試合の見どころ
このまま“総力戦”で突き進むのみだ。ただでさえケガ人が続出している苦しいチーム事情の中、先週にはさらにエゼキエウ、茶島雄介、荒木隼人が離脱。広島としては万全とは言い難い状況が続いているが、前節・湘南戦では高い組織力を発揮してきた相手をチーム全体で粘り強く攻略して2-0の勝利。リーグ戦7試合を終えて4勝3分と無敗をキープし、首位・町田に勝点差1で迫る2位につけているのは、ケガ人続出の状態を考えれば上々の出来だ。「誰が出ても問題ない」とミヒャエル・スキッベ監督もチーム力に自信を見せており、今後も全員の力で勝点を積み上げていくことになる。
約1年ぶりとなるリーグ3連勝を狙う今節、またも一筋縄ではいかない相手との戦いだ。「難しい戦いになるのは間違いない」とスキッベ監督も警戒するのは、堅守・福岡。ここまで2勝3分2敗の12位と中位に位置しているが、就任5年目を迎えた長谷部茂利監督のサッカーが熟成された手強いチームだ。システムは広島と同じ[3-4-2-1]。今季もスタイルの柱となっているのは、全員が高い強度で襲い掛かってくる守備であり、失点数6はリーグ5位タイと今季も安定している。ドウグラス・グローリら高さのある3バックの強さやダブルボランチのハードな守備もそうだが、岩崎悠人、紺野和也という攻撃力の高い2シャドーも前線から激しくプレスを敢行するシーンが特長的だ。反対にポゼッション率40%はリーグで最も少なく、得点数5もリーグで2番目に少ない数字だが、そのぶん、守備に力を注いで徹底して戦ってくるのが福岡というチームである。そしてボールを奪えば、1トップに位置するシャハブ・ザヘディの強さを生かしてロングボールを送り込み、そこに絡む岩崎や紺野を生かしたスピードのあるショートカウンターは敵にとってまさに脅威。ゲーム中にポゼッション率で福岡を上回っていたとしても、常に気を抜くことはできない。
勝利のポイントは、“肉弾戦”を制してゴールを奪えるかだ。福岡と対戦した前節の名古屋もそうだったが、システムが噛み合うチーム同士とあって、試合は至るところでバトルが繰り広げられる激しい局地戦になるだろう。その攻防で負けず、ハードなプレスをかいくぐり、いかにゴール前へボールを運んでいけるか。熱いプレーと流動的なコンビネーション、この二つで福岡を上回っていきたいところだ。
約1年ぶりとなるリーグ3連勝を狙う今節、またも一筋縄ではいかない相手との戦いだ。「難しい戦いになるのは間違いない」とスキッベ監督も警戒するのは、堅守・福岡。ここまで2勝3分2敗の12位と中位に位置しているが、就任5年目を迎えた長谷部茂利監督のサッカーが熟成された手強いチームだ。システムは広島と同じ[3-4-2-1]。今季もスタイルの柱となっているのは、全員が高い強度で襲い掛かってくる守備であり、失点数6はリーグ5位タイと今季も安定している。ドウグラス・グローリら高さのある3バックの強さやダブルボランチのハードな守備もそうだが、岩崎悠人、紺野和也という攻撃力の高い2シャドーも前線から激しくプレスを敢行するシーンが特長的だ。反対にポゼッション率40%はリーグで最も少なく、得点数5もリーグで2番目に少ない数字だが、そのぶん、守備に力を注いで徹底して戦ってくるのが福岡というチームである。そしてボールを奪えば、1トップに位置するシャハブ・ザヘディの強さを生かしてロングボールを送り込み、そこに絡む岩崎や紺野を生かしたスピードのあるショートカウンターは敵にとってまさに脅威。ゲーム中にポゼッション率で福岡を上回っていたとしても、常に気を抜くことはできない。
勝利のポイントは、“肉弾戦”を制してゴールを奪えるかだ。福岡と対戦した前節の名古屋もそうだったが、システムが噛み合うチーム同士とあって、試合は至るところでバトルが繰り広げられる激しい局地戦になるだろう。その攻防で負けず、ハードなプレスをかいくぐり、いかにゴール前へボールを運んでいけるか。熱いプレーと流動的なコンビネーション、この二つで福岡を上回っていきたいところだ。
監督 試合前日コメント
──福岡について、今季と昨季の違いを感じますか?
「昨年と大枠は変わっていないと思っています。相手の肝になっているのは、コンパクトな陣形に立つこと。そこを今年も忠実にやっている印象があります。昨年も前線のコンビネーションが見れた部分がありましたし、後ろはしっかり守って前に速く攻撃する大枠は変わっていないと思います」
──ドウグラス・グローリ選手が復帰してから、2試合で無失点です。守備の堅さが戻っていますが、そこをどう崩していきますか?
「ボールを早く動かしてスペースを作り、そこを突いて行くことは、いつもどおり変わらずにやっていくことが大事だと思います。これまでの対戦でも、最後の最後で点を取るという難しい試合を福岡相手にずっとしてきています。焦れずに我慢強くボールを動かしながら、やっていくことが大事だと思います」
──監督が就任してからリーグ戦では福岡に対して4連勝中です。相性の良さは感じますか?
「そのまま行けば良いなと思います(笑)。ただ、今年の福岡はフィジカルの優れた大きいFWがいますし、ドリブルができる速い選手もいます。そして後ろは今までどおり強いディフェンスが残っています。面白い試合になると思っていますし、少なくとも勝点1は持って帰りたいと思っています」
──出場するかどうかは分かりませんが、ナッシム・ベン・カリファ選手との再会も楽しみですね。
「メンバーに入ってくるかは分かりませんが、プレシーズンの時には活躍していたみたいですね。そこからケガをしてしまって、シーズンはまだ1試合も出場していませんが、その時はすごく調子が良かったみたいなので、明日は出てこないほうが私たちにとっては良いかなと思います(笑)。ただ、会えるのは楽しみにしています」
「昨年と大枠は変わっていないと思っています。相手の肝になっているのは、コンパクトな陣形に立つこと。そこを今年も忠実にやっている印象があります。昨年も前線のコンビネーションが見れた部分がありましたし、後ろはしっかり守って前に速く攻撃する大枠は変わっていないと思います」
──ドウグラス・グローリ選手が復帰してから、2試合で無失点です。守備の堅さが戻っていますが、そこをどう崩していきますか?
「ボールを早く動かしてスペースを作り、そこを突いて行くことは、いつもどおり変わらずにやっていくことが大事だと思います。これまでの対戦でも、最後の最後で点を取るという難しい試合を福岡相手にずっとしてきています。焦れずに我慢強くボールを動かしながら、やっていくことが大事だと思います」
──監督が就任してからリーグ戦では福岡に対して4連勝中です。相性の良さは感じますか?
「そのまま行けば良いなと思います(笑)。ただ、今年の福岡はフィジカルの優れた大きいFWがいますし、ドリブルができる速い選手もいます。そして後ろは今までどおり強いディフェンスが残っています。面白い試合になると思っていますし、少なくとも勝点1は持って帰りたいと思っています」
──出場するかどうかは分かりませんが、ナッシム・ベン・カリファ選手との再会も楽しみですね。
「メンバーに入ってくるかは分かりませんが、プレシーズンの時には活躍していたみたいですね。そこからケガをしてしまって、シーズンはまだ1試合も出場していませんが、その時はすごく調子が良かったみたいなので、明日は出てこないほうが私たちにとっては良いかなと思います(笑)。ただ、会えるのは楽しみにしています」
ゲームレポート
どちらも譲らぬ激しい一戦となった。
「今日は“闘った”試合だったと思います」。試合後、ミヒャエル・スキッベ監督がそう振り替えたように、試合は序盤からバチバチのバトルを展開。その中で広島は次第に相手の勢いに押されることになり、1トップに入った推進力のあるFWシャハブ・ザヘディのパワーやサイド攻撃をメインに攻めてきた福岡の圧力を受けると、立て続けにピンチを招く。10分、そのシャハブにペナルティーエリア付近から強烈なシュートを打たれれば、11分には左サイドを崩されてクロスを送り込まれると、逆サイドにいた前嶋洋太の鋭いシュートが広島ゴールを襲った。どちらもGK大迫敬介のセーブで凌いだが、持ちこたえられなかったのは22分だった。再び左サイドを崩されると、湯澤聖人のクロスをシャハブに合わせられて失点。悪い時間帯でリードを許してしまった。
だが、広島はここから反撃に出る。持ち味のパスワークを生かしてすぐに福岡ゴールへ襲い掛かると、理想的な時間帯でゴールを奪う。失点から4分後の26分、右サイドでCKを獲得すると、満田誠のキックに頭で合わせたのは佐々木翔。頼れるキャプテンの強烈なヘディングシュートが決まって早くも同点に追い付いた。
その後はボールを早く動かしながらリズムよく試合を進めた広島が主導権を握る展開となったが、逆転まではいけずに前半は終了。「守る部分でしっかり体を張れている。素晴らしい。後半も早くボールを動かして相手のプレスを剥がしていくこと」。ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督からそう指示を受けた広島の選手たちは、勝ち越しを目指して後半のピッチへ向かった。
残り45分も得点の匂いが漂っていたのは広島だった。51分にシャハブに決定的なシュートを打たれた場面はヒヤッとしたが、それ以外の時間帯ではほぼ相手陣地でサッカーを展開。武器である左右からのサイド攻撃やコンビネーションを使って堅守・福岡の攻略に取り掛かった。さらに相手の厳しい守備にあい、ゴール前でのセットプレーも何度も獲得して福岡ゴールへ迫り続けたが、結局、この日は最後の局面で崩すことができず。今季初の3連勝を目指した広島だったが、1-1のドローに終わった。
「今日は“闘った”試合だったと思います」。試合後、ミヒャエル・スキッベ監督がそう振り替えたように、試合は序盤からバチバチのバトルを展開。その中で広島は次第に相手の勢いに押されることになり、1トップに入った推進力のあるFWシャハブ・ザヘディのパワーやサイド攻撃をメインに攻めてきた福岡の圧力を受けると、立て続けにピンチを招く。10分、そのシャハブにペナルティーエリア付近から強烈なシュートを打たれれば、11分には左サイドを崩されてクロスを送り込まれると、逆サイドにいた前嶋洋太の鋭いシュートが広島ゴールを襲った。どちらもGK大迫敬介のセーブで凌いだが、持ちこたえられなかったのは22分だった。再び左サイドを崩されると、湯澤聖人のクロスをシャハブに合わせられて失点。悪い時間帯でリードを許してしまった。
だが、広島はここから反撃に出る。持ち味のパスワークを生かしてすぐに福岡ゴールへ襲い掛かると、理想的な時間帯でゴールを奪う。失点から4分後の26分、右サイドでCKを獲得すると、満田誠のキックに頭で合わせたのは佐々木翔。頼れるキャプテンの強烈なヘディングシュートが決まって早くも同点に追い付いた。
その後はボールを早く動かしながらリズムよく試合を進めた広島が主導権を握る展開となったが、逆転まではいけずに前半は終了。「守る部分でしっかり体を張れている。素晴らしい。後半も早くボールを動かして相手のプレスを剥がしていくこと」。ハーフタイム、ミヒャエル・スキッベ監督からそう指示を受けた広島の選手たちは、勝ち越しを目指して後半のピッチへ向かった。
残り45分も得点の匂いが漂っていたのは広島だった。51分にシャハブに決定的なシュートを打たれた場面はヒヤッとしたが、それ以外の時間帯ではほぼ相手陣地でサッカーを展開。武器である左右からのサイド攻撃やコンビネーションを使って堅守・福岡の攻略に取り掛かった。さらに相手の厳しい守備にあい、ゴール前でのセットプレーも何度も獲得して福岡ゴールへ迫り続けたが、結局、この日は最後の局面で崩すことができず。今季初の3連勝を目指した広島だったが、1-1のドローに終わった。
監督 試合後コメント
「今日は“闘った”試合だったと思います。フィジカルが強く、ファウルをいとわない相手で、非常に“闘った”試合でした。そのため、早くボールを動かして裏を取ることは少なかったと思います。むしろ今日はそういうところよりも早くクロスを上げる展開が多かった。また、福岡にも良い形を作られたところはありました。相手の右サイドの早い攻撃から、フィジカルを生かしたストライカーに危険なシーンを作られました。後半の始まりのポストに当たったシーンなど、自分たちがもう少しアンラッキーであれば負けていたかもしれません。ただ、後半の内容を見れば勝っていてもおかしくなかったと思っています。今日は1-1という結果でしたけれども、自分たち、相手にとっても良い結果で終わったのではないかと思っています」
──特に前半は相手の右サイドの攻撃は脅威だったと思いますし、FWのシャハブ・ザヘディ選手も素晴らしい選手でした。その攻撃に対してどのように修正して後半に臨んだのでしょうか?
「相手よりも自分たちの強みである早くボールを動かすことをやっていこうと。それはうまくいったと思います。ただ、後半の頭に前半と同じようなピンチを迎えました。
我々に目を向ければ、相手がやっていたように、前線のドウグラス(・ヴィエイラ)やピエロス(・ソティリウ)といったフィジカルの強い体の大きな選手がいたら、もう少しラクな展開になっていたと思います。離脱している選手たちも来週、再来週になってくれば戻ってくる目途が立っている選手もたくさんいますし、そうなるとクオリティーも上がると思います。ただ、今日の選手たちが見せてくれたパフォーマンスは素晴らしかったと思っていますし、現状でも強いチームができている感触があります」
──今季初めてCKから得点が取れました。その立役者は佐々木翔選手ですが、攻守における彼の働きについて。
「このチームの最高のキャプテンで、最高の選手だと思います」
──前半に先制しながらもすぐに追い付いたことへの評価をお願いします。
「点差に関係なく前でサッカーをするのは変わりません。ただ、0-1になった時点で乱れることなく、前から行く自分たちの魅力的なサッカーをやろうと続けられたことは良かったです。今日の我々はセットプレーがうまくいっていたと思います。福岡はヘディングの強い選手が多く揃っているチームですが、その中でも何個も良いチャンスが作れていました。その後にウェリントンというさらにヘディングの強い選手が出てきても、良いセットプレーがあったのは良かったと思っています。今日の試合はどちらもクロスからのゴールでしたが、やはりクロスの質は非常に重要なポイントだと思います。そこがゴールできるか、できないかを決定づける。それぐらい重要だと思っています」
──特に前半は相手の右サイドの攻撃は脅威だったと思いますし、FWのシャハブ・ザヘディ選手も素晴らしい選手でした。その攻撃に対してどのように修正して後半に臨んだのでしょうか?
「相手よりも自分たちの強みである早くボールを動かすことをやっていこうと。それはうまくいったと思います。ただ、後半の頭に前半と同じようなピンチを迎えました。
我々に目を向ければ、相手がやっていたように、前線のドウグラス(・ヴィエイラ)やピエロス(・ソティリウ)といったフィジカルの強い体の大きな選手がいたら、もう少しラクな展開になっていたと思います。離脱している選手たちも来週、再来週になってくれば戻ってくる目途が立っている選手もたくさんいますし、そうなるとクオリティーも上がると思います。ただ、今日の選手たちが見せてくれたパフォーマンスは素晴らしかったと思っていますし、現状でも強いチームができている感触があります」
──今季初めてCKから得点が取れました。その立役者は佐々木翔選手ですが、攻守における彼の働きについて。
「このチームの最高のキャプテンで、最高の選手だと思います」
──前半に先制しながらもすぐに追い付いたことへの評価をお願いします。
「点差に関係なく前でサッカーをするのは変わりません。ただ、0-1になった時点で乱れることなく、前から行く自分たちの魅力的なサッカーをやろうと続けられたことは良かったです。今日の我々はセットプレーがうまくいっていたと思います。福岡はヘディングの強い選手が多く揃っているチームですが、その中でも何個も良いチャンスが作れていました。その後にウェリントンというさらにヘディングの強い選手が出てきても、良いセットプレーがあったのは良かったと思っています。今日の試合はどちらもクロスからのゴールでしたが、やはりクロスの質は非常に重要なポイントだと思います。そこがゴールできるか、できないかを決定づける。それぐらい重要だと思っています」
フォト
本日は福岡での試合となりましたが、約2,300名もの方にお越しいただきました。相手に負けない力強い声援は選手の大きな力になりました。最後まで熱い後押しありがとうございました!