9.16 19:00

明治安田J1 第27節 vs. ヴィッセル神戸
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
2
0
ヴィッセル神戸 神戸
2
前半
0
0
後半
0

試合の見どころ

 J1が面白くなってきた。リーグ戦も残すところ8試合。現在は勝点差1の首位・神戸と2位・横浜FMの争いに注目が集まるが、実はその他の上位争いも混沌としてきた。7位・広島と3位・名古屋との勝点差は『5』まで縮まり、神戸とは11差。残り8試合と考えれば、広島にとってまだまだ厳しい差だが、今回はその神戸との直接対決だ。勝てば8差に縮まり、最終盤に向けて可能性はより広がってくる。タイトルに向けて、サンフレッチェの大一番と言っていい。
 当然ながら相手は強敵だ。「Jリーグの中でベストな二人。大迫(勇也)ももちろんだが、武藤(嘉紀)も止めないといけない」(ミヒャエル・スキッベ監督)。好調・神戸をけん引しているのは、やはりこの元日本代表コンビ。前線で起点となる巧みなポストプレーに定評のある大迫だが、今季は高い得点能力も存分に発揮して、リーグトップとなる19得点を挙げている。苦しい試合展開でも、このエースの得点で勝利を手探り寄せる勝負強さも際立っており、敵にとってより怖さが増している。その大迫と抜群のコンビで攻撃に推進力を与えている武藤も相変わらず厄介なプレーヤーで、ここまで8得点。強さの大迫、スピードの武藤が揃った時の神戸攻撃陣の破壊力はJ1随一であり、「少ないチャンスをモノにしてくるぐらい強烈なオフェンスを持っている」(スキッベ監督)。9月上旬に加入が発表された元スペイン代表の名手であるフアン・マタが出場してくるかは不透明だが、やはり相手の攻撃力は要警戒だ。
 その中で広島は最近のゲームで見せている粘り強さを見せられるか。リーグ戦6試合勝利なし(2分4敗)という長いトンネルを抜けたサンフレッチェの直近の4試合は3勝1分と登り調子。後半アディショナルタイムに勝ち越した浦和戦(2○1)、川崎F(3○2)で勢いを付けると、柏戦(0△0)、鳥栖戦(2○0)は2試合連続無失点。広島のストロングポイントである前線からのハードプレスをベースにした“堅守”がここにきて復活してきた。大迫、武藤に限らず、その他にもタレント豊かな神戸攻撃陣に自由を与えずゲームを進め、駒が揃ってきた広島アタッカー人が確実にゴールを仕留めることができるか。「厳しい戦いになるのは覚悟の上。首位相手に楽しみのほうが大きい」とスキッベ監督。川村拓夢の出場停止は痛いが、それ以外は盤石の態勢で臨める一戦。首位相手に広島の力を示すことができるか。ここで勝ったら、残りのJ1の戦いはまだまだ分からない。

監督 試合前日コメント

──神戸は強烈なストライカーもいるが、どう抑えていきたいか?
「オフェンシブに行きたい」

──今の広島は2試合連続で無失点。守備の強みを出したいのでは?
「明日はディフェンスに関しても一番良いパフォーマンスを見せないといけないと思っている。相手は少ないチャンスをモノにしてくるぐらい強烈なオフェンスを持っている。ディフェンスはトップパフォーマンスを出さないといけない」

──日本代表でドイツ戦に先発出場した大迫敬介選手に改めて期待したいことは?
「ポジティブな印象をそのまま、こちらのリーグ戦でもやっていってほしい。サムライブルーを代表して戦う責任を負ってゲームをした。実際はそうではなかったが、難しい戦いになるだろうと思われたゲームに出場した(ドイツ戦での)経験を今後に繋げてほしい」

ゲームレポート

 紫軍団が首位相手に圧巻の内容を披露した。
 前半から広島のできは素晴らしかった。開始早々の志知孝明のシュートを皮切りに、4分にはマルコス・ジュニオールも敵陣へ果敢に切り込んでシュートを放つ。高い攻撃意識で神戸を押し込み続けると、勢いを生むゴールが決まったのは7分だった。右サイド・中野就斗のクロスに対し、ファーサイドでフリーで待っていたのは志知。ワントラップから豪快に左足を振り抜いて先制に成功した。
 その後も、「Jリーグの中でベストな二人」(ミヒャエル・スキッベ監督)と評す大迫勇也と武藤嘉紀がいる強力神戸攻撃陣に自由を与えずゲームを展開。相手の一つの武器であるカウンターを素早い帰陣で確実に封じ、遅攻に対しても組織的な守りで止め続けた。そして、ボールを持てば速攻やサイド攻撃、CKから追加点を狙いに行った広島の貴重な追加点は31分だった。右サイドの中野からボランチ・満田誠へとパスが渡ると、絶妙なアーリークロスを頭で合わせたのは加藤陸次樹。早くも2点のリードを奪った。
 前半のシュート数は広島の14本に対し、神戸は前半アディショナルタイムに放った1本のみ。首位を走る神戸相手にまさに「スーパーな前半」(スキッベ監督)を広島が見せた。
「(スーパーな前半は)45分だけでは足りない。90分やり続けないといけない!」
 ハーフタイムに指揮官からさらに活を入れられて臨んだ広島の選手たちは、後半もアグレッシブに戦い続けた。前半ほどのチャンスは作れなったが、ハイプレスを軸に守備では強度を緩めず神戸に襲い掛かり、攻め込まれても粘り強く対応してゴールを割らせない。後半はカウンター主体の攻撃でチャンスを作り、3点目こそ奪えなかったが、2試合連続完封中の広島の“堅守”も揺るがず。攻め込まれる時間は前半より増えたが、最後の局面では自由を与えず、結果的に後半に打たれたシュート数もわずか3本。90分を通して攻守に高い組織力を示した広島が首位・神戸を2-0で撃破した。
「今日の前半は非常に多くの攻撃のアクションから素晴らしい試合ができたと思っている。神戸は1位のチームだが、その相手に対して互角以上に戦えたのは素晴らしかった。監督としても満足できる試合だった」。スキッベ監督も納得の完勝ゲームとなった。

監督 試合後コメント

「今日の前半は非常に多くの攻撃のアクションから素晴らしい試合ができたと思っている。神戸は1位のチームだが、その相手に対して互角以上に戦えたのは素晴らしかった。また、今日は特に我々の3バックが素晴らしかったと思っている。ほぼすべての1対1の状況で勝てていた。本当にチーム全体が素晴らしいプレーをしたと思っているし、監督としても満足できる試合だった」

──今日は2得点ともクロスからだったが、ゴールシーンについて。
「2得点だけでなく、もっとクロスから良い形が作れていたし、入ってもおかしくないシーンが作れていた。何が大事かと言えば、自分たちのポテンシャルをフィールドで表現できるかどうか。そういった部分が非常に大事だと思っている。最初の笛が鳴ったら、すぐに自分たちのサッカーである相手を追い込むことができていた。そのため、良いサッカーができたと思っている」

──志知孝明選手が移籍後初ゴールとなったが?
「もっとやってほしいと思っている。その前にもチャンスがあったし、得点後にもチャンスがあった。そこは目をつぶるかな(笑)。ただ、(得点の)シュートはパーフェクトに捉えたと思う。ああいう身体能力が高く、速い選手は攻撃も守備もできると思っている。このまま続けてほしい」

──3試合連続クリーンシートとなったが、ゼロで抑えられている要因は?
「全員選手が揃ったのが一番大きい。塩谷(司)の長期離脱は苦しいものがあったし、彼がいないことでディフェンスラインが混乱した部分がある。彼が復調してきたことにより、ディフェンスライン、チーム全体が安定してきた。常にケガ人なくいければ、良いディフェンスラインは作れると思う」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

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