3.19 14:00

明治安田J1 第5節 vs. 柏レイソル
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
0
柏レイソル
0
前半
0
1
後半
0

試合の見どころ

 上昇気流に乗っていくゲームとなる。リーグ戦3試合未勝利で迎えた8日(水)のルヴァンカップGS第1節・横浜FC戦で今季公式戦初勝利(3◯1)を挙げた広島は、続く12日(日)のリーグ第4節・G大阪戦でも敵地ながら2-1で勝ち切ってリーグ初白星。悪くないゲーム内容が続きながらなかなか勝ち切れなかったが、ようやく結果が付いてきたことでキッカケを掴むことができた。「ここから勢いに乗っていきたい」(佐々木翔)。チームにポジティブな空気が流れている中、より上を目指して行くことになる。
 今節は曲者チームとの対戦だ。ホームに迎える相手は、策士・ネルシーニョ監督率いる柏レイソル。対戦相手によって柔軟に戦術を変更させる72歳の名将は、これまでも数々の広島との戦いで同じシステムを当てはめてきたりと策を練ってきた。昨季もアウェイでは3-2で勝利したが、反対にホームでは1-2の逆転負け。今季のレイソルはここまでリーグ戦2分2敗と勝利がなく、前節・名古屋戦でも0-3で敗れているが、「力の差はそこまでなかった」と分析しているミヒャエル・スキッべ監督は今回も「難しい戦いになる」と警戒している。
 レイソルの戦力もなかなかの粒ぞろいだ。もはやエースとしての風格が漂うパリ五輪世代のストライカー・細谷真大はここまで2得点と攻撃陣をけん引。その周囲にもスピードと高い技術を備える小屋松知哉やアグレッシブなアタッカーであるマテウス・サヴィオ、創造性のあるプレーで敵を切り裂く仙頭啓矢、レイソルの攻撃を司る椎橋慧也、中盤のボールハンター・高嶺朋樹など、実力者は豊富だ。そんな選手たちをネルシーニョ監督は4バックや3バックシステムを使い分けながら戦っており、明日も何かしらの“広島対策”を練ってくるのは間違いない。
 そんな難敵との戦いを前にスキッべ監督は「自分たちがやるべきことは自分たちのサッカーをするということ」とキッパリ。勝負のポイントとして「相手のサッカーをやらせないこと」とも話す指揮官だが、それはあくまで自分たちの攻撃的でアグレッシブなスタイルを出した上でレイソルの良さを消すことを意味する。相手がどんな戦いを仕掛けてこようとも、広島は自分たちのスタイルを貫き、勝利を目指すのみ。ホームで100%の力を発揮すれば、勝点3は必ず近付いてくる。

監督 試合前日コメント

──柏レイソルのネルシーニョ監督が広島対策として引き込んでのカウンターを狙いたいと言っていたとのことだが?
「ネルシーニョ監督は策士だから(笑)。ただ、自分たちがやるべきことは自分たちのサッカーをするということ」

──昨季はホームで柏に敗れたが、明日はどういう戦いで臨んでいくか?
「相手のサッカーをやらせないことは重要になる。まずDFは相手の良いFWに仕事をさせないこと。そこからボールを奪ったときには早いパス回しやコンビネーションでシュートまで持っていきたい」

──大迫敬介選手が日本代表に選出されたが?
「私がここに来る前から良いGKだというのは分かっていたし、昨年はすごく成長した。ペナルティーエリア内をしっかり支配できるようになっているし、人間性も自覚が出てきた。そこも成長している要素。彼の成長に関しては満足しているし、これからもどんどん伸びていくと思う」

──最近は満田誠選手は右サイドでプレーしているが、彼の一番のベストポジションは?
「一番チームを助けられるポジション。GKにしては少し小さいから、それ以外のポジションならできるのではないか(笑)。右も左もできるし、真ん中もオフェンシブもできる。彼の能力としては、走力だったりアグレッシブさ、シュートテクニックなどがあるが、どのポジションでも彼は活躍できると思っている」

ゲームレポート

 紫軍団が粘り強い戦いで堅守を攻略した。
 前半に主導権を握ったのは広島だった。互いに激しい中盤の攻防が繰り広げられる中、サンフレッチェがマイボールにした際にはテンポの良いパス回しから素早い攻撃を仕掛けてレイソル陣地へ進出。開始早々の6分にボランチで先発した東俊希が相手エリア内へ進出して鋭い左足シュートを放った他、15分にも広島でリーグ初先発となった左サイド・志知孝明のクロスのこぼれ球から東が決定機を迎えるなど、チャンスを作り出していく。
 一方の守備面でも、レイソルデビューとなった193cm・99kgの新外国籍選手・フロートのパワーにCB荒木隼人らは屈することなく対応。集中した守りで決定的なチャンスを作らせることなく、ほぼ試合を支配していた前半は「すごく良かった」とミヒャエル・スキッべ監督も称える45分だった。
「チャンスを確実にモノにしよう」
 勝点3奪取のために、ハーフタイムにそうスキッべ監督から送り出された紫軍団は、後半も主導権を握り続けた。守備で隙を見せずに相手を押し込み続けてゲームを展開。だが、守備に比重を置いてカウンター狙いに徹するレイソル守備陣のブロックは堅く拮抗した展開が続く。決定機もなかなか作らせてもらえず、ナッシム・ベン・カリファや満田誠らのシュートも単発に終わる中、時間はジリジリと過ぎていく我慢の試合展開となった。
 ただし、諦めない広島の執念は終盤に実った。このままスコアレスドローに終わりそうな雰囲気が漂っていたが、膠着した展開を動かしたのは背番号33だった。82分、敵陣地で満田が粘り強くボールをキープし、攻撃参加した塩谷司へとパスが渡ると、背番号33はドリブルで突き進んで左足を一閃。相手DFに当たったシュートがゴールネットに吸い込まれて、ついに先制に成功した。
 その後も危なげない戦いでレイソルの攻撃陣を確実に封じた広島が1-0で勝利。リーグ戦今季ホーム初勝利で2連勝を達成することとなった。
「今日の試合は複雑で難しい試合だった。というのも、相手がディフェンシブにプレーしてきた。そういう相手に対して我々は数多くのチャンスを作れたし、相手にチャンスを与えないこともよくできた」。堅い守備を構築してきたレイソルを根気強く倒した広島の会心の勝利となった。

監督 試合後コメント

「ここ2試合、下から上へ順位が上がってきたことに満足している。今日の試合は複雑で難しい試合だった。というのも、相手がディフェンシブにプレーしてきた。そういう相手に対して我々は数多くのチャンスを作れたし、相手にチャンスを与えないこともよくできた。前節からピエロス(・ソティリウ)がケガでいなくなってしまったので、戦術的に変更しないといけない部分があった。その中で(東)俊希が真ん中に入り、志知(孝明)が左サイドで出た。そこは非常にうまくいったと思う。今日はパフォーマンスも戦術的にも満足できる、Jリーグの中でも素晴らしい試合だったのではないかと思っている」

──東選手のボランチは昨年やっているが、今年の準備段階ではそれほどやっていなかった。今回の先発メンバーにしようと考えた要因は?
「俊希に関しては、(満田)マコや(川村)拓夢、モリシ(森島司)のようにいろんなポジションができる選手だと捉えている。昨季の最後のほうはケガでいなかったので、試す機会もなかった。今日は俊希が真ん中でプレーしても左サイドの時のように相手に対して効果的にプレーができる。特に攻撃面で効果的にプレーができたことは満足している」

──東選手は前半からビッグチャンスに顔を出していたが、彼を中盤で起用するメリットと成長してほしいところは?
「素晴らしいオールラウンダーだと捉えてもらっていい。1対1にも強いし、ボールも捌ける。また、前へ出て行けばシュートまで行けるという部分も含めてオールラウンダーとして成長してほしい」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

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