11.11 14:00

明治安田J1 第32節 vs. 北海道コンサドーレ札幌
AWAY札幌ドーム

試合終了

北海道コンサドーレ札幌 札幌
0
0
サンフレッチェ広島 広島
0
前半
0
0
後半
0

試合の見どころ

 3位奪取へ向けたラストスパートだ。前節・FC東京戦の勝利で順位を4位へ上げた広島と3位・浦和との勝点差はわずか「3」。今季はすでに優勝の道は途絶え、2位・横浜FMとは「9」の勝点差があることを考えると、広島の現実的なターゲットはこの“3位”となる。そのためには、「まずは札幌戦で3ポイントを取らないといけない」(ミヒャエル・スキッベ監督)。今季は残すところ3試合、浦和を捉え、同じ勝点で並ぶ4位・名古屋を突き放すためにも、広島は目の前の試合に勝ち続けるだけだ。
 今節はゲームとしても見どころの多い戦いとなるだろう。敵地で戦う相手は、ペトロヴィッチ監督率いる札幌。かつて指揮を執った広島だけでなく、Jリーグ界でもすっかりお馴染みとなっているように、“攻撃サッカー”を志向する指揮官が務める破壊力抜群のチームだ。順位はリーグ13位ながら、得点数53は横浜FM、神戸に次いで第3位。絶対的な点取り屋がいるわけではないが、就任6年目のペトロヴィッチ監督が根付かせたチーム全体で点を取りに行く流動的な攻撃スタイルはやはり脅威である。特に今季はどこからでも点を取れることを強みにしており、昨季まで広島に在籍していた浅野雄也の11得点を筆頭に、MFスパチョーク(7得点)、FW小柏剛(5得点)、DF田中駿汰(4得点)と続く。誰か一人を止めれば良いのではなく、チーム全体の攻撃に注意が必要となる。
 そんな相手に対し、スキッベ監督は「攻撃的なチーム同士、面白い戦いになる」とニヤリ。攻撃スタイルを志向するのは広島も同じこと。もちろん戦術は異なるが、前線からのアグレッシブな守備、果敢なサイド攻撃、スピーディーな攻めをベースにする広島も札幌の地で持ち味を存分に発揮する覚悟だ。ケガ人や体調不良者が続出した6月、7月の不調を乗り越え、8月から現在の秋にかけて6勝2分1敗と絶好調の広島。もう一つの大きな武器である“堅守”で札幌攻撃陣を確実に抑え込み、勢いが出てきた攻撃陣の力を生かして札幌撃破といきたいところだ。

監督 試合前日コメント

──選手たちの現状は?
「非常に良い状態にあると思っている」

──札幌の得点源は浅野雄也選手だが、彼を抑えるために必要なことは?
「高い位置でボールを奪いたいと思っている。前を向かせてドリブルさせない状況を作ること。相手がボールを受けた状況で奪いに行くことを考えている」

──先に点を取って、その後は相手が出てきたところをカウンターで突くのが理想か?
「札幌は最初からオフェンシブなので、あれ以上、オフェンシブになるかは分からない(笑)。ただ、リードするのは良いこと」

──札幌は58失点しており、守備が良いとは言えない。狙いどころは?
「失点が多いのはGKが原因ではないと思っている。前回のホームゲームで戦った菅野(孝憲)も良かったし、新しく入ってきた高木(駿)も良いGKだと思う。ただ、彼らの守り方として、1対1を全面でやってくる。そのため、スペースが多く出てくる。そこは突いていきたいと思うし、ボールを奪ったらすぐそこを突けるようにやっていきたい」

ゲームレポート

 スコアとは裏腹の密度の濃い一戦となった。
 前半の広島は苦戦した。相手陣地へボールを運んでも、最後の精度を欠いてシュートまで行けない展開が続くと、札幌のスピーディーかつ流動的な攻撃を受ける流れに。特に悪いボールの奪われ方をした際には、最終ラインを崩されてピンチを招くなど、全体的に苦しい内容となった。28分には、札幌の青木亮太に2度の決定的なシュートを打たれるも、「冷静に対応できた」とGK大迫敬介が見事な反応で立て続けにビッグセーブ。前半のシュート数をわずか1本に抑え込まれた広島は、最後の踏ん張りを見せて何とか0-0で前半を終えた。
「高いレベルのサッカーはできている。ただ、もっと自分たちのサッカーをやろう」
 ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督からそう活を入れられた広島の選手たち。すると、後半は両チームが序盤から打ち合う激しい攻防となった。立ち上がりに満田誠や加藤陸次樹らが果敢に札幌ゴールへ迫ってシュートを放てば、札幌も前半同様に青木や駒井善成、浅野雄也らを軸に攻めてきた。だが、この日はお互いの守備陣も集中を切らさず最後の局面では体を張って粘り強く対応。一進一退の攻防で試合は推移する中、札幌はスパチョークや小柏剛、広島はピエロス・ソティリウとお互いに攻撃の切り札を使ってゲームを動かしにかかる。互いに守りに入らない攻撃的なバトルは、終盤に突入してもオープンな展開が続いたが、最後まで堅い守備を崩すことができず。今季開幕戦と同じく、0-0の痛み分けに終わった。
「札幌とは今日で今季2試合目だが、どちらのゲームもお互いに攻め続けながらの0-0は非常に面白い戦いだったと思っている」(スキッベ監督)。今季は決着を付けることはできなかったが、2試合とも両チームが攻撃的な姿勢でぶつかりあう魅力的なスコアレスドローとなった。

監督 試合後コメント

「2チームともオフェンシブで魅力的なサッカーを繰り広げるチーム。今日はJリーグの中でも魅力的な良いゲームができたと思っている。普段から札幌は魅力的で良いサッカーをやると感じていた。今日の結果は引き分けだが、お互いに良い意味での引き分けだったと思う。前半は特に札幌が押していて、大迫がピンチを防ぐ場面があった。ただ、後半に関して言えば、我々がより多くチャンスを作っていたと思っている。最後のパスの精度がもう少し正確にできていたら、もっと確実なチャンスを作れたと思うが、今日の自分たちのパフォーマンスには全体的に満足している。札幌とは今日で今季2試合目だが、どちらのゲームもお互いに攻め続けながらの0-0は非常に面白い戦いだったと思っている」

──今日は前節・FC東京戦から数人メンバーを変えて臨んだ。山﨑大地選手を先発で起用したことと、東俊希選手を左サイドではなく、ボランチで起用した意図は?
「今日は我々の狙いとして速いサッカーをやりたいというのが根底にあった。山﨑に関して言えば、来季を踏まえた上で、今季もしっかり経験を積ませて、来季はもっとたくさんの役割をこなしてほしいという思いがあった。今日は二つ、三つのミスパスはあったが、彼のパフォーマンスには満足している部分はある。
 東については、ドウグラス・ヴィエイラが出場停止で、ピエロス・ソティリウがまだ完全に復調していないことから、中盤でダイナミックな選手を使いたかった。もしかしたら前半に二つほど、もっとゴールに向かって良いシーンはあったと思が、全体的には彼のパフォーマンスには満足している」

──前半は相手にはがされるシーンがずっと続いたが、後半はオープンな展開になった。前半をどう感じ、後半に向けて修正したのか?
「前半はプレスがハマらない部分はあった。後半は前から行くことができて解消された部分はあったが、札幌は非常に難しい相手。いろんなパスコースがあったり、プレスをかわす術をたくさん持っている。(前半うまくいかなかったのは)そこも挙げられると思う」

フォト

photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo photo 本日は広島からは遠い札幌での試合となりましたが、約500名もの方にお越しいただきました。
勝利を届けられませんでしたが、皆様の後押しが選手の力になりました。最後まで熱い声援、ありがとうございました。

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