8.6 18:00

明治安田J1 第24節 vs. 鹿島アントラーズ
AWAY県立カシマサッカースタジアム

試合終了

鹿島アントラーズ 鹿島
0
2
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
0
0
後半
2

試合の見どころ

 停滞感を吹き飛ばすには十分な勝利だった。リーグ戦4試合勝利のない(2分2敗)状況で迎えた3日(水)のルヴァンカップ準々決勝第1戦・横浜FM戦。相手はJ1で首位を独走しつつある「現状で一番難しい相手」(ミヒャエル・スキッべ監督)ではあったが、前線からのアグレッシブな守備を90分間貫いた結果、3-1の勝利。シュート数でも広島の15本に対し、横浜FMを6本に抑える充実の内容で、敵将・ケヴィン・マスカット監督も「広島が勝ちに値する結果を出した」と認めるゲームだった。次なる相手も、リーグ2位に付ける強豪・鹿島。横浜FM戦の勢いを持って勝利を目指すことになる。
 相手は相変わらず厄介なチームだ。エースだった上田綺世がベルギーのクラブへ移籍後、リーグ戦5試合で1勝3分1敗とやや調子を落としているとはいえ、鹿島らしいタフな戦いは健在であり、全体的な選手の質はやはり高い。前線には高い決定力に加えチャンスメーカーとしても輝く鈴木優磨を筆頭に、土居聖真や和泉竜司、樋口雄太ら才能のある日本人MFがいる。外国籍選手に目を向けてもアルトゥール・カイキやディエゴ・ピトゥカの中盤に加え、FWエヴェラウドも名を連ねる。いつ息を吹き返してもおかしくない陣容、力は備わっており、横浜FMと同じく勝利するのはJ1の中でも上位に入る難しい相手だ。今節は敵地・県立カシマサッカースタジアムの雰囲気を含めて、険しい戦いが待っているだろう。
 広島としては、まさに総力戦で挑まなければならない。前節から1週間の準備期間があった鹿島に対し、広島は横浜FM戦から中2日に加え、茨城への移動もある。コンディション面で不利なのは確かであり、だからこそチーム全員の力が必要になる。東俊希が全治3カ月の離脱となったのは痛いが、反対にドウグラス・ヴィエイラやエゼキエウといった長く戦列を離れていた選手たちが復帰し、「チーム全体で良いメンバーが揃った」(スキッべ監督)。横浜FM戦では二人とも途中出場で好パフォーマンスを見せるなど、状態はいい。他にも試合に飢えた選手は多く控えており、チーム全体で戦える戦力は十分に揃っている。広島の高いチーム力を示し、リーグ終盤へ向けた上位追撃といきたいところだ。

監督 試合前日コメント

──直近の試合から中2日だが、選手たちの状態は?
「コンディションは問題ないと思っているし、短い時間だがみんなしっかり回復してきている。鹿島について言うと、スタイルを貫いてくるチーム。自分たちのサッカーをやろうとしてくる相手なので、我々としてもやりやすいし、良い試合になると思っている」

──厳しい相手との連戦が続くが、メンバーのやりくりについてはどう考えているか?
「今はドグ(ドウグラス・ヴィエイラ)や新型コロナウイルスに感染した選手が戻ってきたりして、ほとんどの選手が良い状況にある。誰もが試合に出られる状況になってきた。誰が出ても大丈夫だと思っている」

──前へのプレーを鹿島戦でも出せれば良い戦いができると思うが、それを出すために必要なことは?
「鹿島にしても横浜FMにしてもそうだが、レベルの高いチーム。相手にサッカーをやらせない意味で高い位置でボールを奪おうと考えている。相手の良さを消し、自分たちの良さを出すイメージでやっていきたい」

監督 ハーフタイムコメント

・ボールを早く動かすこと。
・強くプレッシングに行くこと。
・後半も最初から力を出し切ろう!

ゲームレポート

 広島にとって忘れることのできない8月6日。敵地・県立カシマサッカースタジアムでのゲームとなったが、試合前には黙とうも捧げられた一戦で広島が高い総合力を示した。
 試合は序盤から一進一退の攻防となった。サンフレッチェはスタイルである前線からのハイプレスで挑んだが、前線のエヴェラウドらへのロングボールを多用してきた鹿島の戦いに苦戦。「鹿島は前線に身体的に優れた選手を揃えてきたことで、我々は守るのが非常に難しい状況だった」とミヒャエル・スキッべ監督が話したように、サンフレッチェは敵陣地へボールを運んでもパワープレーで押し返してくる相手との我慢比べが続いた。前半のシュート数はお互いに4本。広島は満田誠を起点としたカウンターから2回ほどチャンスを作りかけたが、鹿島の粘り強い守備を攻略できず0-0で前半を終えた。
「後半も最初から力を出し切ろう!」。スキッべ監督からそう声をかけられて臨んだ後半、紫軍団は言葉どおりのアグレッシブな姿勢で主導権を握った。後半の立ち上がりには鹿島のセットプレーや鈴木優磨らにゴールを脅かされたが、時間の経過とともに敵陣地へ押し込んでサッカーを展開。途中出場のドウグラス・ヴィエイラを起点とした攻撃で塩谷司らもシュートを浴びせていく。それでもなかなかゴールをこじ開けられない時間が続いたが、均衡を破ったのは頼れる交代出場の選手たちだった。
「オフェンシブにしたイメージ」とスキッべ監督が振り返ったように、73分にエゼキエウと野上結貴、83分に川村拓夢を投入した広島の攻撃が実ったのは84分だった。左サイドの川村から松本泰志、エゼキエウ、そして右サイドの野上へとボールが繋がって敵陣地深くへ攻め込むと、背番号2のクロスに合わせたのは出場したばかりの川村。利き足とは逆の右で押し込んだJ1初ゴールは終盤の貴重な先制点となった。
 その後も粘り強い守りで鹿島の攻撃を凌いで追加点を狙いに行ったサンフレッチェ。すると、勝負を決定付ける2点目が生まれたのは90+5分だった。カウンターからエゼキエウがドリブルで持ち込むと、右足で冷静にネットを揺らして2-0。「非常に難しい」(スキッべ監督)戦いをサンフレッチェが制した。
「77年前の悲劇に関しては、長い人類の歴史の中でも悲しい出来事だったと思っている。ただ、鹿島さんの計らいもあったし、こういう日に広島の人たちが勇気づけられた、幸せな気持ちになってもらえたのは素晴らしいことだと思う」。指揮官はそう言葉を残し、会場を後にした。

監督 試合後コメント

「最初の1分から終了まで素晴らしいゲームを繰り広げたと思う。鹿島は前線に身体的に優れた選手を揃えてきたことで、我々は守るのが非常に難しい状況だった。前半は互角の内容だったが、後半に入り55分、60分と時間が経つにつれて我々がゲームを支配できるようになってきた。そのため、今日のような結果になったと思う。今日は非常に難しいアウェイゲームを2-0で勝てて非常に嬉しく思う。次は3日空いて、ルヴァンカップ準々決勝第2戦がある。再びアウェイで難しい試合になるが、しっかり準備していきたい」

──後半の得点シーンの前に川村拓夢選手が入り、他の交代選手であるドウグラス・ヴィエイラ選手、エゼキエウ選手、野上結貴選手の全員が絡んだ先制点だった。交代選手の活躍について。
「後半に入ったエゼ(エゼキエウ)やドグ(ドウグラス・ヴィエイラ)、(川村)拓夢は長期離脱から戻ってきた。また、新型コロナウイルスにかかった選手たちも戻ってきた。今はメンバー全員が非常に良い状況にある。その中で選手が代わってもレベルが落ちずにプレーすることができることを今日は証明できたと思う」

──次は中3日でルヴァンカップ準々決勝第2戦・横浜FM戦だが、どのような戦いを見せたいか?
「できるだけ早く回復することがカギになる。何人かは今日の試合で疲労している部分はあるが、水曜日まで十分時間はあるので、それまでに全員が回復し、一番良いチームで臨めると思う。また、前節・FC東京戦でケガをして長期離脱した東俊希について、私だけでなくチーム全員が早く回復してほしいと願っている。できるだけ早く戻り、元気な姿を見せてほしい」

──鹿島に攻められる時間も長かったが、5試合ぶりに無失点に抑えた守備について。
「ディフェンスラインというよりも前から奪いに行く守備をしている。今日はそこがうまくいったと思っているが、後ろの選手たちも1対1でしっかり守れていた。ただ、後半は2回、鹿島のエヴェラウドと鈴木優磨に大きなチャンスを作られてしまった」

──両サイドのウイングバックに投入した野上結貴選手と川村拓夢選手は守備に力を入れるために投入したのか?
「交代はディフェンシブにしたと言うよりもオフェンシブにしたイメージで考えてもらっていい。我々のワイドは前の仕事を多くするだけでなく、戻らないといけないので疲労するポジション。柏(好文)は体調不良から戻ってきたばかりだし、その部分でもう一度前にパワーがほしいことで交代した。結果論になるが、交代して入った野上から川村にクロスが上がり、シュートを決めたのは素晴らしかった」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い鹿島でのゲームとなりましたが、約700名もの方にお越しいただきました。皆さまの後押しが勝利に繋がりました。応援、ありがとうございました。

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