一番の課題となっているが、それ以外では川崎Fを上回っていたのは確かだ。明日の清水戦も「チームは確実に進歩している」とスキッべ監督が手応えを感じているサッカーを継続し、勝利という自信を掴んでその後のリーグ戦にも繋げていきたいところである。
 ただし、清水も手強いチームだ。昨季途中から就任した平岡宏章監督は、堅い守備をベースとした組織的なチームを構築している。現在はエースのチアゴ・サンタナやボランチ・松岡大起らが負傷離脱中な上に、日本代表守護神・権田修一とU-21日本代表の鈴木唯人が明日は不在となるが、力のある日本人は多く揃っている。鈴木義宜を中心とした堅い最終ライン、中山克広や後藤優介、白崎凌兵、神谷優太ら機動力のある攻撃陣は敵としたら厄介なだけに、広島としても相手に負けない組織力を発揮したいところだ。
 その上で、トレーニングを積み重ねているサイド攻撃を完結できるか。「完璧かと言うと、まだまだそうではない」とスキッべ監督は語るが、先週と今週のトレーニングではクロスからのシュート練習に多くの時間を割いてきた。トレーニングからクオリティーを細かく追求する指揮官は、日に日に精度を高めている選手の様子に「良くなっている手応えは感じている」。あとは勝利に結び付くゴールが決まれば、チームは一気に波に乗れそうなだけに、攻撃陣の爆発は必須条件。明日の清水戦から“スキッべ・スタイル”の本領発揮といきたいところだ。

監督 試合前日コメント

──日本代表がワールドカップ出場を決めたが?
「勝ちに値する素晴らしい試合だったと思う。時間が経つにつれて良いチャンスを作っていたし、2得点とも素晴らしかった。日本が勝利するのは順当だったと思う。日本代表に対して『おめでとう』と伝えたいし、森保監督も以前は広島で指導されていたということで、彼にも『おめでとう』と伝えたい」

──明日は勝利すれば、グループステージ突破の確率もより高まるが?
「もちろん勝つことが目標。明日は天気が良くないと聞いているし、ファンには残念な話だが、もし良い天気がキープできるのであれば、良い雰囲気でできると思う。相手の清水については、良いチームだと分かっている。それに対応するトレーニングはしてきたので、明日はうまく出せるようにしたい」

──清水は守備が堅いが、崩すポイントは?
「相手の分析はしているが、ディフェンスラインを広げる動きでスペースを作り、そこのスペースに走り込むことが重要になってくる」

──先週と今週はクロスの入り方を細かく指導していたが?
「全体的に良くなっている手応えは感じている。タイミングやクロスを上げるコーディネーション、クオリティーもうまくいきだした。ただ、完璧かと言うと、まだまだそうではない。試合の中で何回も出るようになるまで続けていこうと思う」

──リーグ戦ではセットプレーの失点が続いているが、カップ戦で課題をクリアにしたいのでは?
「今までセットプレーで不安定な部分があったので、常に改善していこうと思う。昨日も今日もトレーニングしたが、相手がどういう形でくるのか対応しながら、進めていきたい。ただ、少しずつ良くなっている。直近の川崎F戦もほとんどうまく守れていた。オウンゴールで失点したが、形としては良かったし、不運もあった。それよりも、最初の5分間でCKを3つ与えたことのほうが問題だと思っている。次の試合は最初から集中してゲームに入れるようにしたい」

試合前情報

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監督 ハーフタイムコメント

・入りのテンポでもう一度サッカーをしよう。
・セカンドボールの争いで負けないこと。
・目的を持ってボールをつないでいくこと。

ゲームレポート

 ルヴァンカップ3連勝を目指した広島だが、何とも悔しいゲームとなった。
 序盤から紫軍団は清水に襲い掛かった。「川崎F戦みたいに緩い入りはしないよ!」。立て続けにCKを与えた直近のリーグ・川崎F戦の試合の序盤を例に出したミヒャエル・スキッべ監督の活が効いたのか、5分のジュニオール・サントスの強烈なミドルシュートを皮切りに、7分には右サイド・藤井智也のクロスから森島司が落としたボールを野津田岳人が右足でゴールを狙う。どちらも相手GKのセーブにあったが、開始から8分の間に4本のシュートを放つなど、試合の入りは上々だった。
 だが、途中から流れは清水へと傾いていった。少しずつ自陣へ押し込まれる展開に持ち込まれると、一瞬の隙を突かれたのは20分だった。ベンジャミン・コロリに縦パスを送り込まれると、ペナルティーエリアの外から豪快にシュートを突き刺されて失点。悪くない試合の入りをしながら、早くも追いかける展開となってしまった。
 そこからは清水の堅い守備組織に苦戦した。立ち上がりのような流動的な攻めがなかなかできず、シュートまで持ち込めずに流れは停滞。時にビルドアップのボールを引っかけてはカウンターを受けるなど、流れが良くない中で38分にはFKから2失点目を喫する苦しい前半となった。
「入りのテンポでもう一度サッカーをしよう!」。そんなスキッべ監督の指示が飛んだハーフタイム、青山敏弘と森島司を下げて野上結貴と満田誠を同時投入する刺激を加えて後半へ臨んだ。序盤から積極的に攻撃を仕掛ける広島は、東俊希や藤井らがシュートを放って圧力を加えると、63分、ようやく反撃の1点が生まれた。右からの野津田のCK、柔らかいボールに頭で合わせたのは住吉ジェラニレショーン。背番号21の今大会2点目で1点差に迫った。
 その後はほぼハーフコートゲームと言えるほど攻め続けたサンフレッチェ。途中出場の浅野雄也や永井龍がチャンスを迎えた他、81分にはCKから野上も決定的なヘディングシュートを放った。だが、ゴールまであと一歩が足りずに試合は進み、1-2のままタイムアップ。「後半は交代選手も含めて、アグレッシブなプレーができるようになったと思っている。たくさんのチャンスを作り出すことができたが、相手GKの好セーブもありゴールを奪うことができなかった」(スキッべ監督)。後半に反撃を見せた広島だったが、またも決定力に課題を残すことになった。

監督 試合後コメント

「清水に負けてしまったことは残念。今日は最初の15分は凄く良い入りができてシュートまで行くシーンも多々あった。ただ、清水にとって一つ目のチャンスで失点してしまったところから、我々は少し自分たちのペースを見失ってしまったと思う。2失点目もそれほど危険ではないFKだったが、不運なことに藤井(智也)のクリアミスから失点してしまった。後半は交代選手も含めて、アグレッシブなプレーができるようになったと思っている。たくさんのチャンスを作り出すことができたが、相手GKの好セーブもありゴールを奪うことができなかった。交代で入ってきた選手に関しては、満足している。彼らは凄く良い働きをしてくれた。特に永井龍は前線で起点になり、良いアクションを起こしていた。ケガ明けで復帰したばかりだが、凄く良いプレーだったと思う」

──ハーフタイムに青山敏弘選手と森島司選手を下げて、野上結貴選手と満田誠選手を投入した意図は?
「まず一つの理由は塩谷(司)をボランチに戻したかった。彼はボールを配給する部分と身体的に優れているので、ボランチでプレーさせたいと思った。森島に関しては、期待していたダイナミックな動きがなかなか出せずにいた。そのために、2人の交代選手を入れた。入った2人に関しては、よく機能したと思っている」

──失点する前からなかなかラインを上げられずに間延びしていたが?
「中盤のポジショニングで期待しているような配置ができなかったのが間延びの原因だと思っている。あの時(1失点目)は森島がサイドに流れており、相手のスローインになった時にすぐに戻るべきだったが、味方とポジショニングの確認をしていた。そのため、全体のポジション修正が少し遅れてしまったと思う」

──ハーフタイムに「目的を持ってボールをつなぐこと」という指示があったが、意図と今日のボールのつなぎについて。
「後半はパスをつないでサイドからうまく攻めることにつなげられていたと思う。修正して後半に良いプレーが増えてきたのは評価できる。前半の最初にもスルーパスを裏に出せる機会がたくさんあったので、多くチャンスを作れていた。今日は清水が引いて守るチームだったが、それに対して我々が多くのチャンスを演出できたのは良かった」

──試合後に円陣を組んでいたが、選手に伝えたことは?
「負けてしまい、非常に残念だということ。ただ、ゲームの中で明確に良くなっていったのは伝えた。直近の試合の1失点目も含めて、最近の我々は不運な失点が多過ぎると話した。我々にとっては、凄く不運な失点であり、相手にとっては凄く幸運なゴールを生んでしまっている」

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