4.6 19:00

明治安田J1 第7節 vs. 横浜F・マリノス
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
2
0
横浜F・マリノス 横浜FM
  • 前半34分
    森島
  • 後半13分
    森島
1
前半
0
1
後半
0

試合の見どころ

 上昇気流に乗りたい一戦だ。敵地で戦った前節・湘南戦は1-0で今季リーグ戦初勝利。序盤は相手の鋭いプレスとカウンターに苦しんだが、攻守における攻撃的なスタイルを貫き続けた結果、主導権を奪い返し、後半の決勝点に繋げた。それまでは好内容と結果がなかなか噛み合わず悶々とする日々を過ごしてきた中、「このままやって行けば良いチームになっていく、状況が良くなると思っていた。今回は結果が伴って、より強い確信になった」(ミヒャエル・スキッべ監督)。湘南戦の勝利の自信を今節へ繋げたいところとなる。
 勢いを付けるには持ってこいの相手だ。ホームに迎える相手は、リーグ屈指の強豪・横浜FM。攻撃的なスタイルで近年のJリーグを引っ張っている昨季2位のクラブであり、今季もACL出場の関係で他クラブより2試合消化が多いとは言え、4勝3分1敗の好成績で2位につける。世界での主流である、前線からの強度の高いプレスで相手を押し込んで攻撃を繰り出すスタイルを日本で一早く取り入れた先駆け的な存在。その戦いが成熟されている横浜FMはかなり厄介な相手だ。
 また、選手層も十分。特に攻撃陣は2チーム分の戦力を揃えている。2-1で勝利した前節・FC東京戦の先発3トップは真ん中にアンデルソン・ロペスで右に宮市亮、左にエウベルという個の能力に秀でた顔ぶれ。そして後半に入ると、水沼宏太やレオ・セアラ、仲川輝人の実力者3枚が順に投入されていった。戦い方が洗練されていることに加え、サブにまで豪華なメンバーが揃う横浜FMの撃破はやはりなかなかの難題だ。
 ただし、内容に手応えを掴んでいるスキッべ監督にブレはない。相手が難敵・横浜FMだろうと「自分たちのリミッターを超えるプレーを見せたい。後ろはしっかり守り、攻撃的な魅力的なサッカーをしたいと思っている」。広島が選択するのは自分たちのスタイルを貫いての真っ向勝負。敗れたとは言え、アグレッシブにボールを奪いに行く攻撃的な戦いで川崎FやFC東京に対しても互角以上の内容を見せた。横浜FMはGKを含めて後方からじっくりとポゼッションを繰り出すチームだが、広島はこれまで同様に前線からボールを奪いに行く姿勢は変わらない。それが勝利に繋がる道だからだ。
 リーグトップクラスの攻撃力を誇る相手にも、紫軍団は恐れることなく攻めに出る。

監督 試合前日コメント

──横浜FM戦のポイントは?
「相手のレベル以上、自分たちのリミッターを超えるプレーを見せたい。後ろはしっかり守り、攻撃的な魅力的なサッカーをしたいと思っている」

──サイドの攻防は一つのカギでは?
「サイドの攻防もそうだが、全体的にコンパクトにプレーすることが大事になる。相手の攻撃に対して受け身になるのではなく、こちらが積極的にボールを奪いに行くこと。神戸や川崎F、FC東京のような個々のレベルが高い相手に対しても、その戦いをしたことで(勝利はできなかったが)うまくいったと感じている」

──中3日だが、選手たちの状態は?
「コンディションはまったく問題ない。良い状態で臨める。磯部(峰一)フィジカルコーチがここまで作り上げてくれているので、そこに関しては心配していない」

──今日は背後に抜ける動きを強調していたが?
「点を取ることに関しては、裏に抜けることは重要になる。それと同時にシュートのクオリティーも上げていきたい。(前節の)マコ(満田)が決めたゴールの形がもっと出てくればと思っている」

監督 ハーフタイムコメント

・素晴らしい戦いができている。
・後半もスタイルを変えずに続けること。
・このまま全力でアタックしていこう。

ゲームレポート

 紫軍団が理想的な戦いを披露した。
 序盤は我慢の展開が続いた。横浜FMのハイプレスの前に広島は後方から効果的にビルドアップを繰り出すことができなかったものの、守備に回った際には相手同様に前線からの果敢な守備で応戦。何度かプレスを剥がされて自陣へ押し込まれることもあったが、守備陣の集中した守りでゴールは割らせなかった。すると時間の経過とともに徐々に広島にリズムが生まれ、ポゼッション率が増加。25分以降は藤井智也のスピードを生かしたカウンターだけでなく、細かなパスワークを駆使して敵陣へ押し込む時間帯が出てきた。
そして、広島が主導権を掴んだ時間帯でチャンスを確実にモノにした。藤井の強烈なシュートがポストに直撃した直後の34分だった。野津田岳人の柔らかな前線へのパスを柏好文が頭で中央へ折り返し、満田誠のラストパスを受けた森島司が左足を振り抜いて先制。良い時間帯でリードを奪うことに成功した。その後も攻撃の手を緩めなかった広島は、藤井の左足ミドルや永井龍のバイシクルシュートなど、相手を押し込む好内容で前半を終えた。
「素晴らしい戦いができている。このまま続けよう!」。ハーフタイムにそんな指示を送るなど、ミヒャエル・スキッべ監督も前半の戦いに手応えを感じて迎えた後半、広島は序盤から横浜FMに襲い掛かった。48分に左サイド・柏の絶妙なクロスを森島が折り返した決定機を皮切りに、満田もエリア内へ進出して決定機を作り出す。その後も前線からの効果的なプレスが機能して相手を押し込み続けた広島は、理想的な形でリードを広げた。58分、ハイプレスがハマって高い位置で佐々木翔がボールを刈り取ると、エリア内へ進出した満田へパスを送り込み、その折り返しを森島が合わせて2-0。これで試合は決まったようなものだった。
 その後は3枚同時に選手交代をするなど、横浜FMは攻撃への圧力を強めてきたが、今日の広島はまったく屈することはなかった。引くことなく、最後まで果敢なプレスで相手を圧倒し続けたサンフレッチェが今季リーグ戦ホーム初勝利を奪うととともに2連勝を達成した。
「我々のチームを誇りに思うのは、後半になっても下がることなくテンポを維持したままプレスを続けたこと。2-0にしただけでなく、その後もチャンスをたくさん作ることができた。今日はこの勝利の余韻に浸りたいと思う」。強豪・横浜FMに対してシュート4本に抑える完璧な内容にミヒャエル・スキッべ監督も満面の笑みを見せて会場を後にした。

監督 試合後コメント

「相手は非常に強いチームで、最初の15分ぐらいまでプレスが効かない時間帯があった。それは我々のプレスが少し遅れていたことが原因だった。ただ、相手の攻撃で最後に柏(好文)がスライディングで阻止したシーンがポイントになったと思う。あのプレー以降は我々のプレスが効くようになり、良いサッカーができるようになってきた。その中で先制点が取れたことは非常に良かった。また、我々のチームを誇りに思うのは、後半になっても下がることなくテンポを維持したままプレスを続けたこと。2-0にしただけでなく、その後もチャンスをたくさん作ることができた。今日はこの勝利の余韻に浸りたいと思う。日曜日にはまたホームで試合があるので、そこに向けてまた準備していこうと思う」

──内容も完璧だったと思うが、2得点の森島司選手と満田誠選手の仕事ぶりについて。
「彼ら二人に関してはミーティングや練習で話をして決めたことを今日の試合で非常にうまく見せてくれたと思っている。また、二人の両ワイドの選手の力を借りながら良い働きができたし、後ろにスルーパスを出す選手がいたことも挙げられる。彼ら二人だけでなく、その他の選手も今日は90分間プレスし続けたことを褒めたいと思う」

──柏好文選手の起用理由とパフォーマンスについて。
「柏はあの(守備の)1シーンだけでなく、全体的に良いパフォーマンスを見せてくれたと思う。今週のトレーニングの状況と浅野雄也が疲れていたので起用を決めた。彼は経験も豊富だし、前にも後ろにも行けるのが起用の要因になった」

──2試合連続での完封勝利は価値があるのでは?
「価値のあるものだと思う。それ以前の試合でも、失点に関しては完全に崩されたものではなく、不運だったり、小さなミスから生まれたものだった。今日の試合は、自分たちのゴールから遠いところで常にサッカーができたのが良かった。そこをかいくぐられた場面もあったが、その後の1対1の対応にも満足がいく良いプレーだった」

──今日のプレスがよくできた要因は?
「コースを切るプレスが練習によって浸透してきた。プレッシングがうまくいかないこともあり、今日で言うと、イエローカードを貰って止めないといけないシーンが2回あった。また、先ほども言ったように柏がギリギリでスライディングで止めるシーンもあった。相手が速い攻撃をしてきたことによって我々が少し遅れてしまったことが原因でうまくいかないこともあった。ただ、来日する前に『サンフレッチェのスタイルを魅力的に攻撃的にしたい』という話を強化部としていた。それを少しずつ体現できていると思う。そのためにはもっと走ることを追求していく必要がある。クラブにもすごく感謝している。ここで監督をさせてもらっていることに感謝しているし、スタッフを含めて攻撃的なサッカーを作り出してくれたことに感謝している」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo

PLAYER OF THE MATCH

photo 今日のPLAYER OF THE MATCHは、森島司選手!
ゲームスポンサーの中国新聞様より、「プレミアム高森和牛シャトーブリアン」が贈られます!
#sanfrecce #ぶちあつ!

試合情報をシェア!

x