8.13 18:00

明治安田J1 第23節 vs. 浦和レッズ
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
2
1
浦和レッズ 浦和
0
前半
1
2
後半
0
  • 前半29分
    ホセカンテ

試合の見どころ

 広島から世界に向けて平和をアピールする『ピースマッチ』が今年は8月13日(日)に開催される。史上初めて原爆が投下された被爆地・広島に本拠地を構えるサンフレッチェにとって、1年に一度の特別なゲーム。いまなお、世界では戦争が続いている地域があるが、平和だからこそサッカーができることを噛みしめながら、平和を祈りながら、試合に臨むことになる。
 チームに目を向けると、この試合をキッカケに状態を上げたい思いが強いだろう。現在はミヒャエル・スキッベ監督になってから一番の苦境にある。前節は敵地で湘南に敗れ、指揮官が昨季に就任してから最長となる6試合連続勝利なし(2分4敗)。特に深刻なのが得点力不足であり、その6試合で奪ったゴールはわずか『2』と課題は明白だ。その上で6試合はすべて先制点を奪われる悪循環に陥っており、攻守のバランスが悪くなっている。
 だからこそ、今節は苦境を乗り越えられるか楽しみな試合だ。ピースマッチでホームに迎えるのは、アジア王者の浦和。現在はリーグで4位につける、言わずもがなの強豪である。今季は特に“堅守”が際立っており、ここまでの22試合で17失点はリーグ最少。ベテラン守護神・西川周作は健在であり、アレクサンダー・ショルツとマリウス・ホイブラーテンが組むCBコンビはJ1屈指だ。さらに右SBにも日本代表経験も豊富な酒井宏樹や6月に日本代表に選出されたボランチ・伊藤敦樹、ベテラン・岩尾憲、点取り屋・興梠慎三などタレントは潤沢。そして、この夏には元日本代表のファンタジスタ・中島翔哉、バルセロナBに在籍していた安部裕葵の二人を獲得する“大型補強”を敢行するなど、タイトルに向けて抜かりなし。まさに難敵との戦いとなる。
 そんな強豪相手に広島は課題を克服して勝利をもぎ取れるか。前節は湘南相手に無得点に終わったとはいえ、ピエロス・ソティリウと加藤陸次樹の新生2トップは可能性を見せた。さらにドウグラス・ヴィエイラやナッシム・ベン・カリファも練習から状態を上げており、指揮官は前線のバリエーションに自信を見せる。「前節はピエロス(・ソティリウ)も加藤(陸次樹)も良かったが、今週はナッシム(・ベン・カリファ)とドグ(ドウグラス・ヴィエイラ)もすごく良いトレーニングができた。明日はいろんな形で崩せると思うし、残り12試合で今まで取った点数の24点を取るぐらい目指してやっていきたい」。エゼキエウのケガによる離脱は痛手だが、11日には横浜FMからマルコス・ジュニオールの獲得が発表されるなど、今後への期待も膨らむ。その前にまずは浦和戦で力を発揮できるか。“ピースマッチ”で躍動する紫の戦士に期待だ。

監督 試合前日コメント

──浦和戦に向けて、良い準備ができたか?
「本当に良い準備ができたと思っている。残念ながらエゼキエウがケガで抜けてしまったが、彼以外は全員いるので、良い状況にある」

──浦和は守備が強固だが?
「前節はピエロス(・ソティリウ)も加藤(陸次樹)も良かったが、今週はナッシム(・ベン・カリファ)とドグ(ドウグラス・ヴィエイラ)もすごく良いトレーニングができた。明日はいろんな形で崩せると思うし、残り12試合で今まで取った点数の24点を取るぐらい目指してやっていきたい」

──明日は出場できないが、昨日発表されたマルコス・ジュニオール選手の加入も大きいのでは?
「彼のクリエイティブさや得点嗅覚は期待できる。横浜FMではここ数試合先発で出ていないことや出場機会が減っているが、ここで活躍してもう一回爆発しようという強い意志もある。そこは期待できる」

ゲームレポート

 広島から世界へ平和を発信する“ピースマッチ”でサンフレッチェが長いトンネルを抜けた。
 6試合連続で勝利のない広島だったが、前半からできは良かった。約3カ月ぶりにケガから復帰した満田誠を先発スタートさせると、序盤こそ浦和に押し込まれたものの、14分の野津田岳人の直接FKを境に試合の主導権を掌握。15分にショートカウンターからピエロス・ソティリウがGK強襲のシュートを放てば、そこで獲得した右CKから荒木隼人がクロスバー直撃のヘディングを放つなど、得点の匂いは漂っていた。29分、ホセ・カンテにペナルティーエリア外から強烈なミドルシュートを突き刺されてリードを許してしまったが、その後も広島は攻撃姿勢を貫いて浦和ゴールへ迫った。左サイド・志知孝明のクロスから再三に渡ってチャンスを作り出せば、CKやFKからもジワジワと押し込んでいく。「あと一歩のところまできている」。ハーフタイムにミヒャエル・スキッベ監督も選手へそう伝えるほど、攻撃の機会は多かった。
 そして、後半開始から指揮官は早くも動いた。ケガ明けの満田を下げてドウグラス・ヴィエイラ、右サイド・中野就斗に変更して越道草太を投入。高さのあるストライカーと推進力のあるルーキーを入れてまずは同点を目指した。
 後半も試合の主導権は広島にあった。開始から浦和を押し込んでゲームを展開した広島は、CKから荒木や塩谷司が果敢にゴールを狙うなど勢いを持って後半に入った。すると、攻撃姿勢が実ったのは69分だった。右CB塩谷のスルーパスに抜け出した加藤陸次樹がペナルティーエリア内で冷静なキックインフェイントで相手DFをかわすと、右足でネットを揺らして1-1。加入後初のホームゲームとなった背番号51の広島初得点は貴重な同点弾となった。
 その後も浦和の攻撃を封じながら攻めに出たサンフレッチェ。ドウグラスが連係などからチャンスを作り出せば、塩谷も積極果敢に攻撃参加からシュートを放つ。浦和の守護神・西川周作の好セーブもあって決め切ることはできなかったが、広島の勝利への執念が実ったのは後半アディショナルタイムに突入した90+3分だった。川村のパスをゴール前で受けた途中出場のナッシム・ベン・カリファが右足を豪快に振り抜いてネットを揺らし決勝点。土壇場で逆転に成功した広島が7試合ぶりの勝利を挙げた。
「2カ月ぐらい勝てていないことで、20試合ぐらい負け続けている気持ちだった。ただ、今日は勝てたということ。内容的にも情熱的に素晴らしいサッカーができた」。約2カ月ぶりの勝利にスキッベ監督もようやく試合後に笑顔を見せた。

監督 試合後コメント

「今日のチームのパフォーマンスに関しては非常に満足している。最後の最後にゴールが決まって勝てたことを嬉しく思うし、今日は勝利に値する試合をしたと思っている。また、ゲームの流れの中で塩谷(司)のゴールライン上のクリアがなければ、もしかしたら負けていたかもしれない」

──失点はしたが、前半から内容が良く得点さえ取れればというところだった。特に同点弾となった加藤陸次樹選手のゴールは、塩谷司選手のスルーパスを含めて質が高かったが、その得点について。
「私も素晴らしかったと思うし、陸次樹のシュートも素晴らしかった。シオのスルーパスもパーフェクトだった。ただ、その前に左サイドでダイレクトパスを数回繋いでそこに運ぶことができた。そのため、あのパスを出せたと思っている。今日の2得点とも素晴らしい展開があってこそのゴールだったと思っているし、入らなかったシュートもそういうことができていたと思っている」

──満田誠選手が約3カ月ぶりに帰ってきたが、先発の理由は?また、45分で交代したが、試合後の状態について。
「プレー後の問題はまったくない。マコがプレーできるとなれば、いつでも先発で出るということ」

──リーグ戦7試合ぶりの勝利となったが?
「2カ月ぐらい勝てていないことで、20試合ぐらい負け続けている気持ちだった。ただ、今日は勝てたということ。内容的にも情熱的に素晴らしいサッカーができた。陸次樹は我々が求めているように熱いプレーをしてくれるところも良かった。マコ、シオが戻ってきた。それによって今までやってきた選手たちもさらに良くなったと思っている。また、交代で入ってきた選手たちも素晴らしい風を吹き込んでくれたと思っているし、特にドグ(ドウグラス・ヴィエイラ)は後半素晴らしい活躍をしてくれた。残りの試合、次の新しいスタジアムで迎えるシーズンに向けて良い形で終われるようにやっていきたい。チームは本当に成長している。今後もサンフレッチェらしい素晴らしい試合をファン・サポーターに届けていきたいと思っている」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

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