8.5 19:00

明治安田J1 第22節 vs. 湘南ベルマーレ
AWAYレモンガススタジアム平塚

試合終了

湘南ベルマーレ 湘南
1
0
サンフレッチェ広島 広島
  • 後半2分
    大橋祐紀
0
前半
0
1
後半
0

試合の見どころ

 今季を占う勝負の夏が始まる。3週間の中断期間を経て迎える今節を含めて、リーグ戦は残すところ13試合。ここまで9勝4分8敗の勝点31で8位につける広島にとっては、上位再浮上を果たせるのか、それともこのまま停滞してしまうのか、重要なラスト13となる。「もう一度、素晴らしいサッカーを展開することに繋げていきたい」(ミヒャエル・スキッベ監督)。ケガ人や体調不良者の続出、さらには主力であった森島司の移籍など、今季は苦しい場面に何度も遭遇しているが、中断明けからの反撃を誓う指揮官の下、広島は残りのリーグ戦にすべてを懸けて戦う覚悟だ。
 その初戦から手強い相手との戦いとなる。敵地で戦う湘南は、ここまで2勝7分12敗で最下位と苦しい時期を過ごしているが、だからこそ侮れないチームだ。J1残留圏の17位・柏との勝点差はわずか『1』であり、巻き返しは十分に可能な位置にいる。湘南としても残り13試合に全力を尽くす中、その一発目のゲームで勢いを付けようと強い気概で今節に臨んでくるのは必至だ。
 最近の内容も決して悪くない。現在はリーグ戦15試合連続で勝利がないとはいえ、2日(水)の天皇杯ラウンド16ではC大阪を倒した他、0-1で敗れた前節・福岡戦も勝っていてもおかしくない戦いぶりだった。湘南伝統のボールを奪えば多くの選手が湧き出ていくスピーディーなカウンターは健在であり、チャンスを何度も演出。絶対的エースだった町野修斗が海外へ移籍したことで点取り屋が不在となったのはかなりの痛手だろうが、経験豊富な阿部浩之や山田直輝の前線でのアイディアはやはり脅威で、技術の高い小野瀬康介の推進力も今の湘南でかなり効いている。隙を見せれば得点を奪い切る鋭さは備えているだけに、広島としても相手の速攻には要注意となる。
 その上でサンフレッチェは“らしさ”を取り戻せるか。今季はなかなかメンバーが揃わなかったのもあるが、昨季に見せ続けていた前線からの迫力あるプレス、鋭い縦への攻め、何度も何度も繰り出すサイド攻撃がうまく機能せずに得点力不足に陥っていた。中断期間では連日30度を超す炎天下の中でも、シーズン中にはなかなかないフルコートでの紅白戦を積極的に取り入れるなど、全員で課題解決に取り組みながらハードに鍛え上げてきた。あとは、その成果を湘南戦にぶつけるのみ。反撃の夏へ。蘇った紫軍団の姿に期待だ。

監督 試合前日コメント

──誕生日おめでとうございます。監督自身、今年1年はどういう年にしたいか?
「人生を楽しむこと。それから、もちろんサッカーの面でも魅力的な戦いを繰り広げたい」

──リーグ再開となるが、湘南のイメージは?
「楽しみにしている。相手はどういうメンバーで臨んでくるのか分からないが、やるサッカーは変わらないと思っている。システムは[5-3-2]で前から当たってくる。前線にもクオリティーのある選手が来たという情報も入っている。すごく楽しみな試合になると思っている」

──3週間の中断期間が入ったことでリフレッシュして臨めるのでは?
「我々にとっては有意義な休みだった。中断期間前は体調不良者が出たり、ケガ人も多かった。試合に出られない選手がたくさんいた中で、(満田)マコ以外の全員がサッカーができる状態にある。この期間は重要だったと思うし、これを次に繋げて魅力的なサッカーをやっていきたい」

ゲームレポート

 上向かないチームの現状を表す一戦となった。
 3週間のリーグ中断期間が明けて迎えた再開初戦、6試合ぶりの勝利を目指した広島の前半の出来はまずまずだった。システムを[3-5-2]としたサンフレッチェは、2トップにピエロス・ソティリウと新加入の加藤陸次樹をさっそく起用。そしてトップ下にエゼキエウを配置する新たな攻撃陣の組み合わせで臨むと、序盤から何度かチャンスを作り出していく。9分、前線で潰れて味方へとボールを繋いだ加藤からエゼキエウが強烈な右足シュートを放てば、セットプレーでもキッカーを務めた志知孝明の鋭い左足キックから荒木隼人が2度の好機を迎える。時折、相手の武器であるカウンターに脅かされる場面はあったが、ゴール前では粘り強い守備で封じると、攻撃ではエゼキエウの個人技や5本のCK、FKなどで湘南ゴールへ迫るなど、どちらかと言えば広島ペースで前半を終えた。
 だが、後半は一転して苦しい展開となった。
「内容は悪くない。でも、もっともっとできるはずだ!!」
 ミヒャエル・スキッベ監督からハーフタイムにそう活を入れられて迎えた後半、いきなりサンフレッチェに試練が訪れた。47分、湘南にカウンターを許すと、最後は大橋祐紀にペナルティーエリア外から強烈な右足シュートを決められて失点。後半早々に追いかける展開となってしまった。
 この日はその後もリズムが戻ることはなかった。同点に追い付こうとドウグラス・ヴィエイラやナッシム・ベン・カリファ、柴﨑晃誠、柏好文と攻撃的なカードを立て続けに投入して攻めに出た広島だったが、サイド攻撃を封じられるとなかなかチャンスを作り出せず。逆に湘南の鋭いカウンターを何度も浴びてピンチを招くなど、GK大迫敬介の好セーブで何とか耐えるギリギリの展開。終盤にパワーをかけて東俊希や川村拓夢が積極的にゴールを狙い、加藤の決定的なヘディングシュートもあったが、最後の局面をこじ開けることはできず0-1の敗戦となった。
 実に16試合ぶりとなる今季3勝目を挙げた湘南に対し、広島は6試合勝利なし。
「我々の反省しないといけない部分としては、やはりシュートを決めないといけない。ここまでリーグ戦22試合で24得点では、拮抗した試合で勝つ力がないと言える」(スキッベ監督)。再開初戦からの挽回を目指したサンフレッチェだったが、“得点力不足”の苦しみは続いている。

監督 試合後コメント

「湘南ベルマーレ、おめでとうございます。今日は一つの素晴らしいゴールが試合を決定付けた。そこが我々と相手との違いだった。我々は前半からシュートまでいくシーンがたくさんあり、後半もたくさんのチャンスがありながらネットを揺らすことはできなかった。そこが唯一の違いだったと思う。ただ、我々も前へ、前へ進むという意味では、試合終了の笛が鳴るまでやり続けた。同点のゴールを目指し続けた。我々の反省しないといけない部分としては、やはりシュートを決めないといけない。ここまでリーグ戦22試合で24得点では、拮抗した試合で勝つ力がないと言える」

──初先発となった加藤陸次樹選手の働きについて。
「彼の働きには満足している。途中から一つポジションを落としてプレーしたが、いくつかシュートチャンスがあった。ただ、我々は彼だけでなく、数多くのチャンスを作りながら、最後のシュートを決め切れていない。そこに尽きる」

──後半の頭からエゼキエウ選手を下げて、東俊希選手を投入した意図は?
「エゼキエウが前半の途中に足を痛めたため、交代した」

──先制点を奪われてから1トップ2シャドーにしてストライカーを前に並べたが?
「最後の形はうまくいっていたと思う。70~75分に0-1で相手がリードしている状況ならば、後ろはリスクを負ってでも前へ前へ行くというところ。その形についてはチームとしてできていたと思っている」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い平塚での試合となりましたが、約1,700名もの方にお越しいただきました。
勝利をお届けできず、申し訳ありません。次こそは勝利できるよう精進して参ります。
最後まで熱い声援、ありがとうございました。

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