9.2 19:00

明治安田J1 第26節 vs. サガン鳥栖
AWAY駅前不動産スタジアム

試合終了

サガン鳥栖 鳥栖
0
2
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
1
0
後半
1

試合の見どころ

 上位追撃へ、追い込みの“ラスト9”だ。前節・柏戦は0-0のドローに終わり連勝は「2」でストップした広島だが、11試合ぶりに無失点で終えるなど、敵地で収穫のある戦いができた。さらに最近ではケガ人も続々と復帰してきた中でチーム内ではレギュラー争いも激化。ミヒャエル・スキッベ監督が「嬉しい悩み」と話すほど、ようやく戦力は揃ってきた。ACL出場圏の2位・神戸とは勝点差11だが、3位・名古屋とは7差。残り試合数を考えれば、まだまだ挽回は可能だろう。
 そんな勝負の秋となる9月一発目のゲームから、厄介なチームとの戦いだ。敵地で対戦するのは、42歳の若き知将・川井健太監督率いる鳥栖。チームの顔ぶれを見れば、日本代表選手がいるわけでもなければ、強烈な外国籍選手がいるわけでもない。だが、小野裕二や堀米勇輝、長沼洋一ら機動力とテクニックのある日本人を主体にした組織力の高いコンビネーションサッカーはJ1でも随一。ホームで戦った4月の前回対戦では、終盤のドウグラス・ヴィエイラの決勝点で勝利した広島だが、鳥栖とはいつも「難しい戦いになる」とスキッベ監督も話すなど、拮抗した展開になっている。現在の相手は直近の5試合で2分3敗と勝利から見放されているが、1-1で終わった前節・G大阪戦では苦しい展開の中でも後半アディショナルタイムまでリードを保っており勝っていてもおかしくなかった。確かな実力を備える鳥栖との今節の戦いも激闘は必至だろう。
 そんな広島の勝利のポイントは、前節に見せた粘り強さだ。柏戦では前半のチャンスを生かせない嫌な試合展開になりかけたが、相手が盛り返してきた後半はしぶとい守備で得点を許さなかった。当然ながら失点しなければ負けはない。広島のチーム状況が良くない時はそこで踏ん張り切れずに失点し、敗れていたが、今は我慢強さが醸成されてきた。「組織されたサッカーという印象」とスキッベ監督も話す鳥栖とのゲームは、どちらが焦れずに最後まで戦えるか、まさに我慢比べの一戦。守備では相手の細かなパスワークを自慢のプレッシングで封じ、攻撃ではサイド攻撃やボールを奪った際のスピーディーな攻めで鳥栖の堅い守備を破壊していきたいところだ。

監督 試合前日コメント

──今週は良い準備ができたか?
「本当に良い準備ができたし、高いレベルのトレーニングができたと思っている。ケガ人もだいぶ戻ってきている。すごく良い感じでトレーニングができた」

──鳥栖はハードワークが武器のチームだが、気を付けたい部分は?
「そのとおりだと思う。すごくハードワークしてくるし、攻撃への切り替えが速い。組織されたサッカーという印象を受けている。相手が高いラインを保つなど、いろいろやってくるが、我々はどういうふうにその抜け道を見つけるかがカギになると思う。長いことやっていないアウェイでの3ポイントを取りたい」

──柏戦では難しい戦いの中で勝点1を取った。今は7試合アウェイで勝利がないが、そこへ懸ける思いもあるのでは?
「もちろん高いモチベーションで挑みたいと思っている」

──前節のマルコス・ジュニオール選手のパフォーマンスについて。
「全体的には良かったと思っている。点が取れなかった部分に関しては、マルコスがどうというよりも最後のシュートの精度が低かったと思う。その反省点を生かして、鳥栖戦では最後の最後まで決め切ることをやっていきたい」

ゲームレポート

 今季の“鬼門”となっていた敵地での戦いをようやく乗り越える一戦となった。
 いきなり試合を動かしたのは広島だった。開始3分、ボランチ・満田誠の柔らかなパスをペナルティーエリア内の左寄りで受けたマルコス・ジュニオールが頭で中央へ折り返すと、走り込んだピエロス・ソティリウが右足ダイレクトで合わせて先制。紫軍団が幸先の良いスタートを切った。
 その後も広島のリズムは良かった。その2分後には右サイド・中野就斗のクロスをピエロスがダイレクトでゴールを狙えば、さらに満田の中央でのスルーパスにまたも背番号20が受けて相手GK強襲のシュートを放つ。鳥栖の一つの武器であるカウンターを確実に封じながら、ほぼ相手陣地で広島がサッカーを展開する中、加藤陸次樹や中野も積極的にシュートを打って相手ゴールへ迫るなど、サンフレッチェが主導権を握りながら1-0で前半を終えた。
「すごく良いゲームができている。ここまで文句はない。ただ、後半はもっと上げていこう!」
 ハーフタイム、前半のできを称えつつも、さらにギアを上げることを求めたミヒャエル・スキッベ監督。その声に応えるように、後半も広島ペースで試合は進んだ。前半よりは相手に攻め込まれる回数はやや増えたが、前線からのハードなプレスや鋭い攻守の切り替えで鳥栖に自由を与えずゲームを展開。ボールを持てば左右を広く使ってクロスを送り込みながら追加点を目指した。55分、左サイド・志知孝明が果敢にエリア内へ入って右足シュートを放った他、64分にはその志知のクロスをフリーで受けたピエロスがコースを狙う際どいキックで相手ゴールを襲った。すると、貴重な追加点が生まれたのは79分だった。右サイドでボールを持った中野の左足クロスを途中出場のドウグラス・ヴィエイラが頭で合わせて2-0。これで勝負はほぼ決まったようなものだった。
 その後、相手の最後の反撃にあうも広島自慢の守備陣も鳥栖のシュートを最終的には3本に抑えて前節に続いて相手を完封。敵地でなかなか勝てていなかった紫軍団が4月以来となるアウェイでの勝利を2-0で飾った。
「ここ3~4カ月、良いサッカーができない時期があった。ただ、最近の3~4試合は(良いサッカーが)戻ってきて、我々もJリーグの中で上でやっていける力があると少しずつ証明できるようになってきた」(ミヒャエル・スキッベ監督)。8月上旬まで6試合連続で勝利のない(2分4敗)苦しい時期もあったが、直近の4試合はこの鳥栖戦を入れて3勝1分。広島の状態が秋に向けて上がってきた。

監督 試合後コメント

「Jリーグの中でも素晴らしい試合ができたと思う。それは両チームによる高いパフォーマンスがあったから。川井監督の下、鳥栖は恵まれたメンバーではないかもしれないが、非常に強いチームをいつも作り上げている。鳥栖というチームを見ること自体、すごく楽しみにしている。また、我々のチームもメンバーが(ケガから)戻ってきたことから、本当のサンフレッチェを見せられるようになってきた。期待しているサンフレッチェを見せられるようになってきたと思っている。ディフェンスをする時には勇敢に高い位置からプレスに行く。ボールを奪ったら丁寧に明確なパスを繋いで裏を取ってシュートまで持って行く。そこは見せられたと思う。ここ3~4カ月、良いサッカーができない時期があった。ただ、最近の3~4試合は(良いサッカーが)戻ってきて、我々もJリーグの中で上でやっていける力があると少しずつ証明できるようになってきた」

──リベロで先発した山﨑大地選手の起用意図と今日の評価は?
「彼はこれまでずっとトレーニングの中で自分たちのチームの一番良いストライカーを止め続けていた。出場するに値するパフォーマンスを見せていたと思っている。これからはU-22日本代表の試合があるのでチームを離れることになるので、その前に一度、見ておきたいというのもあった。また、彼も自信を持って自分たちのディフェンスラインに必要な選手だということを経験させることも重要だった。未来のことを考えた時に、こういった選手たちを使っていくことは重要だと思っている」

──今日は満田誠選手と川村拓夢選手の関係性は良かった。彼らのパフォーマンスと川村選手のケガの状況について。
「今日は二人ともすごく良いパフォーマンスを見せてくれたと思っている。現状では拓夢のケガの情報は入っていないので何とも言えないが、4枚目のイエローカードを貰っているので、次の試合は出られない」

──アウェイで4カ月ぶりの勝利だが?
「良い気持ち(笑)。長かったという気持ちはある。ここまでベストなメンバーを組めなかったため、総合的なチームの力が少し落ちていたのは挙げられる」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は鳥栖での試合となりましたが、約1,200名もの方にお越しいただきました。
皆様の後押しが4カ月ぶりのアウェイ戦勝利に繋がりました。最後まで熱い声援、ありがとうございました。

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