8.26 19:00

明治安田J1 第25節 vs. 柏レイソル
AWAY三協フロンテア柏スタジアム

試合終了

柏レイソル
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サンフレッチェ広島 広島
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前半
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後半
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試合の見どころ

 紫軍団がようやく復調してきた。6月中旬から8月頭にかけてのリーグ戦6試合で2分4敗と苦しんでいたが、8月13日のJ1第23節・浦和戦、続く19日の川崎F戦の2試合はアディショナルタイムでの劇的なゴールで2連勝を達成。その川崎F戦で決勝点を奪った満田誠が浦和戦から約3ヶ月ぶりにケガから復帰し、期待の新戦力であるマルコス・ジュニオールも広島デビューとなった川崎F戦で圧巻のゴールを見せるなど、ここにきて役者も揃った。この勢いを残り10試合となったリーグ戦でも続けるだけだ。
 4月以来となる3連勝を目指す今節、調子を上げつつあるチームとの対戦だ。敵地で戦う相手は、現在16位と残留争いの渦中にいるレイソル。ただ、実力差が拮抗しているJリーグでは、当然ながら「簡単な相手は一つもない」とミヒャエル・スキッベ監督も警戒しており、今節も決して楽な敵ではない。前節は今季好調の2位・神戸相手に1-1で引き分けるなど、直近の3試合は1勝2分とレイソルの状態は上々だ。
「ショートカウンターのイメージ」。そう満田が相手の印象を語ったように、スタイルは“堅守速攻”だ。5月中旬に退任したネルシーニョ監督の後を受けた井原正巳監督の下、オーソドックスな[4-4-2]システムを研ぎ澄ませており、組織力の高い守備を形成している。直近の3試合で喫した失点はわずか「2」。前節も強力攻撃陣を擁する神戸相手にCKからの1失点に抑えるなど、しっかりと整備されたレイソル守備陣を流れから崩すのは容易ではない。
 そしてボールを奪えば、スピーディーな攻撃は脅威だ。推進力と高いパス能力を持つ左MFのマテウス・サヴィオを軸に縦に鋭く攻め、細谷真大&山田康太という機動力の高い日本人2トップを活かした戦いをしてくる。前節もその山田からマテウスへと繋いで左サイドを攻略し、最後は細谷が決めた。SBのジエゴを含めた左サイドの攻撃は一つの武器となっているだけに、広島としても要警戒だ。
 サンフレッチェとしては、そんなレイソルのストロングを自慢のプレッシングサッカーで消しつつも肝となるのは、やはり自分たちだ。「とにかく、良いサッカーをやること。それができたときには勝つチャンスはある」(スキッベ監督)。浦和戦も川崎F戦も強敵だからと言って引くことなく果敢に攻め続けた結果、最後の最後に勝利を奪い取った。敵がどこだろうと勇気を持って攻撃的に戦うことが今の広島の一番の武器。レイソル戦もアグレッシブに戦い、3連勝を飾りたいところだ。

監督 試合前日コメント

──レイソルは厳しい状況にあるが、前線には怖いストライカーもいる。
「今季はあまりうまくいっていないが、細谷(真大)という素晴らしいストライカーもいるし、左サイドの二人のブラジル人もスピードのある良いプレーをしている。内容では完全に負けているチームではないと思っている。(前々節の)C大阪戦も最後の最後に点を取られるなど、アンラッキーな結果が続いてしまっている。今は下のほうにいるが、今の順位よりも上にいてもおかしくないと思っている」

──レイソル戦も直近の2試合で見せている前からの守備がカギになるか?
「オフェンシブで勇敢な良いサッカーができれば、ポイントを取るチャンスはある」

ゲームレポート

 3連勝を目指した一戦は、我慢の戦いとなった。
 試合は前半からお互いに持ち味を出す拮抗した展開となった。組織的な守備から左MFのマテウス・サヴィオを起点にエース・細谷真大を活かした鋭いショートカウンターを繰り出すレイソルに対し、広島はストロングである両サイドからの攻撃でチャンスを創出していった。9分、細谷真大に飛び出しを許してピンチを招いたが、それ以外は広島も粘り強く対応してレイソルの攻撃を封鎖。ボールを持てば満田誠のミドルシュートで相手GKを脅かした他、33分、35分、42分と左サイドの攻撃から右ワイド・中野就斗が立て続けにゴールを狙うなど、どちらかと言えば広島のほうがチャンスは多かった。
「内容は悪くない。早くボールを動かして、チャンスをしっかり決めよう!」
 ハーフタイムにミヒャエル・スキッベ監督から“決定力”を求められた広島イレブン。そして指揮官は後半の頭からさっそく動いた。1トップのピエロス・ソティリウに代えてドウグラス・ヴィエイラを投入。ポストワークと高い決定力を備える189cmの長身ストライカーを入れて、試合を動かしにかかった。
 ただ、後半は我慢の展開となった。前半に続いてレイソルのマテウス&細谷のホットラインに手を焼いた他、押し込まれる時間帯が長くなり、広島はなかなか攻撃に出られず。82分には中央を崩されてマテウスにフリーでシュートを打たれたが、GK大迫敬介のファインセーブでゴールを死守。一方、ドウグラスのポストプレーを起点に何度か攻めに出られた時にはチャンスになりかけたが、相手守備陣を完全に攻略することはできず。全体的にレイソルの攻撃が続いた中、試合終盤は盛り返してCKを立て続けに獲得したものの、この日は不発に終わりスコアレスドローで終了した。
「柏の献身的な守備を考えれば今日は引き分けで妥当だと思う。また、我々のディフェンス面も今日は非常に良かったと思っている。ボランチを含めて全体的に素晴らしいディフェンスができたし、ゼロで抑えられたのは良かった。ただ、点を取れなかったことは残念に思う」(ミヒャエル・スキッベ監督)。攻撃に課題を残したものの、11試合ぶりに無失点に抑えた守備に手応えを得る一戦となった。

監督 試合後コメント

「今日は柏でポイントを取れたことは満足している。我々は前からアタックし、数多くのチャンスを作ることができたと思っている。最終的には最後の最後で相手に体を張られて守られてしまう、もしくはシュートが入らなかった。ただ、柏の献身的な守備を考えれば今日は引き分けで妥当だと思う。また、我々のディフェンス面も今日は非常に良かったと思っている。ボランチを含めて全体的に素晴らしいディフェンスができたし、ゼロで抑えられたのは良かった。ただ、点を取れなかったことは残念に思う」

──前半で交代したピエロス・ソティリウ選手はケガでの交代なのか、それとも戦術的な問題だったのか?
「どちらとも言える。アンラッキーな形でボールを失うことが多かったが、足に問題があるとも言っていたので完全にフィットしている状態ではなかった。ただ、後半から入ったドグ(ドウグラス・ヴィエイラ)は非常に良かったと思う。ボールを収めて早くボールをはたくことがうまくできていたと感じている」

──マルコス・ジュニオール選手を交代する時は、いろんな選択肢があったと思うが、ナッシム・ベン・カリファ選手を起用した意図は?
「相手がロングボールが増えてきたことから体の大きな選手を入れたいと思っていた。それから、中野(就斗)が試合中に筋肉系の部分を訴えていたので、もし彼を代えないといけない場合はマコ(満田誠)を右に出さないといけないと考えていた。また、中で混乱を招くような交代、たくさんのポジションを変えるようなことはあまりしたくないとも思っていた」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い柏での試合となりましたが、約2,100名もの方にお越しいただきました。
皆様と勝利の喜びを分かち合えず、悔しい思いです。最後まで熱い声援、ありがとうございました。

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