10.8 14:00

明治安田J1 第32節 vs. ヴィッセル神戸
AWAYノエビアスタジアム神戸

試合終了

ヴィッセル神戸 神戸
4
0
サンフレッチェ広島 広島
  • 前半20分
    菊池流帆
  • 後半9分
    小林祐希
  • 後半10分
    酒井高徳
  • 後半12分
    汰木康也
1
前半
0
3
後半
0

試合の見どころ

 サンフレッチェの総合力が問われる戦いとなる。JリーグYBCルヴァンカップに続き、5日(水)には天皇杯準決勝で京都を倒して2大会でのファイナル進出を決める絶好調の広島。公式戦6連勝で無敗を貫いた8月に続き、9月から10月にかけても5勝2分1敗と勢いが止まらず、チーム状態は最高だ。ただし、3位につける今節のリーグ戦は、一つの踏ん張りどころと言える。相手の神戸は1週間の準備期間があったのに対し、広島は中2日。さらに天皇杯では延長戦まで戦うなど、コンディション面で大きな差がある。メンバー表提出まで選手の状態を見極めることになるミヒャエル・スキッべ監督は、「変更はあるかもしれないが、今晩に決めたい」と試合前日に語っており、神戸戦でどんな顔ぶれをチョイスするか。まさにチーム全員が選択肢の中にある。
 相手もかなりの難敵だ。神戸は言わずと知れたJ屈指のタレント軍団。もはや説明不要の世界的なスターであるアンドレス・イニエスタだけでなく、大迫勇也や武藤嘉紀、山口蛍、酒井高徳、小林祐希など、海外経験も豊富な日本随一の実力者が揃っている。そんなチームが今季はまさかの残留争いに巻き込まれる苦しいシーズンを送っているが、ここにきて現在はリーグ戦3連勝中と復活してきた。特に大きいのがコンディション不良で日本代表からも離れている大迫の復調であり、前々節・G大阪戦ではチームを勝利に導く2得点を挙げると、攻撃の起点となり相手に脅威を与えていた前節は4月以来となるフル出場を果たしている。もともとJトップの戦力を誇るのが神戸というチームだ。歯車が噛み合えばリーグでも随一の力を見せるのは当然であり、終盤になって本領を発揮してきた。その強者を相手に今節の広島はいかに立ち向かうか。
 ポイントはやはり前からのアグレッシブな守備だ。前節に神戸と戦った福岡は自陣にブロックを築いて対抗したが、大迫を筆頭とした相手のハイプレスを受けて奪ったボールを前に運べず、特に前半は押し込まれ続けたことで0-1で敗れた。神戸の攻撃陣は強力だが、広島としても恐れることなく前からボールを奪いに行き、自陣でのプレー時間を少しでも減らすことが重要だ。イコール、敵陣での時間が長くなれば、攻撃回数は増加する。中2日で体力の消耗は激しいが、京都戦では途中出場の選手が決勝点に絡む層の厚さも見せるなど、サブには頼もしい選手たちが控えている。神戸戦は、相手に負けない“チーム力”で勝点3を目指す。

監督 試合前日コメント

──天皇杯準決勝・京都戦は120分の死闘で選手の疲労も激しいと思われるが?
「その試合で証明できたことが多くあった。120分あったとしても、しっかり走り抜ける力が付いているのは非常に評価できるポイント。あれだけのハードな試合をこなせたのは素晴らしかったと思っている」

──明日のメンバーはどんな顔ぶれになるか?
「隼人は(累積警告のため)出ない(笑)。変更はあるかもしれないが、今晩に決めたい」

──相手は残留を争っていることもあり、かなり強い気持ちで向かってくることが予想されるが?
「相手は前期にあまり勝点を積めなかったが、後期は普通以上に勝点を積んできている。彼らにとってJリーグで非常に重要な戦いになるのは分かっている。ただ、我々も3位の順位を守る意味でも重要な試合だと思っている」

監督 ハーフタイムコメント

・守るだけでなく、チャンスも作れている。もう少し、丁寧にプレーしよう。
・ボールを早く動かすこと。
・いい戦いができている。後半も続けよう!

ゲームレポート

 天皇杯ファイナル進出で勢いに乗る広島だったが、今日はまさかの展開が待っていた。
 J屈指のタレント軍団・神戸のホームに乗り込んだ一戦。広島は3日前の天皇杯準決勝・京都戦で延長戦まで戦ったこともあり、先発全員を入れ替えるターンオーバーで臨んだが、試合開始早々にいきなり試練が訪れた。相手陣地でのFK、浅野雄也のキックにペナルティーエリア内へ飛び込んだ今津佑太が相手GKと接触し、9分に一発退場。早くも10人での戦いを余儀なくされることになった。
 それでも前半の広島の戦いは悪くなかった。20分にセットプレーから失点したとはいえ、その他はほとんど相手に決定機を作らせることなくゲームを進め、エゼキエウを筆頭としたカウンターでチャンスを作り出す。ゴール前ではあと一歩が足りず仕留めることはできなかったが、全員の頑張りにより一人少ない影響を感じさせない戦いぶりだった。
 だが、後半の最初の時間帯を凌げなかったのが痛かった。「いい戦いができているぞ!後半も続けよう」とミヒャエル・スキッべ監督に鼓舞されて後半へ臨んだ広島だったが、序盤から押し込まれる展開が続くと、54分、大迫勇也に右サイドを攻略されて小林祐希に決められ0-2。これで神戸を勢いに乗せると、55分、57分と立て続けにゴールを許し、あっという間にリードを4点差に広げられてしまった。
 その後は川村拓夢や森島司、ナッシム・ベン・カリファ、棚田遼など、選手交代を加えながら反撃を試みたサンフレッチェだったが、やはり一人少ない状況では挽回できず。後半は効果的なチャンスを作ることもできず、敵地で悔しい0-4の大敗となってしまった。
 前半は10人でも善戦しながら、「やはり一人少ないことが響いてしまった」とスキッべ監督。「今日はケガ人もなく終われたことが次の天皇杯決勝に向けて良かった材料だと思っている」と指揮官は次の大一番である天皇杯決勝に向けて気持ちを切り替えた。

監督 試合後コメント

「まずはヴィッセル神戸に『おめでとう』と言いたい。勝ちに値するゲームだったと思う。我々は早い段階で一人退場し、アンラッキーな部分はあったと思う。レッドカードが出たシーンは二人がぶつかったわけだが、どちらにもケガがなくて良かった。前半の残りは比較的、我々はうまくいったと思っている。同点にするチャンスもあった。ただ、後半が始まり、60分ぐらいまでの間にディフェンスラインのところで簡単なボールロストが多かった。神戸の勝ちに値する試合だった思うが、今日はケガ人もなく終われたことが次の天皇杯決勝に向けて良かった材料だと思っている」

──残念な結果となったが、その中でも収穫を挙げるとすれば?
「今日は長い間、10人で戦わないといけない展開になったので、他の試合と比べることはできない」

──天皇杯決勝に向けて、この1週間はどのように準備していくか?
「最初は回復にあて、その後は相手にフォーカスしたトレーニングもしていこうと思う。今日の試合の前には(天皇杯・京都戦で)120分を戦い、非常に疲労している選手が多かった中で、今日は新しい選手がチャンスを得た。ただ、一人少ない状況ではそのチャンスを生かすことは難しかったと思う。その中でも選手は全力を尽くしてくれた」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は神戸でのゲームとなりましたが、約1,500名もの方にお越しいただきました。勝利をお届けできず、申し訳ありません。この悔しさは次の天皇杯決勝にぶつけていきます。最後まで熱い声援、ありがとうございました。

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