3.26 14:00

ルヴァンカップ グループステージ第2節 vs. 名古屋グランパス
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
2
名古屋グランパス 名古屋
1
前半
0
0
後半
2
  • 後半16分
    森下龍矢
  • 後半18分
    永井謙佑

試合の見どころ

 グループステージ(GS)突破へ向けた一つの関門だ。ルヴァンカップ初戦の横浜FC戦で今季公式戦初勝利を挙げた後にリーグ戦2連勝と波に乗ってきた広島は、GS第2節で名古屋と激突する。相手も初戦の神戸戦で2-0と勝利を挙げており、互いに幸先の良いスタートを切ったチーム同士。明日はどちらがこのグループで優位に立つか序盤戦のキーとなるゲームだ。
 ここで広島はさらに勢いに乗りたいところだが、相手もまたかなりの強敵である。「今、状態が一番良いクラブだと思っている」とミヒャエル・スキッべ監督が分析するとおり、名古屋はここまでリーグ戦で3勝1分1敗の2位につけ、さらにルヴァンカップを含めた公式戦6試合で喫した失点はわずか『1』。就任2年目を迎えた日本屈指の指揮官・長谷川健太監督に導かれたチームは、強固な守備力をベースにした破壊力抜群のカウンターを強みにしており、攻守においてリーグトップクラスの安定感を誇っている。戦力面でも、相馬勇紀が海外クラブへ移籍したのは痛手だったが、昨季からの主力であるマテウス・カストロや永井謙佑、稲垣祥、中谷進之介、ランゲラックらが健在なことに加え、新たに得点力の高いキャスパー・ユンカーや元広島戦士の野上結貴、技巧派アタッカーの和泉竜司らを補強。攻守の選手層を厚くすることに成功している。特に守備の強さはやはり際立っており、今節はCB藤井陽也が日本代表に招集されて不在となるが、経験豊富な丸山祐市が出てくれば穴はないに等しい。今回のルヴァンカップGSは1週間の準備期間があることを考えても、布陣はターンオーバーをせずベストに近い顔ぶれになるのは濃厚だ。
 では、広島はその堅守・名古屋をどう打ち砕くか。相手の堅い守備を崩そうと前がかりになり、リスク管理を怠ればユンカーやマテウス、永井らの強烈カウンターを食らう可能性はあるが、やはりまずは相手よりも自分たちに目を向けることだ。「相手のことも大事だが、自分たちのサッカーをやることが大事。明日は自分たちのクオリティーが最大限出せるように、自分たちのサッカーができるように、必要なことはすべてやりたい。相手はもちろん良い状況にあり、強いチームだが、そういう相手に対しても自分たちはやれるところまできている。それをやるだけ」とスキッべ監督は説く。好調で戦力も充実する強敵・名古屋相手だが、紫軍団は恐れることなく立ち向かう。

監督 試合前日コメント

──名古屋の印象は?
「今季は良いスタートを切っているし、すごく安定している印象がある。ここまで公式戦6試合を戦って失点1というのは本当に素晴らしい。今、状態が一番良いクラブだと思っている」

──名古屋にはキャスパー・ユンカー選手やマテウス・カストロ選手など個人能力の高い選手がいるが?
「移籍がうまくいったと思う。前でユンカーを獲り、後ろでは野上(結貴)が獲れた。前も後ろもしっかり補強をした。二人ともチームに馴染んでいるし、すごく活躍している印象がある。また、マテウスはどんな状況からでもシュートに持って行ける。得点チャンスを生み出せる素晴らしいクオリティーのある選手」

──カウンターは怖いが、リスク管理ばかりでは相手ゴールへ迫れない。そのバランスが大事では?
「相手のことも大事だが、自分たちのサッカーをやることが大事。明日は自分たちのクオリティーが最大限出せるように、自分たちのサッカーができるように、必要なことはすべてやりたい。相手はもちろん良い状況にあり、強いチームだが、そういう相手に対しても自分たちはやれるところまできている。それをやるだけ」

ゲームレポート

 紫軍団にとって悔しい1戦となった。
 序盤から広島は我慢強く試合を進めた。ここまでの公式戦6試合でわずか1失点の堅守・名古屋が相手とあって中盤での潰し合いが繰り広げられる一進一退の攻防で推移。時に攻撃ではペナルティーエリア付近まで進出するものの、集中した相手守備を最後の局面では崩すことができず、ファーストシュートがようやく生まれたのは15分の塩谷司のミドルシュートだった。ただし、広島守備陣もマテウス・カストロらスピードのある名古屋攻撃陣に仕事をさせることなくゲームを進める膠着した展開となった。
 そんな拮抗した戦いを動かしたのは背番号8の一発だった。29分、センターライン付近で塩谷司がボールを奪うと、右サイドの満田誠へとパスが渡ってドリブルで前進。低い位置からのクロスをペナルティーエリア手前で受けた川村拓夢が左足を振り抜いてネットを揺らし、先制に成功した。
 その後も隙のないゲーム運びを見せて名古屋の攻撃を封じた広島は、37分にも川村がCKからヘディングで決定機を迎えるなど、良いリズムの中で1-0で前半を終えた。
「落ち着いた良いゲームができている。相手にサッカーをやらせず、自分たちのサッカーをしよう!」
 後半に向けてハーフタイムにミヒャエル・スキッべ監督からそう送り出された後半だったが、試合の潮目が変わったのは57分以降だった。名古屋はサブに温存していたリーグ戦の主力である永井謙佑、米本拓司、森下龍矢の3枚を同時投入。この交代で相手に勢いが出ると、61分だった。右サイドを森下に攻略されてゴールを許し同点に追い付かれると、その2分後には米本のスルーパスから永井に抜け出されて1-2。あっという間に逆転されてしまった。
 そこから広島もドウグラス・ヴィエイラやエゼキエウ、志知孝明らを投入して反撃を試みたが、集中力が増した名古屋の堅守を攻略することができず、そのまま1-2で敗戦。手痛い1敗となってしまった。
「今日の敗戦によって順位の状況は悪くなったと思うが、残り4試合あるので、できるだけ多くポイントを取って次のラウンドに進みたいと思っている」(ミヒャエル・スキッべ監督)。ルヴァンカップはこれで1勝1敗。グループステージ突破に向けて、残り4試合での巻き返しを誓った。

監督 試合後コメント

「今日のルヴァンカップは長谷川監督、名古屋グランパスに『おめでとう』と言いたい。今日の試合は互角だったと思うし、お互いにチャンスが少なかったと思う。我々のディフェンスのところはうまくいっていたと思っている。残念なのは3分間に2失点をしてしまったこと。2失点目の前は相手からファウルがあったように思うが、全体的に見て名古屋は非常に良い攻撃の形で攻めてきた。今日の敗戦によって順位の状況は悪くなったと思うが、残り4試合あるので、できるだけ多くポイントを取って次のラウンドに進みたいと思っている」

──今日は越道草太選手が先発予定だったと思うが、越道選手が外れ、棚田遼選手が入った事情とその影響は?
「越道は昨日の午後に胃腸炎になり今日はプレーできなかった。ルヴァンカップのルールで若い選手を起用しなければならないため、棚田を入れた。ただ、棚田の前半のプレーは非常に満足している。ボールをキープしたり、間から抜けることをやっていた。昨日の時点で棚田はメンバー外の選手だったので、それなりの負荷をかけたトレーニングをしていた。それを考慮して、前半で代えた。もともと先発で出るはずだった(鮎川)峻に関して言えば、彼を入れることによってフレッシュな状態で試合ができると思った」

──今日のメンバー構成はリーグ戦とは違った。昨年は中2日だろうとリーグ戦のメンバーを起用していたが、昨年と今年の違いは?
「今シーズンの選手のプレーは非常に実力が均衡していることが挙げられる。GKは(大迫敬介が日本代表で)不在なので代えざるを得ないが、若い選手でも実力が均衡している部分がある。また、リーグ戦であまり出番のない(山﨑)大地や(松本)大弥などに関してもやれる手応えがあった中で、こういうチャンスを与えようと考えて、今日の先発になった。今日の結果は我々のチーム、特に若い選手のパフォーマンスが悪かったから負けたわけではないと思っている」

フォト

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