11.25 14:00

明治安田J1 第33節 vs. ガンバ大阪
HOMEエディオンスタジアム広島

試合終了

サンフレッチェ広島 広島
3
0
ガンバ大阪 G大阪
2
前半
0
1
後半
0

試合の見どころ

 いよいよ「エディオンスタジアム広島」でのラストマッチを迎える。1993年に使用を始めてから31年。スタジアムと共に歴史を作ってきたサンフレッチェ広島としては、3度のJ1リーグ制覇や2度のJ2降格など、歓喜も悲劇も味わった多くの思い出が詰まった特別な場所だ。プロ入りから20年間すべて一緒に過ごしてきた青山敏弘も「実家のような場所」と表現する。Eスタでの最後の雄姿を見ようと3万人近い来場者が予想される一戦で、サンフレッチェは勝利での“旅立ち”を目指す。
 相手にも「不足はない」(ミヒャエル・スキッベ監督)。Eスタで最後に戦う相手は、2015年のチャンピオンシップで激闘を演じた関西の名門クラブ・G大阪。今季は序盤から低迷し、現在も降格圏の18位・横浜FCとは勝点差5の15位と苦しんでいるが、もともと地力のある強豪クラブだ。前線には鈴木武蔵、石毛秀樹、食野亮太郎、倉田秋、そして宇佐美貴史ら実績のある実力者が充実。守備陣に目を向けても、安定感抜群の元日本代表GK東口順昭や三浦弦太、韓国代表としての経験も豊富なクォン・ギョンウォンが揃う。ケガで外国籍助っ人のイッサム・ジェバリやファン・アラーノを欠いているのは痛手だろうが、それを補う選手層は備えており、現在の順位は参考にならない。直近ではリーグ戦8試合連続で勝利がなく、5連敗中と苦しみの渦中にいるからこそ、広島戦では残留まであと「1」に迫っている勝点を目指して、高いモチベーションで臨んでくるだろう。
 そんなG大阪を迎え撃つ広島は、「我々の一番良いサッカーを見せたい」(スキッベ監督)とEスタでの集大成を誓う。指揮官はこれまでのサンフレッチェでの実績や貢献度も踏まえ、ベテラン勢のメンバー入りを示唆。G大阪戦は若い勢いだけでなく、高い経験値も導入する“総合力”で勝利をもぎ取る覚悟だ。前節・札幌戦はわずかシュート6本に抑えられてスコアレスドロー。不発に終わったが、サンフレッチェの攻撃サッカーは、当然ながらそんなものではない。広島がこの試合で目指すものはただ一つ。「誰が点を決めても良い。勝利でエディオンスタジアム広島と良いお別れができるようにしたい」(スキッベ監督)。今季でプロ生活23年に終止符を打つ守護神・林卓人の花道を飾るためにも、勝利あるのみだ。

監督 試合前日コメント

──明日はエディオンスタジアム広島最終戦。長い間、プレーしてきた青山敏弘選手について。
「彼に対する不安はまったくないし、パフォーマンスも一番高い集中力で見せてくれると思う。明日は、ここまでの20年間、サンフレッチェでやってきた全部を見せてくれると思っている」

──エディオンスタジアム広島での最後の試合について。
「楽しみにしている。満員になるだろうし、その中で良い準備もできている。相手にも不足はない。明日は我々の一番良いサッカーを見せたいと思っている」

──相手のG大阪は直近の8試合で勝利がなく、5連敗中。残留も懸かっており厳しい状況だが、相手をどう見ているか?
「G大阪は厳しい状況にあるが、明日は明日で一つの試合。相手はそういう(残留争い)状況に追い込まれていることで、しっかりポイントを取りにくると思う。また、Jリーグ自体、どのチームも差がないのは分かっている。明日も面白い、良い試合になるのではないかと思っている」

ゲームレポート

 サンフレッチェ広島の本拠地として31年の歴史に終止符を打つ「エディオンスタジアム広島」の最終戦。ラストを見届けようと今季最多となる29,097人の観衆が集まった一戦で紫軍団が躍動した。
 スタンドを埋めるファン・サポーターの大声援を力に序盤から広島はG大阪を圧倒した。前への積極的な圧力で敵陣地で試合を進めると、いきなり試合を動かしたのは9分だった。自陣からの巧みなビルドアップで左サイドを綺麗に攻略すると、加藤陸次樹のクロスに頭で合わせたのは満田誠。今季4点目を突き刺して広島が先制に成功した。
 紫軍団はこれでさらに勢いに乗った。その後も攻撃の手を緩めることなくG大阪ゴールへ迫ると、先制から2分後だった。またも左サイドを崩すと、東俊希の鋭いストレート系のクロスをペナルティーエリア内へ入り込んだ右サイド・中野就斗がヘディングでネットを揺らして2-0。大卒ルーキーのリーグ初ゴールで早々にリードを広げた。
 これで試合はもう決まったようなものだった。2点差になった後もG大阪攻撃陣に自由を許すことなく相手を自陣へ釘付けにしてサッカーを展開。1トップのドウグラス・ヴィエイラを起点に攻撃を組み立て、エリア付近ではダブルボランチの青山敏弘、川村拓夢もチャンスがあれば積極的にミドルシュートを狙って行った。
「全体的に本当に良いゲームができている。ボールを早く動かす。奪われたらすぐにプレスをかけて奪い返す。このレベルをキープすること!」(ミヒャエル・スキッベ監督)
 見事な前半の内容に満足することなく、ハーフタイムに気を引き締め直して臨んだ後半も広島が力を示した。前半同様、青山を中心にボールを動かしながら得点機会をうかがうと、試合を決定付けるゴールが決まったのは53分だった。相手陣地での即時奪回から攻撃を展開すると、ペナルティーエリア内左寄りの位置から加藤がコントロールショットを突き刺して3-0。後半早々にリードを大きく広げた。
 その後は4点目こそ奪えなかったものの、広島は選手交代を入れながら落ち着いてゲームを進めた。83分には今季限りでの引退が決まっているGK林卓人を投入する粋な計らいも見せたスキッベ監督。Eスタでのラストマッチのために青山敏弘を先発起用した采配が的中したのに続き、林を送り出す最高の舞台を作り出した結果、広島は3-0で勝利した。
「『エディオンスタジアム広島』の最後に一番相応しい形で終われたのではないかと思っている」(スキッベ監督)。プロ20年間、Eスタと苦楽を共にしてきた青山への敬意を表したスタメン起用、そして林の引退セレモニーに花を添える途中出場など、最高の結果と内容を見せた最終戦となった。

監督 試合後コメント

「今日は自分たちが望んだとおりのスタートがきれたと思っている。高い位置からプレスに行けたし、ボールを持っている時も早くボールを動かすことができた。最初からより良いスタートがきれたので、90分全体をとおしても良い試合ができたと思っている。3点とも素晴らしいゴールだった。『エディオンスタジアム広島』の最後に一番相応しい形で終われたのではないかと思っている」

──林卓人選手がホームゲーム最後ということで、残り10分程度出場した。彼の引退について。
「今日の10分間も彼が今までやっていたような良いパフォーマンスだったと思っている。また、スタジアムの雰囲気を含めたすべてが彼の最後のプレー、最後のスタジアムにマッチしていた。現役のキャリアはここで終わるが、これからはコーチとしてサンフレッチェに残って後輩たちの指導に当たるということで、これから先もサンフレッチェのGKたちは心配がいらないのではないか」

──今日先発した青山敏弘選手も素晴らしいパフォーマンスだった。柴﨑晃誠選手と柏好文選手も含めて、彼ら3人がチームに与えた影響は?
「彼らベテランはまだまだ素晴らしいクオリティーを持っている。むしろ彼らとは8年ぐらい前に出会いたかったのが本音。一番良い状態の時に会いたかった。彼らは一番良いパフォーマンスというのをこのスタジアムで見せ続けてきたし、今でも見せられることが今日は証明できたのではないかと思っている」

──得点シーンはすべて素晴らしいコンビネーションからだった。満田誠選手、加藤陸次樹選手、川村拓夢選手などが躍動してのゴールだったが、若い選手について。
「今日は若手選手も躍動し、素晴らしい若々しいプレーをしたと思っている。それと同時にドウグラス(・ヴィエイラ)や佐々木翔、塩谷司などのパフォーマンスも同じぐらい素晴らしかった。我々のチームは年齢のミックスがうまくいっている証明にもなったし、年齢にあった良さを全選手が出せた良い試合だったと思っている」

──今日はベテラン勢を送り出せる舞台が整ったから、GK林卓人選手を出場させることができたのか?
「(出場させる)保障ができなかったのは本音。監督として一番重要なポイントはその試合で成功することだと思っている。今日は良い形でセレブレートできたが、数試合前に(中島)洋太朗をデビューさせようと思った時は、うまくいかなかった」

フォト

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PLAYER OF THE MATCH

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