10.29 15:00

明治安田J1 第33節 vs. 北海道コンサドーレ札幌
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
2
北海道コンサドーレ札幌 札幌
  • 前半37分
    野津田岳人
1
前半
1
0
後半
1
  • 前半23分
    興梠慎三
  • 後半10分
    宮澤裕樹

試合の見どころ

 “3位死守”へのラストスパートだ。残り2試合で2位・川崎Fとは勝点差6と逆転するには難しい状況だが、4位・C大阪とは4差。今節のゲームでC大阪が敗れ、5位・FC東京と6位・鹿島が引き分け以下に終われば、広島の3位以上が確定するが、他力を願うよりまずは「ゲームに勝つことを目標にしたい」(ミヒャエル・スキッべ監督)。しかも今節は今季ホーム最終戦。1週間前のルヴァンカップ初制覇の喜びをホームで共有しようと多くのサンフレッチェファミリーの集結が予想される。そんな方たちへ今季最後のホームで勝利を届けるべく戦う一戦となる。
 試合も面白い戦いになるのは必至だ。相手は広島と同じく“攻撃サッカー”を貫く札幌。「お互いが攻撃的なサッカーだと面白い試合が見せられるのではないか」とスキッべ監督も話すように、見どころは攻撃と攻撃のぶつかり合い。就任5年目を迎えたペトロヴィッチ監督は、基本的に3バックシステムを採用しているが、1-1で引き分けた前節・浦和戦では変則的な4バックにもトライ。1トップには本来はチャンスメーカーのガブリエル・シャビエルを置く布陣となったが、流動的かつコンビネーション豊かな攻撃はやはり魅力的であり、浦和を大いに苦しめていた。「非常に面白いチームだと思っている。高い位置からプレスをかけてくるし、早いカウンターも特長。4-3のスコアで勝ったりもするが、大差で負けてしまったりもする。良い日と悪い日があるが、明日は良い試合ができるのではないか」とスキッべ監督もそんな札幌との一戦を待ちわびている。
 さらに12位に位置する相手はJ1残留を確定させるためにも勝利が欲しい状況であり、緊張感もある。両チームとも明確な目標がある中でのゲームとあっては、リーグ終盤戦に見られるようなただの消化試合ではない。
 そのゲームを広島はいかに制すか。ポイントはやはりスタイルを貫き通すこと。札幌の攻撃は脅威だが、自分たちの攻めの時間を増やせば相手の威力は半減する。もちろん、そう簡単に進められるほど甘くはないが、攻撃サッカーで上回ることが最大の札幌対策となる。「今季ホーム最終戦では良い相手と当たれるので楽しみだし、多くのサンフレッチェファミリーに来てほしいと思っている」(スキッべ監督)。1年間の集大成を今年最後の『エディオンスタジアム広島』で見せ付ける。

監督 試合前日コメント

──現在のチーム状況は?
「すごく良い準備ができた。雰囲気も良かったし、(エディオンスタジアム広島の)グラウンドも素晴らしく仕上がっている。明日は楽しい試合になると思う。今季ホーム最終戦では良い相手と当たれるので楽しみだし、多くのサンフレッチェファミリーに来てほしいと思っている」

──今季、札幌とは3回対戦しているが、相手の印象は?
「非常に面白いチームだと思っている。高い位置からプレスをかけてくるし、早いカウンターも特長。4-3のスコアで勝ったりもするが、大差で負けてしまったりもする。良い日と悪い日があるが、明日は良い試合ができるのではないかと思っている」

──札幌も攻撃サッカーを掲げており、対戦は楽しみなのでは?
「お互いが攻撃的なサッカーだと面白い試合が見せられるのではないか。ペトロヴィッチ監督は広島で指揮を執っていたこともそうだが、日本で長く監督をしている。日本のサッカーを引っ張っている一人だと思っているし、良い試合が期待できると思う。個人的にもキャラクター的にもすごく合う。明日会えるのを楽しみにしている」

監督 ハーフタイムコメント

・全体的にいい戦いができている。よく走れている。
・相手の早い攻撃に気を付けること。
・少ないタッチ数で早くボールを動かしていこう。

ゲームレポート

 今季最多となる18,106人が集まったホーム最終戦は険しい一戦となった。
 試合は攻撃サッカーを標ぼうする両チームとあって前半から白熱する面白い戦いとなった。ホームの広島は前線からのハイプレスをベースに相手を押し込んでサッカーを展開。1分の川村拓夢のミドルシュートを皮切りに、続く6分には右サイドを抜け出した満田誠の高速クロスからチャンスを作るなど、上々の出だしとなった。ただし、この日の相手は攻撃スタイルの構築に定評のある知将・ペトロヴィッチ監督率いる札幌。1トップの興梠慎三を起点とした攻撃はやはり脅威であり、カウンターからピンチを招く。11分の興梠が迎えた決定機はGK大迫敬介がビッグセーブを見せたが、完全に崩されたのは23分だった。またも札幌にカウンターを許すと、高い最終ラインの背後を興梠に抜け出され、冷静に決められて失点。早くもリードを許してしまった。
 それでも、根気強く攻撃を繰り出した広島。ボール支配率を高めてゴールを狙う中、DF塩谷司や満田がペナルティーエリア外からでも積極的にシュートを放っていく。すると、攻勢が実ったのは37分だった。左サイド・柏好文の中央への突破から右サイドに展開されると、エリア付近での細かなパス交換から塩谷のアーリークロスをゴール前へ駆け上がった野津田岳人が合わせて同点。前半のうちに追い付くことに成功した。
 ただし、この日は後半に自分たちのサッカーを展開できなかった。なかなかリズムに乗れずにゲームは進むと、55分、札幌に完璧な形でゴールを許す。右サイドからクロスを送り込まれると、ファーサイドでのヘディングの折り返しを宮澤裕樹に押し込まれて1-2。再度勝ち越しを許す苦しい展開となった。
 その後、反撃に出た広島は、柴﨑晃誠を皮切りに、79分には3枚同時替えなど積極的に手を打ち、「もう一度フレッシュな選手を投入し、フレッシュなサッカーをやりたいという狙いがあった」(ミヒャエル・スキッべ監督)。その策は当たり、途中出場・棚田遼が2度の決定機を迎えるなど、同点に追い付くチャンスはあったが、仕留めることができず。多くの観衆が集まった今季ホームラストゲームを白星で飾ることができなかった。
「敗れてしまったことは非常に残念だが、他の試合結果によって我々はまだまだ優位な状況で3位を狙うことに取り組める。次のアウェイ・鳥栖戦では自分たちのサッカー、パフォーマンスをしっかり見せて、3位になりたいと思っている」。悔しい敗戦となったが、3位死守に向けてスキッべ監督は前を向いた。

監督 試合後コメント

「札幌はカウンターが鋭く、攻撃で前がかりに来るチームということで難しい試合になると分かっていた。その中で札幌のほうが確実なチャンスは多かったので、今日は札幌が勝ちに値してもおかしくないと思っている。今日の結果やJリーグの順位を見ても分かるとおり、Jリーグ全体のレベルがどれだけ拮抗しているか分かる試合だったと思っている。敗れてしまったことは非常に残念だが、他の試合結果によって我々はまだまだ優位な状況で3位を狙うことに取り組める。次のアウェイ・鳥栖戦では自分たちのサッカー、パフォーマンスをしっかり見せて、3位になりたいと思っている。また、今日の試合で途中交代で入った棚田(遼)のパフォーマンスに関しては、非常に満足している。2,3つ、良いチャンスを作ることができた。
最後に札幌に『おめでとう』と言いたい。4回対戦し、4回とも難しい、お互いにとって良い試合ができた。特にペトロヴィッチ監督には後期でここまでしっかり巻き返してきたことに関して、『おめでとう』と言いたい」

──監督が来日した当初は観客が1万人に届くのも難しい状況だった。今日は1万8千人のお客さんが入り、選手にも多くの拍手が飛んでいた。こういう状況になったことについて。
「いろんな要素があると思う。一つは我々が魅力的なサッカーを展開できたこと。もう一つは、新型コロナウイルスが緩和されてきて、日常化してきたこと。また、天気が良くなってきて、試合を見るのが苦しくないということではないか(笑)」

──今日は中盤でのセカンドボールが序盤は拾えていたが、次第に相手に回収されてカウンターを受けることが多くなった。そこへの対処法と終盤の3枚同時投入などの起用法について。
「最後の15分で3枚替えをやったが、その目的は、もう一度フレッシュな選手を投入し、フレッシュなサッカーをやりたいという狙いがあった。相手はいつもカウンターを狙っている形だったが、我々もカウンターから良いチャンスを作れていた。野上(結貴)は非常に良いパフォーマンスを見せていたが、代わって入った茶島(雄介)はフレッシュなぶん、2つ、3つ、良いアクションを起こしたと思う」

フォト

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