8.20 19:00

明治安田J1 第26節 vs. ガンバ大阪
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
5
2
ガンバ大阪 G大阪
  • 前半11分
    ナッシムベンカリファ
  • 後半27分
    ナッシムベンカリファ
  • 後半31分
    ナッシムベンカリファ
  • 後半37分
    満田
  • 後半43分
    松本泰志
1
前半
2
4
後半
0
  • 前半2分
    レアンドロペレイラ
  • 前半37分
    齊藤未月

試合の見どころ

 夏真っ盛りの8月、紫軍団はまさに絶好調だ。8月3日(水)と10日(水)のルヴァンカップ準々決勝ではリーグで首位を走る横浜FMをホーム&のアウェイの2試合とも倒して準決勝に進出し、リーグ戦では6日(土)の鹿島、14日(日)の柏という上位陣を立て続けに撃破。強豪との戦いが続いた中2日や中3日の5連戦を4連勝で乗り切る充実ぶりだ。この結果、5位に浮上した広島と2位・鹿島との勝点差はわずか「2」。ACL出場圏となる3位以内は、すぐそこまでやってきている。
 さらに上を目指して行きたい今節、下位との戦いとなるが非常に厄介な一戦だ。ホームに迎える相手は、J2降格圏に苦しむ17位・G大阪である。今週、数々のタイトルを獲得してきた関西の名門クラブに激震が走ったのは周知の事実だろう。14日(日)に清水に敗れてリーグ戦6戦連続勝利なし(2分4敗)となった後の17日(水)、今季から指揮を執っていた片野坂知宏監督が契約解除となり、コーチに就任したばかりだった松田浩氏が新指揮官の座に就いた。監督交代という“劇薬”が投入されたチームがどう変貌するか不気味であり、松田新監督がシステムを含めてどんな戦いで臨んでくるのかまさに不透明だ。かつて指揮を執ってきたチームでは、規律のある統制された[4-4-2]システムを採用していたが、いずれにしろ蓋を開けてみなければわからない。もともと、豪華なタレントを擁しているのがG大阪だ。今夏に鈴木武蔵やファン・アラーノ、食野亮太郎といった攻撃陣の実力者を補強したのもそうだが、既存戦力でもGK東口順昭や三浦弦太、倉田秋、パトリック、レアンドロ・ペレイラなど全体的に力のある選手は多くいる。このタレントたちを生かして、松田監督がどんな采配をふるってくるのか注目となる。
 もっとも、自分たちの戦いに目を向けるミヒャエル・スキッべ監督は、やはり相手どうこうではないようだ。「大事なのは自分たちがどういうサッカーをするか。相手はそれほど重要ではないというのが基本的な考えとしてある」とキッパリ。前線からの強度の高いプレッシングでボールを奪い、素早い攻めでゴールを目指す攻撃的な戦いはどんな相手でも目指す形であり、スキッべ監督の不変のスタイルだ。そして、自分たちがどの順位にいようとも、先の目標に捉われるのではなく、目の前の一戦に全力を尽くす考えも変わらない。「大きい目標はもちろんあるが、それを意識し過ぎると前回のG大阪戦やFC東京戦のような結果になる。一番大事なのは、次の試合に勝つこと」。まさに不変のスキッべ監督。紫軍団は今節もブレない姿勢で勝利を目指すのみとなる。

監督 試合前日コメント

──選手たちの状態は?
「全部良い。今日も良いトレーニングができた」

──合流したばかりのピエロス・ソティリウ選手の動きについて。
「よく寝られたようで、明日試合に出てもおかしくないほど良い状態にある。ブルガリアでずっと試合に出ていたし、来日してからも乳酸値テストをやったら数値も良かった。問題ない」

──前節・柏戦で勝利したことで、ACL出場権内を狙える位置につけているが?
「目標は次の試合に勝つことだけ。大きい目標はもちろんあるが、それを意識し過ぎると前回のG大阪戦やFC東京戦のような結果になる。一番大事なのは、次の試合に勝つこと」

──G大阪は監督が代わり、システムも変わる可能性があるが、警戒している部分は?
「大事なのは自分たちがどういうサッカーをするか。相手はそれほど重要ではないというのが基本的な考えとしてある」

監督 ハーフタイムコメント

・基本的には良いサッカーができている。
・2点目はアンラッキーだった。
・カウンターに気を付けよう。

ゲームレポート

 紫軍団が圧巻の反発力を見せ付ける一戦となった。
 今週に加入が発表された新戦力のピエロス・ソティリウをさっそく初先発させた広島だったが、前半からG大阪の戦いに大いに苦戦した。今週就任したばかりの敵将・松田浩監督は、オーソドックスな[4-4-2]システムの2トップにパトリックとレアンドロ・ペレイラの大型ストライカーを配置。組織的な守備から前線のパワーを生かす戦いを選択してきた中、広島はその2トップにいきなり出鼻をくじかれてしまった。2分、相手GK東口順昭のパントキックからパワープレーでゴール前までボールを運ばれると、混戦からレアンドロに強烈なシュートを突き刺されて失点。早くもリードを許した。
 その後、守備を固める相手を攻め立てた広島は、11分、満田誠の左サイドからのアーリークロスをナッシム・ベン・カリファが頭で合わせて同点に追い付いたが、再びG大阪の狙いにハマってしまったのは37分だった。敵陣でのボールロストからカウンターを受けると、最後は齊藤未月に決められて1-2。リードを許して前半を折り返した。
 だが、ここから広島が不屈の反骨心を見せた。前半のボール支配率は広島が69%でG大阪が31%。シュート数でも8対3と相手を上回るなど攻撃姿勢を貫いていた広島は、後半もG大阪ゴールへ迫り続ける。途中までは相手の粘り強い守備組織を崩せずにジリジリとした展開となったが、怒涛のゴールラッシュが始まったのは残り20分を切った70分以降だった。まずは72分、野津田岳人の鋭いパスを受けたナッシムが冷静なトラップから見事なボレーシュートを決めて同点に追い付くと、勝ち越し点を奪ったのはまたしてもこのスイス人ストライカー。76分、右サイドでボールを運んだ満田誠のカットインからパスを受けたナッシムが絶妙な右足ダイレクトシュートでネットを揺らしてハットトリックを達成してみせた。
 3-2とリードを奪ってしまえば、試合はもう広島のモノだった。攻め手を緩めずにG大阪ゴールへ迫ると、82分、左サイドを突破した柏好文のクロスを最後は満田が豪快なシュートを突き刺して4-2。さらに88分には途中出場・松本泰志が5点目を奪って勝負あり。「全員で取った試合。柏戦に続いて良いチームスピリットを見せられた」(ナッシム)。前節に続いて強い精神力を見せて逆転勝利を収めた広島がリーグ戦3連勝を達成した。

監督 試合後コメント

「今日はどちらのチームもJリーグにおいて素晴らしいサッカーを見せたと思う。G大阪は前線に身体的に優れた選手を置いてきた中、ロングボールやカウンターは非常に脅威だった。我々は前半から非常に良いサッカーができていたが、後半は時間が経つにつれて相手が疲れるような良い内容になっていった。今日は多くのゴールが入ったが、すべてが素晴らしかったと思う。特に我々のゴールが素晴らしかった。ただ、結果的には大勝となったが、今日は長く相手にリードを許す時間が続いたゲームだった」

──前節・柏戦に続いての逆転勝利となったが、こういうゲームができる最大の要因は?
「今でもチームはどんどん成長していこうという気持ちが強いと思う。ゲームでは90分間、早いテンポで良いサッカーをしていくことを目指している。我々はメンバーにも恵まれており、交代して入った選手たちがさらに新鮮な空気を流し込んでくれている」

──今日はナッシム・ベン・カリファ選手とピエロス・ソティリウ選手の2トップでスタートしたが、二人の状態について。
「二人とも素晴らしいストライカーであるのは間違いないし、さらにドウグラス・ヴィエイラもいる。我々は3人、良いストライカーがいると考えている。ピエロスは初戦にしては素晴らしい出来だったと思っている。ナッシムに関しては、良いパートナーがいたということ。それによって彼自身も生きることができたし、彼も他の選手を生かすことができた。今は(ストライカーが)3人がいる中、攻撃のバリエーションが豊富になっているのは嬉しく思っている」

フォト

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