3.8 19:00

ルヴァンカップ グループステージ第1節 vs. 横浜FC
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
3
1
横浜FC 横浜FC
0
前半
0
3
後半
1
  • 後半14分
    カプリーニ

試合の見どころ

 王者として臨む初めてのルヴァンカップがスタートする。2015年のリーグ制覇以来のタイトル獲得となった昨季、「やはり優勝は特別」と選手も口々に話すほど、若い選手の多いチームに与えた影響は大きかった。その自信を胸に5つ目の星を目指す今季も狙うのは当然ながら優勝だ。初戦から全力で挑むことになる。
 初戦から不気味なチームとの戦いだ。相手は1年でのJ1復帰を果たした横浜FC。ただでさえ、ルヴァンカップは先発を総入れ替えして臨んでくるのか、それともリーグ戦のメンバーを固定してくるのか不透明だが、今季の横浜FCはJ1最多となる20名もの‟大型補強”を敢行したチームであり、人材が実に多彩だ。リーグ戦の主力だと昨季のJ2で26ゴールを奪って得点王に輝いた小川航基や長谷川竜也、三田啓貴といったJ1経験の豊富なアタッカーも備えているが、他にも各ポジションにタイプの異なるプレーヤーを多く加えたことで選手層に厚みを加えている。「相手もそうだと思うが、我々も明日は横浜FCがどういうチームで来るのか分からない。お互いに何も分からない状態で戦わないといけない」とミヒャエル・スキッべ監督も話したように、2チーム分の戦力を備える明日の横浜FCは誰をチョイスし、どんな戦いをしてくるのか。まさに蓋を開けてみないと分からない状況だ。
 そうなれば、余計に広島としては、「やらないといけないのは自分たちのサッカー」(スキッべ監督)である。今季から2019年以来となる21歳以下の選手を1名先発させるルールが復活したことで、広島は棚田遼か越道草太のスタメンが確定している。その1名に加えて他にもメンバー変更の可能性を指揮官は示唆しており、リーグ戦とは違った顔が見られるだろうが、目指すサッカーは不変だ。前線から果敢にボールを奪いに行き、マイボールになれば素早く縦に攻めるアグレッシブな戦いは現在のスキッべ・スタイルのベースである。誰が出場しようとも横浜FCにそのサッカーをぶつけるのみであり、「そこ(自分たちのサッカー)に集中し、結果に伴ったプレー、パフォーマンスを見せていきたい」(スキッべ監督)。
 エディオンスタジアム広島で臨むルヴァンカップの初戦、3試合連続で勝利のないリーグ戦のうっ憤を晴らす会心の勝利に期待したいところだ。

監督 試合前日コメント

──ルヴァンカップがスタートするが、出場機会の少ない選手にチャンスを与えるのか?
「まったく違うチームになるかもしれない。彼らはプレシーズンからひた向きにトレーニングに取り組んできた選手たちだし、そこに関しては自信を持って送り出せる。今日も良い準備ができたので、明日は良い試合ができると思っている」

──21歳以下の選手を起用しないといけないルールだが、その対象となる棚田遼選手と越道草太選手について?
「彼らは才能のある選手なのは間違いない。ユース年代でそう言われていた中で、プロになった時にどうフィールドで見せていくかが重要。明日だけでなく、このカップ戦はそういうチャンスがある。できるだけ多く試合をこなしていきたい」

──彼ら二人に期待することは?
「彼らの特長を出すとともに一番良いパフォーマンスを見せてほしい。どちらかは必ず出ることになる。その中で気負いせずに自分の出せる最大値のパフォーマンスを出してほしい」

──横浜FCの印象と気を付けるところは?
「相手もそうだと思うが、我々も明日は横浜FCがどういうチームで来るのか分からない。総入れ替えなのか、部分替えなのか、それとも替えずに来るのか。お互いに何も分からない状態で戦わないといけない。特に初戦に関しては、そういう状況にある。ただ、我々はいつも言っているように、やらないといけないのは自分たちのサッカー。そこに集中し、結果に伴ったプレー、パフォーマンスを見せていきたい」

ゲームレポート

 紫軍団が終盤に猛攻を実らせる結果となった。
 前半から広島のできは悪くなかった。12分や30分に横浜FCに決定的なチャンスを作られたとはいえ、その他は全体的にボールを握って主導権を掌握。開始早々にエゼキエウがチャンスを迎えたのを皮切りに果敢に相手ゴールへ迫ると、26分には右サイドを攻略して最後は松本泰志がシュートを放った他、31分にもカウンターから棚田遼が決定機を作り出した。そして前半最大の好機は41分だった。低い位置からの青山敏弘のロングフィードにエゼキエウが抜け出すと、相手エリア内まで進出したところで相手に倒されPKを獲得。ただ、自ら名乗りを挙げて蹴ったキックは相手GKに止められて先制はならなかった。
「全体的に良いサッカーができている。後半はモノにするよ!」
 得点の匂いが漂いながら0-0で前半を終えたハーフタイム、ミヒャエル・スキッべ監督からそう活を入れられて臨んだ後半も広島のペースで進んだ。後半から棚田に代えて鮎川峻を投入して変化を入れ、前半同様にボールを保持しながら敵を左右に揺さぶり攻撃を仕掛けて行く。55分にはボランチ・青山敏弘がエリア内へ進出してシュートを放つなどリズムは良かった広島だったが、一瞬の隙を突かれてしまったのは59分だった。左サイド深くへ侵入されてクロスを送り込まれると、GK川浪吾郎が弾いたこぼれ球をカプリーニに決められて失点。手痛いリードを許してしまった。
 すると、さっそくスキッべ監督は動いた。61分、エゼキエウと柴﨑晃誠の2シャドーを下げ、満田誠と川村拓夢を同時投入。さらに続く72分にも松本大弥と柏好文の両サイドを代えて、ナッシム・ベン・カリファと佐々木翔を入れ試合を動かしに行った。
 この采配がズバリと的中した。まずは75分、左サイドを突破した志知孝明のクロスを相手GKが弾くと、そのこぼれ球を繋いで最後は満田誠が強烈な右足シュートを放って同点。これで勢い付いた紫軍団はより攻撃姿勢を強めると、迎えた80分だった。右サイドの満田のCKから佐々木翔が頭で決めて一気に逆転。途中起用の選手が期待に応える働きを見せた。
 その後も攻撃の手を緩めずに攻め続けた広島は、88分にも山﨑大地のロングフィードに抜け出した満田がオウンゴールを誘うクロスを送って3-1。わずか13分間で3得点を奪う終盤の猛反撃を見せた広島がルヴァンカップ初戦を白星で飾った。
 開幕からリーグ戦3試合連続で勝点3のない状況だっただけに「全体的には今日見せたパフォーマンスには満足しているし、公式戦4試合目で勝点3を取れて満足している」とミヒャエル・スキッべ監督も“今季初勝利”に安堵の表情を見せた。

監督 試合後コメント

「ルヴァンカップ初戦をこういう形で締めくくれて満足している。スタートはお互いに難しかったと思う。というのも、今日はお互いにメンバーが分からなかった。前半はお互いに2、3つチャンスがあったと思う。我々にとって何よりも良かったのは、アンラッキーな失点をした後、ゲームをひっくり返すところまで行けた。全体的には今日見せたパフォーマンスには満足しているし、公式戦4試合目で勝点3を取れて満足している。今日はこの勝利の余韻に浸りながら、その後はアウェイで難しい次のG大阪戦に向けて準備していきたい。そこではもう一度、結果を伴った成功をしたい」

──鮎川峻選手がひさびさに戻り、素晴らしいパフォーマンスだったが彼の復帰について。
「彼が戻ってくれたことに関してすごく嬉しく思っているし、後半のプレーはチームと合わせることもできていた。彼は約1年間、試合に出れていなかったが、その経験値がチームにすごく生かされていたと思う。非常に良いパフォーマンスだったので、これからも攻撃面で助けになると思っている」

──青山敏弘選手の働きも秀逸だったが?
「彼のパフォーマンスに関しても非常に満足している。ここ15年ぐらいはクラブにとって非常に重要な選手の一人であると思っているし、彼の今日の90分のパフォーマンス、チームを率いたリーダーシップも素晴らしかったと思っている」

──後半の交代で入った選手起用の意図は?
「まず今日のスタートで出ていた選手は、ここ3試合であまり出場機会のなかった選手なので、試合のリズムが足りていなかったと思う。なので、90分は続かないだろうと最初から思っていた。また、0-1にされてしまったので、より前へ出るためフレッシュな選手を入れようと交代した。それがうまくいき、時間が経つにつれて良いサッカーができて前へ行けるようになったと思っている」

フォト

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