8.3 19:00

ルヴァンカップ プライムステージ 準々決勝 第1戦 vs. 横浜F・マリノス
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
3
1
横浜F・マリノス 横浜FM
  • 前半14分
    好文
  • 後半26分
    荒木隼人
  • 後半45+8分
    野津田岳人
1
前半
0
2
後半
1
  • 後半1分
    レオセアラ

試合の見どころ

 停滞感を吹き飛ばしたい一戦だ。直近のFC東京戦では、後半アディショナルタイムの失点により1-2というショッキングな逆転負け。これでリーグ戦は4試合勝利なし(2分2敗)と、広島の勢いが弱まってきた中で迎えるルヴァンカップ準々決勝の相手は横浜FM。「現状で一番難しい相手」とミヒャエル・スキッべ監督も認める現在のJ1首位チームであり、順位どおりの勢い、実力を備える強豪だ。現在はリーグ戦9試合無敗(7勝2分)と敵なしとなっている横浜FMに広島はどう立ち向かうか。「自分たちのリミットでプレーすることが前提条件だが、そうすれば相手と同じ土俵で戦える」(スキッべ監督)。自分たちの持てる力をすべてぶつけて挑むことになる。
 相手はまさに充実の陣容だ。日本代表での活動で宮市亮がケガで長期離脱となってしまったが、それでも2セットを揃えられる攻撃陣は健在だ。1トップは10得点のレオ・セアラと7得点のアンデルソン・ロペスが競い、トップ下には8得点の西村拓真を筆頭にマルコス・ジュニオールがサブに控える。左右のサイドには水沼宏太とエウベルを軸に、2019年のJ1リーグMVPである仲川輝人もキレのある動きを見せている。この中から誰が出てきても高いレベルを維持できるのが今季の横浜FMであり、試合途中から総入れ替えして強度をキープできるのも特長だ。リーグ戦では23試合で50得点。1試合平均2点台の攻撃力は、まさにどこが相手だろうと止められない破壊力がある。
 また、ボランチにもキャプテンの喜田拓也に加え、先日の日本代表に選出された岩田智輝と藤田譲瑠チマが揃う厚い選手層。そこに、もはや横浜FMの代名詞となっている前線からのアグレッシブなスタイルが染み付いている相手は、かなりの難敵だ。
 もっとも、そんなチーム相手でも「今季戦った2試合とも良いゲームができた。明日は非常に楽しみにしている」と対戦を待ちわびるスキッべ監督のスタンスは今回も不変だ。「相手どうこうよりも自分たちが良い形でシュートまで持って行き、ゴールを決めること。そこにこだわっていきたい」。確かに前回対戦では0-3で敗れたが、決して広島にチャンスがなかったわけではない。横浜FMの高い決定力には注意を払いながらも、相手を押し込んでサッカーを展開する攻撃スタイルを貫くのみ。それが広島にとっての横浜FM対策であり、勝利への一番のポイントとなる。まずはホームでの第1戦を制し、勢いを付けて敵地での第2戦に臨みたいところだ。

監督 試合前日コメント

──直近のFC東京戦ではショッキングな敗戦だったが、チームの雰囲気は?
「もう過ぎた試合なので、切り替えて(横浜FM戦に)向かって行けると思う。次は現状で一番難しい相手と当たったと思うが、今季戦った2試合とも良いゲームができた。明日は非常に楽しみにしている」

──前回対戦ではすべてカウンターからの失点で0-3で敗れたが、相手の速攻には警戒では?
「前回対戦で相手がカウンターから3点を取ったということは、それを狙っているということ。ただ、相手どうこうよりも自分たちが良い形でシュートまで持って行き、ゴールを決めること。そこにこだわっていきたい」

──最近のリーグ戦では決めていれば勝てた試合もあるが、決定力が課題なのか、もっとチャンスを作らないといけないのか?
「やはりクオリティーを上げていく必要はあるが、我々のチームにはオフェンシブに森島司と満田誠というクオリティーの高いシュートを持っている選手がいる。また、ケガからドウグラス・ヴィエイラやエゼキエウが復帰してきたり、新型コロナウイルス感染症から戻ってきた選手もいる。そういった面でもこれから攻撃のクオリティーは上がっていくと思っている」

監督 ハーフタイムコメント

・後半も正確にパスを繋いでいくこと。
・高い位置からアグレッシブにプレスをかけ続けよう。
・いいサッカーができている。このままいくぞ!

ゲームレポート

 紫軍団がホームで圧巻のパフォーマンスを披露した。
 序盤のサンフレッチェは見事な出来だった。開始早々の横浜FMのCKを凌いだ後は、持ち前のアグレッシブな守備をベースに相手を押し込んで攻撃を展開。ボランチ・松本泰志の飛び出しや満田誠のミドルシュートなどで相手ゴールへ迫ると、早くも試合を動かして見せた。14分、右サイド・藤井智也の突破からのクロスを逆サイドで待っていたのは柏好文。ワントラップから豪快に右足シュートを突き刺して先制に成功した。
 その後もアグレッシブかつ組織的な守備ブロックをベースに堅く試合を進めた広島。42分のGK大迫敬介が防いだマルコス・ジュニオールのシュート以外は決定機を作らせず、逆にカウンターや遅攻を織り交ぜながら追加点を狙いに行くなど、前半の内容は上々だった。
 だが、一瞬の隙を作ってしまったのは後半開始早々だった。「いいサッカーができている。このまま行くぞ!」とハーフタイムにミヒャエル・スキッべ監督から声をかけられて臨んだが、46分、左サイドからクロスを送り込まれると、エリア内中央でレオ・セアラに決められて早くも同点に追い付かれてしまった。
 ここからよりパワーを持って勝ち越し点を取りに行ったのは、やはりホームチームだった。「後半開始直後に同点にされたが、そこからもう一度、盛り返して素晴らしいサッカーを見せたのが良かった」とスキッべ監督が話したとおり、同点となっても下を向くことなく攻撃姿勢を貫き、相手を押し込んで試合を進める。54分、柏がカットインから右足でゴールを狙えば、62分には森島司もGKを強襲する強烈なシュートを見舞う。流れが広島に傾く中、横浜FMゴールをこじ開けたのは71分だった。左からの満田のCKは逆サイドに流れてしまったが、ボールを拾った森島がすぐに中央へクロスを送ると、頭で合わせたのは荒木隼人。ゴールネットを揺らして広島が再び勝ち越し点を奪取した。
 リードした後も受けに回ることなく相手陣地でゲームを進めた広島は、攻撃的なゲーム運びを披露。78分のドウグラス・ヴィエイラのゴールはVARの結果、オフサイドで取り消しとなったが、最後まで攻めの姿勢を見せて追加点を目指すと、迎えた後半アディショナルタイムだった。ゴール正面のFK、塩谷司のシュートは壁に阻まれたが、そのこぼれ球を野津田岳人がダイレクトで左足を振り抜くと、ゴールへ吸い込まれて3-1。2点差を付けた広島が準々決勝第1戦を制した。
 リーグ戦では首位を独走しつつある横浜FMに対し、好内容での勝利。ただし、スキッべ監督は、「ルヴァンカップ準々決勝はまだハーフタイムで、後半は来週水曜日に横浜である。相手はオフェンシブで強いチームだと分かっているし、リーグ戦でも負けている。気を引き締めてやっていきたい」と来週の戦いに向けて隙なく臨む覚悟を示した。

監督 試合後コメント

「今日はお互いにオフェンシブですごく面白い試合になったと思う。後半開始直後に同点にされたが、そこからもう一度、盛り返して素晴らしいサッカーを見せたのが良かった。そこから数多くのシュートチャンスを作り出し、2点差で勝つことができた。ただし、ルヴァンカップ準々決勝はまだハーフタイムで、後半は来週水曜日に横浜である。相手はオフェンシブで強いチームだと分かっているし、リーグ戦でも負けている。気を引き締めてやっていきたい。Jリーグのアウェイでやった横浜FM戦は負けはしたが、シュートチャンスは多く作れていたし、自分たちの目指す速いサッカーはできていた。来週水曜日はそのようなサッカーができればと思っている」

──ショッキングなFC東京戦の敗戦から、いつもの広島が戻ったが、選手たちに伝えたことは?
「何よりも体調不良やいろんな事情で(FC東京戦は)試合に出られない選手がいた。また、今日はドグ(ドウグラス・ヴィエイラ)が長いケガから戻ってきたことで、チーム全体で良いメンバーが揃ったことが挙げられる」

──FC東京戦で出番のなかった柏好文選手と野津田岳人選手の活躍は見事だった。特に柏選手はしっかりと準備してくれたのでは?
「柏のパフォーマンスはすごく満足している。ただ、彼だけでなく、今日はチーム全体で良いパフォーマンスを見せることができたと思っている。高い位置から早いアグレッシブなプレッシングに行けた。前線の選手も良いパフォーマンスを見せていたし、藤井(智也)に関しても高い位置からアタックできていた。また、ディフェンスラインがしっかりまとまっていたことで、ボールを奪うことができた。そこから前に行けたことでチーム全体の良いパフォーマンスに繋がったと思う」

──試合前に「今日勝利するには自分たちのリミットを超えないといけない」と話していたが、あらためて今日の攻守においての出来は?
「まず走ること、戦うこと、それからサッカーをすること。その部分でリミットまで到達することができた。今日のような強い対戦相手に対して、このようなサッカーができたということ。自分たちの戦術に対して忠実に選手たちがプレーしたことで感動を呼べるサッカーになったと思っている。また、横浜FMに関して言えば、誰が出ても素晴らしいチームが出来上がっている。今日は直近の試合からメンバーが多く変わっている部分はあったが、どちらが強いというわけではなく、どの横浜FMと当たっても難しい試合になるのは分かっていた。そのチームに対して、今日のサッカーができたのは素晴らしかったと思っている」

フォト

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