6.7 18:30

天皇杯 2回戦 vs. FC徳島
OTHER福山通運ローズスタジアム

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
5
0
FC徳島 FC徳島
2
前半
0
3
後半
0

試合の見どころ

 悔しさを晴らす大会となる。PK戦の末に甲府に敗れるショッキングな決勝戦から約8ヵ月、広島の天皇杯がいよいよスタートする。当然ながら当時の痛みは選手も忘れておらず、今年こそはサンフレッチェ広島として唯一、三大タイトルのなかで成し遂げていない天皇杯制覇を目指すことになる。
 J1クラブは2回戦からの登場となるが、やはり初戦の難しさは変わらずだろう。地域リーグ所属のおこしやす京都ACに初戦で敗れた2年前の教訓を踏まえ、昨年は2回戦からターンオーバーをすることなく多くの主力を投入。相手は実質日本4部リーグにあたるJFL所属のホンダロックだったが、決して簡単に勝てたわけではなく、守備に比重を置いて守ってくる相手を我慢強く攻略して得点を奪う2-0の勝利だった。2回戦で戦うアマチュアクラブは、プロに対して“ジャイアントキリング”を起こそうと高いモチベーションで臨んでくるチームばかりであり、簡単な試合は一つもない。今年の相手も地域リーグに所属するFC徳島。日本5部相当の四国リーグでは首位を走るチームで、天皇杯1回戦を直接視察したミヒャエル・スキッベ監督は「凄く良い印象があるし、良いサッカーができる。1回戦は勝利に値する試合をしていた」と警戒している。
 広島としては、いつもどおり一戦集中で臨むだけだ。「相手に不足はない。ワイドに速い選手もいるし、真ん中から組み立ててワイドにボールを出していく。中央のドリブルで1対1に強い選手もいる」と相手の印象を語ったスキッベ監督。FC徳島には20歳代前半の選手が多くて勢いがあり、近藤蔵波といったU-16日本代表で活躍した20歳のMFもいる。力を認めるからこそ、「我々も相手へのリスペクトを欠かさずに全力でぶつかっていきたい」と指揮官に油断は一切ない。
 試合内容としては、広島が多くの時間帯でボールを保持し、守備を固めるFC徳島ゴールをこじ開けに行く展開となるだろう。カテゴリーが下の相手とはいえ、守りに人数を割いた相手を崩すのは簡単ではなく、時間がかかるかもしれない。それでも広島は焦れずにブレずに、自分たちのスタイルである鋭い縦への攻めやサイド攻撃を駆使して得点を目指すのみ。「勝たなければならない試合なので、もちろん一番良いチームで行きたい」(スキッベ監督)と言う広島は、初戦からアグレッシブなスタイルで勝利を掴み取りに行く。

監督 試合前日コメント

──7連戦の6戦目になるが、選手の状態は?
「凄く良い状態にある。前節に勝ったのもあるし、雰囲気も良い。難しい試合を勝てたのは凄く良かったし、明日に向けて良い準備ができている」

──天皇杯初戦はどういうメンバーで臨むか?
「勝たなければならない試合なので、もちろん一番良いチームで行きたい」

──昨年の天皇杯は決勝戦で悔しい思いをしたが、タイトルに懸ける思いは強いか?
「いつもどおり明日の試合に勝つ。それだけ」

──相手のFC徳島は思い切って戦ってくることが予想されるが?
「違うカテゴリーのチームと戦うのはサッカーの良いところだと思っている。彼らにとっては凄く大きな挑戦。それと同時に我々も相手へのリスペクトを欠かさずに全力でぶつかっていきたい」

──FC徳島の1回戦を視察していたが、印象は?
「速い選手もいるし、聞いたところによると年代別日本代表だった選手もいる。凄く良い印象があるし、良いサッカーができる。1回戦は勝利に値する試合をしていた」

──FC徳島はサイド攻撃が良い印象だが?
「相手に不足は無い。ワイドに速い選手もいるし、真ん中から組み立ててワイドにボールを出していく。中央のドリブルで1対1に強い選手もいる。全力で戦わないといけないが、彼らにも『簡単に次に進めないよ』というのも見せないといけない」

ゲームレポート

 サンフレッチェが力の差を見せ付ける一戦となった。
 序盤から広島が相手を圧倒した。地域リーグに所属するFC徳島に対し、サンフレッチェは直近のリーグ戦から先発8人を入れ替えて試合に飢えた選手たちを多く起用した中、一方的に相手を押し込み続けるハーフコートゲームの様相で推移。すると、いきなり試合は動いた。7分、右サイド・越道草太の左足のアーリークロスをナッシム・ベン・カリファが頭で合わせて先制。早くもリードを奪うことに成功した。
 その後も広島の攻撃は止まらなかった。ボールを奪われても持ち味であるハイプレス&素早い切り替えを見せてボールを回収し相手を自陣へ釘付けにすると、ボランチの松本泰志&山﨑大地が中心になって左右へ展開。越道のクロスから再三にわたってチャンスを作り出せば、この日はシャドーに入った鮎川峻やエゼキエウも積極的に相手の背後を狙ってシュートまで持ち込んでいく。さらにCKやFKのセットプレーからもチャンスを迎える中でなかなかゴールを割るまでに至らなかったが、大きな2点目が生まれたのは33分だった。ナッシムがペナルティーエリア内で倒されてPKを獲得。これをキッカーの松本泰志が冷静に決めて2-0のリードで前半を終えた。
 後半からは大ベテラン・青山敏弘を投入してさらに攻撃的に出た広島は、再び攻め続けた。相手にシュートを許さず前半同様に敵陣地でサッカーを展開する中、ゴール前に人数を割くFC徳島相手に3点目を奪うのに時間はかかったが、勝負を決定付けるゴールが生まれたのは72分だった。右サイドのCKの流れから、左サイドのクロスのこぼれ球を最後は中野就斗が決めて3-0。さらに攻撃の手を緩めなかった広島は、その後も松本大弥と森島司も得点を重ねて5得点を奪う大勝。90分を通して隙のない戦いぶりで3回戦へ駒を進めた。
「今日の試合は開始から最後まで集中した良いサッカーができたと思っている。これまで出場が少なかった選手たちに関しても非常に良いパフォーマンスを見せてくれたと思っているし、そういった選手たちの活躍でこのような形で終えられた」。これまで出場機会の少なかった選手たちも活躍しての圧勝に試合後のミヒャエル・スキッベ監督も満足した表情を見せた。

監督 試合後コメント

「今日の試合は開始から最後まで集中した良いサッカーができたと思っているし、パフォーマンスには満足している。このカップ戦で集中して試合に入ることはイメージどおりにできた。これまで出場が少なかった選手たちに関しても非常に良いパフォーマンスを見せてくれたと思っているし、そういった選手たちの活躍でこのような形で終えられた。今日の目標はここを勝ち進むことだった。ここからは切り替えて、厳しい試合になると思うが、次の川崎F戦に向けて準備したい」

──今日は松本大弥選手が途中から出てゴールを決めた。ずっと試合に出ていない状況で燃えていたと思うが、パフォーマンスについて。
「今日の活躍は素晴らしかったと思うし、彼は我々のチームの才能のある若手の一人だと思っている。彼自身、昨季はJ2で活躍していたし、ここまでの彼の成長には非常に満足している。ここからもチャンスは増えてくるのではないかと感じている」

──松本大弥選手や鮎川峻選手などチャンスが少なかった選手が、今日のプレーでリーグ戦に絡んでくる可能性は?
「大弥もそうだし、峻、(山﨑)大地、中野(就斗)といった若くて才能のある選手がサンフレッチェにはたくさんいる。彼らは試合や練習の中でパフォーマンスを磨いていってほしい。そこで見せていかないといけない部分はあるが、実際に選べるのは11人だけ。そこで彼らは勝ち取っていくしかない」

──後半に勝っている状況で森島司選手やドウグラス・ヴィエイラ選手、川村拓夢選手など、リーグ戦に出ている選手を起用したが、その意図は?
「見ているよりもプレーしているほうが良いというのはある(笑)。トレーニングの一環というのも考慮して、20~25分間ぐらいは試合に出ても良いのではないかと思った」

──7連戦が次の川崎F戦で終わるが、どういう準備をしていくか。
「明日はまず休んで回復し、次の試合に向けて良い準備をしたい。連戦は厳しいが、最後の最後まで全力で行きたいと思っているし、良い結果で終わり、この連戦が良かったと言えるようにしたい」

フォト

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