5.7 14:00

明治安田J1 第12節 vs. 鹿島アントラーズ
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
3
0
鹿島アントラーズ 鹿島
  • 前半38分
    好文
  • 後半18分
    満田
  • 後半34分
    好文
1
前半
0
2
後半
0

試合の見どころ

 広島の現在地を図るにはうってつけの一戦だ。公式戦7試合を5勝2分の無敗で過ごした4月から一転、5月の初戦となった前節・柏戦は今季初の逆転負け(1●2)。リーグ戦はこれで3試合連続で勝利から見放されることになり(2分1敗)、チームはやや停滞している。ただし、ミヒャエル・スキッべ監督の自信に揺らぎはない。「特に悲観する必要はない。実際に勝星から見放されているが、内容が良くないかと言ったらそうではない。チャンスを作れているし、点も取れている」。3試合連続で2失点していることは課題だが、攻撃では相手を圧倒する時間帯も多くあり、得点も取れている。指揮官の目指す攻撃的で魅力的なサッカーは着実に根付いてきている。
 今節はそのスタイルが首位相手にどこまで通用するか。迎え撃つのは、現在のJリーグで最も勢いのある鹿島。「順位表が証明しているとおり、現状で一番良いチームだと思っている。我々にとって難しい試合になると思うが、それと同時に楽しみな試合でもある」(スキッべ監督)。スイス人指揮官のレネ・ヴァイラー監督を迎えた今季、新型コロナウイルスの水際対策で監督の来日が遅れながらも一時はリーグ戦5連勝を達成するなど序盤戦から好調を維持。鹿島の伝統と言える、激しい球際や素早い切り替えなどをベースに、粘り強く勝ち切る強さが復活している。
 そんな現在の鹿島を引っ張っているのが、日本人最強2トップと言われる鈴木優磨と上田綺世だ。ベルギーリーグでのプレーから2年半ぶりに鹿島に復帰した鈴木は、前線で自由に動いて攻撃を組み立てるだけでなく、持ち前の決定力の高さも示してここまで4得点。気持ちを前面に押し出すプレーでもチームをけん引しており、まさに鹿島の中心人物だ。そして、その相方となっているエース・上田もまさに絶好調。リーグ2位となる7得点は、ミドルあり、裏への抜け出しあり、ヘッドあり、とさまざまなパターンから決めており、日本屈指の点取り屋としての能力を示している。中盤にも力のある多くのタレントを擁す鹿島だが、まずはこの2トップを封じることは必須条件だ。
 その上で、広島としては自らの攻撃的スタイルを貫いてリーグ戦4試合ぶりの勝利を目指すことになる。「我々はとにかく100%のパフォーマンスをチームとして見せることができたら、鹿島相手でも十分にチャンスがあると思っている」(スキッべ監督)。持ちうる力をすべて出し尽くし、首位撃破を狙う。

監督 試合前日コメント

──首位・鹿島との戦いだが、相手の印象は?
「順位表が証明しているとおり、現状で一番良いチームだと思っている。我々にとって難しい試合になると思うが、それと同時に楽しみな試合でもある。もちろんリスペクトはしながらも、良い試合をしていきたい」

──前節・柏戦の後半は課題を残したが、試合を振り返って。
「柏戦についてはもう十分に話をしたので(笑)。その間にトレーニングをしてきたのは柏戦に向けてではなく、鹿島戦に向けてのもの。なので、そこに向けてやるだけ。我々はとにかく100%のパフォーマンスをチームとして見せることができたら、鹿島相手でも十分にチャンスがあると思っている」

──リーグ戦は3試合勝利から遠のいているが、鹿島戦に向けて選手にどのような声をかけて送り出そうと思っているか。
「特に悲観する必要はない。実際に勝星から見放されているが、内容が良くないかと言ったらそうではない。チャンスを作れているし、点も取れている。特別に何か言わなくてもやっていけると思っている」

監督 ハーフタイムコメント

・素晴らしい戦いができている。
・ボールを動かして相手を走らせること。
・積極的にゴールを狙うこと。

ゲームレポート

「現状で一番良いチームだと思っている」。ミヒャエル・スキッべ監督もそう認める首位・鹿島をホームに迎えた一戦。リーグ屈指の強敵に対し、広島は本来の1トップから今季初めて2トップに変更する指揮官の“奇策”が見事にハマったゲームとなった。
 序盤から試合を優位に進めたのは広島だった。「前線に勢いが欲しかった」とスキッべ監督が新システムの意図を話したように、ジュニオール・サントス&ナッシム・ベン・カリファの外国籍2トップが圧力を強めて相手を押し込み、敵陣でゲームを進める。ペナルティーエリア周辺までボールを運べば、右の藤井智也、左の柏好文らサイドを効果的に使いながら相手ゴールへ肉薄。8分、藤井のクロスから佐々木翔がヘディングでゴールを狙ったのを皮切りに、CKやコンビネーションからチャンスを作り出した他、自陣へ押し返されてもサントスを筆頭とした鋭いカウンターを発動させて鹿島に襲い掛かった。
 それでも前半途中までは鹿島の粘り強い守備の攻略に手間取ったが、38分、ついに広島がこじ開けて見せた。敵陣でのサントスの強引な突破のこぼれ球を拾った満田誠が左サイドでフリーとなっていた柏へ。パスを受けた背番号18は左足で冷静に突き刺して先制に成功した。
 1-0のリードで迎えた後半も広島は主導権を譲らなかった。相手にボールを持たれる時間は増えたが、組織的な守備ブロックを築いて相手の攻撃を確実に封鎖。攻撃に移れば、柏のアーリークロスからベン・カリファがヘディングで惜しいシュートを放つなど、前半同様にサイドを有効に使って攻め立てた。
 すると、試合を大きく決定付ける追加点が生まれたのは63分だった。佐々木のクサビのパスを受けたサントスから満田へとボールが渡り、ドリブルで敵陣へ進出。背番号39がそのままエリア外から豪快に振り抜いた右足ミドルがネットを揺らして2-0とリードを広げた。
 その後は鹿島の攻撃を受け止めながらカウンターをメインに試合を進めた広島は、79分にも藤井の突破からチャンスを作り出し、サントスのシュートのこぼれ球を柏が詰めて3-0。「今日の選手たちはすべてのプレーで素晴らしいパフォーマンス、活躍をしてくれたと思っている」(スキッべ監督)。圧巻の攻撃力を見せ付けた広島がJ1通算400勝のメモリアルを飾るとともに首位を撃破する充実のゲームとなった。

監督 試合後コメント

「今日の我々はJリーグの中でもすごく良い試合をしたと思っている。前節・柏戦の後半よりも自分たちはコンパクトに戦うことができた。鹿島はチャンスをあまり作れなかったという感覚を持ったのではないか。また、我々の攻撃に関しても満足いく出来だった。今季はリーグ戦で3点を取って勝つことはなかったのだから。今日はすべての場面でトップレベルのパフォーマンスを見せた選手たちがいた。この勢いに乗ったまま次のアウェイ・浦和戦に向かって行きたい」

──誰もが驚く先発のフォーメーションだったと思う。ジュニオール・サントス選手とナッシム・ベン・カリファ選手の2トップにした意図と、いつ決めたのか?
「まず鹿島と対戦するにあたって前線に勢いが欲しかった。また、鹿島相手に攻撃的でアグレッシブなサッカーをしていくことが重要だった。コーチ陣との話し合いの中で、前節・柏戦の後に一つのアイディアとして出てきた。いつも交代の時には同じポジションの選手を同じポジションに入れることばかりをしていたが、それは選手が変わっても戦術的に違いをつけられないことが反省点だった。近代サッカーにおいて戦術がゲームの中で合うことが非常に重要でもある。今日の我々は新しい戦術をフィールド上で表現してくれたと思う」

──森島司選手も絶妙なポジションを取っていたが、どのような発想でそのポジションに立たせたのか?
「2トップになったところから、それに合わせて森島は自分のポジションを取らないといけない状況になった。彼にしても、マコ(満田)にしてもそう。後ろにいたガク(野津田)は途中でイエローカードを貰ったことから前半で代え、(松本)泰志を入れた。泰志にしても、全員が新しいポジションの新しい役割をしっかりまっとうしてくれた」

──今日のシステムは今後のベースになっていくのか?
「どの監督に聞いても同じ答えが帰ってくると思うが、ゲームによって違う(笑)」

──首位であり、J1で一番通算勝利数の多い鹿島相手の試合で400勝達成は価値があるのではないか?
「まずは勝点3の価値があるゲームだった。ただ、3試合前から『次で勝てば400勝』と言われていた中で、なかなか400勝に到達できなかったので、今日の喜びは大きい」

──今日は3得点とも後方からの組み立てによって生まれたゴールだったが?
「もちろん後ろからボールを繋いでいくことに関して、選手たちはアイディアなどをフィールド上でしっかり体現してくれた。ただ、それだけでなく、アグレッシブさや1対1のパワー、丁寧なパスなど、今日の選手たちはすべてのプレーで素晴らしいパフォーマンス、活躍をしてくれたと思っている」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

photo 今日のPLAYER OF THE MATCHは、柏好文選手!
ゲームスポンサーの高宮運送様より、「商品券50,000円分」が贈られました!!

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