7.30 19:00

明治安田J1 第23節 vs. FC東京
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
2
FC東京 FC東京
  • 前半40分
    森島
1
前半
0
0
後半
2
  • 後半22分
    ディエゴオリヴェイラ
  • 後半45+3分
    アダイウトン

試合の見どころ

 広島から世界に向けて平和を発信する“ピースマッチ”が7月30日に開催される。史上初めて原爆が投下された8月6日は広島にとって、そして世界にとっても重要な日であり、ドイツ人指揮官のミヒャエル・スキッべ監督もその重要性を理解する。「8月6日に関しては、広島にとって重要な日になるのは分かっているが、広島だけでなく世界中で一番重要な日である。それを年に一度、いつまでも忘れないようにこういう形でゲームができる。いつも以上に集中した良い試合ができればと思っている」。戦争の脅威に恐れることなく平和に生活できること。その中でスポーツができること。まさに、スポーツができる平和に感謝しながら試合へ臨むことになる。
 今節は現在の“逆境”を乗り越える一戦でもある。日本代表の活動によりリーグ戦は2週間の中断期間となったが、広島にとってはチーム力を高めると言うよりもむしろ難しい中断となった。日本代表に選出された6名が不在だったことに加え、7月17日の前節・京都戦後にはミヒャエル・スキッべ監督に加え、選手4名が新型コロナウイルスに感染する事態に。実質、選手10名が不在とあっては少人数でのトレーニングを余儀なくされ、全体で練習できたのはFC東京戦前日のみだった。
 だからこそ、そこからどう盛り返していくか。監督に代わって28日(木)まで陣頭指揮を執ってきた迫井深也ヘッドコーチは、良い意味で日本代表組との相乗効果に期待する。「(日本代表の広島の選手たちは)それぞれで思うことはあると思う。その思いを試合で晴らしたいと考えるのがサッカー選手の性(さが)でもある。FC東京戦では、新たなエネルギーを加えてくれると思う」。第3戦の韓国戦でゴールを奪った佐々木翔を除けば、他の選手は決して多くの出場機会を与えられたとは言い難い。ただし、その日本代表で受けた刺激や喜び、悔しさはプロである以上、ピッチで表現するしかない。人数が少ない中で広島でハードトレーニングに励んできた選手たちと共に強いメンタリティーは見せられるはずだ。
 広島県出身で“平和”に寄り添って生活してきた野津田岳人は言った。「広島出身の僕にとって“平和”はいつも身近で考えてきたこと。サッカーができる平和に感謝しながら、思う存分戦いたい」。平和を祈りながら、選手それぞれさまざまな思いを持って臨む今年のピースマッチ。勇敢にFC東京に立ち向かうサンフレッチェ広島の選手たちに期待だ。

監督 試合前日コメント

──体調はいかがですか?
「咳も出ていないし、何もないので大丈夫(笑)」

──明日のFC東京戦はピースマッチというサンフレッチェにとって重要な試合だが?
「8月6日に関しては、広島にとって重要な日になるのは分かっているが、広島だけでなく世界中で一番重要な日である。それを年に一度、いつまでも忘れないようにこういう形でゲームができる。いつも以上に集中した良い試合ができればと思っている」

──明日の試合に向けて、選手の状態は?
「(前節・京都戦が終わって)オフもあったし、時間もあったので、すごく良い状態にある。日本代表に選ばれていた選手もいるが、(佐々木)翔を除けば、試合に出た時間を考えれば、むしろ良い状況で戻ってこられたと思っている。全体的に見てもすごく良い状態にある」

──ここから再びカップ戦を含めた連戦が始まるが、どんなことに気を付けて選手起用していくのか?
「カップ戦で戦う横浜FMもリーグ戦で首位に立つ強いチームであり、簡単な相手でないのは分かっている。ただし、来週には新型コロナウイルスに感染した選手たちも帰ってくる。誰が出場しても大丈夫な状況、強いメンバーをいつでも持つことが大切になる」

監督 ハーフタイムコメント

・もっと丁寧にパスを繋ぐこと。
・相手にセットプレーを与えないこと。
・絶対に勝つぞ!

ゲームレポート

 8月6日に思いを馳せる広島にとって特別な“ピースマッチ”は、最後の最後で悔しい結果が待っていた。
「試合の入りはあまり良くなかった」。ミヒャエル・スキッべ監督がそう認めたように、序盤は難しい展開となった。スペイン人指揮官・アルベル監督が率いるFC東京の巧みなポゼッションサッカーに苦戦し、球際でも相手が激しくぶつかってきたことで広島はなかなかリズムを作れない。時に右サイド・藤井智也らの突破を生かしてゴールへ襲い掛かるシーンもあったが、20分には右サイドを完全に崩されて決定的なピンチを招くなど、いつ試合が動いてもおかしくない展開となった。
 広島としては、その悪い時間帯を凌いだことが大きかった。時間の経過とともにパスがリズム良く回り始め、満田誠の鋭い突破などが出てきた前半終盤、背番号10がチームに流れを引き寄せる強烈な一発を見舞った。40分、相手を押し込んだ中でセンターライン付近で佐々木翔がボールを奪うと、すぐに森島司へ。相手ゴールから約20m離れた位置でボールを受けた森島は迷わず右足を振り抜くと、鋭い弾丸シュートがネットに突き刺さり先制に成功した。
 リードして迎えた後半も立ち上がりから主導権を握ったのは広島だった。立て続けに獲得したCKから川村拓夢や荒木隼人がゴールを襲い果敢に追加点を狙っていく。だが、序盤の良い時間帯で2点目を奪えずにいると、この日はここから自分たちで崩れてしまった。
「1失点目も2失点目も、不必要なボールロストからカウンターを受けて失点した」(スキッべ監督)。67分に喫した1失点目はディエゴ・オリヴェイラの見事な左足ミドルではあったが、その原因は自分たちのボールロストからだった。そして迎えた後半アディショナルタイム、ジュニオール・サントスの強引なドリブル突破が相手に阻止されると、そのままFC東京にカウンターを許し、アダイウトンのクロス性のボールがゴールに吸い込まれて2失点目。ともに防げたはずのミスから逆転を許した広島が1-2で敗れる結果となった。
「同点にされるまでは我々も良いサッカーができていた時間帯もあったが、失点シーンに象徴されるように残念な試合になってしまった」(スキッべ監督)。エディオンスタジアム広島では今季最多となる13,865人の観衆が集まった“ピースマッチ”だったが、悔しさの残るゲームとなってしまった。

監督 試合後コメント

「最後の最後でボールロストからカウンターを受けて、クロスだと思うが、ゴールに入ってしまった。その後に我々も一つシュートを打ったが、枠を捉えることはできなかった。1失点目に関しても、不必要なボールロストからカウンターを受けて失点した。同点にされるまでは我々も良いサッカーができていた時間帯もあったが、失点シーンに象徴されるように残念な試合になってしまった」

──2失点目はジュニオール・サントス選手の不必要なボールロストだった。これまで我慢して起用してきたと思うが、今後はどのように起用していこうと思うか?
「一つ重要なことを言えば、彼のミスは失点に直結する大きなミスだった。ただ、彼自身もミスをしたことは分かっているし、そのミスは彼がしたかったミスでないというのはハッキリさせておかないといけない。彼のプレーに関して言えば、目的を失ったドリブルで30m、40m、50mと持ち続けて、我々がやろうとしている早いコンビネーションからかけ離れたプレーをしてしまったのは大きなミスだった」

──エゼキエウ選手の復帰戦となったが、今後の起用法について。
「彼が戻ってきたことは嬉しく思っている。スピードなど攻撃面では非常に有効な選手だと思っている」

──多くの日本代表選手が選出された中で、疲労などもあったと思うが、その選手たちを起用した意図は?
「E-1選手権に出ていた日本代表選手たちに関して言えば、今日は非常に良いパフォーマンスを見せてくれたと思う。佐々木翔は日本代表で多く出場していたと思うが、今日も安定した素晴らしいパフォーマンスを見せていた。荒木(隼人)に関しても、いつもどおりの良いプレーだった。森島(司)のゴールはもう言うことはない。総合的に見ても、日本代表の選手たちは今日も良いパフォーマンスを見せてくれたと思っている」

フォト

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